多摩動物公園のオオカミ展示の魅力は、個体の姿だけでなく、群れ全体の関係性を観察できることにあります。
飼育されているのは、タイリクオオカミの亜種に当たるヨーロッパオオカミ(Canis lupus lupus)です。多摩動物公園の公式図鑑では、比較的大型のオオカミとして紹介されています。
パックとは何か?オオカミの群れの仕組みオオカミの群れは「パック(Pack)」と呼ばれます。多摩動物公園の解説によると、ヨーロッパオオカミは、繁殖するオスとメスのペア、その子どもや兄弟などの血縁者を中心に群れを形成します。
群れの規模は一般的に2~20頭程度です。オスとメスにはそれぞれ別の順位があり、上位の繁殖ペアを中心に生活しています。
特に興味深いのは、子育てが母親だけの仕事ではないことです。群れの仲間も子どもの世話や狩りを協力して行います。こうした社会性は、オオカミを単独で行動する動物として捉えると見落としやすい特徴です。
オオカミの遠吠えは何のため?オオカミと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、夜空に向かって響く遠吠えです。
遠吠えには群れの仲間意識を高める役割があるとされ、個体同士のコミュニケーションに利用されています。多摩動物公園の公式図鑑では、群れ全体が参加することもあり、鳴き声は10キロメートル先まで届くと説明されています。
また、オオカミのコミュニケーションは鳴き声だけではありません。
- 遠吠え:群れのまとまりを保つための音声コミュニケーション。
- ボディランゲージ:表情や姿勢、しぐさによる意思表示。
- におい:個体や周囲の情報を伝える重要な手段。
そのため、展示が再開された際には、オオカミが歩き回る姿だけでなく、互いの距離感や視線、行動の変化にも注目すると、群れの社会性が見えてきます。
ただし、展示中に必ず遠吠えを聞けるわけではありません。遠吠えは決まった時間に行うショーではなく、群れの状況やコミュニケーションに応じて見られる行動です。
【展示再開はいつ?】2026年11月以降の見通しと来園前の注意点

最も気になるのが、バウムとエアデを含むオオカミの親子を、いつから通常展示で見られるようになるのかという問題です。
2026年11月2日現在、通常展示の再開日は公表されていません。
公式の展示休止情報には「6月11日~当面」と掲載されており、再開予定日や具体的な公開スケジュールは示されていません。
展示再開を判断するうえで注目したいこと今後の再開時期を考える際には、次の3つのポイントが重要です。
1. 親子が観覧環境に十分慣れること
バウムとエアデは成長を続けていますが、動物園側は親子の状態を確認しながら展示練習を進めています。来園者の視線や周囲の音に慣れることも、段階的な公開に向けた課題です。
2. 飼育施設の安全性が確保されること
スイの脱出事故を受け、小放飼場の構造や植栽、監視設備について再発防止策が公表されました。施設の安全管理は、オオカミの展示を継続するうえで欠かせない条件です。
3. 動物の健康と飼育管理を優先すること
子育て中の親子にとって、来園者に見せることよりも落ち着いて過ごせる環境が優先されます。展示範囲や公開時間が変更される可能性もあります。
2026年11月に来園するなら何を確認する?
来園前の確認先
東京ズーネット・多摩動物公園公式サイト
展示休止情報、動物ニュース、展示練習の更新を確認。
多摩動物公園公式X
当日の展示変更や臨時のお知らせを確認。
どうぶつ動画ギャラリー
2026年9月19日公開のバウムとエアデの展示練習映像を確認。
特に、オオカミを目的に遠方から訪れる人は、通常展示が再開したという公式発表が出るまでは、観覧できない可能性を前提に予定を組むのがおすすめです。
また、公開が再開されても、オオカミは休息時間が長く、物陰に隠れていることがあります。展示再開と、必ず姿を見られることは同じではありません。
【よくある質問】多摩動物公園のオオカミに関するFAQ
Q1:多摩動物公園のオオカミは2026年11月現在見られますか?
A1:通常展示は休止中です。2026年6月11日から親子の展示練習が続いており、11月2日時点で再開日は発表されていません。
Q2:オオカミの赤ちゃんの名前は何ですか?
A2:バウムとエアデです。2026年4月26日に生まれた2頭のメスで、7月15日に名前が発表されました。バウムはドイツ語で木、エアデは土・大地を意味します。
Q3:スイの脱出事故はなぜ起きたのですか?
A3:調査では、小放飼場の擁壁に生えていたツタを足掛かりに、約3.3メートルの壁を登った可能性が高いと推定されています。植栽の除去、上乗せ柵、電気柵、監視カメラの増設などが再発防止策として公表されました。
Q4:スイとカヨランはどんな関係ですか?
A4:スイは母親、カヨランは父親です。2頭は2025年4月から同居し、2026年4月に子どもが誕生しました。
Q5:赤ちゃんは3頭生まれたのに、なぜ名前は2頭分なのですか?
A5:出産時には3頭が確認されましたが、5月2日の確認では生存していたのは2頭でした。残る1頭は、その後も姿が確認されず、死亡したものと推測されています。命名されたのは成長が確認された2頭です。
Q6:オオカミの展示再開はいつですか?
A6:2026年11月2日現在、具体的な再開日は発表されていません。公式サイトの最新情報で「展示練習中」と案内されています。
Q7:多摩動物公園のオオカミは何という種類ですか?
A7:タイリクオオカミの亜種であるヨーロッパオオカミです。学名はCanis lupus lupusで、アジア園の「アジアの平原」にあるオオカミ舎で飼育されています。
2026年の多摩動物公園のタイリクオオカミをめぐる動きは、赤ちゃんの誕生と施設の安全管理という2つの大きなテーマに分けられます。
4月26日にはスイとカヨランの間に3頭が誕生し、その後、2頭の成長が確認されました。7月15日にはバウムとエアデという名前が発表され、9月には展示練習の様子も公式動画で紹介されています。
一方、2025年12月の脱出事故では、壁面のツタが脱出の足掛かりになった可能性が指摘されました。園は植栽の除去や柵の増設、監視設備の強化、職員の点検体制の見直しなどを再発防止策として公表しています。
そして2026年11月2日現在、オオカミの通常展示はまだ休止中です。展示練習は続いていますが、再開日は決まっていません。
今回の出来事から見えてくるのは、動物園の展示には、動物の健康と安全、来園者の安全、そして動物本来の行動を尊重する飼育環境のすべてが必要だということです。
バウムとエアデが健やかに成長し、スイやカヨランとともに落ち着いて過ごせる環境が整うことが、今後の公開に向けた何よりの前提になります。来園を予定している人は、展示再開の正式発表と最新の展示状況を確認しておきましょう。
2026年11月2日現在の最重要情報:多摩動物公園のタイリクオオカミは展示練習中。通常展示の再開日は未発表です。
主な参考資料:東京都「多摩動物公園情報 タイリクオオカミが生まれました!」、多摩動物公園「タイリクオオカミが生まれました!」(2026年7月15日更新)、「多摩動物公園のタイリクオオカミの脱出について(第4報)」(2026年2月26日更新)、「展示休止やイベント中止などのお知らせ」(2026年11月2日更新)、東京ズーネット「どうぶつ動画ギャラリー Vol.273」。