カールの歴史における最大の転換点は、2017年5月25日に明治が発表した販売地域と商品ラインナップの縮小です。
当時、全国で販売されていたカールは、2017年8月生産分を最後に中部地方以東での販売を終了することになりました。
ただし、ここで注意したいのは、カールというブランド自体が販売終了したわけではないという点です。
販売終了の背景にあった3つの問題2017年の明治の発表について報じたITmediaビジネスオンラインなどによると、販売縮小の背景には、次のような経営上の事情がありました。
1. スナック菓子市場の変化
市場環境や消費者ニーズが変化し、カールの競争優位性が低下。長年の販売実績があっても、従来と同じ販売規模を維持することが難しくなっていました。
2. 長期的な販売規模の低迷
販売数量や事業規模が長期にわたって低迷し、収益性が悪化していました。ブランドを維持するための事業上の負担も大きくなっていたのです。
3. 生産・物流体制の見直し
全国に分散していた生産拠点を集約し、製造効率と物流コストを改善する必要がありました。
明治は販売を全面的に終了する可能性も検討していましたが、長年愛されてきたブランドを残すため、約3年前から存続方法を模索していたと報じられています。
なぜ東日本ではなく西日本で販売を続けたのか?ここには、よくある誤解があります。
それは「東日本ではカールが売れず、西日本では人気があったから」という説明です。
実際には、販売地域を決めた主な理由は、単純な東西の人気差ではありません。
ITmediaビジネスオンラインの2023年の取材記事では、西日本限定にした理由について、生産効率と生産拠点からの物流を総合的に考慮した結果だと紹介されています。
つまり、愛媛県松山市の工場を中心に生産する体制を整え、輸送効率を考えて西日本に販売エリアを絞ったということです。
販売縮小前後の変化を一覧表で比較| 時期・項目 | 出来事・変更内容 | 商品・関係者 |
|---|---|---|
| 1968年7月 | カール発売 | チーズ・チキンスープ |
| 1971年 | うすあじ発売 | 明治 |
| 1982年 | カールおじさんが主役に | おらが村キャラクター |
| 2017年5月 | 販売地域縮小を発表 | 明治 |
| 2017年8月生産分 | 東日本での全国販売を終了 | チーズあじ・うすあじ |
| 2017年8月生産分 | 商品自体の販売を終了 | カレーあじ・大人の贅沢カール・小つぶカール |
| 2017年秋以降 | 西日本限定で販売継続 | チーズあじ・うすあじ |
| 2026年9月 | 明治が販売地域と通販方針をFAQで案内 | 西日本23府県 |
| 2026年12月予定 | 松山工場の閉鎖・製造機能の移管 | 大阪工場 |
2017年の変更で販売終了となった商品は、次の5商品です。
- カールカレーあじ
- 大人の贅沢カール 濃厚炙りチーズ味
- 大人の贅沢カール 熟旨炙りカレー味
- 小つぶカール チーズあじ
- 小つぶカール うすあじ
一方、チーズあじとうすあじは販売地域を縮小する形で残りました。
この判断は、長年のブランドを完全に失うのではなく、事業を継続できる規模に再編する選択だったと考えられます。
【2026年最新】カールの販売地域はどこ?現在買える2種類を解説

明治の公式FAQでは、カールの販売地域は西日本限定と案内されています。
対象となるのは、以下の23府県です。
カールが買える西日本23府県| 地域 | 販売対象の府県 |
|---|---|
| 近畿 | 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 |
| 中国 | 鳥取・島根・岡山・広島・山口 |
| 四国 | 徳島・香川・愛媛・高知 |
| 九州・沖縄 | 福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄 |
出典:明治「カールの販売地域はどこですか」2026年9月1日公開の公式FAQ。
北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海などは、公式の通常販売地域に含まれていません。
以前は全国のスーパーやコンビニで見かけた商品ですが、現在は販売エリアが明確に限定されています。
現在販売中のカールは2種類
カール チーズあじ
6種類のチーズをブレンドした濃厚な味わい。生地にもチーズを練り込み、コクを引き出しています。
チーズ好きや、昔ながらのカールを楽しみたい人におすすめ。
カール うすあじ
鰹や昆布を生かした和風だしのうまみが特徴。軽やかで奥行きのある味わいです。
濃厚なチーズ味よりも、だしの風味を楽しみたい人におすすめ。
| 比較項目 | チーズあじ | うすあじ |
|---|---|---|
| 味の方向性 | 濃厚でコクがある | 和風だしのうまみ |
| 主な特徴 | 6種類のチーズを使用 | 鰹・昆布の風味 |
| おすすめの人 | チーズ好き | あっさりした味が好き |
| 2026年の販売 | 西日本限定 | 西日本限定 |
両商品とも現在の公式ラインナップに掲載されています。
なお、歴代商品の復刻版や期間限定コラボ商品が登場した場合も、通常のカールの定番商品が3種類、4種類に増えたとは限りません。商品名と販売期間を確認することが大切です。
【東日本でカールを買う方法】取扱店舗検索と通販購入の注意点
「関東でもカールが食べたい」「東京や神奈川のスーパーで買える場所はないの?」という疑問を持つ人も多いはずです。
2026年現在、東日本は明治が案内する通常販売エリアの対象外です。ただし、購入の可能性を探る方法はいくつかあります。
1. 明治公式の取扱店舗検索を利用するまず確認したいのが、明治の公式取扱店舗検索です。
明治のFAQでは、カールの販売地域を案内するとともに、商品の取扱店舗を検索できるサービスを紹介しています。
探すときは、次の順番がおすすめです。
1. 明治の公式取扱店舗検索を開く。
2. 商品名や地域を指定して検索する。
3. 店舗の取扱状況を確認する。
4. 在庫の有無について店舗に問い合わせる。
販売地域内であっても、すべてのスーパーやコンビニに必ず置いてあるわけではありません。
特に旅行先で購入したい場合は、出発前に店舗へ確認すると無駄足を防げます。
2. Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの通販を探す東日本に住んでいて、現地まで買いに行くのが難しい場合は、インターネット通販が現実的な選択肢になります。
検索先としては、次のような大手通販サイトがあります。
| 通販サービス | 探し方 | 注意点 |
|---|---|---|
| Amazon | カール チーズあじで検索 | 出品者と送料を確認 |
| 楽天市場 | 明治 カールで検索 | セット販売の内容を確認 |
| Yahoo!ショッピング | カール うすあじで検索 | 販売価格と配送条件を確認 |
ここで重要なのは、通販サイトで販売されている商品が、必ずしも明治の公式販売品ではないことです。
第三者の販売業者が西日本から仕入れて出品しているケースも考えられます。
購入前には、以下の4点を確認しましょう。
- 販売業者の名称と評価
- 商品の賞味期限
- 送料を含めた合計金額
- 在庫状況と発送予定日
特にカールは軽くてかさばるスナック菓子です。まとめ買いをする場合は、商品代金だけでなく送料を含めた価格で比較することが大切です。
3. 明治公式通販では購入できる?この点は、明治の公式FAQに明確な回答があります。
2026年9月1日公開の「カールを明治の通信販売で購入することはできますか」という質問に対し、明治は次のように案内しています。
お客様への直接の通信販売は行っておりません。
つまり、明治から消費者へ直接カールを発送する通信販売は実施されていません。
明治の商品情報ページにカールが掲載されていることと、明治公式通販で購入できることは別の話です。
4. 松山市のふるさと納税返礼品は現在も申し込める?以前は、カールの製造拠点がある愛媛県松山市のふるさと納税返礼品として、カールを受け取る方法もありました。
松山市は全国で初めてカールを返礼品に採用し、松山城や道後温泉本館をデザインしたオリジナルパッケージなども展開していました。
しかし、松山市の公式ホームページによると、2026年8月31日をもってカールの返礼品の受付は終了しています。
そのため、2026年11月現在は、この方法を新たな購入手段として利用することはできません。
なお、終了したのはふるさと納税返礼品としての受付であり、通常商品の販売終了ではありません。
【2026年の新たな動き】松山工場閉鎖とカールの今後
2026年のカールを語るうえで、もう一つ見逃せない動きがあります。
それが、長年カールを製造してきた愛媛県松山市の四国明治・松山工場の閉鎖です。
松山工場は2026年12月に閉鎖予定2017年の販売地域縮小以降、カールの生産は松山工場に集約されてきました。
ところが、2025年10月、松山工場を2026年12月に閉鎖する計画が報じられました。
TBS NEWS DIGの2025年10月14日の報道では、明治が収益改善などを目的として工場閉鎖を決め、カールの生産を別の工場に移す方針が紹介されています。
また、2025年10月の建設業界紙の報道では、移管先は大阪府高槻市の大阪工場とされています。
工場が閉鎖されてもカールはなくならない?ここは特に誤解しやすいポイントです。
松山工場の閉鎖は、カールという商品そのものの製造終了を意味しません。
報道されている計画では、製造機能を大阪工場へ移し、西日本限定での販売を続ける見通しです。
つまり、2026年11月現在の状況を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 2026年11月時点の状況 |
|---|---|
| カールのブランド | 継続 |
| チーズあじ | 西日本限定で販売 |
| うすあじ | 西日本限定で販売 |
| 松山工場 | 2026年12月閉鎖予定 |
| 製造機能 | 大阪工場への移管計画 |
| 全国販売への復帰 | 公式な再開発表は確認できない |
今後注目したいのは、製造拠点の変更によって供給体制や店頭での販売状況に変化が生じるかどうかです。
ただし、工場移管に伴う一時的な販売休止や、具体的な出荷日程については、明治の公式販売案内で確認できる情報と区別する必要があります。
少なくとも、松山工場の閉鎖予定だけを理由に「カールが2026年末で完全終了する」と判断するのは正確ではありません。
【おやつのカールに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:カールは2026年現在、販売終了していますか?
A1:いいえ。カールブランドは継続しています。チーズあじとうすあじの2種類が、西日本限定で販売されています。
Q2:カールは何年に発売されましたか?
A2:1968年7月25日です。発売当初はチーズがけとチキンスープの2種類で、希望小売価格は70円でした。
Q3:カールが東日本で販売終了になったのはなぜですか?
A3:市場環境や消費者ニーズの変化、販売規模の長期的な低迷、収益性の悪化などが理由です。加えて、生産拠点の集約と物流効率の改善を目的として販売地域が縮小されました。
Q4:カールが買えるのは何県ですか?
A4:2026年の明治公式案内では、京都、滋賀、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、岡山、島根、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の23府県です。
Q5:カールのチーズあじとうすあじは何が違いますか?
A5:チーズあじは6種類のチーズをブレンドした濃厚な味わいで、うすあじは鰹や昆布を生かした和風だしの風味が特徴です。
Q6:カールはAmazonや楽天で購入できますか?
A6:通販サイトで出品商品を探すことはできます。ただし、販売業者や在庫、送料は商品ごとに異なります。明治による直接通販は実施されていません。
Q7:カールおじさんはいつ誕生しましたか?
A7:明治の公式歴史資料では、1982年にカールおじさんがCMとパッケージの主役になったと紹介されています。それ以前は坊やの後ろに登場する脇役でした。
Q8:松山工場が閉鎖されるとカールもなくなりますか?
A8:いいえ。2026年12月の松山工場閉鎖後は、大阪工場へ製造機能を移管し、西日本限定で販売を継続する計画が報じられています。
明治のカールは、1968年の発売から半世紀以上にわたって親しまれてきた日本を代表するスナック菓子です。
2017年の販売地域縮小によって東日本では通常販売が終了しましたが、商品そのものがなくなったわけではありません。2026年11月現在も、チーズあじとうすあじの2種類が西日本23府県で販売されています。
今回の調査で押さえておきたい要点は、次の5つです。
- カールの発売日は1968年7月25日。
- 「それにつけてもおやつはカール」は1970年ごろに発案されたCMフレーズ。
- カールおじさんが主役になったのは1982年。
- 2017年に販売地域と商品数が縮小され、現在は西日本限定の2種類が定番。
- 2026年12月には松山工場の閉鎖が予定されているが、大阪工場への製造移管によって販売継続が見込まれている。
東日本に住んでいて昔のカールが恋しくなった人は、通販サイトの在庫を確認するのが現実的です。西日本へ旅行する機会があれば、スーパーや駅の売店などで探してみるのもよいでしょう。
長年親しまれた味を残しながら、生産体制を変えて次の時代へ進むカール。2026年末の工場移管を経て、これからも「それにつけてもおやつはカール」という懐かしいブランドが続いていくか、今後の動向にも注目です。