2026年の最多勝は13勝で決着したが、過去のプロ野球には現在とは比較にならないほど多くの勝ち星を挙げた投手が存在する。
パ・リーグのシーズン最多勝記録として知られるのが、元西鉄ライオンズの稲尾和久が1961年に達成した42勝だ。
この記録は、2026年シーズン終了時点でもNPBの歴代シーズン最多勝利記録の1位タイに位置している。
稲尾和久が1961年に達成した42勝の衝撃は、1961年に78試合へ登板し、42勝14敗を記録した。
特筆すべきは、勝利数だけではない。
- 勝利:42勝
- 敗戦:14敗
- 登板:78試合
- 投球回:404回
- 奪三振:353
最多勝に加え、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振も獲得。投手部門の主要タイトルを総なめにする圧倒的なシーズンだった。
埼玉西武ライオンズの球団史でも、この42勝は「鉄腕」稲尾を象徴する歴史的な記録として紹介されている。
現在のプロ野球では先発投手の登板間隔や投球数、救援投手との役割分担が重視される。2026年の平良は146イニング、エスピノーザは149回1/3を投げている。
一方、1961年の稲尾は404イニングを投げていた。
投手の起用方法やシーズンを取り巻く環境が大きく異なるため、単純な勝利数の比較には注意が必要だ。42勝という数字には、当時の投手に求められた役割と稲尾自身の突出した耐久力が表れている。
近年のパ・リーグ最多勝獲得者近年のタイトル争いを見ると、2021年から2023年にかけては山本由伸が3年連続で最多勝を獲得した。
2024年と2025年は、有原航平と伊藤大海がともに14勝を挙げ、2年連続でタイトルを分け合っている。
そして2026年は、北山亘基とエスピノーザが13勝で同時受賞。近年は単独受賞だけでなく、複数投手が同じ勝利数でタイトルを獲得するケースも目立つ。
歴代の記録を追うと、最多勝争いには時代ごとの特徴がある。
- 1961年:稲尾和久が42勝。パ・リーグのシーズン最多勝記録を樹立。
- 2013年:田中将大が24勝を記録。
- 2021~2023年:山本由伸が3年連続で最多勝を獲得。
- 2024年:有原航平と伊藤大海が14勝で同時受賞。
- 2025年:有原航平と伊藤大海が再び14勝で同時受賞。
- 2026年:北山亘基とエスピノーザが13勝で同時受賞。
特に山本由伸の3年連続受賞は、安定した先発能力を長期間維持した実績として評価できる。
【投手三冠王の条件とは?】2026年に三冠を達成した投手はいる?

最多勝を調べていると、関連して目にするのが「投手三冠王」という言葉だ。
これは、投手が同一シーズンに主要な3つの個人タイトルを獲得することを指す。
一般的には、次の3部門が対象となる。
1. 最多勝利:シーズンで最も多く勝利した投手
2. 最優秀防御率:規定投球回に到達した投手のうち、防御率が最も低い投手
3. 最多奪三振:シーズンで最も多くの三振を奪った投手
打者の三冠王が打率・本塁打・打点の3部門で争われるのに対し、投手は勝利・防御率・奪三振という異なる能力を総合的に評価する。
2026年は投手三冠王が誕生しなかった2026年のパ・リーグでは、3つのタイトルが別々の投手に分かれた。
最多勝は北山亘基とエスピノーザ、最優秀防御率は平良海馬、最多奪三振は荘司康誠が獲得している。
つまり、同一投手による投手三冠王は誕生していない。
興味深いのは、3人の投球スタイルや成績の特徴がそれぞれ異なる点だ。
勝利数を積み重ねる力、失点を防ぐ力、打者から三振を奪う力は、必ずしも同時に最大化されるわけではない。
山本由伸が示した投手タイトルの到達点投手三冠を考えるうえで、山本由伸の実績は欠かせない。
2023年、山本はオリックスで16勝、防御率1.21、169奪三振を記録。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振を獲得した。
さらに勝率第一位投手賞も受賞し、史上初の3年連続投手4冠を達成。沢村賞も含めれば5冠という圧倒的なシーズンだった。
NPBの2023年シーズン総括でも、この実績は歴史的な快挙として紹介されている。
2026年のタイトル獲得者と比較すると、山本のように勝利、防御率、奪三振を同時にリーグトップにすることが、どれほど難しいかが分かる。
なお、投手三冠王という呼称には厳密に統一された公式表彰制度があるわけではない。勝率を含めて投手4冠と呼ぶ場合もあるため、ニュースや記録を確認するときは対象となるタイトルを区別したい。
【パ・リーグ最多勝に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年のパ・リーグ最多勝は誰ですか?
A1:北海道日本ハムの北山亘基とオリックスのエスピノーザです。2人とも13勝を挙げ、NPBから最多勝利投手賞を受賞しました。エスピノーザの単独受賞ではありません。
Q2:2026年の最優秀防御率と最多奪三振は誰ですか?
A2:最優秀防御率は西武の平良海馬で1.36、最多奪三振は楽天の荘司康誠で171個です。勝利数以外にも、それぞれ異なる分野でリーグトップの投手が誕生しました。
Q3:パ・リーグの歴代最多勝記録は何勝ですか?
A3:1961年に西鉄の稲尾和久が記録した42勝です。NPBのシーズン最多勝利記録でも、1939年のヴィクトル・スタルヒンと並ぶ1位タイの記録です。
Q4:最多勝は勝率が高い投手が獲得するのですか?
A4:いいえ。最多勝はシーズンの勝利数で決まります。勝率が高くても勝利数が最多でなければ、最多勝にはなりません。2026年は北山が最多勝と勝率第一位の両方を獲得しました。
Q5:最多勝と最多奪三振は同じタイトルですか?
A5:別のタイトルです。最多勝は勝利投手として記録された回数、最多奪三振は打者から三振を奪った数で決まります。2026年は最多勝を北山とエスピノーザ、最多奪三振を荘司が獲得しました。
2026年のパ・リーグ最多勝は、北山亘基とエスピノーザの2人が13勝で並び、同時受賞という結果になった。
一方、投手部門全体を見渡すと、平良海馬の防御率1.36、荘司康誠の171奪三振も見逃せない実績だ。
今回の成績から読み取れる要点は3つある。
- 勝利数を見るなら最多勝:北山とエスピノーザが13勝でトップ。
- 投球の安定感を見るなら防御率:平良が1.36でリーグ最高。
- 打者を打ち取る能力を見るなら奪三振:荘司が171個でトップ。
また、歴代記録では稲尾和久の42勝が現在も破られていない。2026年の13勝と比較すれば、投手の起用法や野球の環境が時代とともに変わってきたことも見えてくる。
最多勝というタイトルは、単に勝ち星の多さを競うだけではない。先発として年間を通してマウンドに立ち、チームに勝利をもたらし続ける力が問われる記録だ。
2027年シーズンは、北山やエスピノーザが連続受賞を狙うのか、それとも新たな最多勝投手が現れるのか。平良や荘司を含めた投手タイトル争いにも注目したい。