大相撲でよく耳にする「金星(きんぼし)」とは、幕内の平幕力士が横綱に勝ったときに記録される特別な白星のことです。最高位に立つ横綱を、番付で下位に位置する前頭の力士が破ることから、大きな殊勲として扱われています。
金星は単なる名誉だけではありません。獲得した力士には力士褒賞金の加算があり、制度上は金星1個につき持ち給金が10円増加します。4000倍の支給倍率を適用すると、1場所あたり4万円相当の増額になります。2026年9月場所では高安が横綱・大の里を破って通算7個目の金星を獲得し、話題になりました。
【まず結論】相撲の金星とは?意味と獲得できる力士を解説

相撲の金星とは、幕内の平幕力士が横綱を破った際に与えられる特別な勝ち星の俗称です。
ここでいう平幕とは、番付で「前頭」と記される力士を指します。横綱に勝てば誰でも金星を獲得できるわけではなく、勝った力士の番付が重要な条件になります。
例えば、前頭の力士が横綱を押し出しや寄り切りで破れば金星になります。一方、大関や関脇、小結が横綱に勝っても金星にはなりません。
金星が特別視される理由横綱は大相撲における最高位です。通常、横綱と平幕では番付上の地位に大きな差があり、実力や実績の面でも横綱が優位と見られる対戦が少なくありません。
その横綱を平幕力士が倒すことは、番付上の格差を覆す大きな成果です。観客にとっても、その場所の流れを変える印象的な一番になることがあります。
日本相撲協会の公式サイトでも、金星は「横綱・三役以外の幕内力士が横綱から得た勝ち星の俗称」と説明されています。つまり、金星は独立した賞やトロフィーではなく、特定の条件を満たした勝利を表す相撲用語です。
金星と普通の白星の違い通常の白星は、対戦相手に勝ったことを示す記録です。金星も勝ち星であることに変わりはありませんが、相手が横綱であり、勝者が平幕であるという条件を満たすことで特別な価値が生まれます。
加えて、金星には力士褒賞金の加算という経済的なメリットがあります。この点が、一般的な白星との大きな違いです。
【獲得条件を完全整理】金星になる勝ち方・ならない勝ち方
横綱に勝ったという結果だけでは、必ずしも金星にはなりません。獲得には明確な条件があり、勝った力士の番付と勝負の成立方法が関係します。
金星が成立する4つのポイント1.勝者が幕内の平幕力士であること
勝った力士は前頭でなければなりません。関脇、小結、大関などの三役以上の力士が横綱に勝っても金星にはなりません。
2.対戦相手が横綱であること
相手が大関や関脇の場合、どれほど劇的な勝利でも金星とは呼びません。金星の対象は横綱に限られます。
3.本場所の取組で勝利すること
金星は本場所における正式な取組の勝利に対して認められます。稽古や巡業で横綱に勝ったとしても、金星の記録にはなりません。
4.不戦勝や反則勝ちではないこと
横綱が休場したことによる不戦勝や、横綱の反則負けによって得た白星は金星の対象外です。
この取り扱いは、力士褒賞金に関する規定にも明記されています。横綱に対する勝利であっても、不戦や反則による場合には特別加算を適用しない仕組みです。
一度獲得した金星は番付が上がっても残る意外と知られていないのが、金星の記録は獲得した場所だけに限定されないという点です。
例えば、前頭のときに金星を獲得した力士が、その後、小結や関脇、大関に昇進したとしても、過去の金星記録は残ります。
つまり、金星を獲得できるのは平幕時代だけですが、その実績は力士のキャリアを通じて評価されるのです。
【褒賞金の仕組み】金星1個で4万円?給料への影響を詳しく解説
金星が注目される理由の一つが、力士の収入に関係する褒賞金制度です。
金星を獲得すると、力士の持ち給金に10円が加算されます。この10円は、そのまま10円の現金として支払われるわけではありません。実際の支給額を計算するときに4000倍されるため、1場所あたり4万円相当になります。
金星1個でいくら増える?計算方法計算式は次のとおりです。
金星1個の加算額:10円×4000倍=4万円
大相撲の本場所は年間6回開催されます。そのため、金星1個を保持した力士が関取として支給対象であり続ければ、年間では24万円相当の増額になります。
複数の金星を獲得した場合は、その個数に応じて加算額も増えていきます。
例えば、金星を5個獲得した場合、1場所あたり20万円相当、年間では120万円相当の増額になります。
金星の褒賞金は毎月の給料とは違うここで注意したいのが、金星の報奨金と力士の月給は別の仕組みだということです。
金星による加算は、正式には「力士褒賞金」に反映されます。これは本場所ごとに支給されるもので、毎月4万円の給与が直接増えるという意味ではありません。
また、実際に力士褒賞金が支給されるのは十両以上の関取です。幕下以下の力士は、持ち給金の計算対象になっていても、関取として昇進するまでは力士褒賞金の支給対象にはなりません。
金星によって積み上がった加算分は、関取として在位している間、本場所ごとの支給に反映されます。幕下以下に陥落した場合は支給が止まり、再び関取に復帰すれば支給対象になります。
この制度によって、金星は一瞬の名誉にとどまらず、長期的な競技生活にも影響する実績になっています。
【歴代記録と2026年最新ニュース】金星を多く獲得した力士は誰?
金星の歴代記録を見ると、複数の横綱から勝ち星を積み重ねた実力者が名を連ねています。
歴代最多として知られるのが、元関脇の安芸乃島です。現役力士では玉鷲や高安の記録が注目されています。
金星の歴代・現役注目記録| 力士名 | 金星数 | 記録・注目ポイント |
|---|---|---|
| 安芸乃島 | 16個 | 歴代最多記録。複数の横綱から金星を獲得。 |
| 玉鷲 | 8個 | 2026年時点の現役最多として注目される。 |
| 高安 | 7個 | 2026年9月場所に横綱・大の里から通算7個目を獲得。 |
| 高見山 | 12個 | 歴代2位タイの記録を持つ元関脇。 |
| 栃乃洋 | 12個 | 歴代2位タイ。複数の横綱から金星を獲得。 |
歴代最多は安芸乃島の16個です。高見山と栃乃洋が12個で続きます。現役力士の記録については、場所ごとの番付や現役在位状況によって順位の見え方が変わるため、集計時点を確認することも大切です。
2026年9月16日、高安が横綱・大の里を撃破2026年の金星ニュースで特に注目されたのが、9月場所4日目の高安の勝利です。
2026年9月16日、東前頭2枚目の高安は、結びの一番で横綱・大の里と対戦。突き倒しで勝利し、通算7個目の金星を獲得しました。
日刊スポーツの報道によると、このときの高安は36歳6カ月16日。金星獲得時の年齢として歴代9位の年長記録になりました。
高安は金星獲得について、「金星はうれしい。良い相撲で勝てたので前向きになれる」と喜びを語っています。また、「強い人に勝つのは、達成感がある」ともコメントしました。
この勝利は、単なる記録更新だけでなく、ベテラン力士が最高位の横綱を正面から破った一番としても印象に残りました。
2026年11月場所の注目ポイント2026年11月2日時点で、次の本場所となる十一月場所は11月8日から22日まで、福岡国際センターで開催される予定です。
11月場所の番付では、大の里と豊昇龍が横綱に位置しています。高安は前頭3枚目に番付されており、上位力士との対戦が注目される位置です。
玉鷲も幕内に復帰しており、現役力士の金星記録をめぐる動向にも関心が集まります。
ただし、番付に記載されていることと実際に金星を獲得することは別です。対戦相手や取組結果が確定して初めて、新たな記録が生まれます。
【ネットの反応・炎上・噂の真相】金星をめぐる誤解を検証
金星はニュースの見出しにも使われる相撲用語ですが、制度を正確に理解していないと、いくつかの誤解が生まれやすい言葉でもあります。
誤解1:横綱に勝てば誰でも金星を獲得できる?これは誤りです。
金星の対象となるのは前頭の力士です。大関や関脇、小結が横綱を破っても金星にはなりません。
例えば、大関が横綱を倒した場合は通常の白星として記録されます。勝利の価値が低いわけではありませんが、金星という特別な記録には該当しません。
誤解2:金星を取った瞬間に4万円が手渡される?これも正確ではありません。
金星1個によって持ち給金が10円増加し、4000倍の倍率によって1場所4万円相当の褒賞金増額につながります。
その場で4万円の現金を受け取る制度ではなく、本場所ごとの力士褒賞金に反映される仕組みです。
誤解3:「銀星」も金星と同じ公式制度?相撲の話題では、平幕力士が大関に勝ったときなどに「銀星」という表現が使われる場合があります。
しかし、銀星は金星と同じ公式の褒賞金加算制度ではありません。大関を破ったことと、横綱を破って金星を獲得したことは区別する必要があります。
誤解4:金星を取れば必ず殊勲賞を獲得できる?金星と三賞は別の制度です。
三賞には殊勲賞・敢闘賞・技能賞があり、金星は殊勲賞を評価するうえで注目される実績の一つですが、金星を獲得しただけで殊勲賞が自動的に決まるわけではありません。
その場所での成績や横綱・大関戦の内容など、総合的な評価が関係します。
角界の隠語としての「金星」にも注意実は金星には、相撲の記録とは別の意味もあります。相撲界の隠語では、美しい女性を金星と表現することがあります。
この用法は大相撲の勝敗記録とは無関係です。ニュースや会話の文脈によって意味が異なるため、使われている場面を見て判断する必要があります。
ネットの反応を見る際も、金星という言葉が競技上の記録を指すのか、別の意味で使われているのかを区別すると、噂や誤解に振り回されにくくなります。
【プロの結論】金星の本当の価値は記録・名誉・経済的メリットにある
金星の価値は、単純に4万円という金額だけで判断できるものではありません。
前頭の力士が横綱を倒すという結果には、番付上の格差を覆したという競技的な意味があります。加えて、横綱戦で勝利した経験は、力士自身の自信や、その後の場所に向けた評価にもつながります。
金星を評価するときに見るべき3つのポイント1.どの横綱から獲得したのか
対戦相手の横綱の実績や、その場所での調子によって一番の印象は変わります。優勝争いをしている横綱を破った場合などは、場所全体の流れにも影響することがあります。
2.どのような相撲で勝ったのか
押し出し、寄り切り、突き落としなど、決まり手にも注目したいところです。相手の攻めを受け止めて勝ったのか、自分から積極的に攻めて勝ったのかによって、取組の評価も変わります。
3.その場所の成績にどう影響したのか
金星を獲得しても、勝ち越しや優勝が自動的に決まるわけではありません。その後の取組も含めて、15日間の成績を追うことが重要です。
金星は大相撲の魅力を象徴する記録大相撲では、番付が高い力士が必ず勝つとは限りません。平幕の力士が横綱を破るからこそ、金星には特別な意味があります。
また、金星の褒賞金制度は、一度の大きな成果をその場限りのものにせず、力士の長い競技生活に反映させる仕組みです。
記録、経済的メリット、そして土俵上での名誉。この3つが重なっていることが、金星という言葉が長く相撲ファンに親しまれている理由です。
【相撲の金星】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:相撲の金星とは簡単にいうと何ですか?
A1:前頭の平幕力士が横綱に勝ったときに認められる特別な白星です。通常の白星とは異なり、力士褒賞金の加算対象になります。
Q2:金星を1個取るといくらもらえますか?
A2:持ち給金に10円が加算され、4000倍の支給倍率によって1場所あたり4万円相当の増額になります。年間6場所を通じて関取として支給対象であれば、年間24万円相当です。
Q3:大関が横綱に勝っても金星になりますか?
A3:なりません。金星を獲得できるのは前頭の平幕力士だけです。大関・関脇・小結が横綱を破った場合は通常の白星として記録されます。
Q4:金星の歴代最多記録を持つ力士は誰ですか?
A4:元関脇の安芸乃島です。通算16個の金星を獲得しており、歴代最多記録として知られています。
Q5:2026年現在、金星を多く持つ現役力士は誰ですか?
A5:2026年の報道時点では玉鷲が8個、高安が7個を記録しています。高安は2026年9月場所に横綱・大の里を破り、7個目を獲得しました。
Q6:金星は不戦勝でも獲得できますか?
A6:できません。横綱の休場による不戦勝や反則勝ちによる白星は、金星の対象外です。
Q7:金星を取った力士が大関に昇進したら記録は消えますか?
A7:消えません。平幕時代に獲得した金星は、その後に三役や大関へ昇進しても通算記録として残ります。
相撲の金星とは、前頭の平幕力士が横綱に勝ったときに記録される特別な白星です。獲得には番付と勝負の成立方法に条件があり、横綱に勝ったからといって誰でも認められるわけではありません。
金星1個につき持ち給金が10円加算され、4000倍の倍率によって1場所4万円相当の褒賞金増額につながります。これは毎月の給与や、その場で受け取る現金賞金とは異なる制度です。
2026年は高安が横綱・大の里を破って7個目の金星を獲得し、玉鷲の8個という現役記録や、安芸乃島の歴代最多16個にも改めて注目が集まっています。
2026年11月場所でも、横綱と平幕力士の対戦は大きな見どころです。金星の条件や記録の仕組みを知っておけば、番狂わせの一番が持つ意味や、力士が積み重ねてきた努力をより深く理解できます。
主な事実確認資料