ホテルでの感染リスクを考えるうえで、まず確認したいのが国内の感染状況だ。
厚生労働省が2026年10月30日に公表した新型コロナウイルス感染症の発生状況によると、2026年第43週(10月19日~25日)の全国の定点当たり報告数は0.83人だった。
同じ週の報告総数は3,109人。前年同期は定点当たり2.25人、報告総数8,665人だった。直近5週間の推移も次のようになっている。
- 9月21日~27日:1.25人
- 9月28日~10月4日:1.51人
- 10月5日~11日:1.44人
- 10月12日~18日:0.89人
- 10月19日~25日:0.83人
直近では減少傾向が見られる。ただし、これは定点医療機関からの報告に基づく数値であり、国内の実際の感染者総数ではない。また、2025年4月以降は急性呼吸器感染症サーベイランスの開始に伴い定点数が変更されているため、前年との単純比較には注意が必要だ。
新型コロナは2023年5月8日に5類へ移行厚生労働省は2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症を感染症法上の5類感染症に変更した。
これにより、行政による一律の行動制限や基本的感染対策の要請を中心とする仕組みから、個人と事業者が状況に応じて判断する方式へ移行している。
2026年時点でも、基本的な考え方は次のとおりだ。
- マスク着用は個人の判断が基本。
- 手洗いや手指消毒は引き続き有効。
- 換気や人との距離の確保は感染予防に役立つ。
- 高齢者など重症化リスクの高い人は、流行期に換気の悪い場所や混雑した場所を避けることが有効。
つまり、ホテルが以前のような一律の感染対策を実施していなくても、それだけで感染対策が不十分とは判断できない。重要なのは、施設の換気設備や清掃状況、利用者の混雑状況などを総合的に見ることだ。
ホテル宿泊に関する感染者数は公表されている?ここで注意したいのが、全国の感染状況とホテル固有の感染状況は別の情報だという点である。
厚生労働省の定点報告は、医療機関で把握された感染動向を示すものであり、ホテルの客室や朝食会場で何人が感染したかを示す統計ではない。
したがって、2026年の全国的な感染状況が落ち着いているからといって、すべてのホテルで感染リスクが低いと断定することはできない。
旅行先の地域で感染者が増えている場合や、重症化リスクの高い家族と旅行する場合は、宿泊施設の換気・混雑対策をより慎重に確認したい。
【客室は安全?】ホテルの換気・エアコン・清掃で注意したいポイント

ホテルの客室は、宿泊中に最も長い時間を過ごす場所だ。
他の宿泊客と直接接触する機会が少ないため、共用施設より安心感を持つ人もいる。しかし、客室の感染リスクを考える際には、空気の入れ替わりと空調設備の仕組みを理解しておく必要がある。
エアコンをつけていても換気できているとは限らないホテルのエアコンについて、よくある誤解が「冷暖房をつけていれば換気もできている」というものだ。
一般的な壁掛け式エアコンは、室内の空気を吸い込んで温度を調節し、再び室内に送り出す仕組みであり、外気を取り込む換気機能とは異なる。
ホテルの設備は施設ごとに違い、外気導入を行う換気設備と空調設備を組み合わせている場合もある。
WHOの宿泊施設向けQ&Aでは、空気の再循環を行う空調設備について、可能な場合は再循環を避け、外気との交換を増やすことが感染予防上重要と説明している。
そのため、宿泊先を選ぶときは次の点を確認したい。
- 客室に窓があり、開閉できるか。
- 24時間換気などの機械換気設備があるか。
- 空調設備が外気を取り込む方式か。
- 空気清浄機の貸し出しに対応しているか。
窓が開かない客室でも、適切な機械換気が行われていれば利用できる。窓の有無だけでホテルの安全性を決める必要はない。
客室の換気で実践したいことチェックイン後、まず確認したいのは換気設備の稼働状況だ。
窓を開けられる場合は、外気温や周囲の環境を考慮しながら空気を入れ替える。窓が一つしかない場合は、換気扇などを活用し、空気が外へ排出される流れを意識する。
ただし、窓を開けることだけが正解ではない。外気温が高い日や寒い日は、熱中症や体調悪化にも注意しなければならない。
厚生労働省も、室内の温度に配慮しながら換気を行うことを案内している。
特に気をつけたいのは、空気が動いているように感じることと、実際に外気と交換されていることは別だという点だ。
前の宿泊者から感染する可能性は?客室の清掃については、「前の宿泊者が感染者だったら、次に泊まる人も感染するのでは」と不安に感じる人もいる。
新型コロナウイルスは、感染者が排出したウイルスを含む粒子を吸い込むことなどで感染する。物の表面を介した接触感染もあるが、換気の悪い空間で感染性粒子を吸い込むリスクも重視する必要がある。
WHOの宿泊施設向けQ&A(2020年8月26日公表、現在は更新終了)では、宿泊者が入れ替わる際に適切な清掃・消毒・換気を行う手順があれば、次の宿泊者が入室する前に客室を長時間空室にしておく必要はないとしている。
つまり、前の宿泊者がいたという事実だけで、客室の利用を危険視する必要はない。清掃と換気の実施状況を確認することが合理的だ。
客室で特に清潔に保ちたい場所ドアノブ、リモコン、照明スイッチ、洗面台の蛇口などは、複数の人が触れる機会がある。
気になる場合は、備え付けの清掃用品や持参した除菌シートなどを適切に使用し、手洗いを行うとよい。
ただし、客室内のあらゆる場所を何度も消毒することよりも、手洗いと換気を継続する方が合理的だ。
【場所別に徹底比較】エレベーター・ロビー・朝食ビュッフェ・大浴場の感染リスク
ホテルの感染リスクは、場所によって性質が異なる。
共通して注意したいのは、感染者との距離、室内の換気、滞在時間、会話や呼吸によって放出される粒子の量だ。
| ホテル内の場所 | 注意したい感染要因 | 実践したい対策 |
|---|---|---|
| エレベーター | 狭い空間での近距離接触、換気状況 | 混雑時を避ける、マスクを着用する |
| ロビー | 人の密集、長時間の待機 | 人の少ない場所で待つ、滞在を短くする |
| 朝食ビュッフェ | 食事中のマスクを外した会話、共有トング | 空いている時間に利用、使用前に手指衛生 |
| 大浴場 | 脱衣所や休憩スペースの混雑 | 利用時間をずらす、長時間の滞在を避ける |
| サウナ | 密集、換気不足、近距離での呼吸 | 混雑時を避け、施設の換気状況を確認 |
エレベーターは、ホテル内で不特定多数の人と近距離になる場所の一つだ。
乗車時間は短くても、満員に近い状態では他人との距離を確保しにくい。特に、同乗者が会話やせきをしている場合には注意したい。
対策としては、次のような方法がある。
- 混雑している場合は次のエレベーターを待つ。
- 可能なら階段を利用する。
- 乗車中は不織布マスクを着用する。
- 降車後、必要に応じて手指を洗浄・消毒する。
ボタンに触れたことだけで感染すると考えて過度に恐れる必要はない。手指衛生と近距離での呼吸器粒子への曝露を減らすことを優先したい。
ロビーは滞在時間と混雑状況がポイントロビーは、チェックインやチェックアウト、待ち合わせなどで人が集まりやすい。
広い空間であっても、空気の入れ替わりが不十分で、人が長時間集まれば感染リスクは高まる可能性がある。
特に注意したいのは、団体旅行の到着時間やチェックアウトが集中する時間帯だ。
人が密集している場所で長時間待つことを避け、空いている座席や換気のよい場所を選ぶとよい。
朝食ビュッフェは食べ物より会場環境に注目朝食ビュッフェは、ホテルの宿泊中でも注意したい場面の一つだ。
料理を取りに行くために何度も移動し、ほかの宿泊客とすれ違う。加えて、食事中はマスクを外すため、近くの人との会話や呼吸による粒子の放出にも注意が必要になる。
ここで重要なのは、食べ物そのものと食事会場の感染リスクを区別することだ。
WHOの宿泊施設向け情報では、食品そのものを介した感染よりも、ビュッフェでの近距離接触や共用器具、複数人が触れる場所を問題として取り上げている。
一方、日本の厚生労働省が示す5類移行後の対応では、ビュッフェで共用トングを使う場合、使用前に手指消毒を行うことが例示されている。使い捨て手袋の着用は一律に求められていない。
朝食会場では次の対策を意識したい。
- 混雑する時間帯を避ける。
- 料理を取りに行く前に手指を消毒する。
- 料理を取るときは会話を控える。
- 食事中は近くの人と距離を取れる席を選ぶ。
- 食事が終わったら長時間滞在しない。
朝食付きプランを選ぶ場合、客室で食べられるテイクアウト形式や、時間指定制を導入しているホテルも選択肢になる。
大浴場は浴槽より脱衣所や休憩スペースに注目大浴場では、マスクを着用しにくいこともあり、不安を感じる人がいる。
しかし、注意したいのは浴槽の湯だけではない。脱衣所、洗い場、休憩スペースなど、ほかの宿泊客と同じ空間を共有する場面も重要だ。
特に、脱衣所が狭く、利用者が集中する時間帯は、人との距離が近くなりやすい。
おすすめの対策は以下のとおり。
- 利用者の少ない時間帯を選ぶ。
- 脱衣所で長時間過ごさない。
- 休憩スペースの混雑を避ける。
- タオルや飲み物を共有しない。
- 利用前後に手を洗う。
WHOの宿泊施設向け情報でも、プールやスパ、サウナなどの利用について、利用人数の管理、手洗い設備、タオルの適切な管理、接触頻度の高い場所の清掃などが挙げられている。ただし、これは2020年公表の更新終了ページに記載された参考情報であり、2026年の日本国内の一律の利用基準ではない。
サウナは高温だから感染しない?サウナについても誤解がある。
高温の環境だからといって、施設内での呼吸器感染が完全に防げるわけではない。室温の高さを感染予防の保証として考えるべきではない。
特に、利用者が密集するサウナ室や換気が十分でない休憩スペースでは注意したい。
マスクを着用しにくい施設だからこそ、空いている時間を選び、利用者同士の距離を確保することが現実的な対策になる。
【感染経路を正しく理解】エアロゾル感染・飛沫感染・接触感染の違い
ホテルでの感染リスクを判断するには、新型コロナウイルスの主な感染経路を知っておく必要がある。
厚生労働省が示している主な感染経路は、エアロゾル感染、飛沫感染、接触感染の3つだ。
エアロゾル感染:換気が重要になる理由エアロゾルとは、感染者の呼吸や会話、せきなどによって空気中に放出される微細な粒子を含むものだ。
換気が悪い室内では、こうした粒子が空気中に滞留する可能性がある。
WHOも、換気が不十分で混雑した室内に長時間滞在することが感染リスクを高める要因になると説明している。
ホテルでは、次の場所が注意対象になる。
- 換気が十分でない客室。
- 混雑したエレベーター。
- 人が長時間滞在するロビー。
- 利用者が多い朝食会場。
- 換気が不十分な浴場やサウナ。
重要なのは、感染者が目の前にいるかどうかだけではない。空気が入れ替わりにくい空間に長時間いることも考慮する必要がある。
飛沫感染:近距離での会話を避ける飛沫感染は、感染者がせきやくしゃみ、会話などをしたときに放出する粒子が、近くの人の目・鼻・口などに到達することで起こる。
ホテルでは、フロントでの手続き、エレベーターでの会話、朝食会場での会話などが注意したい場面だ。
特に、食事中や入浴中などマスクを着用できない場面では、近距離での会話を控えることが対策になる。
接触感染:手指衛生を忘れない接触感染は、ウイルスが付着した物や場所に触れた手で、自分の目・鼻・口などに触れることで起こる。
ホテル内では、次のような場所が該当する。
- エレベーターの操作ボタン。
- ドアノブや手すり。
- リモコンや照明スイッチ。
- 朝食ビュッフェのトング。
- 共用施設の備品。
ただし、接触感染だけを過度に警戒する必要はない。手洗いや手指消毒を行い、手で顔を触る機会を減らすことが基本になる。
ホテルの感染対策を見るときも、消毒液が何か所に設置されているかだけでなく、空気環境と人の密集状況を合わせて確認したい。
【宿泊前・滞在中・帰宅後】ホテルでできるコロナ予防策
ホテルの感染対策は、宿泊中だけで完結するものではない。
予約前に施設の対応を確認し、旅行当日は体調に注意し、帰宅後も必要に応じて健康状態を確認することが大切だ。
予約前にホテルへ確認したい5項目宿泊先を選ぶときは、料金や立地だけでなく、次の点も確認しておきたい。
1. 客室の換気設備はどのような方式か。
2. 客室の窓は開閉できるか。
3. 朝食会場の混雑を避けられる時間帯はあるか。
4. 大浴場やサウナの混雑状況を確認できるか。
5. 体調不良になった際の相談・対応体制は整っているか。
すべての質問に詳細な回答を得られるとは限らないが、施設の感染対策について具体的に説明できるかどうかは、宿泊先を判断する材料になる。
宿泊当日に実践したい対策ホテルに到着したら、次のことを意識するとよい。
- チェックイン時に人が多ければ、少し時間をずらす。
- 客室では換気設備を確認する。
- 共用スペースでは混雑を避ける。
- 不織布マスクを必要に応じて使用する。
- 食事の前後や共用設備の利用後に手洗いをする。
- 体調に異変があれば無理に外出しない。
特に高齢者や基礎疾患のある人は、流行状況に応じて混雑した場所や換気の悪い場所を避けることを優先したい。
宿泊中に発熱やせきが出た場合旅行中に発熱やせき、喉の痛み、倦怠感などが出た場合は、無理に観光や食事を続けないことが大切だ。
まずホテルのフロントや施設責任者に連絡し、対応方法を相談する。
ほかの宿泊客への感染を防ぐため、共用施設の利用を控え、必要に応じてマスクを着用する。医療機関への相談も検討したい。
厚生労働省は、感染した場合について、発症日を0日目として特に5日間は外出を控えることを推奨している。5日目にも症状が続いている場合は、症状が軽快してから24時間程度経過するまで外出を控えることが望ましい。
また、発症後10日間はウイルスを排出する可能性があるため、不織布マスクの着用や高齢者など重症化リスクの高い人との接触を控える配慮が案内されている。
これは法律による一律の外出禁止ではなく、周囲への感染を防ぐための推奨事項だ。
帰宅後に気をつけたいこと帰宅後は、自分自身の体調を確認する。
発熱やせき、喉の違和感などが出た場合は、必要に応じて国が承認した抗原検査キットなどを活用し、医療機関への相談を検討する。
高齢者や基礎疾患のある家族と同居している場合は、体調不良時の接触を減らし、換気や手洗いを心がけたい。
なお、ホテルに宿泊したという理由だけで、症状がない人が一律に隔離したり、特別な消毒を繰り返したりする必要はない。
【プロの結論】感染リスクが低いホテルを選ぶための判断基準
ホテルのコロナ感染リスクを考えるとき、最も大切なのは「消毒を徹底しているホテルか」という一つの基準だけで判断しないことだ。
新型コロナウイルスの感染経路を踏まえると、空気環境、混雑、滞在時間、近距離での会話という複数の要因を組み合わせて評価する必要がある。
感染対策を重視する人に向いているホテル次の条件がそろっている施設は、感染リスクを抑える観点から選びやすい。
- 客室や共用スペースの換気設備が適切に管理されている。
- 朝食会場の利用時間を調整できる。
- 大浴場やサウナの混雑状況を確認できる。
- 客室清掃と宿泊者の入れ替え時の換気が適切に行われている。
- 体調不良時に相談できるスタッフや対応手順がある。
反対に、換気状況が分からず、共用施設が常に混雑しているうえ、利用時間の調整も難しい施設は、感染リスクをできるだけ抑えたい人には向きにくい。
よくある誤解と実際の考え方| よくある誤解 | 実際の考え方 |
|---|---|
| ホテルのエアコンをつければ換気できる | 冷暖房と外気導入は別の機能 |
| 前の宿泊者が感染者なら危険 | 清掃・消毒・換気が適切なら、過度に心配する必要はない |
| 消毒を頻繁にすれば十分 | 空気環境や混雑への対策も必要 |
| サウナは高温だから感染しない | 高温を感染予防の保証として考えてはいけない |
| 5類になったので対策は不要 | 個人や事業者の判断で基本的な対策を続けることができる |
特に重要なのは、ホテルの感染リスクは施設のランクや宿泊料金だけでは判断できないという点だ。
高級ホテルでも、朝食会場が混雑していたり、換気が不十分な共用スペースに長時間滞在したりすれば、感染リスクは高まる可能性がある。
一方、ビジネスホテルや比較的リーズナブルな宿泊施設でも、換気や清掃が適切で、混雑を避けやすい環境なら、安心して利用するための条件を整えられる。
【ホテルのコロナ感染リスク】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ホテルの客室で新型コロナに感染する可能性はありますか?
ホテルの客室でも感染する可能性はある。特に、感染者と同じ空間に長時間滞在する場合や、換気が不十分な場合は注意が必要だ。一方、宿泊者の入れ替え時に適切な清掃・換気が実施されていれば、前の宿泊者がいたという理由だけで過度に心配する必要はない。
Q2:ホテルのエアコンをつけっぱなしにすると感染リスクが高まりますか?
エアコンの種類による。一般的な壁掛け式エアコンは室内の空気を循環させる機能が中心で、外気を取り込む換気設備とは異なる。エアコンを使用しながら、適切な機械換気や窓開け換気を組み合わせることが大切だ。
Q3:朝食ビュッフェは利用しない方がよいですか?
必ずしも利用を避ける必要はない。混雑を避け、料理を取りに行く前に手指消毒を行い、食事中の近距離での会話を控えるとよい。感染を特に避けたい人は、客室での食事や時間指定制の朝食も検討したい。
Q4:大浴場やサウナは新型コロナに感染しやすい場所ですか?
利用者の密集度や換気状況によってリスクは変わる。浴槽だけでなく、脱衣所や休憩スペース、サウナ室などの空気環境にも注意したい。利用者の少ない時間帯を選ぶことが現実的な対策になる。
Q5:2026年現在、ホテルではマスクを着用する必要がありますか?
政府の基本方針ではマスク着用は個人の判断が基本となっている。ただし、感染が流行している時期や混雑した場所、高齢者など重症化リスクの高い人と接する場面では、マスクの着用が有効だ。
Q6:前の宿泊者が新型コロナ感染者だった場合、客室を変更すべきですか?
適切な清掃・消毒・換気が行われているなら、必ずしも客室変更は必要ない。不安がある場合は、フロントに清掃や換気の実施状況を確認するとよい。
Q7:新型コロナに感染している可能性がある場合、ホテルに宿泊してもよいですか?
発熱やせきなどの症状がある場合は、宿泊や旅行を延期することを検討したい。感染が判明した場合は、厚生労働省が推奨する発症後5日間の外出自粛などを参考に、周囲への感染を防ぐ行動を優先する。
2026年10月現在、ホテルで新型コロナウイルスに感染するリスクはゼロではない。しかし、宿泊施設だから特別に危険というわけでもない。
注意したいのは、客室の換気不足、エレベーターやロビーの混雑、朝食ビュッフェでの近距離接触、大浴場やサウナの密集など、利用環境によって感染リスクが変化することだ。
厚生労働省が示す5類移行後の方針では、マスクや換気、手洗いなどを状況に応じて自主的に取り入れる考え方が基本となっている。
ホテルを選ぶ際には、次の3点を優先したい。
1. 換気: 客室や共用施設の空気が適切に入れ替わっているか。
2. 混雑: 朝食会場や大浴場などで人との距離を確保できるか。
3. 滞在時間: 混雑した室内に長時間とどまらずに済むか。
特に高齢者や基礎疾患のある人と旅行する場合は、空いている時間帯を選び、必要に応じてマスクを着用するなど、余裕を持った旅行計画が役立つ。
ホテルの感染対策は、消毒の徹底だけでは評価できない。空気・人・時間という3つの視点から宿泊環境を見極めることが、2026年の旅行で実践したい現実的な感染予防策だ。
主な情報源:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(2026年10月30日)」「5類感染症移行後の対応について」「新型コロナウイルス感染症」「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」、WHO「Staying at hotels and accommodation establishments」「How is it transmitted?」。WHOの宿泊施設向けQ&Aは2020年8月26日公表・更新終了の参考資料。