2026年11月現在、竹島をめぐる日本と韓国の領有権問題は、依然として国際的な注目を集める外交課題の一つです。日本では「竹島」、韓国では「独島(トクト)」と呼ばれるこの島々について、両国はそれぞれ異なる歴史的・法的根拠を示し、自国の領土であると主張しています。一方、国際社会ではアメリカのように主権の帰属について立場を明確にしない国もあり、世界全体がどちらか一方の主張を正式に認めているわけではありません。
2026年には、日本の外交青書や防衛白書に対する韓国政府の抗議、島根県の「竹島の日」をめぐる外交問題、さらに8月の周辺海域での調査活動をめぐる日本側の抗議など、新たな動きもありました。竹島世界の認識を理解するには、実効支配、歴史的資料、国際条約、各国政府の外交姿勢を分けて考える必要があります。
【世界の認識】竹島は日本と韓国のどちらの領土と認識されている?

竹島をめぐる国際的な認識を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが「領有権の主張」と「実効支配」の違いです。
日本政府は、竹島について歴史的事実と国際法に基づく日本固有の領土であると主張しています。これに対して韓国政府は、独島は歴史的・地理的・国際法的に韓国の領土であり、そもそも日本との領土問題は存在しないという立場です。
現在、島には韓国側の警備要員が常駐しており、韓国が行政上の管理を行っています。つまり、実際に管理している国は韓国です。しかし、実効支配されていることだけで国際法上の領有権が最終的に確定するわけではありません。
世界各国はどのような立場を取っているのか海外の政府や国際機関の対応は一様ではありません。特に注目されるのがアメリカの立場です。
アメリカ国務省は2008年の記者会見で、リアンクール岩礁(Liancourt Rocks)の主権についてアメリカ政府は立場を取らないと説明しました。2021年にも国務省関係者が同様の立場を示し、日韓両国による平和的な解決を求めています。
リアンクール岩礁という呼称は、特定の国の領有権主張をそのまま採用しないための地理的な呼び方として使われています。日本語の「竹島」、韓国語の「独島」とは異なる名称が使われている点も、国際的な認識を考えるうえで重要です。
ただし、アメリカが中立的な立場を取っていることを、世界各国がすべて同じ立場を取っているという意味に解釈することはできません。
国際地図での表記は領有権の承認を意味するのか海外の地図サービスでは、竹島・独島・リアンクール岩礁という複数の名称が使われることがあります。
2022年の聯合ニュースの報道では、韓国の研究者による調査として、Googleの地図サービスが2019年時点で26か国においてリアンクール岩礁という名称を使用していた事例が紹介されました。また、日本語版では竹島、韓国語版では独島という表記が使われていたとされています。
ここで注意したいのは、地図上の名称と国際法上の主権認定は別の問題だということです。地図サービスがある名称を採用したからといって、その国の政府が領有権を正式に承認したことにはなりません。
海外の地図や百科事典を調べる際には、名称だけで判断せず、発行主体、地図の目的、説明文、政府の公式見解を確認する必要があります。
【2026年最新情報】竹島問題をめぐる日韓の動きとニュース
2026年は、竹島問題をめぐる外交的な主張が改めて表面化した年です。日本政府が従来の立場を外交・防衛関連文書で示す一方、韓国政府もその都度抗議を表明しています。
2026年2月20日・22日:日本の外交演説と竹島の日2026年2月20日、日本の外相による国会での外交演説に竹島に関する日本政府の主張が盛り込まれたことを受け、韓国外交部は強く抗議しました。
続く2月22日には、島根県が主催する「竹島の日」の記念行事が開催されました。日本政府からも中央政府の関係者が出席し、韓国政府は行事の開催と政府関係者の参加について抗議しました。
韓国側にとって独島は、単なる領土問題にとどまらず、日本による朝鮮半島の植民地支配の歴史とも結び付く象徴的な存在です。そのため、式典や政府関係者の発言が国内世論を刺激し、外交問題に発展しやすい構造があります。
2026年4月10日:外交青書2026をめぐる韓国の抗議日本外務省が2026年4月10日に公表した外交青書2026では、竹島について日本固有の領土であるとの基本的な立場が改めて記載されました。
同日、韓国外交部は日本政府による独島の領有権主張に強く抗議し、該当する主張の撤回を求めました。
この動きは、日韓双方の政府が2026年も基本的な立場を変更していないことを示しています。日本側は国際法に基づく平和的解決を掲げ、韓国側は自国の領土であり外交交渉や司法的解決の対象ではないという立場を維持しています。
2026年8月4日・5日:防衛白書をめぐる反発2026年8月4日に日本の防衛白書「防衛白書2026」が公表され、竹島に関する日本政府の主張が記載されました。
これに対し、韓国外交部は8月5日に公式コメントを発表し、日本政府の主張に強く抗議しました。韓国側は独島が歴史的・地理的・国際法的に韓国領土であるという従来の見解を改めて示しています。
2026年8月8日:周辺海域の調査活動をめぐる抗議8月には、竹島周辺の海域で韓国の海洋調査船が活動したことをめぐり、日本政府が韓国側に抗議したと報じられました。
日本側は、調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)と主張する海域で、事前の同意なく調査活動を行ったとして抗議しました。一方、この海域の位置付けや調査活動の正当性は、日韓双方の主張が対立する問題です。
領有権問題は島そのものの帰属だけでなく、周辺海域の調査、漁業、海洋資源、海上活動にも関係しています。2026年の一連の動きは、その影響範囲の広さを示しています。
【歴史と経緯】竹島の領有権問題はいつから始まった?
竹島をめぐる対立は、戦後に突然生まれたものではありません。日本と韓国は、それぞれ異なる歴史資料を根拠に領有権を説明しています。
議論の中心となるのは、古い文献や地図の解釈、1900年の大韓帝国の勅令、1905年の日本政府による編入、そして第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和条約です。
日本と韓国の主張が分かれる歴史的な転換点韓国政府は、1454年の『世宗実録地理志』などに記された于山島(ウサンド)や鬱陵島に関する記述を、独島の歴史的な帰属を示す資料として挙げています。
加えて、1900年10月27日に公布された大韓帝国の勅令第41号では、鬱島郡の管轄区域に鬱陵全島と竹島・石島を含める規定が設けられました。韓国政府は、この石島が現在の独島を指すと説明しています。
一方、日本政府は1905年1月28日の閣議決定によって竹島を島根県隠岐島司の所管に編入したことを、領有権を再確認した重要な措置と位置付けています。また、1900年の勅令にある石島が現在の竹島を指すという韓国側の解釈にも異議を唱えています。
両国の主張は、単純に古い文書が存在するかどうかだけでなく、文書中の島名が現在の竹島・独島を指しているのか、当時の行政権が実際に及んでいたのかという問題にも関係しています。
竹島問題の重要年表・関係する出来事一覧| 年月 | 出来事 | 領有権問題との関係 |
|---|---|---|
| 1454年 | 『世宗実録地理志』の記述 | 韓国側が歴史的領有権の根拠として引用する資料 |
| 1900年10月 | 大韓帝国勅令第41号 | 韓国側は石島が独島を指すと主張 |
| 1905年1月 | 日本政府が閣議決定 | 竹島を島根県の所管とする措置 |
| 1905年2月 | 島根県告示第40号 | 竹島の名称と所管を告示 |
| 1951年9月 | サンフランシスコ平和条約署名 | 日本が放棄する朝鮮領土の範囲をめぐる解釈の相違 |
| 1952年1月 | 李承晩ラインの宣言 | 竹島を含む海域をめぐる日韓の対立が深まる |
| 1954年 | 日本がICJへの付託を提案 | 韓国政府は提案を受け入れず |
| 1962年・2012年 | 日本がICJへの付託を再提案 | 韓国政府はいずれも拒否 |
| 2026年 | 外交青書・防衛白書などをめぐる応酬 | 両政府が従来の領有権主張を維持 |
この年表から分かるのは、竹島問題が歴史資料の解釈だけでなく、近代国家の領土編成、戦後処理、実効支配、外交交渉という複数の段階を経て現在に至っていることです。
特に1900年の勅令と1905年の閣議決定は、両国の主張を比較する際に避けて通れない重要な資料です。
【国際法と世界の評価】サンフランシスコ平和条約と国際司法裁判所の見解
竹島問題が国際的な議論になる最大の理由の一つが、第二次世界大戦後の領土処理を定めたサンフランシスコ平和条約です。
1951年のサンフランシスコ平和条約は何を定めたのか1951年9月8日に署名されたサンフランシスコ平和条約は、1952年4月28日に発効しました。
第2条(a)では、日本が朝鮮の独立を承認し、済州島、巨文島、鬱陵島を含む朝鮮に対する権利・権原・請求権を放棄することが規定されています。
ここで重要なのは、条文に竹島または独島という名称が明記されていない点です。
日本政府は、竹島が放棄対象として明記されなかったことを重視し、同島が日本の領土として扱われたとの解釈を示しています。また、条約起草過程で韓国が竹島を放棄対象に含めるよう求めた際、アメリカ側がこれを認めなかったとするラスク書簡も、日本側の主張を支える資料として挙げられています。
これに対し韓国政府は、条約に列挙された島々は朝鮮に属する島の例示であり、独島が明記されていないことだけで日本領と判断することはできないと説明しています。また、戦後の連合国軍総司令部による指令なども根拠として挙げています。
つまり、条約の存在自体は確認できても、その文言を竹島の帰属にどう適用するかについては、日韓の解釈が一致していません。
国際司法裁判所で決着していない理由日本政府は、竹島問題の平和的解決を目的として、1954年、1962年、2012年の3回にわたり国際司法裁判所(ICJ)への付託を提案してきました。
しかし、韓国政府はこれらの提案を拒否しています。韓国側は、独島は自国の領土であり、国際司法裁判所で改めて領有権を確認する必要はないという立場です。
ここで理解しておきたいのが、ICJの仕組みです。
ICJは国連の主要な司法機関ですが、国家間の紛争を自由に取り上げて判決を出せる機関ではありません。争訟事件については、原則として関係国が裁判所の管轄権を認める必要があります。特別合意や条約上の管轄条項、双方が受け入れた選択条項受諾宣言など、管轄権の根拠が必要です。
したがって、日本がICJへの付託を提案したことだけで、直ちに裁判が始まるわけではありません。
2026年11月現在、竹島の領有権についてICJが判決を出した事実はありません。国際司法裁判所の判断によって日本領または韓国領と確定した、という情報は正確ではありません。
国連やアメリカが竹島を韓国領・日本領と認定したという情報の真相インターネットでは、国連やアメリカが竹島の帰属を正式に認めたという説明が見られることがあります。しかし、外交上の見解と領有権の法的な確定は区別しなければなりません。
アメリカ国務省は、リアンクール岩礁の主権について立場を取らないという説明を繰り返しています。これは日本の主張を正式に支持したことにも、韓国の主張を正式に支持したことにもなりません。
また、サンフランシスコ平和条約が国連条約集に登録されていることも、国連が竹島の領有権を独自に裁定したことを意味しません。
国際機関の名称や外国政府の地図表記を利用した断定的な情報には注意が必要です。
【ネットの反応・炎上】竹島問題が日本と韓国の世論を刺激する理由
竹島問題は、政府間の外交交渉にとどまらず、両国の国民感情にも影響するテーマです。特に、領土をめぐる政府発表、記念行事、軍事訓練、海洋調査が報じられると、インターネット上でも議論が活発になります。
日本側で注目される論点日本国内の議論では、主に次のような論点が繰り返し取り上げられます。
- 1905年の閣議決定や島根県告示に基づく領有権の主張
- サンフランシスコ平和条約における竹島の扱い
- 韓国による実効支配の継続と日本政府の外交対応
- 国際司法裁判所を通じた平和的解決の可能性
日本側の議論では、国際法や歴史資料を通じて領有権を説明する必要性が強調される傾向があります。また、政府が抗議を続けるだけでなく、海外への情報発信を強化すべきだという意見も重要な論点です。
韓国側で注目される論点韓国では、独島が韓国の領土であるという認識が国家的な歴史意識と深く結び付いています。
特に日本の植民地支配の歴史との関連から、日本政府による領有権主張そのものに反発する声が出やすい状況があります。
韓国政府も、日本の外交青書や防衛白書、島根県の竹島の日関連行事に対して公式に抗議しており、独島の領有権に関する立場を繰り返し発信しています。
炎上しやすい話題と噂の真相ネット上で議論が激しくなりやすいのは、次のような話題です。
- 海外地図の表記:「Liancourt Rocks」という名称を使うことが、どちらかの領有権を認めた証拠だという誤解。
- 国際司法裁判所の判決:ICJがすでに日本または韓国の領有権を認定したという誤情報。
- 国連の公式認定:国連が独島または竹島を特定の国の領土と決定したという誤解。
- 歴史資料の切り取り:古地図や古文書の一部分だけを取り上げ、現在の島の位置や名称との対応関係を説明しない投稿。
特に、地図の表記をめぐる議論は誤解が生じやすい分野です。地図に記載された名称は地理的な識別のためのものであり、それだけで国際法上の主権が確定するわけではありません。
また、SNSで話題になった投稿の多さを、そのまま日本や韓国の国民全体、あるいは世界全体の意見として扱うことも適切ではありません。ネットの反応を読み解く際には、投稿者の立場、情報の出典、発信時期を確認する必要があります。
【プロの結論】竹島をめぐる世界の認識を正しく理解する3つの判断基準
竹島問題を理解する際に最も大切なのは、領有権の主張、現実の行政管理、国際社会の外交姿勢を混同しないことです。
1. 実効支配と法的な領有権を分ける現在、韓国が竹島を実効支配していることは、現実の状況として押さえておくべき事実です。しかし、それだけで日本の領有権主張が法的に消滅したことにはなりません。
逆に、日本政府が歴史的資料や国際法を根拠に領有権を主張していることも、現実の行政管理が日本に移ったことを意味しません。
この二つを分けて考えることが、議論の出発点です。
2. 外国政府の立場と国際機関の判断を区別するアメリカの中立的な姿勢は、国際社会の対応を理解するうえで重要な事例です。しかし、アメリカ一国の立場を世界全体の総意として扱うことはできません。
また、国連条約集への条約登録、地図サービスの表記、外国政府の外交声明、ICJの判決は、それぞれ異なる意味を持っています。
情報を評価する際は、発表主体がどこなのか、どのような法的効力を持つのかを確認することが欠かせません。
3. 日韓関係全体の中で捉える竹島問題は、領土だけを切り離して理解できる問題ではありません。日本による朝鮮半島の植民地支配、戦後処理、日韓国交正常化、海洋資源、安全保障などが複雑に関係しています。
2025年には日韓国交正常化60周年を迎え、両国間では人的交流や経済協力が進みました。日本外務省の外交青書2026によれば、2025年の日韓間の往来者数は約1,311万人に達しています。
このように、外交上の対立が続く一方で、両国の市民交流や経済的な結び付きも存在します。領土問題の報道だけを見て、日韓関係全体が常に対立していると判断するのは実態を十分に捉えていません。
竹島問題を読み解くための最も重要な視点は、どちらの主張がニュースで大きく取り上げられたかではなく、歴史的証拠、国際条約、実効支配、第三国の公式見解をそれぞれ検証することです。
【竹島をめぐる世界の認識】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:世界では竹島を日本領と韓国領のどちらに認識しているのですか?
A1:世界全体で統一された領有権認定が存在するわけではありません。日本と韓国がそれぞれ自国の領土と主張し、韓国が現在実効支配しています。アメリカはリアンクール岩礁の主権について中立的な立場を示しています。
Q2:国連は竹島を韓国領と認めているのですか?
A2:国連が竹島の領有権について韓国領とする最終的な裁定を行った事実はありません。国連条約集にサンフランシスコ平和条約が登録されていることと、竹島の帰属を国連が決定することは別の問題です。
Q3:現在、竹島を実効支配しているのはどの国ですか?
A3:韓国です。韓国側は警備要員を常駐させ、行政上の管理を行っています。一方、日本政府は竹島を日本固有の領土とする立場を維持し、韓国による実効支配に抗議しています。
Q4:国際司法裁判所で竹島問題が解決する可能性はありますか?
A4:理論上は、関係国がICJの管轄権を認めるなど、必要な条件が整えば裁判による解決は可能です。ただし、日本の1954年、1962年、2012年の付託提案は韓国政府が受け入れておらず、2026年現在も裁判による解決には至っていません。
Q5:竹島と独島は別々の島なのですか?
A5:いいえ。同じ島々を指す名称です。日本では竹島、韓国では独島、英語圏の一部ではリアンクール岩礁(Liancourt Rocks)という名称が使用されています。
竹島をめぐる世界の認識は、日本と韓国の主張が対立したまま、第三国によって必ずしも一方の領有権が正式に承認されているわけではないという複雑な状況にあります。
日本政府は1905年の閣議決定やサンフランシスコ平和条約などを根拠に日本固有の領土と主張しています。一方、韓国政府は歴史的資料や1900年の勅令第41号、現在の実効支配などを根拠に独島の領有権を主張しています。
2026年には、外交青書2026、防衛白書2026、竹島の日、周辺海域での調査活動をめぐり、日韓双方の政府が抗議や反論を行いました。こうした動きは、竹島問題が現在も外交上の重要な課題であることを示しています。
今後の動向を正しく理解するには、日本と韓国の公式発表だけでなく、国際条約の原文、国際司法裁判所の制度、第三国政府の公式見解を照らし合わせることが重要です。
竹島問題は、単なる島の名称や地図上の表記をめぐる争いではありません。歴史認識、国際法、外交、安全保障が交差する問題だからこそ、個別のニュースやネット上の議論を冷静に検証し、事実と各国の主張を区別して理解する姿勢が大切です。
主な根拠資料:日本国外務省「外交青書2026」、韓国外務部の2026年公式声明、国際司法裁判所の管轄権に関する説明、日韓両政府の歴史資料、米国務省の過去の公式説明、2026年8月の報道。