まず押さえたいのは、前作と続編では国内外ともに興行規模が大きく拡大していることだ。
『ズートピア』前作の日本興行収入76.3億円

日本映画製作者連盟の2016年資料
- 日本公開日:2016年4月23日
- 世界興収:約10億2,552万ドル
- 2016年の国内公開作品で年間4位
前作は公開当初から圧倒的な初動を見せた作品というより、口コミとリピーターによって成績を伸ばしたタイプのヒットだった。
ディズニーの2026年1月30日付の公式企業記事によると、日本で週末興行ランキング1位を初めて獲得したのは公開3週目。最終的には76.8億円に達したと紹介されている。
ここで注意したいのが、興収の公表値に違いがある点だ。
- 日本映画製作者連盟の2016年資料:76.3億円
- ディズニーの2026年公式振り返り:76.8億円
両資料の数値には0.5億円の差がある。集計資料の基準をそろえるなら、76.3億円と76.8億円を混同しないことが大切だ。
『ズートピア2』の日本興行収入157.1億円
2026年11月1日現在の興行通信社掲載値
- 日本公開日:2025年12月5日
- 4月2日時点の動員:1,180万7,677人
- 4月2日時点の興収:157億268万円
続編は公開30日目に国内興収100億円を突破した。
2026年4月6日付のシネマトゥデイの記事では、4月2日時点の国内興収157億268万円、動員1,180万7,677人と発表されている。
加えて、興行通信社の2026年11月1日現在の歴代興収ベスト100では、157.1億円で18位にランクインしている。
つまり、続編は前作の約2倍の国内興収を記録しただけでなく、日本映画史に残る大型ヒット作品の仲間入りを果たした。
【前作と続編を徹底比較】興収・公開日・観客動員数の違い
2作品の数字を比較すると、『ズートピア2』の成功がより明確になる。
シリーズ作品と競合作品の興行データ| 作品 | 日本公開日 | 日本興収 | 世界興収 |
|---|---|---|---|
| ズートピア | 2016年4月23日 | 76.3億円※ | 約10.26億ドル |
| ズートピア2 | 2025年12月5日 | 157.1億円 | 約18.70億ドル |
| アナと雪の女王2 | 2019年11月22日 | 133.7億円 | 約14.54億ドル |
| スーパーマリオ | 2023年4月28日 | 140.2億円 | 約13.61億ドル |
※前作は日本映画製作者連盟の2016年公表値。ディズニーの2026年資料では76.8億円。続編の国内興収は2026年11月1日現在の興行通信社掲載値。世界興収はBox Office Mojoの掲載値を基にした概数。
比較対象となる2作品も非常に高い成績を残している。
- :世界興収約14億5,368万ドル
- :世界興収約13億6,078万ドル
世界興収では『ズートピア2』が両作品を上回っている。
国内興収で見る前作からの成長前作の76.3億円を基準にすると、続編の157.1億円は約2.06倍に相当する。
つまり、続編は前作から単純に数億円伸びたという規模ではない。国内市場で約80億円の上積みを実現した。
この成長には、前作で確立されたキャラクター人気に加え、約9年ぶりの続編という話題性が影響したと考えられる。
また、前作を劇場や配信で見た世代が続編を鑑賞するだけでなく、新たな観客層が加わったこともヒットを支える要因になった。
【国内ランキング】ズートピア2は何位?アナ雪2・マリオとの順位比較
2026年の国内ランキングで特に注目されるのは、『ズートピア2』が日本の歴代興行収入でも上位に入っていることだ。
日本国内の歴代興収ランキング興行通信社が公表している2026年11月1日現在の歴代興収ベスト100では、次の順位になっている。
| 順位 | 映画 | 国内興収 |
|---|---|---|
| 5位 | アナと雪の女王 | 255.0億円 |
| 18位 | ズートピア2 | 157.1億円 |
| 23位 | スーパーマリオ | 140.2億円 |
| 33位 | アナと雪の女王2 | 133.7億円 |
『ズートピア2』は国内の全映画を対象とした歴代ランキングで18位。
また、洋画アニメーションの区分では、『アナと雪の女王』に次ぐ歴代2位の成績となっている。
これは単なるディズニー作品同士の比較にとどまらない。
国内興収157億円という数字は、アニメーション映画の枠を超えて、日本の映画市場全体でも上位に入る実績だ。
観客動員数は1,180万人超『ズートピア2』の国内観客動員数も、興収と並んで重要な指標となる。
| 発表時期 | 国内興収 | 国内動員数 |
|---|---|---|
| 2026年1月3日 | 103億7,538万円 | 759万3,060人 |
| 2026年1月27日 | 136億4,697万円 | 1,001万493人 |
| 2026年2月1日 | 140億7,788万円 | 1,034万3,902人 |
| 2026年4月2日 | 157億268万円 | 1,180万7,677人 |
出典はウォルト・ディズニー・ジャパンの発表を伝えた報道各社の資料。
公開から約2か月で動員1,000万人を突破し、4月初旬には1,180万人を超えた。
ここで注目したいのは、興収だけでなく動員も大きく伸びていることだ。
映画の興行収入は、チケット料金と販売枚数によって決まる。したがって、興収が伸びたからといって必ずしも同じ割合で観客が増えたとは限らない。
しかし、本作の場合は1,000万人を超える動員も記録しており、幅広い観客層に支持されたことが数字から読み取れる。
【世界興行収入ランキング】ズートピア2は歴代何位?アナ雪2を超えた理由
国内だけでなく、世界市場でも『ズートピア2』は大きな記録を打ち立てた。
世界興収18億ドル超の規模Box Office Mojoの2026年11月時点の掲載データでは、世界興行収入は約18億7,031万ドル。
ズートピア2・世界興行収入 $1,870,309,291
北米興収
4億2,813万ドル
北米以外の興収
14億4,218万ドル
世界興収
18億7,031万ドル
Box Office Mojo掲載値。為替換算ではなく米ドルの累計額。
世界興収の約77%を北米以外の市場が占めている点も特徴的だ。
北米だけでなく、中国をはじめとした海外市場での成功が、作品全体の記録を押し上げた。
世界歴代ランキングは9位から10位へここは基準日を分けて理解する必要がある。
2026年4月2日時点では、全世界興収18億6,664万ドルで、世界歴代興行収入ランキング9位と報じられた。
一方、2026年11月2日更新の世界歴代ランキングでは、約18億7,030万ドルで10位となっている。
ランキングは新作映画の記録更新や再集計によって変動するため、過去の報道にある9位を現在も固定順位として扱うのは正確ではない。
アナ雪2・マリオとの世界興収比較
ズートピア218.70億ドル
アナと雪の女王214.54億ドル
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー13.61億ドル
Box Office Mojoの世界興収掲載値を億ドル単位で丸めて比較。棒グラフはズートピア2を100%とした相対値。
『アナと雪の女王2』は2019年の公開以降、長くディズニー・アニメーションを代表する世界的ヒット作品だった。
しかし、『ズートピア2』はその記録を上回った。
さらに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も超えており、洋画アニメーション市場における存在感は極めて大きい。
【ヒットの背景】なぜズートピア2は前作を大きく超えたのか?
興行成績の伸びを理解するには、作品そのものだけでなく、公開前後のマーケティングやファンとの接点にも注目する必要がある。
1.前作から約9年という続編への期待前作『ズートピア』の日本公開は2016年4月23日。続編の日本公開は2025年12月5日だった。
約9年の期間を挟んで、ジュディとニックの物語が再び劇場に戻ってきた。
前作で築かれたキャラクターの認知度は、続編の公開時点ですでに大きな財産になっていた。
続編では、警察官としてバディを組んだジュディとニックが、ズートピアの誕生に隠された秘密に迫る。
前作を知る観客には懐かしさを、新しい観客には独立した冒険物語としての魅力を提供できる構造だった。
2.映画館以外にも広がったディズニーの展開ディズニーの2026年1月30日付公式企業記事では、劇場公開以外の施策についても具体的な数字が紹介されている。
- 国内約70社と連携したライセンス商品展開
- 1,000種類を超える関連商品
- 日本独自のプロモーションソング
- 東京ディズニーリゾートなどでの関連企画
- 前作や短編シリーズ『ズートピア+』の配信視聴増加
特に注目されるのは、劇場公開を中心に関連コンテンツの視聴や商品展開を連動させたことだ。
映画を鑑賞して終わりではなく、グッズ、音楽、イベント、配信などを通じて作品に触れる機会が増えた。
これはディズニーが持つIPビジネスの強みが、興行収入にも波及した事例といえる。
3.幅広い世代が楽しめる作品設計『ズートピア』シリーズの魅力は、動物たちのユニークな世界観だけではない。
物語の中心には、異なる立場や価値観を持つ相手との理解、偏見、信頼関係といったテーマがある。
子どもにはキャラクターの魅力や冒険として楽しめる一方、大人には社会的なメッセージが伝わる。
こうした多層的な物語は、家族での鑑賞や友人同士の鑑賞、複数回の鑑賞にもつながりやすい。
前作が口コミとリピーターによって成績を伸ばしたというディズニーの説明も、シリーズのこうした特徴と整合する。
【興収データの見方】Box Office Mojoと日本映画製作者連盟は何が違う?
興行収入を調べる際に混乱しやすいのが、データベースによって数字やランキングの基準が異なることだ。
Box Office Mojoの世界興収は、世界各国の映画興収を集計する代表的なデータベースだ。
世界興収を比較する際に便利だが、同サイトの「Domestic」は日本国内を意味しない。
基本的には北米市場の興収を示す項目である。
したがって、次のように使い分けると分かりやすい。
- Worldwide:世界全体の興行収入
- Domestic:北米の興行収入
- International:北米以外の海外市場の興行収入
日本国内の興収を知りたい場合は、日本の配給会社の発表や国内興行データを確認する必要がある。
日本映画製作者連盟のランキングは、毎年の全国映画概況や興行収入10億円以上の作品を公表している。
2026年1月発表の2025年全国映画概況によると、日本の映画市場全体は次の規模だった。
| 項目 | 2025年実績 |
|---|---|
| 年間興行収入 | 2,744億5,200万円 |
| 年間入場人員 | 1億8,875万6,000人 |
| 平均入場料金 | 1,454円 |
| 公開本数 | 1,305本 |
| 映画館スクリーン数 | 3,697 |
これらは日本映画市場全体の数字であり、『ズートピア2』単独の興収ではない。
また、歴代興収順位を確認するときは、興行通信社の歴代興収ベスト100のような累計ランキングを利用するのが適切だ。
【プロの結論】興行収入を比較するときの3つの判断基準映画のヒット規模を正しく評価するなら、次の3点を分けて見るべきだ。
① 国内と世界を混同しない
国内157億円と世界18億7,000万ドルは、集計対象が異なる。単純な数字の大小では比較できない。
② 興収と観客動員数をセットで確認する
興収が高くても、平均チケット料金の違いによって動員数との関係は変わる。今回のように1,180万人を超える動員実績も確認すると、作品の支持の広がりが分かる。
③ ランキングには必ず基準日を付ける
2026年4月時点の世界9位と、11月時点の世界10位は矛盾ではない。新たな作品の記録によって順位が動いた結果だ。
【ズートピアの興行収入】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ズートピアの日本国内の興行収入はいくら?
A1:2016年公開の前作は、日本映画製作者連盟の公表資料で76.3億円。ディズニーの2026年公式記事では76.8億円と紹介されている。資料によって0.5億円の差がある。
Q2:ズートピア2の日本国内の最終興行収入はいくら?
A2:興行通信社の2026年11月1日現在の歴代ランキングでは157.1億円。4月2日時点の詳細発表値は157億268万円となっている。
Q3:ズートピア2の世界興行収入はいくら?
A3:Box Office Mojoの2026年11月時点の掲載値では約18億7,031万ドル。2026年4月2日時点の報道値は18億6,664万ドルだった。
Q4:ズートピア2の国内観客動員数は何人?
A4:2026年4月2日時点で1,180万7,677人。1月27日には1,000万人を突破している。
Q5:ズートピア2はアナと雪の女王2を超えた?
A5:超えている。国内興収では『アナと雪の女王2』の133.7億円に対して157.1億円。世界興収でも『アナと雪の女王2』の約14億5,368万ドルに対して約18億7,031万ドルとなっている。
Q6:ズートピア2の日本国内の歴代順位は?
A6:2026年11月1日現在、興行通信社の歴代興収ベスト100で18位。洋画アニメーションでは歴代2位の成績となっている。
Q7:ズートピア2は世界歴代何位?
A7:2026年4月2日時点では世界歴代9位と報じられた。2026年11月2日更新のランキングでは10位となっている。集計日によって順位が変わる点に注意したい。
『ズートピア』シリーズの興行収入を振り返ると、2016年の前作が日本で約76.3億円を記録し、2025年公開の続編は国内157.1億円、世界約18億7,031万ドルという大きな成果を残した。
特に注目すべきなのは、続編が前作の国内興収を約2倍に伸ばしたこと、国内動員1,180万人超を達成したこと、そして世界興収で『アナと雪の女王2』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を上回ったことだ。
2026年11月時点での国内歴代18位、世界歴代10位という実績は、シリーズの人気が一過性のものではなく、世界規模で支持されていることを示している。
興行収入を見る際は、国内・世界の区別、動員数、集計基準日を確認することが大切だ。これらを踏まえると、『ズートピア2』は前作の成功を引き継ぐだけでなく、ディズニー・アニメーションの歴史に残る大型続編として評価できる。
主な資料:ウォルト・ディズニー・ジャパン公式企業記事(2026年1月30日)、日本映画製作者連盟(2016年・2025年公表資料)、興行通信社「歴代興収ベスト100」(2026年11月1日現在)、Box Office Mojo、シネマトゥデイ(2026年4月6日)、テレビ朝日ニュース(2026年2月2日)。