2026年11月2日現在、日本の次の総理大臣候補をめぐる世論で、最も多く名前が挙がったのは高市早苗首相だった。毎日新聞が2026年10月24、25日に実施した全国世論調査では、「次の首相は誰がふさわしいか」という質問に対し、高市氏が27%でトップ。続いて小泉進次郎防衛相が12%、林芳正前総務相が10%となった。
しかし、この調査で最も注目すべき数字は、実は首位の27%だけではない。最多回答は「わからない」の38%だった。高市氏が首位を維持する一方、次のリーダーを明確に選べない有権者も相当数いる。無党派層では53%が判断を保留しており、2027年9月に予定される自民党総裁任期の節目に向け、政局にはなお流動性が残されている。
【2026年10月最新】次の総理大臣候補は誰?毎日新聞世論調査のランキング

2026年10月26日に公表された毎日新聞の全国世論調査は、高市政権が発足から1年を迎えるタイミングで実施されたものだ。調査日は10月24、25日。「次の首相は誰がふさわしいと思うか」という質問に対し、現職の高市早苗首相が最も多く支持を集めた。
順位を整理すると、次のようになる。
| 順位・回答 | 人物・選択肢 | 回答割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 高市早苗 | 27% |
| 2位 | 小泉進次郎 | 12% |
| 3位 | 林芳正 | 10% |
| 4位 | その他の人 | 7% |
| 5位 | 茂木敏充 | 3% |
| 6位 | 小林鷹之 | 2% |
| 最多回答 | わからない | 38% |
出典:毎日新聞、2026年10月26日公表の全国世論調査。回答割合は公表値。
高市氏と2位の小泉氏には15ポイントの差がある。3位の林氏とも17ポイント離れており、今回の調査では高市氏が明確に先行した。
ただし、27%は過半数ではない。回答者全体の4分の1強が高市氏を選んだという結果であり、次期首相として国民の圧倒的多数が高市氏を支持している、と解釈するのは正確ではない。
また、今回の質問は「次の首相にふさわしい人」を尋ねたもので、実際の首相交代を予測したものではない。高市氏はすでに現職の首相であり、回答には次の人物を選ぶ意識だけでなく、現政権の継続を望む意識も含まれている。
つまり、このランキングは単純な後継者争いの順位ではなく、現政権の継続と将来のリーダー交代の両方を反映した世論として読む必要がある。
【38%が「わからない」】次期首相候補の世論調査から見える本当の民意
今回の毎日新聞調査で最も大きな意味を持つのは、首位の高市氏ではなく、38%を占めた「わからない」という回答だ。
高市氏27%、小泉氏12%、林氏10%という順位だけを見ると、次のリーダーをめぐる競争はすでに始まっているように感じられる。しかし、最も多くの回答者は特定の人物を選んでいない。
自民党支持層では高市氏が55%政党支持別に見ると、高市氏の強さはさらに際立つ。
自民党支持層では55%が高市氏を選択。2位の小泉氏は15%で、40ポイントの差がついた。林氏は7%、小林氏は3%、茂木氏は1%で、「わからない」は16%だった。
この結果は、高市氏が自民党支持者の間で強い続投支持を持っていることを示している。現職として政権を運営していることに加え、党の支持層にとって次のリーダーを探す必要性がまだ大きくない可能性も考えられる。
無党派層の53%は次の首相を決めていない対照的なのが、支持政党を持たない無党派層だ。
この層では53%が「わからない」と回答した。人物別では高市氏17%、小泉氏10%、林氏9%、茂木氏3%、小林氏1%となっている。
自民党支持層で55%だった高市氏の回答割合は、無党派層では17%に下がる。これは、党の支持基盤における評価と、政党を特定して支持しない有権者の判断との間に大きな違いがあることを示す。
無党派層にとっては、候補者の知名度だけでなく、物価高への対応、賃金、社会保障、外交・安全保障、政治への信頼など、日々の生活と結びつく政策の実績が判断材料になる。
したがって、次の首相をめぐる争いで本当に重要なのは、既存の支持者を維持することだけではない。まだ態度を決めていない有権者に、どの候補が具体的な政策と実行力を示せるかという点にある。
なお、「わからない」は必ずしも高市政権への不支持を意味しない。次の候補者を決める段階ではない、ほかの人物を評価している、あるいは候補者の政策を十分に比較できていないなど、複数の事情が考えられる。
【有力候補5人を徹底比較】高市早苗・小泉進次郎・林芳正・茂木敏充・小林鷹之
2026年10月の調査で名前が挙がった人物には、それぞれ異なる政治的な立場と経験がある。
高市氏は現職首相、小泉氏は防衛相、林氏は総務相や官房長官などを経験したベテラン、茂木氏は外相、小林氏は自民党の政策責任者という位置づけだ。
1.高市早苗|現職首相として27%のトップ世論調査:27%
高市早苗氏は2025年10月21日に第104代内閣総理大臣に就任し、2026年11月2日現在は第105代首相として政権を担っている。2026年9月17日には第2次高市改造内閣が発足した。
今回の調査で高市氏が1位になった最大の特徴は、後継候補としてではなく、現職の首相として選ばれている点にある。
自民党支持層の55%が高市氏を選んだことからも、党内の支持基盤における存在感は大きい。加えて、首相としての政策決定や国会対応を直接評価できる立場にあることも、ほかの候補者との違いだ。
一方、内閣支持率と次期首相としての支持は別の数字である。現職であることが強みになる反面、政権運営の成果や失敗に対する評価が、そのまま続投支持に影響する。
2.小泉進次郎|12%で2位、防衛相としての実績が焦点世論調査:12%
小泉進次郎氏は神奈川県第11区選出の衆議院議員。関東学院大学卒業後、コロンビア大学大学院で政治学を学び、2009年に衆議院議員に初当選した。
環境相や農林水産相を経験し、2025年10月に防衛相に就任。2026年9月の内閣改造後も同職を続けている。
今回の調査では12%を獲得し、2位に入った。自民党支持層では15%、無党派層では10%となっている。
注目点は、知名度や発信力だけでなく、防衛政策という国家の根幹に関わる分野で、どのような実績を積み上げるかだ。
首相候補として評価されるためには、個別の政策テーマに対する発信力に加え、経済、外交、社会保障など幅広い分野を統括する能力も問われる。
3.林芳正|10%で3位、幅広い閣僚経験が強み世論調査:10%
林芳正氏は山口県を地盤とする自民党の衆議院議員。東京大学法学部を卒業し、三井物産での勤務やハーバード大学ケネディ行政大学院での学びを経て政界に入った。
参議院議員を経て衆議院に転じ、外務相、防衛相、農林水産相、文部科学相、内閣官房長官、総務相などを歴任している。
2026年10月の毎日新聞調査では「林芳正前総務相」として10%を獲得し、3位に入った。
林氏の特徴は、複数の政策分野で閣僚経験を積んできた点だ。外交や安全保障に加え、内政や官邸運営にも関わってきた経験は、政権全体を統括する立場を考えるうえで評価材料になる。
ただし、今回の10%という数字は、高市氏や小泉氏に続く位置であり、今後さらに幅広い支持を獲得できるかが課題になる。
4.茂木敏充|3%、外交経験を持つベテラン候補世論調査:3%
茂木敏充氏は2026年11月2日現在、外務大臣を務めている。外務省の歴代外務大臣記録でも、2025年10月、2026年2月、同年9月の就任が確認できる。
外交の最前線を担う現職閣僚であり、国際情勢や各国との交渉に関わる経験を持つ点が特徴だ。
首相には外交・安全保障の判断だけでなく、国内経済や社会保障などの政策をまとめる能力も必要になる。茂木氏にとっては、外相としての役割を通じて、政権運営全体を担える人物としての評価をどこまで広げられるかがポイントになる。
今回の3%は上位3人との差が大きいが、党内の人事や政治情勢の変化によって存在感が変わる余地は残っている。
5.小林鷹之|2%、政策立案を担う自民党の中堅実力者世論調査:2%
小林鷹之氏は2026年11月現在、自民党の政務調査会長を務める衆議院議員だ。2026年10月1日の自民党記者会見でも、政調会長として政策立案に取り組む姿勢を示している。
2021年には経済安全保障担当大臣を務めた経験もあり、経済安全保障や科学技術などの政策分野に関わってきた。
政務調査会長は、自民党の政策を取りまとめる重要な役職だ。首相候補としては2%にとどまったものの、党内で政策形成を担う立場にあることは、今後の評価につながる可能性がある。
ただし、政策責任者としての実績と、国民全体から首相にふさわしいと評価されることは別問題だ。党内での存在感を広い有権者の支持に結びつけられるかが焦点となる。
【高市内閣支持率45%】次の首相ランキングと政権への評価は別物
次期首相候補を考えるうえで、もう一つ確認したいのが高市内閣の支持率だ。
毎日新聞が2026年10月24、25日に実施した同日の全国世論調査では、高市内閣の支持率は45%、不支持率は41%だった。前回の9月26、27日調査と比べて支持率は横ばい、不支持率は1ポイント上昇している。
高市政権は2025年10月の発足後、当初は高い支持率を維持していた。毎日新聞の調査では、発足後3カ月連続で支持率が65%以上となった時期もある。しかし、2026年3月以降は下落傾向となり、7月調査では41%まで低下した。
9月の内閣改造後には支持率が再び不支持率を上回り、10月も45%を維持した。政権の評価には、閣僚人事や政策運営に対する期待と不満の双方が反映されている。
首相としての続投希望は32%毎日新聞は、現在の高市首相にいつまで首相を続けてほしいかについても質問している。
最も多かったのは「できるだけ長く続けてほしい」の32%。続いて「早く辞めてほしい」が23%、「2027年9月の自民党総裁任期まで」が17%、「2030年2月の衆議院議員任期まで」が7%だった。「わからない」も21%に達している。
この結果から見えるのは、高市政権への評価が一枚岩ではないということだ。
内閣支持層では66%が「できるだけ長く続けてほしい」と回答した。一方、内閣不支持層では55%が「早く辞めてほしい」と答え、「できるだけ長く」はわずか1%だった。
支持する人と支持しない人の間で、政権の継続をめぐる意見が大きく分かれている。
別の世論調査では「次の自民党総裁」の順位も違う比較材料となるのが、テレビ朝日「報道ステーション」が2026年9月19、20日に実施した世論調査だ。
こちらは「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」という質問で、高市氏38%、小泉氏21%、林氏12%、茂木氏5%、小林氏5%、「わからない・答えない」15%という結果だった。
毎日新聞の10月調査とは質問の対象も実施日も異なる。前者は自民党総裁、後者は次の首相にふさわしい人物を尋ねているため、単純に支持率が下がった、上がったと比較することはできない。
むしろ重要なのは、同じ政治家でも、質問の仕方によって回答が変わるという点だ。自民党のリーダーを選ぶことと、日本の首相としてふさわしい人物を選ぶことは、有権者にとって必ずしも同じ判断ではない。
【次期首相候補の選出の仕組み】世論調査だけでは総理大臣になれない
次の総理大臣候補を考えるとき、理解しておきたいのが日本の首相指名制度だ。
日本では、国民が首相を直接選挙で選ぶ制度は採用されていない。日本国憲法第67条により、内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決によって指名される。
したがって、世論調査で1位になった人物が、そのまま首相に就任するわけではない。
自民党総裁選で選ばれるのは党のリーダー自民党が政権を担う場合、党総裁が首相候補の中心となることが多い。そのため、自民党総裁選は次期首相を考えるうえで重要な政治イベントだ。
通常の総裁公選規程による選挙では、党所属の国会議員による議員投票と、全国の党員・党友による投票を基にした党員算定票を合算する。
2025年の自民党総裁選で公表されたフルスペック方式では、国会議員票と党員算定票が同数となる仕組みが採用された。候補者が過半数を獲得できなければ、上位2人による決選投票に進む。
一方、特に緊急を要する場合には、党員投票を伴わない両院議員総会による選出という方法もある。こちらは国会議員と都道府県連代表による投票で新総裁を選ぶ方式だ。
2027年9月が次の大きな政治日程2025年の自民党総裁選で選ばれた高市氏の総裁任期について、毎日新聞の2026年10月調査では「2027年9月の自民党総裁任期まで」という選択肢が設けられている。
このため、2027年9月は次の総裁選を考えるうえで大きな節目となる。ただし、具体的な告示日や投開票日は、現段階で確定したものではない。
また、任期満了を待たずに総裁が交代する政治的な事態が起きれば、総裁選が前倒しされる可能性もある。
最後に首相を決めるのは国会自民党総裁選で新しい総裁が選ばれたとしても、首相就任には国会での指名が必要だ。
憲法第67条では、衆議院と参議院が異なる人物を指名した場合、両院協議会でも意見が一致しないなど一定の条件では、衆議院の議決が国会の議決となると定められている。
つまり、首相交代の行方を左右するのは、世論調査の数字だけではない。自民党内の議員票、党員の意思、連立や他党との協力関係、そして国会での多数形成が関係する。
世論調査で人気のある政治家であっても、党内で候補者として支持を集められなければ総裁になることは難しい。逆に、世論調査で上位ではない人物が、党内の合意形成によって有力候補に浮上する可能性もある。
【プロの結論】2027年の政局を左右する3つの判断基準
2026年10月の調査結果を踏まえると、次の首相をめぐる構図は、高市氏の続投優勢と、後継候補を決めきれない有権者の多さが同居している状態だ。
今後の政局を見る際には、次の3つのポイントを押さえておきたい。
1.高市内閣の支持率が安定するか高市氏は27%で首位となったが、内閣支持率は45%、不支持率は41%であり、両者の差は4ポイントにとどまる。
政権が物価高、賃金、社会保障、財政、外交・安全保障などの課題にどう対応するかによって、続投への評価は変わり得る。
特に、内閣支持率が上昇しても、次の首相としての支持が同じ割合で増えるとは限らない。政権への評価と個人への期待を分けて見ることが重要だ。
2.小泉・林・茂木・小林氏が党内支持を広げられるか高市氏以外では、小泉氏と林氏が10%を超える支持を獲得した。茂木氏と小林氏は現状では低い割合にとどまるが、それぞれ外務相、政調会長という立場にある。
今後、候補者として注目されるかどうかは、メディアへの露出だけでは決まらない。党内の議員からどれだけ支持を集められるか、党員に政策を理解してもらえるか、他の政治勢力と協力できるかが重要になる。
また、2027年の総裁選を見据えた人事や政策調整によって、現在のランキングとは異なる勢力図が生まれる可能性もある。
3.無党派層の「わからない」を誰が動かすか今回の調査で見逃せないのは、無党派層の53%が次の首相を選べなかったことだ。
政治的な支持基盤が固まっている層だけを見れば、高市氏が有利に映る。しかし、無党派層の判断が変われば、世論全体の順位も変わる可能性がある。
そのため、次の総理大臣候補を評価するときは、単純な知名度や人気だけでなく、政策の具体性、説明責任、実行力、国会運営能力を基準にするべきだ。
特に、物価高や生活費の負担に対する現実的な対策を提示できるかは、有権者の判断に直結するテーマとなる。
2026年11月時点で、次の首相を一人に絞ることはできない。現職の高市氏が最も有力な位置にいることは確かだが、38%の未決定層が存在する以上、政局はまだ動く余地を残している。
【次の総理大臣候補に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年現在、次の総理大臣候補で最も有力なのは誰ですか?
A1:2026年10月の毎日新聞世論調査では、高市早苗氏が27%で1位だった。小泉進次郎氏が12%、林芳正氏が10%で続いている。ただし、高市氏は現職の首相であり、次の首相を確定的に予測するランキングではない。
Q2:毎日新聞の2026年10月調査で「わからない」が38%なのはなぜですか?
A2:有権者の間で次の首相にふさわしい人物が一人に定まっていないことを示している。特に無党派層では53%が「わからない」と回答しており、候補者の政策や実績を見極めている段階にあると考えられる。
Q3:小泉進次郎氏は次の首相になる可能性がありますか?
A3:可能性はある。毎日新聞の2026年10月調査では12%で2位となり、無党派層でも10%を獲得した。防衛相や環境相、農林水産相の経験を持つ一方、今後は幅広い政策分野での実績と党内支持をどこまで広げられるかが焦点となる。
Q4:2027年の自民党総裁選で次の首相が決まりますか?
A4:自民党が引き続き政権を担い、新総裁が国会で首相に指名されれば、次の首相になる可能性が高い。ただし、総裁選と首相指名は別の手続きであり、最終的には国会の議決が必要だ。2027年9月は任期の節目だが、具体的な選挙日程は確定していない。
Q5:高市内閣支持率45%は、次の首相としての支持率ですか?
A5:違う。45%は高市内閣を支持するかどうかを尋ねた数字であり、次の首相にふさわしい人物を尋ねた質問ではない。今回の調査では、高市氏を次の首相にふさわしいとした回答は27%だった。両者は別の指標として扱う必要がある。
2026年10月の毎日新聞世論調査では、高市早苗氏が27%でトップ、小泉進次郎氏が12%、林芳正氏が10%で続いた。茂木敏充氏は3%、小林鷹之氏は2%だった。
しかし、今回の調査で最も重要なのは、最多回答が38%の「わからない」だったことだ。自民党支持層では高市氏が55%を獲得する一方、無党派層では53%が判断を保留している。
高市内閣の支持率45%と不支持率41%も、政権への評価が分かれていることを示している。今後の物価高対策や外交・安全保障、政権運営の実績によって、候補者の評価が変化する可能性は十分にある。
次の大きな節目は、2027年9月の自民党総裁任期だ。高市氏が続投を目指すのか、小泉氏や林氏らが支持を広げるのか、あるいは新たな候補者が浮上するのか。党内の動きと国会での首相指名を合わせて見る必要がある。
現時点では高市早苗氏が先頭に立っている。しかし、次の総理大臣を決めるのは世論調査の順位ではない。政策への評価、党内の支持、そして国会での合意形成である。38%の「わからない」が誰に動くのか。それが2027年に向けた日本政治を読み解く最大の焦点となる。
参照資料:毎日新聞の2026年10月全国世論調査、首相官邸、衆議院、テレビ朝日「報道ステーション」、自由民主党、外務省、防衛省の公表資料。