『美少女戦士セーラームーン』に登場するフィッシュ・アイは、可憐な容姿と女性的な話し方、そして男性として描かれるキャラクター設定が印象的な存在だ。1990年代のテレビアニメ『美少女戦士セーラームーンSuperS』では石田彰が声を担当し、敵キャラクターでありながら、物語の終盤には視聴者の心を揺さぶる重要な役割を果たした。
加えて、2021年公開の劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』では蒼井翔太がフィッシュ・アイ役を担当。かつて石田彰が演じたキャラクターへの深い思い入れを持つ蒼井が、新たな解釈で役を引き継いだことも話題になった。実は、90年代アニメと原作漫画、Eternalではフィッシュ・アイの立ち位置や物語上の役割にも違いがある。
【正体を解説】フィッシュ・アイは何者?SuperSにおける立場とキャラクター設定

フィッシュ・アイは、『美少女戦士セーラームーン』第四期にあたるデッド・ムーン編に登場する敵キャラクターだ。
所属するのは、女王ネヘレニアが支配するデッド・ムーンサーカス。タイガーズ・アイ、ホークス・アイとともに、アマゾン・トリオという3人組を構成している。
彼らの任務は、人間の夢を利用してペガサスの居場所を探し出すこと。セーラー戦士たちの夢を狙い、夢の鏡を取り出すという不気味な能力を持っている。
フィッシュ・アイの正体は魚だったフィッシュ・アイの正体は、人間ではなく魚である。
人間の姿をしているが、その本来の存在はサーカスにいる魚。人間の姿に変えられたことで、アマゾン・トリオの一員として活動している。
この設定は、単に珍しい敵キャラクターというだけではない。フィッシュ・アイが物語の後半で自分の存在に疑問を抱く、大きな理由にもなっている。
人間のように振る舞い、恋愛感情を持ち、他者との関係を築こうとする。しかし、自分が本当に人間なのかという根本的な問題に直面するのだ。
アマゾン・トリオのメンバーアマゾン・トリオは、次の3人で構成される。
- フィッシュ・アイ: 魚の化身。美しい男性に関心を示す。
- タイガーズ・アイ: 虎の化身。若い女性を誘惑する。
- ホークス・アイ: 鷹の化身。大人の女性を誘惑する。
3人はそれぞれ異なる好みや性格を持ち、夢を持つ人間に接近する。
フィッシュ・アイは、その中でも特に女性的な容姿と華やかな振る舞いが目立つ存在だ。
【性別の真相】フィッシュ・アイは男性?女性的な容姿に隠された設定
フィッシュ・アイを検索する人が最も気になるのが性別だろう。
結論からいえば、1990年代の日本語版テレビアニメでは、男性キャラクターとして描かれている。
ただし、外見や言葉遣いは非常に女性的で、一般的な男性キャラクターとは異なる個性を持つ。
男性設定と女性的な表現は別の要素フィッシュ・アイは長い水色の髪や華やかな衣装、しなやかな仕草が特徴的だ。
話し方にも女性的な表現が多く、男性の姿をした一般的な敵役とは大きく印象が異なる。
また、90年代アニメでは男性を恋愛対象としている点も重要だ。
特に地場衛に対しては、任務上の接近を超えた本物の恋愛感情を抱くようになる。
ここで整理しておきたいのは、男性というキャラクター設定と、女性的なファッションや振る舞いは必ずしも同じ問題ではないということだ。
フィッシュ・アイは、女性的な自己表現をする男性キャラクターとして描かれている。一方、作中では現代的なトランスジェンダーやノンバイナリーといった自己認識の定義が明示されているわけではない。
そのため、性別設定を説明する際には、キャラクターの描写と現代のジェンダー概念を安易に同一視しないことが大切だ。
海外版では異なる表現も存在するフィッシュ・アイの女性的な容姿や話し方は、海外版のローカライズでも注目された。
一部の海外版では、キャラクターの性別表現が変更され、女性として扱われた例もある。
そのため、日本語版と海外版の情報を混ぜると、性別設定について混乱が生じやすい。
日本語版『SuperS』を基準にするなら、男性キャラクターでありながら女性的な表現を取り入れた人物として理解するのが適切だ。
【登場回・声優一覧】石田彰から蒼井翔太へ!作品別の関係性を比較
フィッシュ・アイの声優は、登場する作品によって異なる。
90年代のテレビアニメでは石田彰、劇場版『Eternal』では蒼井翔太が担当した。
両作品は同じ原作を基にしているものの、物語の構成やキャラクターの描き方が異なる。
作品別キャスト・関係性一覧| キャラクター | 90年代アニメ『SuperS』 | 劇場版『Eternal』 |
|---|---|---|
| フィッシュ・アイ | 石田彰 | 蒼井翔太 |
| タイガーズ・アイ | 置鮎龍太郎 | 日野聡 |
| ホークス・アイ | 古川登志夫 | 豊永利行 |
| セレセレ | 天野由梨 | 上田麗奈 |
| パラパラ | 豊嶋真千子 | 諸星すみれ |
| ジュンジュン | 渡辺久美子 | 原優子 |
| ベスベス | 萩森侚子 | 高橋李依 |
※キャストは各作品の公式キャラクター・キャスト情報に基づく。
東映アニメーションの『SuperS』公式キャスト情報では、フィッシュ・アイ役に石田彰の名前が掲載されている。
一方、30周年プロジェクト公式サイトの2020年8月5日の発表では、劇場版の新キャストとして蒼井翔太が起用されたことが明らかになった。
フィッシュ・アイの主な登場回90年代アニメでフィッシュ・アイの活躍を追うなら、次のエピソードが重要だ。
| シリーズ通算話数 | サブタイトル | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 第137話 | あやかしの森!美しき妖精の誘い | 美しい妖精の姿で男性に接近 |
| 第140話 | ミニが大好き!おしゃれな戦士達 | ファッションモデルとして登場 |
| 第145話 | プリマをねらえ!うさぎのバレエ | バレエの舞台で活躍 |
| 第148話 | 巨悪の影!追いつめられたトリオ | 地場衛に恋心を抱く |
| 第149話 | 夢の鏡!アマゾン最後のステージ | アマゾン・トリオの物語が完結 |
特に第137話は、フィッシュ・アイが妖精の姿で男性に近づくエピソード。第140話や第145話では、美しさや芸術的な才能を生かした行動が描かれる。
そして、キャラクターの内面を知るうえで欠かせないのが第148話と第149話だ。
【地場衛との恋愛】フィッシュ・アイが抱いた本当の気持ち
フィッシュ・アイのキャラクター像を語るうえで、地場衛との関係は外せない。
90年代のテレビアニメでは、フィッシュ・アイは美しい男性をターゲットとして夢の鏡を狙っていた。
その任務の中で出会ったのが、月野うさぎの恋人である地場衛だった。
地場衛に一目惚れしたフィッシュ・アイ第148話「巨悪の影!追いつめられたトリオ」では、フィッシュ・アイが地場衛に強く惹かれる。
当初は任務の対象として近づいたものの、次第に本当の恋愛感情を抱くようになる。
しかし、衛にはうさぎという大切な恋人がいる。
衛はフィッシュ・アイの接近に応じず、うさぎの夢や魅力を大切にしていることを示す。
この出来事はフィッシュ・アイにとって大きなショックだった。
自分には人間のような美しい夢がないのではないか。そもそも自分は人間として生きられる存在なのか。
恋愛の失敗が、これまで考えていなかった自分自身の正体への疑問につながっていく。
うさぎとの出会いがフィッシュ・アイを変える第149話「夢の鏡!アマゾン最後のステージ」では、フィッシュ・アイの物語が大きく動く。
自分たちが本当は人間ではなく動物だったことを知ったアマゾン・トリオ。
フィッシュ・アイは落ち込み、雨の中で孤独を感じている。
そんなフィッシュ・アイを見つけたのが、うさぎだった。
うさぎは敵であることを知らず、フィッシュ・アイを自宅に招き入れる。
ここで印象的なのは、うさぎが相手の正体や立場だけで判断せず、目の前で傷ついている存在に優しく接することだ。
フィッシュ・アイは、うさぎと衛の関係や、うさぎが持つ夢の美しさを知る。
そして、自分の任務と目の前の人を助けたいという気持ちの間で揺れ動く。
フィッシュ・アイの最後は死亡?その後どうなった?第149話は、アマゾン・トリオにとってテレビアニメでの最後の本格的な活躍となる。
デッド・ムーン側から見放された3人は、うさぎを襲うレムレスとの戦いに巻き込まれる。
フィッシュ・アイとタイガーズ・アイは、自分たちを人間の姿に変えていた魔法の力を使い、うさぎの夢の鏡を修復する。
その結果、2人は力を使い果たして倒れ、アマゾン・トリオは元の動物の姿に戻る。
しかし、ここで物語が終わるわけではない。
ペガサスの力によって3人は再び人間の姿を与えられ、それぞれ自分自身の夢を持つ存在として救済される。
その後はペガサスとともに結晶の森へ向かう。
つまり、フィッシュ・アイは敵としての役割を終えるものの、完全に救いのない結末を迎えるわけではない。
敵だったキャラクターが最後には他者を救うために力を使う。この展開こそ、第149話が印象深いエピソードとして語られる理由の一つだ。
【石田彰と蒼井翔太】2人の声優が表現したフィッシュ・アイの魅力
フィッシュ・アイの人気を支えている大きな要素が、声の演技だ。
90年代アニメで担当した石田彰と、劇場版で担当した蒼井翔太は、それぞれ異なる時代のフィッシュ・アイを表現している。
石田彰の演技が印象に残る理由石田彰のフィッシュ・アイは、男性声優が演じていると知って驚いたという視聴者も多いキャラクターだ。
透明感のある声質に、女性的なしなやかさと、時折見せる少年らしい響きが重なる。
特に印象的なのは、甘えるような話し方と、感情が高ぶったときの声の変化だ。
普段の華やかで余裕のある雰囲気から、地場衛に拒絶されたときの悲しさ、自分の正体を知ったときの戸惑いまで、幅広い感情が表現されている。
アニメイトタイムズの石田彰に関する特集でも、フィッシュ・アイは女性的な声の演技や豊かな感情表現が印象に残る役として紹介されている。
蒼井翔太がフィッシュ・アイを演じるまで2020年8月5日、セーラームーン30周年プロジェクト公式サイトは、劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』のアマゾン・トリオの新キャストを発表した。
フィッシュ・アイ役に選ばれたのが蒼井翔太だった。
蒼井は幼い頃から『セーラームーン』が好きで、フィッシュ・アイは声優という仕事を意識するきっかけになったキャラクターでもあった。
本人は公式発表のコメントで、作品への思いを語っている。
保育園でごっこ遊びをしたり、ミュージカルを見に行ったりするほど大好きで、僕のthe青春であるこの作品に出演できて本当に嬉しいです。
注目すべきなのは、蒼井が単に石田彰の演技を再現するのではなく、自分なりのフィッシュ・アイを表現しようとした点だ。
TVガイドWebのインタビューでは、90年代版を見ていた当時、フィッシュ・アイの声を通じて声優という仕事に興味を持ったことを振り返っている。
また、石田彰の演技を尊重しながらも、劇場版ならではの表現を目指したと語っている。
蒼井翔太版は水野亜美との関係にも注目Eternal版のフィッシュ・アイは、スーパーセーラーマーキュリーこと水野亜美と対峙する。
蒼井翔太はインタビューで、水を司る亜美の優しさと、フィッシュ・アイが持つ水の危うさを意識して演じたと説明している。
この解釈はキャラクター同士の対比としても興味深い。
同じ水に関係する存在でありながら、亜美は知性や優しさを象徴し、フィッシュ・アイは誘惑や不安定さを表現する。
90年代版で地場衛との恋愛が印象的だったフィッシュ・アイが、Eternalでは亜美との対決を中心に描かれる点にも、作品ごとの違いが表れている。
【原作とアニメの違い】SuperSとEternalで変わったフィッシュ・アイの役割
フィッシュ・アイを正確に理解するには、原作漫画、90年代テレビアニメ、劇場版Eternalを分けて考える必要がある。
いずれもデッド・ムーン編を扱っているが、物語の構成やキャラクターの描写は同じではない。
原作漫画ではアマゾン・トリオの敵役として登場武内直子による原作漫画では、フィッシュ・アイはアマゾン・トリオの一員として登場する。
アマゾネス・カルテットの力によって動物から人間の姿に変えられた存在であり、セーラー戦士たちを狙う敵として描かれる。
原作では水野亜美を狙う展開があり、フィッシュ・アイとセーラーマーキュリーの対立が物語の軸の一つになる。
90年代アニメのように地場衛への恋心を中心とした長いドラマが展開されるわけではない。
90年代アニメでは人間的な感情が大きく追加されたテレビアニメ『SuperS』では、アマゾン・トリオの描写が大きく膨らんでいる。
特にフィッシュ・アイは、任務を遂行する敵という立場だけでなく、恋愛感情や自己存在への疑問を抱えるキャラクターとして描かれた。
地場衛との関係、第149話でのうさぎとの交流、そして最後の自己犠牲は、テレビアニメ版ならではの重要な要素だ。
Eternalでは原作のデッド・ムーン編を再構成劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』は、原作第四期のデッド・ムーン編を映像化した作品だ。
前編は2021年1月8日、後編は2021年2月11日に公開された。
90年代アニメの続編として、石田彰版のフィッシュ・アイのその後を描いた作品ではない。
原作に基づく新たな映像化であり、キャストも新しくなっている。
Eternalの公式キャラクター紹介では、フィッシュ・アイは魚の化身として説明され、セーラー戦士の心の隙間に入り込んで甘い悪夢へ誘う存在として紹介されている。
この違いを理解すれば、石田彰と蒼井翔太のどちらが正しいキャストなのかという混乱もなくなる。
両者はそれぞれ異なる映像化作品で、フィッシュ・アイというキャラクターを演じているのだ。
【プロの結論】フィッシュ・アイが今も印象に残る3つの理由
フィッシュ・アイの魅力は、単に中性的な美しい敵キャラクターという点だけではない。
第一に、男性として描かれながら女性的な表現を持つ、独特のキャラクター造形がある。
第二に、石田彰の演技によって、可愛らしさだけではなく、恋愛や孤独、自己存在への不安まで表現されたこと。
第三に、敵でありながら最後には他者を救う選択をするという、物語上の成長がある。
加えて、Eternalで蒼井翔太が役を引き継いだことによって、フィッシュ・アイは世代を超えて新しい視聴者にも知られる存在になった。
作品をこれから見るなら、次のような選び方がおすすめだ。
- 石田彰の演技と地場衛との恋愛を楽しみたい人: 90年代版『SuperS』第148話・第149話がおすすめ。
- フィッシュ・アイの初期の活躍を知りたい人: 第137話から第145話までのエピソードがおすすめ。
- 原作に近いデッド・ムーン編を楽しみたい人: 劇場版『Eternal』がおすすめ。
- 蒼井翔太の解釈や新しいキャスト陣に注目したい人: Eternalのアマゾン・トリオの場面がおすすめ。
石田彰版と蒼井翔太版を比較するときは、単純に声の似ている・似ていないだけで評価しないことも大切だ。作品ごとの脚本、演出、キャラクターの役割まで含めて見ることで、それぞれの魅力がより明確になる。
セーラームーンのフィッシュ・アイに関するよくある質問(FAQ)
Q1:フィッシュ・アイの性別は男性ですか?
A1:90年代の日本語版テレビアニメでは男性キャラクターとして描かれている。女性的な容姿や話し方が特徴だが、男性という設定と女性的な自己表現は区別して理解したい。
Q2:フィッシュ・アイの声優は石田彰と蒼井翔太のどちらですか?
A2:『美少女戦士セーラームーンSuperS』では石田彰、劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』では蒼井翔太が担当している。作品によってキャストが異なる。
Q3:フィッシュ・アイは地場衛が好きなのですか?
A3:90年代アニメでは地場衛に恋愛感情を抱く。第148話で衛に接近するが、衛はうさぎを愛しているため、フィッシュ・アイの気持ちは受け入れられない。
Q4:フィッシュ・アイの最後はどうなりますか?
A4:テレビアニメ第149話で、うさぎの夢の鏡を救うために力を使い果たす。その後、ペガサスによって人間の姿と自分自身の夢を与えられ、アマゾン・トリオの仲間とともに結晶の森へ向かう。
Q5:フィッシュ・アイの初登場回は何話ですか?
A5:個人エピソードとしての初登場はシリーズ通算第137話「あやかしの森!美しき妖精の誘い」。第140話「ミニが大好き!おしゃれな戦士達」も代表的な登場回だ。
Q6:アマゾン・トリオのメンバーは誰ですか?
A6:フィッシュ・アイ、タイガーズ・アイ、ホークス・アイの3人。魚、虎、鷹の化身で、それぞれ異なる性格や標的を持っている。
Q7:Eternalのフィッシュ・アイは石田彰版の続きですか?
A7:続編ではない。Eternalは原作漫画のデッド・ムーン編を再構成した劇場版であり、蒼井翔太が新たにフィッシュ・アイを演じている。
フィッシュ・アイは、『美少女戦士セーラームーンSuperS』におけるアマゾン・トリオの一員であり、魚から人間の姿に変えられた敵キャラクターだ。
男性として描かれながら女性的な容姿や振る舞いを持ち、90年代アニメでは地場衛への恋心や、自分の正体に悩む姿が丁寧に描かれた。
石田彰による繊細で透明感のある演技は、キャラクターの可愛らしさと孤独を印象づけた。一方、2021年の劇場版『Eternal』では、幼い頃からフィッシュ・アイに憧れていた蒼井翔太が担当し、新しい魅力を加えている。
フィッシュ・アイを理解する最大の要点は、90年代アニメと原作・Eternalを同じ物語として混同しないことだ。
地場衛への恋心と第149話の感動的な結末を知りたいなら『SuperS』、水野亜美との対決や原作に近いデッド・ムーン編を楽しみたいなら『Eternal』。両方を見ることで、フィッシュ・アイというキャラクターの奥深さをより広く味わえる。