二所ノ関親方が現在、力士の育成に取り組んでいる拠点が、茨城県稲敷郡阿見町にある二所ノ関部屋です。
部屋の所在地は茨城県稲敷郡阿見町荒川本郷139-1。親方の出身地である牛久市に隣接する地域で、2022年6月5日に部屋開きが行われました。
故郷に近い場所を選んだ背景には、相撲を通じて地元に恩返しをしたいという思いがあります。単に力士が生活し、稽古をする場所ではなく、地域との交流や相撲文化の普及を担う施設として構想されました。
地元のLuckyFM茨城放送などの報道によると、敷地は約6000平方メートル。稽古の効率を高めるため、一般的な相撲部屋とは異なる2面の土俵を備えています。
二所ノ関親方が重視する指導方針二所ノ関部屋の公式ホームページでは、親方自身が指導方針を説明しています。その中心にあるのは、伝統を守りながら、科学的な稽古やスポーツビジネスの考え方を積極的に取り入れることです。
皆様に愛される力士、怪我に強い力士を育てるべく、指導しています。
これは二所ノ関部屋の公式ホームページに掲載されている親方の挨拶に示された考え方です。
具体的な取り組みには、次のような特徴があります。
- 稽古の効率化:2面の土俵を設け、力士が稽古の順番を待つ時間を減らす。
- けがへの配慮:現役時代に大きな負傷を経験した親方が、けがに強い力士の育成を目指す。
- 科学的な視点:伝統的な稽古を土台にしながら、科学的なトレーニングやスポーツ科学の考え方を取り入れる。
- 相撲の普及:小学生との合同稽古や、わんぱく相撲、相撲教室などを通じて地域の子どもたちと交流する。
- 部屋の経営:企業や支援者との関係づくりを含め、相撲部屋を継続的に運営する仕組みを考える。
特に興味深いのは、力士の強さだけでなく、けがの予防や地域との関係づくりまで指導方針に含めている点です。
横綱として自らの体で経験した負傷や長期休場は、親方にとって指導者としての考え方を形成する重要な経験になっていると考えられます。勝つための稽古だけでなく、長く土俵に立ち続けられる力士を育てることが、部屋の特色の一つです。
早稲田大学大学院で学んだスポーツ科学と部屋づくり2020年入学・2021年3月修了
現役引退後、スポーツ科学を学び、相撲部屋の運営や育成方法を考えるための知識を深めた。
二所ノ関親方は、2019年の引退後、2020年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学し、2021年3月に修了しました。
現役力士が引退後に大学院で学ぶという選択は、親方のキャリアを考えるうえで注目すべき点です。
日刊スポーツの2021年の報道では、親方が相撲部屋の在り方を研究し、土俵を2面設けることや、部屋内にミーティングスペースを設置することなどを検討していたと伝えられています。
大学院での学びが、その後の部屋づくりに結び付いていることが分かります。伝統的な相撲部屋の運営を当然のものとせず、効率や安全性、経営面から見直す姿勢が特徴です。
【大の里を育成】二所ノ関部屋の所属力士と2026年の現在地

二所ノ関親方の指導者としての実績を語るうえで、欠かせない存在が大の里です。
大の里は、二所ノ関部屋に所属する力士で、2023年5月場所に初土俵を踏みました。その後、2023年9月場所で新十両、2024年1月場所で新入幕、同年11月場所で大関昇進を果たします。
そして2025年7月場所から第75代横綱として土俵に立っています。入門からわずか数年で横綱に昇進したことは、二所ノ関部屋の育成を考えるうえで大きな出来事です。
大の里の横綱昇進は何を意味するのか日本相撲協会の公式プロフィールによると、大の里は2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身。本名は中村泰輝です。
2026年11月場所時点の公式記録では、幕内優勝は6回。生涯戦歴は201勝72敗26休となっています。二所ノ関部屋から横綱が誕生しただけでなく、幕内の頂点で優勝を重ねていることも重要です。
もちろん、力士本人の身体能力や本人の努力を抜きに、師匠の指導だけで横綱昇進を説明することはできません。しかし、大の里が二所ノ関部屋で成長し、横綱にまで昇進したことは、部屋の育成環境を評価するうえで大きな実績です。
稀勢の里自身も、若い頃から期待されながら大関昇進まで長い時間を要した力士でした。そうした自身の経験を持つ親方が、早い段階で頭角を現した弟子をどのように育てていくのかは、今後も注目される部分です。
2026年11月場所の二所ノ関部屋所属力士2026年11月場所の番付と日本相撲協会の部屋別力士情報を確認すると、二所ノ関部屋には大の里以外にも、関取や幕下以下の力士が所属しています。
| 力士名 | 2026年11月場所の番付 | 注目点 |
|---|---|---|
| 大の里 | 東横綱 | 第75代横綱 |
| 白熊 | 西十両9枚目 | 関取として活躍 |
| 花の海 | 東幕下29枚目 | 幕下で上位を目指す |
| 猪名の山 | 西幕下47枚目 | 幕下で経験を積む |
| 麒麟龍 | 東三段目8枚目 | 三段目の上位 |
| 尼王 | 西三段目11枚目 | 三段目に所属 |
| 松の里 | 東序ノ口18枚目 | 新たな育成対象 |
このほか、羅漢児、麟虎、総勢山、御柱、阿見大心など、各段の力士も在籍しています。
2026年11月場所は11月8日から22日まで、福岡国際センターで開催される予定です。11月2日時点では場所前であり、今場所の取組結果はまだ出ていません。
部屋の評価を大の里一人の成績だけで判断するのは早計です。幕下以下の若手がどのように番付を上げていくのか、十両の白熊が幕内復帰を目指せるか、そして新たな関取が生まれるか。こうした点も、二所ノ関親方の育成を長期的に評価する材料になります。
二所ノ関部屋の今後の注目ポイント二所ノ関部屋の今後を追う際には、次の3点が重要です。
- 大の里の横綱としての安定感:横綱昇進後も優勝争いを続けられるか。
- 次世代の関取育成:幕下以下の力士から、新しい十両・幕内力士が誕生するか。
- けがに強い力士の育成:科学的な稽古環境や指導方針が、長期的な競技生活に結び付くか。
一人のスター力士を輩出することと、継続的に強い力士を育てることは別の課題です。二所ノ関部屋が今後どのような人材を育てるかによって、親方の指導者としての評価もさらに明確になっていくでしょう。
【よくある質問】二所ノ関親方に関するFAQ
Q1:二所ノ関親方は現在何歳ですか?
A1:1986年7月3日生まれなので、2026年11月2日現在は40歳です。
Q2:二所ノ関親方の本名は何ですか?
A2:本名は萩原寛(はぎわら・ゆたか)です。現役時代は稀勢の里寛という四股名で活躍し、引退後は二所ノ関寛を名乗っています。
Q3:二所ノ関親方はいつ現役を引退しましたか?
A3:2019年1月16日です。引退時には年寄「荒磯」を襲名しました。
Q4:二所ノ関親方の生涯戦歴は何勝ですか?
A4:800勝496敗97休です。101場所にわたる現役生活で、幕内優勝2回を記録しました。
Q5:二所ノ関部屋はどこにありますか?
A5:茨城県稲敷郡阿見町荒川本郷139-1にあります。2022年6月に部屋開きを行った施設です。
Q6:二所ノ関親方は早稲田大学を卒業していますか?
A6:早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を2021年3月に修了しています。現役引退後にスポーツ科学や相撲部屋の運営について学びました。
Q7:大の里は二所ノ関親方の弟子ですか?
A7:はい。大の里は二所ノ関部屋所属の力士です。2023年5月に初土俵を踏み、2025年7月に第75代横綱へ昇進しました。
二所ノ関親方は、元第72代横綱・稀勢の里として800勝496敗97休という実績を残した後、2019年に現役を引退しました。
その後は荒磯親方として部屋を創設し、2021年12月に伝統ある年寄名跡「二所ノ関」を襲名。2022年6月には茨城県阿見町に新しい二所ノ関部屋を開設しました。
現在の活動を理解するうえで重要なのは、次の3つです。
- 現役時代の実績:第72代横綱、幕内優勝2回、生涯800勝。
- 親方としての特色:早稲田大学大学院で学んだスポーツ科学や経営的な視点を取り入れた部屋づくり。
- 育成面での成果:弟子の大の里が第75代横綱へ昇進し、2026年現在も二所ノ関部屋の看板力士として活躍。
二所ノ関親方の指導者としての価値は、大の里という一人の横綱を育てたことだけでは測れません。
注目すべきなのは、伝統的な相撲の技術を継承しながら、科学的な稽古、けがへの配慮、施設の効率化、地域との連携を一つの部屋運営に組み込んでいる点です。
横綱時代には、自身の負傷によって長く苦しい時期を経験しました。その経験を次世代の育成にどう生かすかは、親方としての大きなテーマでもあります。
今後、二所ノ関部屋を評価する際は、大の里の優勝回数だけでなく、白熊ら関取の成績、若手力士の昇進、けがからの復帰や長期的な成長にも目を向けたいところです。
2026年の二所ノ関親方は、横綱としての実績を背負いながら、次の横綱や大関を育てる立場にあります。阿見町からどのような力士が育っていくのか。二所ノ関部屋の歩みは、これからの大相撲を占ううえでも見逃せません。
主な参照資料:日本相撲協会公式サイト(二所ノ関親方・稀勢の里・二所ノ関部屋・大の里のプロフィール)、二所ノ関部屋公式ホームページ、阿見町公式ホームページ、早稲田大学大学院関連資料、日刊スポーツ、LuckyFM茨城放送。