2026年のMLB年俸ランキングは、契約上の平均年俸と開幕時点の年俸集計で大きく順位が変わる。
米AP通信が2026年の開幕時点で発表した調査では、942人の選手を対象に、年俸、契約金の按分額、その他の保証報酬などを集計。後払い報酬については、一部を現在価値に割り引いている。
その結果、トップはメッツのフアン・ソト。ヤンキースのコディ・ベリンジャーが2位、フィリーズのザック・ウィーラーとメッツのボー・ビシェットが同額の3位となった。
2026年MLB年俸ランキングTOP15単位:米ドル。AP通信による2026年開幕時点の集計。契約金の按分や後払い報酬の現在価値調整を含む。
出典:AP通信の2026年MLB選手年俸調査。順位は同額の場合、同順位表記。
ランキングから読み取れる3つの特徴1. フアン・ソトが2年連続で最高年俸選手
ソトは2025年から2026年にかけて、2年連続でAP集計の最高年俸選手となった。2024年12月にメッツと結んだ15年総額7億6,500万ドルの大型契約が背景にある。
2. 投手のウィーラーも4,200万ドルで上位
ザック・ウィーラーは2024年にフィリーズと契約延長を結び、2025~2027年の3年間で総額1億2,600万ドルの契約を手にした。AAVは4,200万ドル。先発投手として極めて高い評価を受けている。
3. 大谷翔平は通常の年俸ランキングと異なる位置
大谷は契約上のAAVではMLB最高額だが、APの2026年集計では2,820万6,684ドルで22位。後払い契約の影響が大きい。
この違いを理解することが、2026年のランキングを正しく読む出発点になる。
【AAVランキング】大谷翔平が年7,000万ドルでトップ!タッカーとソトが続く

年俸ランキングと並んで注目したいのが、MLBの契約比較で頻繁に使われるAAV(Average Annual Value)だ。
AAVは契約の保証総額を契約年数で割った平均年俸を基本とする指標で、選手が毎年実際に受け取る金額とは一致しない場合がある。
2026年10月時点のAAVランキングは次のとおり。
2026年MLB・AAVランキングTOP10単位:米ドル。2026年の契約AAV。契約上の名目平均額。
1. 大谷翔平(ドジャース):7,000万ドル
2. カイル・タッカー(ドジャース):6,000万ドル
3. フアン・ソト(メッツ):5,100万ドル
4. ボー・ビシェット(メッツ):4,200万ドル
5. ザック・ウィーラー(フィリーズ):4,200万ドル
6. アーロン・ジャッジ(ヤンキース):4,000万ドル
7. フランバー・バルデス(タイガース):3,833万3,333ドル
8. ジェイコブ・デグロム(レンジャーズ):3,700万ドル
9. ブレイク・スネル(ドジャース):3,640万ドル
10. ゲリット・コール(ヤンキース):3,600万ドル
このランキングは2026年10月6日付のBetMGMによる契約AAV集計に基づく。
大谷翔平とカイル・タッカーの契約が突出する理由
1位:
7,000万ドル
10年総額7億ドル・2024~2033年
投打の両面で活躍する世界的スター。契約総額を10年間で割った名目AAVは、MLB史上でも突出した水準だ。
2位:
6,000万ドル
4年総額2億4,000万ドル・2026~2029年
2026年にドジャースと結んだ大型契約によってAAVランキング2位に浮上。契約の支払い構造によって、年間集計額との違いも大きい。
3位:
5,100万ドル
15年総額7億6,500万ドル・2025~2039年
長期契約によって高水準の保証を確保。2026年のAP集計では年俸ランキング1位となっている。
AAVと実際の年俸はなぜ違うのか
例えば、大谷の契約は10年間で7億ドル。単純に10で割れば、年間7,000万ドルとなる。
しかし、実際の支払いは大きく異なる。タッカーも4年間の契約総額2億4,000万ドルを単純に4で割ると6,000万ドルだが、2026年のAP集計額は3,300万ドルとなっている。
つまり、AAVは契約全体の経済的な規模を比較する数字であり、各年の現金支出や年俸集計額とは別の指標だ。
選手の市場価値や契約規模を比較するならAAV、球団がその年に負担する給与や選手の受取時期を考えるなら、支払いスケジュールも確認する必要がある。
【日本人選手ランキング】2026年は大谷翔平がトップ!山本由伸らの順位は?
日本人メジャーリーガーの年俸も、2026年は高水準に達している。
特に大谷翔平、山本由伸、今永昇太、菊池雄星らは、契約総額だけでなく、実際の年俸や球団の給与負担という観点からも注目される存在だ。
AP通信の2026年開幕時点の集計から、日本人選手の主な金額を整理すると次のようになる。
2026年日本人MLB選手の年俸一覧| 選手 | 所属球団 | AP集計額 | 全体順位 |
|---|---|---|---|
| 大谷翔平 | ドジャース | 2,820万6,684ドル | 22位 |
| 今永昇太 | カブス | 2,202万5,000ドル | 52位タイ |
| 菊池雄星 | エンゼルス | 2,100万ドル | 61位タイ |
| 鈴木誠也 | カブス | 1,900万ドル | 76位タイ |
| 吉田正尚 | レッドソックス | 1,860万ドル | 80位 |
| 今井達也 | アストロズ | 1,800万ドル | 84位タイ |
| 村上宗隆 | ホワイトソックス | 1,650万ドル | 100位 |
| 山本由伸 | ドジャース | 1,616万6,667ドル | 104位 |
| 千賀滉大 | メッツ | 1,400万ドル | 125位タイ |
| 菅野智之 | ロッキーズ | 510万ドル | 270位 |
出典:AP通信の開幕時点の選手別集計。順位は同額を含む掲載順位。
大谷翔平は日本人選手の中でも別格大谷の契約は、10年総額7億ドルという歴史的な規模を誇る。
ただし、AP集計の2,820万6,684ドルは、契約上の名目年俸7,000万ドルとは違う。
大谷は年俸の大部分を後払いにする契約を選択しているため、現在価値に換算した金額がランキングに反映されている。
また、ドジャースの山本由伸も12年総額3億2,500万ドルという大型契約を結んでいる。2026年のAP集計額は約1,616万7,000ドルだが、契約全体のAAVは約2,708万ドルとなる。
山本の場合も、契約総額と各年の支払い額を区別する必要がある。
日本人選手の年俸から見えるMLBの評価基準日本人選手の年俸には、実績だけでなく、年齢、ポジション、FA市場での需要、契約年数などが影響する。
例えば、海外FA市場で大型契約を獲得した大谷や山本と、MLBで実績を積みながら年俸調停などを経て契約条件を改善していく選手では、契約の構造が異なる。
また、村上宗隆や今井達也のように、新たにMLBへ挑戦する選手は、最初の契約がその後の評価を左右する重要な出発点になる。
日本人選手の順位を比較するときは、単年の金額だけでなく、保証総額と契約期間も併せて見るべきだ。
【後払い契約の仕組み】大谷翔平の年俸7,000万ドルが2,820万ドルになる理由
2026年のMLB年俸ランキングを理解するうえで、最も重要な仕組みが後払い契約(Deferred Compensation)だ。
これは、選手が契約期間中に稼いだ報酬の一部を、契約終了後など将来の時期に受け取る契約方式である。
大谷翔平の契約は、その代表例として知られている。
大谷翔平の後払い契約の内訳2023年12月、大谷はドジャースと10年総額7億ドルの契約を締結した。
MLB公式サイトの契約解説によると、年間7,000万ドルのうち、6,800万ドルを後払いとする仕組みが採用されている。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 10年間 |
| 契約総額 | 7億ドル |
| 名目AAV | 年7,000万ドル |
| 契約期間中の年間受取額 | 200万ドル |
| 年間後払い額 | 6,800万ドル |
| 後払い総額 | 6億8,000万ドル |
| 後払い受取期間 | 2034~2043年 |
この仕組みでは、ドジャースは契約期間中、大谷に年間200万ドルを支払い、残りの6,800万ドルを将来支払う。
2034年から2043年まで、毎年6,800万ドルを受け取る予定だ。
つまり、2026年に大谷が契約上獲得する報酬は7,000万ドルだが、同年に実際に受け取る現金は200万ドルとなる。
加えて、AP通信のランキングでは将来の後払いを現在価値に割り引いて計上するため、2,820万6,684ドルという別の数字になる。
ここで混同してはいけないのは、次の3つだ。
- 7,000万ドル:契約上の名目AAV
- 200万ドル:契約期間中の年間現金受取額
- 約2,820万ドル:APによる2026年の現在価値調整後の集計額
同じ大谷の契約でも、何を測定するかによって金額が変わる。
後払い契約は球団にとってどんなメリットがある?球団にとって最大のメリットは、短期的な資金負担を抑えられることだ。
高額選手を獲得すると、通常はその年の給与負担が増える。しかし、後払い契約を採用すれば、支払いを将来に分散できる。
ドジャースは大谷との契約で、短期的な資金繰りや他選手の獲得に使える余地を広げた。
一方で、後払いは報酬を免除する仕組みではない。将来の支払い義務は残り、球団はその資金を確保しなければならない。
MLBの規定でも後払い報酬の現在価値が考慮されるため、単純に支払いを先送りするだけで贅沢税の負担をなくせるわけではない。
【契約金・出来高の違い】年俸ランキングを左右する3つの仕組み
MLBの契約金額を比較するときは、基本年俸以外にも注目したい項目がある。
特に重要なのが、サインボーナス、出来高、後払い報酬の3つだ。
1. 契約金(サインボーナス)サインボーナスは、契約締結時に選手へ支払われるボーナスだ。
大型契約では、基本年俸とは別に契約金が設定される場合がある。
MLBの労使協定では、保証年がある契約のサインボーナスは、原則として保証年数に応じて按分される。
そのため、契約時に一括で支払われる金額と、年俸ランキングに計上される金額は必ずしも一致しない。
2. 出来高(インセンティブ)出来高は、選手が一定の成績や条件を達成したときに支払われる報酬だ。
代表的な条件には次のようなものがある。
- 登板数や投球回数
- 打席数や出場試合数
- 個人タイトルや表彰
- オールスター選出などの特定条件
出来高には、契約時点で保証されているものと、実際に条件を達成しなければ支払われないものがある。
APのAAV契約一覧では、保証された報酬を対象とし、将来の未確定な出来高は含めていない。したがって、出来高を含む最終的な受取額は契約時点のAAVより高くなる可能性がある。
3. 後払い報酬後払いは、契約期間中に発生した報酬を将来に受け取る方式だ。
大谷翔平の契約が代表的だが、MLBではほかの選手も後払いを取り入れている。
ただし、後払いの有無や支払い時期によって、APの集計額、実際の現金支出、贅沢税の計算額は変わる。
この3つを区別すれば、年俸ランキングの数字が媒体によって異なる理由も理解しやすくなる。
【MLB選手の平均年俸と贅沢税】2026年の球団別支出はどうなっている?
トップ選手の年俸が数千万ドルに達する一方、MLB全体の平均年俸にも変化が見られる。
AP通信の2026年開幕時点の調査では、MLBの平均年俸は533万5,966ドルとなり、過去最高を記録した。
前年の開幕時点の516万245ドルから3.4%増加している。
MLB選手の平均年俸と中央値| 指標 | 2026年の金額・人数 |
|---|---|
| 平均年俸 | 533万5,966ドル |
| 中央値 | 140万ドル |
| 年俸100万ドル以上 | 519人 |
| 年俸3,000万ドル以上 | 19人 |
| 年俸2,000万ドル以上 | 74人 |
| 年俸1,000万ドル以上 | 168人 |
| 最低年俸 | 78万ドル |
注目したいのは、平均年俸と中央値の差だ。
平均年俸は約533万ドルだが、中央値は140万ドルにとどまる。
中央値とは、選手を年俸順に並べたときに中央に位置する金額のことだ。
この差は、少数のスター選手が平均値を大きく押し上げていることを示している。
2026年のAP調査では、上位50選手だけでMLB全体の年俸の約30%を占めている。
つまり、MLB全体の平均年俸が高いからといって、すべての選手が数百万ドルを受け取っているわけではない。
MLB贅沢税(CBT)とは?MLBには、球団間の資金力の差を抑えるための制度として、贅沢税(Competitive Balance Tax、CBT)が設けられている。
これは、球団の給与総額が一定の基準額を超えた場合、超過分に応じて税金を課す仕組みだ。
2026年のCBT基準額は2億4,400万ドルとなっている。
CBTの計算では、選手の単純な現金年俸ではなく、40人枠に登録された選手の契約AAVや追加の選手給付などが考慮される。
2026年のCBT税率| 超過状況 | 基本税率・追加税率 |
|---|---|
| 1年目の超過 | 20% |
| 2年連続の超過 | 30% |
| 3年以上連続の超過 | 50% |
| 基準額より2,000万~4,000万ドル超過 | 追加12% |
| 4,000万~6,000万ドル超過 | 初年度追加42.5% |
| 6,000万ドル以上超過 | 追加60% |
税率は超過額や超過年数などによって変わる。加えて、基準額を大幅に超過した球団には、ドラフト指名順位に関するペナルティーもある。
2026年の球団別年俸総額AP通信の開幕時点の調査では、球団別の給与総額にも大きな差がある。
| 順位 | 球団 | 開幕時給与総額 |
|---|---|---|
| 1位 | ニューヨーク・メッツ | 3億5,220万ドル |
| 2位 | ロサンゼルス・ドジャース | 3億1,660万ドル |
| 3位 | ニューヨーク・ヤンキース | 2億9,720万ドル |
| 4位 | フィラデルフィア・フィリーズ | 2億8,200万ドル |
| 5位 | トロント・ブルージェイズ | 2億6,900万ドル |
メッツは4年連続で開幕時の球団給与総額トップとなった。
一方、ドジャースは後払い契約を結ぶ選手が多く、APによる現在価値調整前の総額では3億9,520万ドルに達する計算だった。
ここでも後払い契約の影響が大きい。
なお、APの開幕時給与総額とCBTの最終的な課税対象額は、計算対象や調整方法が異なるため、同じ数字として扱うことはできない。
【プロの結論】2026年のMLB年俸ランキングは3つの数字で比較する
2026年のメジャーリーグ年俸ランキングから見えてくるのは、スター選手の契約規模が拡大する一方、契約の支払い方法も複雑になっているという実態だ。
選手の価値や球団の経済的負担を正確に理解するには、次の3つを分けて考える必要がある。
① 契約上のAAV
選手がどれほどの規模の契約を獲得したかを比較する指標。大谷翔平の年7,000万ドルが代表例だ。
② その年の年俸・保証報酬の集計額
そのシーズンの給与や契約金の按分、後払い報酬の現在価値などを考慮した金額。フアン・ソトが2026年のAP集計で1位となった。
③ 球団のCBT計算額
球団が贅沢税の計算上、どれだけの給与負担を抱えているかを判断するための数字。後払い契約についても現在価値などが考慮される。
この3つを混同すると、大谷がAAVで1位なのにAPの年俸ランキングでは22位という、一見矛盾した結果が生まれる。
しかし、それぞれの計算方法を理解すれば、数字は矛盾していない。
今後のMLBでは、大型契約の総額だけでなく、後払いの割合、契約金、出来高、贅沢税への影響が、選手獲得や球団経営を考えるうえでますます重要になる。
【メジャーリーグ年俸ランキングに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年のMLBで最も年俸が高い選手は誰?
A1:AP通信の2026年開幕時点の年俸集計では、ニューヨーク・メッツのフアン・ソトが6,187万5,000ドルで1位。一方、契約AAVでは大谷翔平が年7,000万ドルでトップとなっている。
Q2:大谷翔平の2026年の年俸はいくら?
A2:契約上の名目年俸は7,000万ドル。後払い契約によって契約期間中の年間現金受取額は200万ドルとなり、APの現在価値調整後の2026年集計額は2,820万6,684ドルとなっている。
Q3:フアン・ソトの2026年の年俸はいくら?
A3:AP集計では6,187万5,000ドル。メッツとの契約は15年総額7億6,500万ドルで、AAVは5,100万ドルとなる。
Q4:カイル・タッカーの2026年の年俸はいくら?
A4:APの2026年集計では3,300万ドル。ドジャースとの4年総額2億4,000万ドルの契約では、AAVは6,000万ドルとなっている。
Q5:ザック・ウィーラーの2026年の年俸はいくら?
A5:2026年のAP集計では4,200万ドル。フィリーズとの契約延長は3年総額1億2,600万ドルで、AAVも4,200万ドルだ。
Q6:アーロン・ジャッジの2026年の年俸はいくら?
A6:AP集計では4,000万ドル。ヤンキースとの契約は9年総額3億6,000万ドルで、AAVも4,000万ドルとなっている。
Q7:MLBの平均年俸はいくら?
A7:2026年開幕時点のAP調査では533万5,966ドル。中央値は140万ドルであり、上位選手と一般選手の間には大きな差がある。
Q8:MLBのAAVと実際の年俸は何が違う?
A8:AAVは契約総額を契約年数で割った平均値。実際の年ごとの支払額は、契約金、後払い、年俸の配分などによって異なる。
2026年のメジャーリーグ年俸ランキングでは、フアン・ソトがAP集計で1位、大谷翔平がAAVで1位となった。
カイル・タッカー、ザック・ウィーラー、アーロン・ジャッジらも、年俸・契約AAVの両面で高い評価を受けている。
日本人選手では大谷翔平が突出しており、山本由伸、今永昇太、菊池雄星らも大きな契約を獲得している。
特に大谷の後払い契約は、MLBの年俸制度や球団の資金運用を理解するうえで重要な事例だ。
年俸ランキングを比較するときは、単純な金額の大小だけで判断せず、契約AAV・当年の年俸集計額・CBT計算額という3つの基準を確認したい。
この視点を持つことで、メジャーリーグのスター選手が獲得する契約の本当の規模と、球団が抱える経済的な負担の両方が見えてくる。