大相撲でブルガリア出身力士といえば、元大関・琴欧洲と元関脇・碧山の2人が代表的です。琴欧洲は2008年5月場所で幕内最高優勝を果たし、ヨーロッパ出身力士として初めて賜杯を手にした歴史的な存在。一方、碧山は力強い突き押しを武器に幕内で71場所を務め、長年にわたって土俵を盛り上げました。
2026年11月現在、2人はともに現役を引退しています。しかし、角界を離れたわけではありません。琴欧洲は鳴戸親方として鳴戸部屋を率い、碧山は岩友親方として春日野部屋に所属し、後進の育成に携わっています。日本相撲協会の公式プロフィールや部屋紹介、2026年の関連情報をもとに、2人の出身地、経歴、成績、引退時期、現在の活動を比較します。
【2026年最新】ブルガリア出身力士の現在と歴代の代表選手

ブルガリア出身力士の活躍を振り返るうえで、まず押さえておきたいのが琴欧洲と碧山の存在です。
両者は同じブルガリア出身ですが、活躍した時期や最高位、得意とした相撲の特徴は異なります。琴欧洲が大関として幕内優勝を達成した一方、碧山は関脇まで昇進し、幕内で長く戦い続けました。
琴欧洲はブルガリア出身初の大関級スター琴欧洲勝紀(ことおうしゅう・かつのり)は、1983年2月19日生まれ。ブルガリアのベリコタロノボ出身です。
現役時代は佐渡ヶ嶽部屋に所属し、2002年11月場所で初土俵を踏みました。恵まれた体格と右四つからの寄りを武器に番付を駆け上がり、2006年1月場所で大関に昇進しています。
202cmの長身を生かした懐の深い相撲は大きな特徴でした。外国出身力士が上位で活躍する流れのなかでも、ヨーロッパ出身の力士が大関まで昇進したことは、角界における重要な出来事でした。
日本相撲協会の公式プロフィールには、最高位が大関、生涯戦歴が537勝337敗63休と記録されています。幕内では466勝322敗63休を残しました。
引退場所は2014年3月場所です。その後、2015年2月に15代鳴戸を襲名し、2017年4月には鳴戸部屋を創設しました。現在は現役時代の経験を生かして力士の育成に取り組んでいます。
碧山はブルガリア出身の大型関脇碧山亘右(あおいやま・こうすけ)は、1986年6月19日生まれ。ブルガリアのヤンボル出身です。
琴欧洲に続くブルガリア出身力士として日本の大相撲に入り、2009年7月場所で初土俵を踏みました。当初は田子ノ浦部屋に所属し、師匠の急逝に伴って2012年2月に春日野部屋へ移籍しています。
2011年11月場所で新入幕を果たし、2012年9月場所で新三役に昇進。2014年11月場所には新関脇となりました。
191cm、181kgという大型の体格を生かした突き押しが持ち味で、幕内上位でも存在感を発揮しました。幕内在位は71場所。生涯戦歴は613勝607敗35休です。
2024年9月場所を最後に現役を引退し、同月24日に日本相撲協会の理事会で年寄「岩友」の襲名が承認されました。現在は春日野部屋に所属する親方として活動しています。
この2人の歩みを整理すると、ブルガリア出身力士の活躍は単なる外国出身力士の成功例にとどまりません。異なる世代の2人が、それぞれ大関・関脇という高い地位まで昇進し、引退後も日本相撲界に残っている点に特徴があります。
出典:日本相撲協会「力士プロフィール」「年寄プロフィール」、鳴戸部屋公式情報。
【琴欧洲の経歴と成績】2008年5月場所の幕内優勝が歴史的快挙に
琴欧洲の現役時代を語るうえで欠かせないのが、2008年5月場所の幕内最高優勝です。
この優勝は、単に大関が賜杯を手にしたというだけではありません。ヨーロッパ出身力士として史上初めて幕内最高優勝を達成したという、相撲史に残る記録でした。
2002年の初土俵から19場所で大関へ琴欧洲は2002年11月場所に初土俵を踏みました。その後、2004年5月場所に新十両、同年9月場所に新入幕を果たします。
2005年3月場所には新三役となり、2006年1月場所で大関に昇進しました。初土俵から比較的短期間で最高峰に近い地位まで到達したことからも、当時の期待の大きさがうかがえます。
2008年5月場所で14勝1敗の初優勝2008年5月場所、琴欧洲は西大関として出場しました。
14日目に関脇・安馬を破って13勝1敗とし、千秋楽を待たずに初優勝を決めました。最終成績は14勝1敗です。
当時の報道でも、ヨーロッパ出身力士として初の幕内優勝という歴史的な出来事として大きく取り上げられました。
琴欧洲は大関として47場所を務め、幕内優勝1回、殊勲賞2回、敢闘賞3回を獲得しています。優勝だけでなく、長期にわたって上位で戦った実績も評価すべきポイントです。
琴欧洲の主な戦績- 初土俵:2002年11月場所
- 新十両:2004年5月場所
- 新入幕:2004年9月場所
- 新三役:2005年3月場所
- 大関昇進:2006年1月場所
- 幕内優勝:1回(2008年5月場所)
- 殊勲賞:2回
- 敢闘賞:3回
- 引退:2014年3月場所
日本相撲協会の公式記録では、琴欧洲の生涯戦歴は537勝337敗63休。大関在位47場所という数字も、長期間にわたって角界の上位を支えたことを示しています。
出典:日本相撲協会「琴欧洲勝紀・力士プロフィール」、2008年5月場所の取組記録、2008年5月24日付大相撲報道。
【碧山の経歴と成績】関脇昇進から2024年の引退まで
碧山は琴欧洲とは異なるタイプの力士として、幕内で存在感を示しました。
琴欧洲が長身を生かした右四つ・寄りを得意としたのに対し、碧山は大きな体を前面に押し出す突き押しを持ち味としていました。
2009年に初土俵、2012年に新三役碧山は2009年7月場所で初土俵を踏みました。2011年7月場所で新十両となり、同年11月場所には新入幕を果たしています。
その後、2012年9月場所で新三役の小結に昇進。2014年11月場所には関脇となり、最高位を記録しました。
幕内在位は71場所に達し、長年にわたって幕内力士として戦い続けました。特に大型力士らしい迫力ある相撲は、幕内上位の取組でも見どころの一つでした。
幕内優勝こそないものの三賞を5回獲得碧山は幕内最高優勝こそありませんが、三賞では敢闘賞4回、技能賞1回を獲得しています。
さらに金星1個という実績も残しました。金星は平幕力士が横綱を破った場合に与えられるもので、幕内での活躍を示す重要な記録です。
生涯戦歴は613勝607敗35休。幕内戦歴は504勝528敗33休です。
2024年9月24日に引退と岩友襲名が決定碧山は2024年9月場所、東十両13枚目で5勝10敗という成績でした。
そして2024年9月24日、日本相撲協会は理事会で碧山の現役引退と年寄「岩友」の襲名を承認しました。
引退前の状況については、報道各社が膝の負傷などを伝えています。長年にわたって大型力士として土俵に立ち続けた碧山にとって、現役生活の終わりは一つの大きな節目となりました。
2022年3月には日本国籍を取得しており、引退後は日本相撲協会に残って指導者として歩む道を選びました。
出典:日本相撲協会「碧山亘右・力士プロフィール」「引退および年寄襲名のお知らせ」、2024年9月24日付報道。
【徹底比較】大関・琴欧洲と関脇・碧山の最高位や優勝・三賞の違い
琴欧洲と碧山は同じブルガリア出身ですが、現役時代の実績には明確な違いがあります。
琴欧洲は大関昇進と幕内優勝という最高峰の実績を残しました。一方、碧山は幕内での長期在位に加えて、三賞や金星を獲得しています。
日本相撲協会の公式プロフィールをもとに、主要な記録を比較します。
| 比較項目 | 琴欧洲 | 碧山 |
|---|---|---|
| 出身地 | ブルガリア・ベリコタロノボ | ブルガリア・ヤンボル |
| 生年月日 | 1983年2月19日 | 1986年6月19日 |
| 現役時代の所属部屋 | 佐渡ヶ嶽部屋 | 春日野部屋(移籍後) |
| 初土俵 | 2002年11月場所 | 2009年7月場所 |
| 最高位 | 大関 | 関脇 |
| 幕内優勝 | 1回 | 0回 |
| 殊勲賞 | 2回 | 0回 |
| 敢闘賞 | 3回 | 4回 |
| 技能賞 | 0回 | 1回 |
| 金星 | 0個 | 1個 |
| 幕内在位 | 57場所 | 71場所 |
| 生涯戦歴 | 537勝337敗63休 | 613勝607敗35休 |
| 引退場所 | 2014年3月場所 | 2024年9月場所 |
| 現在の年寄名 | 鳴戸 | 岩友 |
| 現在の所属部屋 | 鳴戸部屋 | 春日野部屋 |
出典:日本相撲協会公式サイト「琴欧洲勝紀」「碧山亘右」「鳴戸勝紀」「岩友亘右」の各プロフィール。
最高位で比較すると琴欧洲が上最高位は琴欧洲が大関、碧山が関脇です。
大関は横綱に次ぐ地位であり、昇進には安定した高い成績が大切です。琴欧洲が大関に昇進し、47場所にわたってその地位を務めたことは、両者の実績を比較するうえで要点です。
幕内での継続的な活躍では碧山にも大きな価値一方、幕内在位は碧山が71場所、琴欧洲が57場所です。
碧山は幕内優勝こそありませんが、敢闘賞4回、技能賞1回、金星1個という実績を残しました。幕内で長く戦い続けたこと自体が、碧山の大きな功績です。
したがって、単純に最高位だけで優劣を決めるのではなく、優勝実績、三賞、幕内在位、生涯戦歴という複数の観点から評価することが適切です。
【2026年の現在】鳴戸親方・岩友親方は何をしている?
琴欧洲と碧山を調べる人が気になるのが、引退後の活動です。
2人とも日本相撲協会に残り、年寄として後進の指導に携わっています。ただし、現在の立場は異なります。琴欧洲は自ら相撲部屋を経営する師匠であり、碧山は春日野部屋に所属する部屋付きの親方です。
琴欧洲は鳴戸親方として鳴戸部屋を運営琴欧洲は2015年2月に15代鳴戸を襲名しました。その後、2017年4月に佐渡ヶ嶽部屋から独立し、鳴戸部屋を設立しています。
日本相撲協会の2026年時点の部屋紹介でも、師匠は鳴戸勝紀(元大関・琴欧洲)と記載されています。
鳴戸部屋は東京都墨田区向島に所在し、現役力士の育成を続けています。2026年の公式部屋紹介には欧勝馬らの所属力士も掲載されています。
鳴戸親方の指導方針には、自身が外国から来日して大関まで昇進した経験が反映されています。
「明確な目標を持って努力し続けることです。」
これは鳴戸部屋公式サイトの師匠挨拶に記された考え方です。自身の経験を踏まえ、弟子たちに目標を持って努力する姿勢を伝えようとしていることが分かります。
また、2026年9月30日には駐日ブルガリア共和国大使館が、鳴戸部屋の祝賀会に大使代理らが出席したことを公表しました。ブルガリア出身の元大関が創設した部屋と母国とのつながりは、引退後も続いています。
2026年9月には鳴戸親方のインタビューも公開され、現役時代の経験や現在の指導論が紹介されました。現役時代の実績を伝えるだけでなく、指導者としての考え方を発信する機会も増えています。
碧山は岩友親方として春日野部屋に所属碧山は2024年9月に現役を引退し、年寄「岩友」を襲名しました。
2026年11月現在、日本相撲協会の年寄プロフィールには岩友亘右として掲載されています。所属部屋は春日野部屋です。
現役時代に長く所属した春日野部屋に残り、今度は指導する側として角界に関わっています。
琴欧洲のように独立して部屋を持つ師匠とは違い、岩友親方は春日野部屋の部屋付き親方という立場です。この違いは、引退後の活動を理解するうえで押さえておきたいポイントです。
なお、2026年時点で確認できる日本相撲協会の公式情報では、岩友親方は春日野部屋所属の年寄として登録されています。個別の指導内容や日々の活動については、部屋の公式発表などを通じて確認することになります。
出典:日本相撲協会「鳴戸部屋」「春日野部屋」「鳴戸勝紀・年寄プロフィール」「岩友亘右・年寄プロフィール」、駐日ブルガリア共和国大使館2026年9月30日発表。
【関係性を整理】琴欧洲と碧山はなぜブルガリア出身力士の代表格なのか
琴欧洲と碧山の関係は、単に同じ国の出身というだけではありません。
琴欧洲が先に日本で成功を収め、その後に碧山が角界入りしています。碧山は琴欧洲の紹介を受けて来日したと報じられており、先輩力士の存在が後輩の日本での相撲人生にもつながりました。
2人の経歴と関係者の整理- 琴欧洲:ブルガリア・ベリコタロノボ出身。佐渡ヶ嶽部屋で大関に昇進し、2008年5月場所で優勝。現在は鳴戸部屋の師匠。
- 碧山:ブルガリア・ヤンボル出身。田子ノ浦部屋で初土俵を踏み、春日野部屋へ移籍。関脇まで昇進し、現在は岩友親方。
- 佐渡ヶ嶽部屋:琴欧洲が現役時代に所属した部屋。現在の鳴戸部屋とは別の部屋。
- 田子ノ浦部屋:碧山が初土俵を踏んだ部屋。後に春日野部屋へ移籍した。
- 鳴戸部屋:琴欧洲が引退後に独立して創設した相撲部屋。
- 春日野部屋:碧山が引退まで所属し、現在も岩友親方が在籍する部屋。
碧山が来日した時点で、琴欧洲はすでに角界で実績を積み上げていました。
外国から日本に来て相撲を始める場合、言語、生活習慣、稽古の文化など、さまざまな環境の違いに適応する必要があります。同じブルガリア出身の先輩が日本の相撲界で成功していたことは、碧山にとって一つの道しるべになったと考えられます。
さらに興味深いのは、両者が引退後も別々の部屋で指導者として活動していることです。
琴欧洲は自ら部屋を創設し、碧山は春日野部屋で後進の育成を担っています。現役時代には同じ土俵で活躍した外国出身力士が、現在はそれぞれ異なる立場から日本相撲界を支えています。
【プロの結論】ブルガリア出身力士の実績を正しく評価する3つの視点
ブルガリア出身力士を調べる際には、最高位や優勝回数だけでなく、現役時代の継続的な活躍と引退後の役割まで確認することが大切です。
1. 大関と関脇の違いを理解する琴欧洲は大関、碧山は関脇です。両者はともに三役以上へ昇進した実力者ですが、大関は関脇・小結よりも上の地位に位置します。
最高位を基準にすれば琴欧洲の実績が上回ります。ただし、碧山の幕内71場所という長期在位や三賞の獲得も、別の評価軸として重要です。
2. 優勝回数と三賞は別の実績として見る幕内優勝は琴欧洲が1回、碧山が0回です。しかし、三賞については碧山が敢闘賞4回と技能賞1回を獲得しています。
優勝はその場所で最も優れた成績を残した力士に与えられる栄誉であり、三賞は取組内容や活躍を評価するものです。数字を比較するときは、それぞれの賞の意味を理解する必要があります。
3. 現在の肩書と現役時代の所属部屋を混同しない琴欧洲は現役時代に佐渡ヶ嶽部屋に所属し、引退後は鳴戸部屋を創設しました。碧山は田子ノ浦部屋で初土俵を踏み、春日野部屋に移籍して現役生活を終えています。
このため、現在の所属部屋を調べるときは、現役時代の所属歴と年寄としての所属を分けて確認することが必要です。
2026年現在の情報を確認する場合は、日本相撲協会の力士プロフィール、年寄プロフィール、相撲部屋紹介を優先すると、引退済みの人物を現役力士として紹介する情報の混同を避けやすくなります。
ブルガリア出身力士に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、ブルガリア出身の現役力士はいますか?
A1:琴欧洲と碧山はともに現役を引退しています。琴欧洲は2014年3月場所、碧山は2024年9月場所が最後の現役場所です。現在は2人とも日本相撲協会に残り、親方として活動しています。
Q2:ブルガリア出身力士で最も高い番付まで昇進したのは誰ですか?
A2:元大関の琴欧洲です。2006年1月場所に大関へ昇進し、2008年5月場所には14勝1敗で幕内最高優勝を達成しました。ヨーロッパ出身力士として初の幕内優勝という歴史的な記録も持っています。
Q3:琴欧洲と碧山は2026年現在、どの相撲部屋に所属していますか?
A3:琴欧洲は鳴戸親方として鳴戸部屋の師匠を務めています。碧山は岩友親方として春日野部屋に所属しています。琴欧洲は独立して部屋を創設した師匠、碧山は部屋付き親方という違いがあります。
ブルガリア出身力士の代表格である琴欧洲と碧山は、それぞれ大関・関脇まで昇進し、日本の大相撲に確かな足跡を残しました。
琴欧洲は2008年5月場所で14勝1敗の幕内優勝を達成し、ヨーロッパ出身力士として初めて賜杯を獲得しました。碧山は幕内在位71場所、敢闘賞4回、技能賞1回、金星1個という実績を残し、長年にわたって幕内を支えました。
そして2026年現在、琴欧洲は鳴戸親方として鳴戸部屋を率い、碧山は岩友親方として春日野部屋に所属しています。
2人の現役時代の実績を比較するなら、最高位と幕内優勝では琴欧洲、幕内在位と敢闘賞などの実績では碧山に注目したいところです。
さらに注目すべきなのは、両者が引退後も相撲界に残っていることです。ブルガリアから日本へ渡り、力士として成功を収めた2人は、今度は指導者として次の世代を育てています。
ブルガリア出身力士の歴史は、土俵上の記録だけでは終わりません。鳴戸親方と岩友親方がそれぞれの部屋でどのような力士を育てていくのか。今後も日本相撲界における2人の活動に注目が集まります。
主な情報の確認元- 日本相撲協会:琴欧洲・碧山の公式力士プロフィール、戦歴・受賞歴。
- 日本相撲協会:鳴戸親方・岩友親方の年寄プロフィール、鳴戸部屋・春日野部屋の紹介。
- 日本相撲協会:2024年9月24日付「引退および年寄襲名のお知らせ」。
- 鳴戸部屋公式サイト:師匠紹介・指導方針。
- 駐日ブルガリア共和国大使館:2026年9月30日付、大相撲9月場所関連の活動報告。
- 2026年9月公開の鳴戸親方インタビュー。