與座海人(よざ・かいと)は、埼玉西武ライオンズに所属するアンダースロー右腕だ。沖縄尚学高校、岐阜経済大学を経て2017年ドラフト5位で西武に入団し、2022年には自身初の2桁勝利となる10勝を記録。2025年も6勝、防御率2.50と安定した成績を残した実力派投手である。
しかし、2026年シーズンは右肩痛と腰の故障に苦しみ、一軍公式戦への登板はなかった。ファームでは5試合21イニング、防御率1.71、2勝1敗を記録したものの、7月末に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けている。その後、10月にはフェニックス・リーグで実戦復帰を果たした。現在の状態、過去の実績、独特の投球フォーム、2027年に向けた復活のポイントを整理する。
【與座海人の現在】2026年成績と一軍登板がなかった理由

2026年11月2日現在、與座海人は埼玉西武ライオンズに所属する背番号15の投手だ。1995年9月15日生まれで、現在31歳。プロ入り後は先発投手を中心に経験を積み、2022年と2025年には一軍で結果を残してきた。
ところが、2026年はシーズン序盤からコンディションに問題を抱えた。
2026年の一軍成績は登板なし日本野球機構(NPB)の2026年シーズン終了時の年度別成績では、與座の2026年一軍登板記録はない。
つまり、2026年は一軍公式戦で投げることなくシーズンを終えた。
この背景にあるのが、右肩痛と腰の故障だ。開幕時から右肩の痛みによって出遅れ、5月にファームで実戦復帰したものの、完全な復調には至らなかった。
2026年ファーム成績一方、ファームでの数字だけを見ると、投手としての能力を感じさせる結果が残っている。
| 項目 | 2026年ファーム成績 |
|---|---|
| 登板 | 5試合 |
| 先発 | 4試合 |
| 投球回 | 21回 |
| 勝利 | 2勝 |
| 敗戦 | 1敗 |
| 防御率 | 1.71 |
| 奪三振 | 15 |
| 与四球 | 2 |
| 被安打 | 25 |
| 被本塁打 | 0 |
| WHIP | 1.29 |
特に注目したいのは、21イニングで与四球が2個しかなかったことだ。
与四球率は0.86。奪三振15個に対して四球2個という数字は、制球面で一定の安定感を示している。
また、被本塁打は0。防御率1.71という数字も、限られた登板機会の中で失点を抑えた結果だ。
ただし、21イニングは先発投手として年間を通じた能力を判断するには少ない。WHIPも1.29であり、防御率だけを見て完全復調と判断することはできない。
加えて、この5試合は5月16日から6月16日までの登板記録である。好成績を残しながら一軍に上がれなかったという単純な話ではなく、故障によって登板機会そのものが失われたシーズンだった。
與座海人の投手としての特徴を理解するには、高校・大学時代の投球フォームの変化が重要になる。
現在のアンダースローは、最初から完成していたわけではない。成長段階に応じて投球フォームを変え、自分の強みを確立してきた。
沖縄尚学高校時代與座は沖縄県浦添市出身。中学時代は浦添中学校の軟式野球部に所属し、当初はオーバースローで投げていた。
転機となったのが沖縄尚学高校への進学だ。
高校2年秋にサイドスローへ変更し、春夏連続の甲子園出場に貢献した。
この時期のフォーム変更は、後のアンダースローにつながる重要な段階だった。
岐阜経済大学時代にアンダースローへ転向大学進学後、與座はさらに大きな変化を遂げる。
岐阜経済大学(現在の岐阜協立大学)では、入学直後からアンダースローへ転向。2年春から先発投手を務めるようになった。
大学公式サイトのアスリートインタビューによると、大学時代の公式戦通算成績は次のとおりだ。
- 46試合
- 25勝14敗
- 防御率2.16
- 投球回291回1/3
- 奪三振209
特に印象的なのが、2017年春の全日本大学野球選手権大会だ。
石巻専修大学との試合では、内野安打1本のみに抑える完封を記録。大学球界でも評価されるサブマリン投手へと成長した。
2017年ドラフト5位で西武入団大学での実績を評価され、2017年ドラフト5位で埼玉西武ライオンズから指名を受けた。
プロ入り後はファームで経験を積み、2020年に一軍デビュー。2022年には先発ローテーションの一角として10勝を挙げた。
主な経歴と転換点を整理すると、以下のようになる。
| 時期 | 所属・出来事 | 主な実績・特徴 |
|---|---|---|
| 中学時代 | 浦添中学校 | オーバースロー |
| 高校時代 | 沖縄尚学高校 | 2年秋にサイドスローへ転向 |
| 大学時代 | 岐阜経済大学 | 入学直後にアンダースローへ転向 |
| 2017年 | 全日本大学野球選手権 | 石巻専修大を内野安打1本に抑えて完封 |
| 2017年 | 西武ドラフト5位 | プロ入り |
| 2020年 | 一軍デビュー | 一軍8試合、2勝4敗 |
| 2022年 | 一軍で飛躍 | 10勝7敗、防御率2.88 |
| 2024年 | 成績低下 | 7試合、1勝4敗、防御率4.81 |
| 2025年 | 一軍で復調 | 6勝5敗、防御率2.50 |
| 2026年 | 故障と手術 | 一軍登板なし、10月に実戦復帰 |
高校時代から大学時代にかけて、オーバースロー、サイドスロー、アンダースローと段階的にフォームを変えてきたことが、與座の経歴における大きな特徴だ。
【2025年成績を検証】6勝5敗、防御率2.50の実力
2026年の故障を理解するうえで、前年の2025年にどのような投球をしていたかも重要になる。
與座は2025年、先発投手として16試合に登板。6勝5敗、防御率2.50という成績を残した。
2025年の一軍投手成績| 項目 | 2025年成績 |
|---|---|
| 登板 | 16試合 |
| 先発 | 16試合 |
| 勝利 | 6勝 |
| 敗戦 | 5敗 |
| 投球回 | 93回2/3 |
| 防御率 | 2.50 |
| 奪三振 | 44 |
| 与四球 | 16 |
| 被安打 | 74 |
| 被本塁打 | 10 |
| WHIP | 0.96 |
| 完投 | 1 |
注目すべきなのは、防御率だけではない。
WHIPは0.96。1イニング当たりの被安打と与四球を合わせた数字が1を下回っており、走者を出す頻度を抑えた投球だった。
また、16試合すべてに先発し、93回2/3を投げたことも評価できる。
2022年には自身初の2桁勝利與座のキャリアを語るうえで外せないのが2022年だ。
この年は20試合に登板して10勝7敗、防御率2.88。115回2/3を投げ、先発投手として存在感を示した。
一方、2023年は2勝6敗、防御率3.69、2024年は1勝4敗、防御率4.81と数字が下降した。
そこから2025年に6勝を挙げ、防御率2.50まで改善したことを考えると、2026年は投手として再び上昇する可能性があったシーズンだった。
しかし、右肩痛と腰の故障によって、その機会を十分に生かせなかった。
【投球フォームの秘密】與座海人のアンダースローは何がすごい?
與座海人を特徴づける最大の武器は、独特のアンダースローだ。
プロ野球の投手の多くがオーバースローやスリークォーターで投げる中、與座は低い位置から腕を振り抜くサブマリン投手として知られている。
アンダースローの特徴は打者の目線とタイミングアンダースローの最大の特徴は、ボールのリリースポイントが低いことだ。
一般的な上手投げの投手とは異なる角度からボールが向かってくるため、打者は通常とは違う軌道やタイミングへの対応を求められる。
また、與座の場合は球速だけで打者を圧倒するタイプではない。
独特の腕の振り、ボールの軌道、コースへの投げ分けなどを組み合わせて打者のタイミングを外すことが持ち味だ。
球速の数字だけでは評価できない投手なのである。
牧田和久を意識した投手像西武の公式選手プロフィールでは、與座が影響を受けた選手として牧田和久の名前を挙げている。
牧田も西武などで活躍したアンダースロー投手だ。
同じサブマリンという共通点はあるものの、投球スタイルや球種の組み立てまで完全に同じというわけではない。
與座自身の経験とフォームの変化によって培われた投球術が、現在のスタイルを形づくっている。
アンダースローの強みと課題アンダースローには、通常の投手とは異なる軌道で打者を惑わせられる強みがある。
一方、対戦を重ねられると打者側も軌道やタイミングに慣れてくる。継続して結果を残すには、コースの精度や球種の組み合わせが欠かせない。
與座の場合も、独特のフォームそのものだけでなく、長いイニングを投げられるコンディションと制球の再現性が重要になる。
2026年のファーム成績で与四球が2個だった点は、復帰後の投球を考えるうえで明るい材料だ。
【2026年の故障と復帰状況】腰の手術からフェニックス・リーグへ
2026年の與座を語るうえで、最も重要なのが故障の経緯だ。
一軍登板がなかった理由は、単純な成績不振ではない。
右肩痛でシーズン序盤に出遅れ2026年は右肩痛の影響で開幕から出遅れた。
5月16日にファームで実戦復帰すると、その後も登板を重ねた。
しかし、6月16日の日本ハムとのファーム交流戦で状況が変わる。
與座は先発したものの、4回途中で腰の痛みが強まり、3回1/3で降板した。
当初は7月に地元沖縄での一軍登板を目指していたと報じられていたが、腰の状態が復帰計画に影響を及ぼした。
7月末に腰椎椎間板ヘルニアの手術日刊スポーツやスポーツ報知の報道によると、與座は7月末に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた。
8月15日には自身のSNSでも手術を公表したことが報じられている。
右肩の痛みに加え、腰の故障も重なったことで、2026年シーズン中の本格的な復帰は難しい状況になった。
9月23日には球団施設でブルペン投球を再開。捕手が中腰の姿勢で受ける形で、傾斜を使った投球練習にも取り組んだ。
この時点では本人も慎重な姿勢を示しており、焦らず段階的に調整を進める状況だった。
10月19日にフェニックス・リーグで実戦復帰復帰に向けた大きな前進となったのが、2026年10月19日のフェニックス・リーグだ。
西武対広島戦で先発し、2イニングを投げて2安打、2奪三振、無失点という内容だった。
腰の手術後に実戦のマウンドへ戻ったことは、今後を考えるうえで明るい材料といえる。
ただし、これはフェニックス・リーグでの登板であり、一軍公式戦への復帰とは異なる。
2イニングの登板だけで、先発ローテーションを任せられる状態まで回復したと判断するのは早い。
2027年に向けて注目したいのは、次の3点だ。
1. 右肩と腰の状態が安定しているか。 投球後も痛みが再発しないことが最優先になる。
2. 投球回数を段階的に増やせるか。 2イニングから5〜6イニングへと負荷を高められるかが重要だ。
3. アンダースローの投球フォームを再現できるか。 下半身と腰の動きが投球に深く関わるため、手術後の動作確認が欠かせない。
2026年は復帰の足掛かりをつかんだ段階でシーズンが終了した。次の春季キャンプでどこまで状態を戻せるかが、今後の大きな焦点になる。
【年俸と背番号15】2026年の評価と西武での立ち位置
與座海人の2026年推定年俸は4,000万円だ。
スポニチの2025年11月26日の契約更改報道によると、前年の2,500万円から1,500万円増で契約を更改した。
年俸推移| 年度 | 推定年俸 |
|---|---|
| 2021年 | 900万円 |
| 2022年 | 1,100万円 |
| 2023年 | 3,300万円 |
| 2024年 | 3,000万円 |
| 2025年 | 2,500万円 |
| 2026年 | 4,000万円 |
2025年に6勝、防御率2.50を記録したことが、翌年の年俸増額につながった。
また、契約更改時には先発陣の状況を踏まえて、自身にもチャンスがあるという趣旨の意欲を示していた。
ただ、2026年は故障によって期待された役割を果たせなかった。
4,000万円という年俸は2025年までの実績を踏まえた契約であり、2026年の一軍登板実績を意味するものではない。
背番号15を背負う與座の存在価値現在の背番号は15。
西武の公式選手名鑑にも、右投右打、身長173センチ、体重80キロの投手として掲載されている。
與座の価値は、単に過去に10勝を挙げたことだけではない。
アンダースローという希少な投球スタイルを持ち、先発として試合を組み立てられる点にある。
チームにとっても、通常の上手投げとは異なるタイプの先発投手を起用できることには戦術的な意味がある。
そのため、健康状態を取り戻した與座が再び一軍の先発争いに加われるかは、西武の投手陣を考えるうえでも注目すべきポイントだ。
【よくある質問】與座海人に関するFAQ
Q1:與座海人の読み方は?
A1:與座海人は「よざ・かいと」と読む。沖縄県浦添市出身で、1995年9月15日生まれのプロ野球選手だ。
Q2:與座海人は2026年に一軍登板した?
A2:2026年の一軍公式戦登板はない。右肩痛と腰椎椎間板ヘルニアの手術によって、シーズンを通して一軍での登板機会を得られなかった。
Q3:2026年のファーム成績は?
A3:5試合、21投球回、2勝1敗、防御率1.71。15奪三振、与四球2という成績だった。
Q4:與座海人はなぜアンダースローなの?
A4:中学時代はオーバースローだったが、沖縄尚学高校2年秋にサイドスローへ変更。その後、岐阜経済大学への進学直後にアンダースローへ転向した。大学時代に先発投手として実績を積み、現在の投球スタイルを確立した。
Q5:與座海人の2025年の成績は?
A5:一軍16試合に先発し、6勝5敗、防御率2.50。93回2/3を投げ、44奪三振を記録した。
Q6:與座海人の2026年の年俸はいくら?
A6:推定4,000万円。2025年の2,500万円から1,500万円増となった。
Q7:與座海人は2026年に復帰した?
A7:10月19日のフェニックス・リーグで実戦復帰した。広島戦に先発して2回2安打2奪三振無失点。ただし、一軍公式戦への復帰ではない。
與座海人は、沖縄尚学高校から岐阜経済大学を経て西武に入団し、アンダースローを武器に一軍で10勝を挙げた経験を持つ投手だ。
2025年も6勝5敗、防御率2.50と安定した結果を残しており、先発投手としての実力はすでに証明している。
しかし、2026年は右肩痛に続いて腰椎椎間板ヘルニアを発症。7月末の手術によって一軍登板のないシーズンとなった。
ファームの5試合21イニング、防御率1.71という数字は好材料だが、それ以上に注目したいのは10月19日にフェニックス・リーグで実戦復帰を果たしたことだ。
【プロの結論】
與座海人の復活を判断する際には、単純な防御率や勝敗だけでなく、次の3つを重視したい。
- コンディションの安定性: 右肩と腰に問題を抱えず、継続して投げられるか。
- 先発投手としての投球回数: 5〜6イニングを安定して投げられる状態まで戻れるか。
- アンダースローの再現性: 手術後も従来の投球フォームと制球力を維持できるか。
2026年は数字以上に故障の影響が大きかったシーズンだった。10月の実戦復帰を次のステップにつなげ、2027年に再び一軍の先発ローテーションを争えるか。
背番号15のサブマリンが再びマウンドで存在感を示すためには、まず万全の身体を取り戻すことが何より重要になる。
主な事実確認資料: 日本野球機構、埼玉西武ライオンズ公式選手名鑑、岐阜協立大学、日刊スポーツ、スポニチの公開情報。特に2026年の故障・手術・実戦復帰については、10月19日付の日刊スポーツ報道まで反映しています。