『鋼の錬金術師』の映画を整理すると、実写版とアニメ版では物語の成り立ちが異なります。単純に公開順に並べて5作品を連続視聴しても、物語が一本につながるわけではありません。
公開順は次のとおりです。
| 公開日 | 映画タイトル | 種別 | 作品の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 2005年7月23日 | 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 | アニメ | 2003年版アニメの続編 |
| 2011年7月2日 | 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 | アニメ | 映画オリジナルストーリー |
| 2017年12月1日 | 鋼の錬金術師 | 実写 | 実写シリーズ第1作 |
| 2022年5月20日 | 鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー | 実写 | 完結編・前編 |
| 2022年6月24日 | 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 | 実写 | 完結編・後編 |
この5作品のうち、実写版はすべて曽利文彦監督が手掛けています。一方、アニメ版は制作スタジオBONESが関わり、『シャンバラを征く者』は2005年、『嘆きの丘の聖なる星』は2011年に公開されました。
特に注意したいのが、アニメ映画2作品の関係です。
『シャンバラを征く者』は2003年版テレビアニメの最終回から物語が続く作品ですが、『嘆きの丘の聖なる星』は別のストーリーを描いた劇場版です。
つまり、アニメ映画2作品を続けて見れば一つの物語が完結するという構造ではありません。
また、実写版とアニメ版も別々の映像作品として楽しむのが基本です。
【実写映画の歴代作品】山田涼介主演の3作品を詳しく解説

実写映画は2017年にスタートし、2022年の完結編2部作によってエドワードとアルフォンスの旅に一区切りがつきました。
原作の壮大なストーリーを限られた映画の上映時間に収めるため、各作品で描かれるエピソードや人物の登場順には違いがあります。
1. 『鋼の錬金術師』(2017年)実写シリーズの第1作は、2017年12月1日に公開されました。
主演はHey! Say! JUMPの山田涼介。監督は『ピンポン』などを手掛けた曽利文彦です。
物語の中心は、エドワードとアルフォンスの兄弟が失った身体を取り戻すため、賢者の石を探す旅に出るという原作の基本設定です。
幼い頃、亡くなった母親を蘇らせようとして人体錬成を行った2人。しかし錬成は失敗し、エドは左脚を、アルは肉体のすべてを失います。
エドは自分の右腕を代償にアルの魂を鎧に定着させ、兄弟で元の身体を取り戻す方法を探し始めます。
主要キャスト
- エドワード・エルリック:山田涼介
- アルフォンス・エルリック:水石亜飛夢(声)
- ウィンリィ・ロックベル:本田翼
- ロイ・マスタング:ディーン・フジオカ
- リザ・ホークアイ:蓮佛美沙子
- エンヴィー:本郷奏多
- ラスト:松雪泰子
- マース・ヒューズ:佐藤隆太
- ショウ・タッカー:大泉洋
注目したいのは、アルフォンスの表現方法です。
劇中のアルはフルCGで制作されており、水石亜飛夢がモーションキャプチャーと声の両方を担当しました。MANTANWEBなどの当時の報道によると、モーションキャプチャーでの演技が評価され、声も担当することになった経緯があります。
実写俳優とCGキャラクターを組み合わせることで、原作の鎧姿を映画として再現した点は、本作の大きな特徴です。
また、原作のエピソードをそのまま順番どおりに映像化するのではなく、エドとアルの兄弟関係を中心に再構成しています。
2. 『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(2022年)2022年5月20日公開
完結編の前編にあたる作品です。
物語の中心人物は、額に十字の傷を持つ男、スカー。
イシュヴァールの民であるスカーは、かつて国軍によって故郷を滅ぼされた過去を持ち、その復讐のために国家錬金術師を狙います。
エドもその標的となり、兄弟は強大な敵との戦いに巻き込まれていきます。
本作では、2017年版から続投するキャストに加え、新たな登場人物が加わりました。
注目キャスト
- エドワード・エルリック:山田涼介
- アルフォンス・エルリック:水石亜飛夢
- ウィンリィ・ロックベル:本田翼
- ロイ・マスタング:ディーン・フジオカ
- 傷の男(スカー):新田真剣佑
- リン・ヤオ/グリード:渡邊圭祐
- ランファン:黒島結菜
- キング・ブラッドレイ:舘ひろし
- オリヴィエ・ミラ・アームストロング:栗山千明
- ヴァン・ホーエンハイム/お父様:内野聖陽
スカーの登場によって、物語は単なる兄弟の身体を取り戻す旅から、国家の歴史や軍部が隠してきた秘密をめぐる大きな対立へと広がります。
原作ファンにとっても、スカーやシン国の人物たちが実写でどのように表現されるかが見どころです。
3. 『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(2022年)2022年6月24日公開
実写シリーズの最終作です。
『復讐者スカー』で始まった対立が、国家を揺るがす巨大な陰謀と最終決戦へと発展します。
敵の中心にいるのは、ホムンクルスたちを生み出した存在である「お父様」。
エドとアルだけでなく、マスタングたち軍の仲間やシン国から来た人物たちも関わり、物語は原作の最終話まで進みます。
最大の見どころは、兄弟が長い旅の末にどのような答えを出すのかという点です。
2017年の第1作から続いた実写シリーズが、2022年の2作品によって完結する構成になっています。
なお、完結編は2作品を合わせて一つの大きな最終章として設計されています。『最後の錬成』だけを先に見ると、スカーとの対立や登場人物の関係が分かりにくくなるため、必ず『復讐者スカー』から視聴するのがおすすめです。
【アニメ映画2作品の違い】シャンバラとミロスは何が違う?
アニメ版の劇場作品は、実写版とは異なり、テレビアニメとのつながりを理解しておくことが大切です。
『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(2005年)2005年7月23日公開
制作はBONES。2003年版テレビアニメの物語を締めくくる劇場版です。
舞台となるのは、西暦1923年のドイツ・ミュンヘン。
テレビアニメの終盤で異なる世界に引き裂かれたエドとアルは、それぞれの場所で再会する方法を探しています。
エドは錬金術が使えない現実世界に飛ばされ、ロケット工学などの科学技術を手掛かりに故郷へ帰ろうとします。
一方、アルも兄との再会を願い、元の世界で旅を続けています。
この作品の特徴は、2003年版テレビシリーズで描かれた独自の結末を引き継いでいることです。
したがって、原作漫画や2009年版『FULLMETAL ALCHEMIST』の続編として見ることはできません。
2003年版のエドとアルの物語を最後まで見届けたい人に向いています。
『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』(2011年)2011年7月2日公開
こちらもBONES制作の劇場版ですが、『シャンバラを征く者』とは物語の位置づけが異なります。
エドとアルは、中央刑務所から脱獄したメルビン・ボイジャーという人物を追い、アメストリス西部の国境地帯へ向かいます。
そこで2人がたどり着いたのが、かつてミロスと呼ばれた街、テーブルシティです。
彼らはジュリア・クライトンという少女と出会い、その土地に隠された歴史や争いに関わっていきます。
主要スタッフ・キャスト
- 監督:村田和也
- 脚本:真保裕一
- エドワード:朴璐美
- アルフォンス:釘宮理恵
- ジュリア:坂本真綾
- メルビン:森川智之
本作の特徴は、テレビシリーズの最終回を描く続編ではなく、エドとアルの旅の途中を舞台にしたオリジナルストーリーであることです。
『シャンバラを征く者』のように2003年版の結末を知らなければ理解できない作品ではありません。
ただし、登場人物や世界観をより深く楽しみたいなら、テレビアニメを先に見ておくと理解しやすくなります。
【初めてでも迷わない】鋼の錬金術師映画を見る順番
映画をすべて見る場合、公開順だけで視聴するよりも、実写版とアニメ版を別々のシリーズとして整理するのが効率的です。
実写映画を見る順番実写版は次の順番で視聴してください。
1. 『鋼の錬金術師』(2017年)
2. 『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(2022年)
3. 『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(2022年)
この順番なら、兄弟の旅の始まりから、スカーとの対決、最終決戦まで自然に追えます。
特に第1作で人物関係を把握しておくと、完結編で新たに登場するキャラクターや国家の陰謀も理解しやすくなります。
アニメ映画を見る順番アニメ版は、対応するテレビシリーズごとに視聴するのが基本です。
2003年版の系列
1. テレビアニメ『鋼の錬金術師』(2003年)
2. 『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(2005年)
2009年版の系列
1. テレビアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(2009年)
2. 『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』(2011年)
2003年版と2009年版は、同じ原作を基にしながら異なる物語として制作されています。
2003年版は原作連載中に制作されたため、アニメ独自の展開と結末を持っています。
一方、2009年版の『FULLMETAL ALCHEMIST』は、原作漫画のストーリーを基本的に踏襲した作品です。
そのため、原作に沿った物語を楽しみたい人は2009年版を、独自の解釈を含む別の物語を楽しみたい人は2003年版を選ぶとよいでしょう。
すべての映画を見たい人におすすめの順番アニメ版も実写版も含めて楽しむなら、次の順番がおすすめです。
- 2003年版テレビアニメ
- 『シャンバラを征く者』
- 2009年版『FULLMETAL ALCHEMIST』
- 『嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』
- 実写版2017年
- 実写版『復讐者スカー』
- 実写版『最後の錬成』
これは作品同士の公開順を厳密に再現する順番ではなく、それぞれの物語を理解しやすくするための視聴ルートです。
実写版だけを見たい場合は、最初の3作品だけで問題ありません。
【実写版とアニメ版を比較】原作との違い・評判・レビューの真相
『鋼の錬金術師』の映画を選ぶ際に気になるのが、実写版とアニメ版の違いです。
両者は同じ原作を出発点としていますが、映像表現や物語の構成には大きな違いがあります。
実写映画とアニメ映画の比較実写版の特徴
- 山田涼介を中心とする実際の俳優による演技
- アルフォンスなどのCGを活用した映像表現
- 限られた上映時間に合わせたストーリーの再構成
- 原作の重要な場面を実写ならではの演出で表現
アニメ版の特徴
- 朴璐美や釘宮理恵らによるアニメ版の声優演技
- 錬金術のアクションやキャラクターの表情をアニメーションで表現
- テレビシリーズとの物語上のつながりを持つ作品がある
- 実写版とは異なる独自のストーリー展開
特に大きな違いは、実写版では長編漫画の内容を映画の尺に合わせて再構成している点です。
原作との違いはどこにある?原作漫画は全27巻にわたって、エドとアルの成長、軍部の秘密、イシュヴァールの歴史、ホムンクルスの正体などを段階的に描いています。
一方、実写映画では複数のエピソードを短い時間にまとめる必要があります。
2017年版の公式プロダクションノートでは、兄弟の旅を中心に据える構成が採用されたことや、タッカーとキメラのエピソードが物語の重要な要素として取り入れられたことが紹介されています。
2022年の完結編は原作の最終話まで描いていますが、原作のすべてのエピソードを同じ密度で再現しているわけではありません。
原作でじっくり描かれた人物の背景や心情、各勢力の関係性が映画では圧縮されているため、映画だけでは説明が足りないと感じる人もいます。
反対に、原作の主要な展開を短時間で追いたい人には、映画ならではのテンポのよさが魅力になります。
鋼の錬金術師映画の評判・レビュー2017年版の評価を見ると、映画.comのレビューでは、2026年時点で293件の評価が集まり、平均2.3点(5点満点)となっています。
この数字だけで作品の価値を判断することはできませんが、原作ファンを含めて評価が分かれていることは読み取れます。
評価の論点は大きく分けて次の3つです。
1. 映像表現への評価
アルフォンスのCGや錬金術の演出、異国情緒のある街並みなど、実写化ならではの映像面を評価する声があります。
2. キャストへの評価
山田涼介のエド役や松雪泰子のラスト役など、原作のキャラクターを実際の俳優がどう演じるかは大きな注目点でした。
3. ストーリーの圧縮への意見
原作の情報量に対して映画の上映時間は限られているため、展開が速い、人物の背景が十分に描かれていないといった評価もあります。
この点は2022年の完結編にも通じる部分です。
実写版を評価する際には、原作をそのまま映像化した作品として見るのか、映画独自の再構成として見るのかで印象が変わります。
実写版がおすすめの人・アニメ版がおすすめの人実写版が向いているのは、山田涼介をはじめとする俳優陣の演技を楽しみたい人や、原作の大きな流れを映画で追いたい人です。
一方、原作の世界観やキャラクターの心情を深く味わいたい人には、アニメ版がおすすめです。
特に2009年版の『FULLMETAL ALCHEMIST』は、原作に沿った展開を楽しめるため、映画を見て興味を持った人の次の作品としても適しています。
【2026年最新】鋼の錬金術師映画の配信状況は?Netflix・Hulu・U-NEXT
映画を視聴する前に確認しておきたいのが、動画配信サービスの取り扱いです。
2026年10月に確認できた国内向け配信情報を基に整理すると、作品ごとに配信先が異なります。
作品別の配信先2017年版『鋼の錬金術師』
HuluとU-NEXTで作品ページが確認できます。Amazon Prime Videoなどではレンタル扱いになる場合もあります。
『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』
Huluの作品ページがあり、配信サービスの作品情報ではU-NEXT、DMM TV、ABEMA、アニメタイムズなどにも掲載されています。
『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』
Prime Video、U-NEXT、DMM TV、Huluなどが配信先の候補です。見放題とレンタルの区分はサービスによって異なります。
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』
Netflixで配信作品として掲載されています。
『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』
こちらもNetflixで配信作品として掲載されています。
ただし、動画配信サービスは契約地域や配信契約の更新によって視聴できる作品が変わります。海外からアクセスする場合も日本国内とは配信内容が異なることがあります。
視聴直前には各サービスで作品名を検索し、見放題なのかレンタルなのかを確認してください。
2026年に新作映画は公開される?2026年11月3日時点で、映画シリーズの新作公開日などを示す公式発表は確認できません。
映画の最新作は、2022年公開の『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』です。
同作が原作の最終話までを描く完結編として制作されたことからも、2022年の2部作は実写シリーズの物語を締めくくる位置づけです。
2026年に新しい映画が公開されるといった情報と、既存作品の配信・再上映情報は区別しておく必要があります。
【鋼の錬金術師映画】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鋼の錬金術師の映画は全部で何作ありますか?
A1:劇場公開作品は全部で5作品です。実写映画が3作品、アニメ映画が2作品です。実写版は2017年の第1作と2022年の完結編2作品、アニメ版は2005年の『シャンバラを征く者』と2011年の『嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』です。
Q2:鋼の錬金術師の実写映画はどの順番で見ればいいですか?
A2:2017年公開の『鋼の錬金術師』を最初に見て、続いて2022年公開の『復讐者スカー』、最後に『最後の錬成』を見るのがおすすめです。
Q3:山田涼介は映画で何役を演じていますか?
A3:実写版で主人公エドワード・エルリックを演じています。2017年の第1作から2022年の完結編2作品まで続投しています。
Q4:アニメ映画の『シャンバラを征く者』と『ミロスの聖なる星』はつながっていますか?
A4:直接続く物語ではありません。『シャンバラを征く者』は2003年版テレビアニメの続編で、『ミロスの聖なる星』は別のオリジナルストーリーです。
Q5:実写映画を見れば原作漫画の最後まで分かりますか?
A5:2022年の完結編2作品で原作の最終話までの物語が映像化されています。ただし、映画用にエピソードが再構成・省略されているため、原作の細かな人物描写や背景まで知りたい場合は漫画全27巻を読むのがおすすめです。
『鋼の錬金術師』の映画は、実写版3作品とアニメ版2作品の合計5作品です。公開順は2005年の『シャンバラを征く者』から始まり、2011年の『ミロスの聖なる星』、2017年の実写第1作、そして2022年の完結編2部作へと続きます。
初めて実写版を見るなら、山田涼介主演の2017年版から『復讐者スカー』『最後の錬成』の順番がおすすめです。アニメ版なら、2003年版と『シャンバラを征く者』、2009年版と『ミロスの聖なる星』という2つの系列を意識すると迷いません。
原作に忠実なストーリーをじっくり楽しみたい人は2009年版アニメ、俳優陣による実写表現を楽しみたい人は実写3部作、2003年版独自の結末まで見届けたい人は『シャンバラを征く者』を選ぶとよいでしょう。
2026年現在、新作映画の公式公開情報は確認されていません。まずは既存の5作品から、自分に合った『鋼の錬金術師』の世界を楽しんでみてください。
主な事実確認資料
- 実写第1作の公開日・キャスト:日本映画データベース、映画.com。
- 実写完結編の公開日・キャスト・作品構成:ワーナー・ブラザース公式、アニプレックス。
- アニメ映画2作品の公開日・作品概要:アニメーション制作会社BONES公式。
- 実写版の原作との違い・制作背景:ワーナー・ブラザース公式プロダクションノート。
- 評価・レビュー:映画.com。
- 2026年秋の配信情報:Hulu、U-NEXT、Filmarks、JustWatch。