有原の評価を考えるうえで、ソフトバンク時代と2026年の成績比較は欠かせない。
数字を並べると、2024年から2025年にかけて一定の成績を維持していた一方、日本ハム復帰1年目には防御率、被打率、投球回数の面で変化が生じている。
2026年最新成績は17試合・7勝9敗・防御率4.44
有原航平・2026年レギュラーシーズン
登板数17

勝敗7勝9敗
防御率4.44
投球回103回1/3
奪三振
67
WHIP
1.34
被打率
.282
完投・完封
2回・2回
出典:日本野球機構(NPB)2026年度公式投手成績
17試合すべてに先発し、10試合でクオリティースタート(QS)を達成。QS率は58.8%だった。
注目したいのは、四球が24個にとどまっている点だ。与四球率は9イニング換算で2.09。制球力そのものが大きく崩れたわけではない。
一方、被打率は.282、WHIPは1.34。打者を出塁させる場面が増え、失点を抑えきれない試合が目立つ数字となった。
つまり、2026年の有原は制球難だけで説明できる状態ではない。打者に安打を許す頻度や、三振を奪う力を含め、投球全体の改善が必要なシーズンだった。
ソフトバンク時代との年度別比較| 年度 | 所属 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年 | ソフトバンク | 10勝5敗 | 120回2/3 | 2.31 |
| 2024年 | ソフトバンク | 14勝7敗 | 182回2/3 | 2.36 |
| 2025年 | ソフトバンク | 14勝9敗 | 175回 | 3.03 |
| 2026年 | 日本ハム | 7勝9敗 | 103回1/3 | 4.44 |
比較すると、2024年の有原は特に安定していた。
26試合に先発し、182回2/3を投げて14勝7敗、防御率2.36。長いイニングを投げながら、試合を壊さない投球を続けていた。
2025年も175イニング、14勝を記録しており、ソフトバンクでは先発陣の中心だった。
それに対して2026年は、前年より71回2/3少ない投球回となった。防御率も1.41ポイント悪化している。
この差は小さくない。
ただし、2026年にも2度の完封を記録していることは見逃せない。能力が完全に失われたという評価は適切ではなく、好投と不安定な登板が同居したシーズンだったと見るべきだ。
【キャリアと通算成績】新人王から最多勝3度の実績
有原の強みは、長年にわたって先発投手として実績を積み重ねてきたことにある。
1992年8月11日生まれ、広島県出身。広陵高校から早稲田大学へ進み、2014年ドラフト1位で日本ハムに指名された。
2015年にプロ入りすると、1年目から8勝6敗、防御率4.79を記録し、新人王を獲得した。
その後、2019年には15勝8敗、防御率2.46で最多勝を受賞。ソフトバンク移籍後も2024年、2025年と2年連続で最多勝を獲得している。
有原航平のキャリア年表・球団との関係| 時期 | 所属・出来事 | 主な実績・意味 |
|---|---|---|
| 2014年 | 日本ハムがドラフト1位指名 | プロ入りの出発点 |
| 2015年 | 日本ハム | 8勝、新人王 |
| 2019年 | 日本ハム | 15勝、最多勝 |
| 2020年オフ | MLB挑戦 | ポスティングで渡米 |
| 2021~2022年 | テキサス・レンジャーズ | メジャー・マイナーでプレー |
| 2023年 | ソフトバンク | 日本球界復帰、10勝 |
| 2024年 | ソフトバンク | 14勝、最多勝、投手部門ベストナイン |
| 2025年 | ソフトバンク | 14勝、2年連続最多勝 |
| 2025年12月28日 | 日本ハムと入団合意 | 6年ぶりの古巣復帰 |
| 2026年 | 日本ハム | 7勝9敗、防御率4.44 |
2026年シーズン終了時点のNPB通算成績は次のとおり。
- 登板:215試合
- 勝利:105勝
- 敗戦:80敗
- 投球回:1417回2/3
- 奪三振:1025
- 防御率:3.40
2026年にはNPB通算100勝と通算1000奪三振も達成した。
これらは日本国内での公式戦成績であり、レンジャーズ時代のMLB成績は含まれない。
有原を評価するとき、2026年の7勝9敗だけを見て判断するのは早計だ。
新人王、最多勝3度、NPB通算100勝という実績は、長期的に安定した先発投手としての能力を示している。一方で、過去の実績が現在の成績を保証するわけではない。復帰後の評価には、今後の投球内容も反映させる必要がある。
【日本ハム投手陣への影響】先発ローテーションでの役割と評価
日本ハムが有原を獲得した大きな目的の一つは、先発ローテーションの強化だった。
2026年1月の入団会見で、有原は最低でも180イニングを投げたいという目標を掲げた。先発投手として長いイニングを消化し、リリーフ陣の負担を軽減する役割を意識していたことが分かる。
伊藤大海・北山亘基らとの投手陣比較2026年の日本ハムでは、伊藤大海、北山亘基、加藤貴之らも先発陣を支えた。
| 投手 | 勝敗 | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|
| 北山亘基 | 13勝3敗 | 147回2/3 | 2.56 |
| 加藤貴之 | 12勝3敗 | 115回 | 2.90 |
| 伊藤大海 | 10勝10敗 | 172回2/3 | 3.18 |
| 有原航平 | 7勝9敗 | 103回1/3 | 4.44 |
この比較から分かるのは、有原が期待された役割を十分に果たせなかったことだ。
伊藤は172回2/3を投げ、北山は13勝を挙げた。加藤も12勝3敗、防御率2.90と安定した結果を残している。
有原が目標に掲げた180イニングには届かず、実際の投球回は103回1/3。目標との差は76回2/3だった。
有原に期待された3つの役割1. ローテーションの安定化
年間を通じて先発登板を重ね、登板間隔を守りながら長いイニングを投げること。これが最も大きな期待だった。
2. 若手投手への経験の還元
日本ハムには伊藤や北山をはじめ、実績を積み上げている投手がいる。有原のMLB経験やソフトバンクでの優勝争いの経験は、投手陣にとって参考になる部分が多い。
3. 優勝争いを経験した投手としての存在感
ソフトバンクでリーグ優勝、日本一を経験してきた有原には、プレッシャーのかかる試合での対応力も期待されていた。
ただし、経験値と実際の投球結果は別の評価軸だ。2026年の成績を見る限り、投手陣の中心として期待された働きについては、来季への課題が残った。
【現在の登板状況と今後の展望】2027年に復活できるか
2026年11月2日時点で、レギュラーシーズンは全日程を終了している。
有原のレギュラーシーズン最終成績は17試合、7勝9敗、防御率4.44。現在は2026年の公式戦登板を終えた状態だ。
クライマックスシリーズでも初戦を任された2026年10月10日、有原は埼玉西武ライオンズとのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第1戦に先発した。
結果は5回63球、被安打5、5奪三振、2失点。初回に本塁打で先制を許し、5回にも適時打を浴びて同点とされたところで降板した。
試合は延長10回に日本ハムがサヨナラ負けを喫したが、有原自身に勝敗はつかなかった。
その後、日本ハムは第2戦、第3戦に勝利してファイナルステージへ進出。しかし、ソフトバンクに3連敗し、日本シリーズ進出を逃した。
この起用は、新庄剛志監督が短期決戦の初戦を任せる投手として、有原の経験を評価していたことを示す材料になる。
一方、シーズンの防御率4.44という数字を考えれば、経験だけで先発の序列が保証されるわけではない。
2027年に向けて改善したいポイント今後の有原を評価するうえで、注目したいのは次の4項目だ。
- 投球回数の回復: 103回1/3から、先発投手として年間を通じて投げられる状態に戻せるか。
- 被打率の改善: 2026年の.282から、どこまで被安打を減らせるか。
- 奪三振率の向上: 2026年の5.84から、打者をより効率よく打ち取れるか。
- WHIPの改善: 1.34から走者を減らし、失点につながるピンチを抑えられるか。
特に重要なのは、四球を増やさずに被安打を減らすことだ。
2026年の与四球率は2.09で、2025年の2.11とほぼ同水準だった。つまり、制球を大幅に崩さずに、打者に捉えられる頻度を下げられるかが一つのポイントになる。
4年契約の初年度を終えた段階で、契約期間はまだ残されている。2027年以降に本来の投球を取り戻せれば、日本ハムにとって大きな戦力となる可能性は十分にある。
【有原日本ハム】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:有原航平はなぜソフトバンクを退団したのですか?
有原は2025年シーズンでソフトバンクとの3年契約が満了し、自由契約となりました。MLB再挑戦も選択肢として検討された後、日本ハムからの獲得オファーを受けて復帰を決断しています。戦力外通告による退団とは異なります。
Q2:有原航平の2026年の年俸はいくらですか?
報道による推定では、年俸5億円プラス出来高払いです。契約は4年間で、基本年俸を合計すると20億円となります。日本ハムの球団最高年俸タイと報じられました。
Q3:有原航平の2026年の成績はどうでしたか?
17試合に先発し、7勝9敗、防御率4.44、投球回103回1/3、67奪三振でした。2完投・2完封も記録しています。ソフトバンク時代の2024年、2025年と比べると、防御率と投球回数の両面で低下しました。
Q4:有原航平は新人王や最多勝を獲得していますか?
2015年に新人王を獲得しています。また、最多勝利投手賞は2019年、2024年、2025年の3度。日本ハム時代とソフトバンク時代の両方でタイトルを獲得した実績があります。
Q5:有原航平の日本ハムでの今後の役割は?
先発ローテーションの中心を担うことが期待されています。2026年は目標としていた180イニングに届かなかったため、2027年以降は投球回数、防御率、被打率の改善が評価のポイントになります。
有原航平の2026年の日本ハム復帰は、単なる古巣への出戻りではなかった。
ソフトバンクとの契約満了、MLB再挑戦の検討、日本ハムからの熱心な獲得交渉という経緯を経て、本人が優勝を目指すチームの一員になることを選んだ移籍だった。
2026年の成績は17試合、7勝9敗、防御率4.44。ソフトバンク時代の2年連続最多勝という実績を考えると、期待を下回った部分は否定できない。
一方で、2度の完封やNPB通算100勝、1000奪三振の達成は、今も持っている能力と経験を示している。
【プロの結論】
有原を評価する際には、次の3つを分けて考える必要がある。
1. 過去の実績: 新人王、最多勝3度、NPB通算105勝という確かなキャリア。
2. 2026年の現実: 防御率4.44、103回1/3という期待を下回った数字。
3. 今後の評価基準: 投球回数、被打率、WHIPを改善し、先発ローテーションの柱として復活できるか。
日本ハムにとって、有原は高い投資を伴う重要な補強選手だ。だからこそ、過去のタイトルだけで評価するのではなく、次のシーズンにどれだけ安定した投球を取り戻せるかが問われる。
6年ぶりに戻った古巣で、再び優勝を経験できるのか。2027年の有原航平は、日本ハムの戦力とチームの優勝争いを左右する重要な存在となりそうだ。