十倉雅和(とくら・まさかず)氏は、住友化学の社長・会長を歴任し、日本経済団体連合会(経団連)の第15代会長として2021年6月から2025年5月まで日本の経済界を代表してきた実業家です。2026年現在は、住友化学相談役、経団連名誉会長として活動するほか、2025年日本国際博覧会協会の会長・代表理事も務めています。
1950年7月10日生まれで、東京大学経済学部を卒業後、1974年に住友化学工業(現・住友化学)へ入社しました。電子材料部門や経営企画部門で経験を積み、2011年に社長、2019年に会長へ就任しています。経団連会長退任後も、経済政策や将来世代を見据えた社会づくりについて発信を続けています。
【2026年現在】十倉雅和氏は何をしている?現在の役職を整理

2026年11月現在、十倉雅和氏は住友化学の現役社長や会長ではありません。しかし、企業経営の経験を生かす相談役として、また経団連の歴代会長として、経済界との関係を維持しています。
住友化学の相談役として活動十倉氏は2025年3月末に住友化学の代表取締役会長を退き、同年4月1日付で取締役相談役に就任しました。その後、2025年6月の定時株主総会終結時に取締役を退任しています。
2026年6月公表の住友化学のコーポレートガバナンス関連資料でも、十倉氏は相談役として掲載されています。相談役の業務は、会長や社長からの諮問に応じて必要に応じて意見を述べることや、社会的要請に応じた対外活動です。
特に注目したいのは、同資料が相談役について、会社の経営上の意思決定には関与しないと明記している点です。つまり、相談役という肩書は残っていますが、現役の経営トップとして住友化学の経営判断を行っているわけではありません。
なお、2026年10月1日現在の住友化学の役員一覧では、代表取締役会長は岩田圭一氏、代表取締役社長は水戸信彰氏です。十倉氏と現経営陣の役割は区別して理解する必要があります。
経団連名誉会長としての現在十倉氏は2025年5月29日に経団連会長を退任し、同日付で新会長に就任した筒井義信氏へ役職を引き継ぎました。その後は経団連名誉会長となっています。
経団連が2026年8月9日付で公表している名誉会長名簿にも、十倉氏の名前が掲載されています。住友化学相談役という企業側の立場と、経団連名誉会長という経済団体側の立場を併せ持っているのが現在の特徴です。
大阪・関西万博協会では会長・代表理事もう一つの重要な役職が、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の会長・代表理事です。
十倉氏は2021年6月16日に同協会の会長・代表理事に就任しました。2025年6月23日の社員総会と理事会でも再任されており、2026年3月31日時点の役員名簿および公式役員一覧でも会長・代表理事として記載されています。
大阪・関西万博の開催準備や運営を経済界の立場から支えてきた人物であり、経団連会長を退任した後も、万博協会に関する役職が確認できます。
【学歴・出身】十倉雅和は東京大学経済学部卒業!学生時代から住友化学入社まで
1950年、兵庫県西脇市生まれ十倉雅和氏は1950年7月10日生まれです。兵庫県西脇市の出身で、2026年11月現在の年齢は76歳です。
西脇市が2026年に公開した広報資料によると、十倉氏は西脇高校から東京大学へ進学しています。地元で教育を受けた後、国内有数の大学へ進み、卒業後は住友化学工業に入社しました。
東京大学経済学部を1974年に卒業十倉氏の最終学歴は、東京大学経済学部卒業です。1974年3月に卒業し、同年4月に住友化学工業株式会社へ入社しました。
東京大学の卒業生紹介や住友化学が公表した社長就任時の略歴でも、1974年の東京大学経済学部卒業が確認できます。
経済学部で学んだ知識は、その後の企業経営や経済団体での活動を理解するうえでも興味深い背景です。ただし、十倉氏の経営者としての実績は学歴だけで説明できるものではありません。入社後、製造業の現場に近い事業部門から経営企画まで幅広い仕事を経験したことが、その後のキャリアを形づくりました。
電子材料部門で経験を積む住友化学入社後、十倉氏は複数の事業部門や経営企画関連部署を経験しました。
特に注目されるのが電子材料分野です。液晶パネル向け素材などを扱う電子材料部門での経験が長く、2000年には電子材料事業部の部長を務めています。
その後、技術・経営企画室や事業統合準備室などを担当しました。事業の技術的な側面と企業全体の経営戦略の両方に携わったことは、十倉氏の経営者としての特徴を理解する要点です。
また、1994年には住友化学ベルギーS.A./N.V.への出向も経験しています。海外事業の経験を持ち、国内だけでなく国際的な事業環境にも接してきた経歴です。
【経歴年表】住友化学の社長・会長から経団連会長までの歩み
十倉雅和氏のキャリアは、住友化学での長年の経験を土台として、企業経営から日本経済界全体の代表へと広がっていきました。
以下に、主要な役職と転換点を整理します。
| 年月・時期 | 役職・出来事 | 関係・主な実績 |
|---|---|---|
| 1950年7月 | 兵庫県生まれ | 西脇市出身 |
| 1974年3月 | 東京大学経済学部卒業 | 同年4月に住友化学工業へ入社 |
| 1994年 | ベルギー現地法人へ出向 | 海外事業を経験 |
| 1998年 | 精密化学業務室部長 | 事業部門の管理を担当 |
| 2000年 | 電子材料事業部部長 | 電子材料分野での経験を積む |
| 2000年12月 | 技術・経営企画室部長 | 経営企画・事業戦略を担当 |
| 2003年6月 | 執行役員 | 経営幹部に就任 |
| 2006年6月 | 常務執行役員 | 経営上の責任範囲を拡大 |
| 2008年6月 | 代表取締役常務執行役員 | 代表取締役に就任 |
| 2009年4月 | 代表取締役専務執行役員 | 経営中枢を担う |
| 2011年4月 | 住友化学代表取締役社長 | 社長執行役員に就任 |
| 2019年4月 | 住友化学代表取締役会長 | 社長から会長へ交代 |
| 2021年6月1日 | 経団連第15代会長 | 経済界の代表に就任 |
| 2025年4月1日 | 住友化学取締役相談役 | 代表取締役会長から役職変更 |
| 2025年5月29日 | 経団連会長退任 | 2期4年を務め、名誉会長へ |
| 2026年 | 相談役・名誉会長など | 万博協会会長・代表理事も継続して掲載 |
この年表から読み取れるのは、十倉氏が入社直後から経営トップだったわけではないという点です。電子材料や精密化学などの事業領域を経験し、技術・経営企画を経て執行役員、常務、専務へと段階的に昇進しています。
住友化学の公式略歴や役員関連資料でも、2011年の社長就任と2019年の会長就任が確認できます。企業内部で約37年間の経験を積んだ後、経団連会長として日本経済界の代表を務めた経歴です。
【経団連会長時代】2021年から2025年まで何を訴えてきた?
第15代会長として2期4年を担当十倉氏は2021年6月1日、日本経済団体連合会の第15代会長に就任しました。在任期間は2025年5月29日までで、2期4年にわたり会長を務めています。
経団連は日本の主要企業や業界団体などで構成される経済団体です。会長は企業経営者としての立場だけでなく、政府や労働界、海外の経済団体などと対話する役割も担います。
十倉氏が会長を務めた2021年から2025年は、新型コロナウイルス感染症からの経済回復、物価上昇、賃金引き上げ、エネルギー政策、国際情勢の不安定化など、企業活動に影響する問題が相次いだ時期でした。
賃上げと中小企業への価格転嫁を重視十倉氏の経団連会長時代の代表的な政策テーマが、賃金引き上げです。
2024年5月21日の定例記者会見では、春季労使交渉で大手企業の賃金引き上げ率が5%を超えたことを評価しました。そのうえで、賃上げを一時的な動きに終わらせず、社会全体に定着させる必要性を訴えています。
「賃金は上がっていくことが当然」
これは、十倉氏が賃金上昇を社会的な規範として根付かせることの重要性を説明した際の発言です。
一方、大企業だけが賃上げを実現しても、日本経済全体の改善にはつながりません。十倉氏は中小企業や有期雇用労働者にも賃上げの流れを広げる必要性を指摘し、そのための手段として労務費を含む適正な価格転嫁を重視しました。
取引先との価格交渉が適切に行われなければ、中小企業は賃上げに必要な原資を確保できません。経団連が企業行動憲章を改定し、サプライチェーン全体での共存共栄を掲げた背景にも、こうした考え方があります。
GXや国際競争力についても発信十倉氏は賃金問題だけでなく、グリーントランスフォーメーション(GX)や科学技術、産業競争力についても発言してきました。
2024年9月の記者会見では、岸田政権の政策について、原子力の活用促進や成長志向型カーボンプライシング、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)などの取り組みを評価しています。
こうした発言には、企業の短期的な利益だけでなく、エネルギーの安定供給や将来の産業構造を考慮する姿勢が表れています。
経団連会長時代の十倉氏を理解する際には、単に大企業の利益を代表する人物として見るのではなく、賃金、雇用、環境、国際競争力という複数の政策課題を同時に扱っていた点にも注目する必要があります。
【経団連会長退任の経緯】なぜ2025年5月に交代した?後任は誰?
2期4年の任期を終えて退任十倉氏の経団連会長退任は、2025年5月29日の定時総会で正式に行われました。
経団連の2021年の会長人事に関する説明では、会長の任期は1期2年で、通常は2期4年を予定すると説明されていました。十倉氏はその標準的な2期4年を務めた後、会長職を退いています。
したがって、2025年の交代は、突然の辞任や経営上の不祥事による退任として扱うものではありません。経団連が公表した定時総会の記録でも、2期4年を務めた十倉氏の退任と新体制への移行が説明されています。
後任は日本生命保険の筒井義信氏後任として選任されたのは、日本生命保険の筒井義信氏です。
2025年5月29日の定時総会で新会長に選任され、経団連は第16代会長による新体制へ移行しました。
十倉氏は退任時の総会で名誉会長となり、経団連との関係を継続しています。
この交代は、経団連会長という役職が企業経営者の現役ポストとは別の任期を持つことを示す事例でもあります。住友化学の会長職から相談役へ移行した時期と近いため、両方の役職交代が混同されやすいものの、それぞれ別の組織における人事です。
住友化学でも2025年に経営体制が変更住友化学では、2025年4月1日付で十倉氏が取締役相談役となり、岩田圭一氏が代表取締役会長に就任しました。また、水戸信彰氏が同年6月の株主総会後に代表取締役社長へ就任しています。
つまり、2025年は十倉氏にとって、住友化学の経営トップとしての役割と経団連会長としての役割の両方が切り替わった節目でした。
ただし、万博協会では同年6月23日に会長・代表理事として再任されています。すべての公的・経済団体の役職から一斉に退いたわけではありません。
【2026年最新ニュース】十倉雅和氏の発言と現在の活動
2026年7月、西脇市の名誉市民に選出2026年の十倉氏に関する注目ニュースの一つが、出身地である兵庫県西脇市から名誉市民の称号を贈られたことです。
西脇市の公式発表によると、贈呈式は2026年7月12日に西脇ロイヤルホテルで開催されました。
市は、住友化学の社長・会長を務めたこと、経団連第15代会長として経済界をけん引したこと、大阪・関西万博協会の会長として万博開催に尽力したことなどを評価しています。
贈呈式に続く講演会では、十倉氏が「社会性の視座」というテーマで講演しました。祝賀会には地元の経済産業界の関係者や旧友ら約110人が出席したと発表されています。
地元出身者としての功績が公的に評価されたという点で、2026年の活動を象徴する出来事です。
2026年9月には「FUTURE DESIGN 2040」で基調講演もう一つの注目点が、2026年9月5日に開催された公開シンポジウム「FUTURE DESIGN 2026」です。
キヤノングローバル戦略研究所と日本学術会議の関連分科会が主催したこのシンポジウムでは、十倉氏が「社会性の視座~FUTURE DESIGN 2040~」をテーマに基調講演を担当するプログラムが組まれました。
フューチャー・デザインとは、将来世代の利益を考慮し、持続可能な社会の仕組みを設計する考え方です。
経団連会長時代に掲げた長期的な社会・経済のビジョンを、退任後も発信していることが分かります。
2026年の十倉氏の発信から見えるテーマ十倉氏のこれまでの発言を振り返ると、共通しているのは企業経営を社会全体の利益と結び付けて考える姿勢です。
経団連会長時代には賃金上昇や中小企業への価格転嫁を訴え、2026年には将来世代の幸福や持続可能な社会のあり方をテーマに講演しています。
2026年の最新動向を見るうえでは、単なる役職名だけでなく、どのようなテーマで発言し、どのような社会活動に関わっているかを確認することが大切です。
【プロの結論】十倉雅和氏の経歴から分かる3つの要点
十倉雅和氏の経歴を振り返ると、単に有名企業の社長から経団連会長になった人物というだけでは説明できない特徴があります。
1. 技術と経営の両方を理解する企業人十倉氏は住友化学で電子材料や精密化学などの事業部門を経験し、その後、技術・経営企画を担当しました。製品や事業の現場に近い仕事と、企業全体の経営戦略の両方を経験したことが、社長・会長への昇進につながった重要な背景です。
2. 企業の利益と社会全体の利益を結び付ける考え方経団連会長時代に重視した賃上げや価格転嫁は、企業単独の利益だけでは解決できない問題です。大企業、中小企業、労働者、消費者の間で経済的な利益が循環する仕組みをつくる必要があります。
また、2026年のフューチャー・デザインに関する講演も、短期的な経済成長だけでなく、将来世代にどのような社会を引き継ぐかという問題意識につながっています。
3. 退任後も社会的な役割を持ち続けている2025年に経団連会長と住友化学会長を退いた後も、相談役や名誉会長、万博協会会長などの役職が確認されています。
ただし、相談役と代表取締役会長は権限が異なります。現在の住友化学の経営判断を十倉氏が担っていると理解するのは正確ではありません。
十倉氏の現在を正しく把握するには、所属する組織と役職、そしてその役職に伴う権限を分けて確認が必要です。
【十倉雅和の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:十倉雅和氏は2026年現在、何をしている?
A1:2026年11月現在、住友化学相談役、経団連名誉会長として活動しています。また、2025年日本国際博覧会協会の公式役員一覧では会長・代表理事として掲載されています。
Q2:十倉雅和氏の学歴は?
A2:東京大学経済学部卒業です。1974年3月に卒業し、同年4月に住友化学工業(現・住友化学)へ入社しました。
Q3:十倉雅和氏は住友化学の社長・会長をいつ務めた?
A3:2011年4月に代表取締役社長に就任し、2019年4月に代表取締役会長へ就任しました。2025年4月から相談役となっています。
Q4:十倉雅和氏の経団連会長の在任期間は?
A4:2021年6月1日から2025年5月29日までです。2期4年を務め、後任には日本生命保険の筒井義信氏が就任しました。
Q5:十倉雅和氏は経団連会長を辞めた後、名誉会長になった?
A5:はい。2025年5月29日の退任後、経団連名誉会長となりました。2026年8月公表の経団連名誉会長名簿にも掲載されています。
Q6:十倉雅和氏は大阪・関西万博とどのような関係がある?
A6:2021年6月に2025年日本国際博覧会協会の会長・代表理事に就任しました。2025年6月にも再任され、2026年3月末時点の役員名簿でも同職として記載されています。
Q7:十倉雅和氏は2026年現在、何歳?
A7:1950年7月10日生まれのため、2026年11月現在は76歳です。
Q8:十倉雅和氏の2026年の最新ニュースは?
A8:2026年7月12日に出身地の兵庫県西脇市から名誉市民の称号を贈られました。また、9月5日のFUTURE DESIGN 2026では「社会性の視座~FUTURE DESIGN 2040~」をテーマとした基調講演に登壇しました。
十倉雅和氏は、東京大学経済学部を卒業後、1974年に住友化学工業へ入社し、電子材料や経営企画などの部門で経験を積みました。2011年に社長、2019年に会長となり、2021年には経団連第15代会長に就任しています。
2025年5月に経団連会長を退任した後は名誉会長となり、住友化学でも相談役へと立場を変更しました。2026年現在は、万博協会の会長・代表理事としても公式役員一覧に掲載されています。
2026年7月の西脇市名誉市民称号の贈呈や、9月のフューチャー・デザイン関連の基調講演からも、退任後の活動が続いていることが分かります。
十倉氏の現在を調べる際に押さえておきたい判断基準は、次の3点です。
- 企業での役職:住友化学の現役社長・会長ではなく相談役である。
- 経済団体での役職:経団連会長は2025年に退任し、現在は名誉会長である。
- 社会的な活動:万博協会や将来世代を見据えた社会づくりに関する活動を続けている。
経営トップとしての第一線を退いた後も、長年の企業経営と経済団体での経験を背景に、社会や産業の将来について発信する十倉雅和氏。今後も、相談役・名誉会長としての活動や、経済政策、持続可能な社会に関する発言が注目されます。
主な確認資料・出典
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