2026年6月22日、杉尾氏は参議院予算委員会の集中審議で、高市早苗首相に対して大きく分けて2つの問題を取り上げました。
参議院が公表した質疑項目にも、次の2点が記載されています。
1. 自民党総裁選などにおけるネガティブキャンペーン報道の事実関係と、首相の答弁姿勢
2. 暗号資産「サナエトークン」の法的問題
つまり、単に高市首相の政治姿勢を批判したのではなく、首相周辺の関係者に関する報道、国会答弁の整合性、暗号資産の承認問題をまとめて取り上げた質疑でした。
1.中傷動画問題について首相の説明を要求最初に焦点となったのは、2025年の自民党総裁選や2026年の衆議院選挙をめぐる中傷動画疑惑です。
報道では、高市陣営の関係者が、ほかの候補者や野党を批判する動画の作成・拡散に関与したのではないかと指摘されていました。
問題となったのは、高市首相の公設第一秘書と、動画作成を担当したと報じられた男性との接点です。
杉尾氏は、秘書と男性との間にオンライン会議やメッセージのやり取りがあったのか、また高市首相自身がどこまで事情を把握していたのかを問いただしました。
5月26日の参議院内閣委員会でも、杉尾氏はこの問題を取り上げています。
その際、報道による情報として、秘書と男性との間にメール、LINE、Signalなどのやり取りが67通あり、オンライン会議も少なくとも8回あったと紹介しました。
ただし、これは杉尾氏が報道内容を引用して提示した数字であり、国会会議録が67通のメッセージや8回の会議を独立して認定したわけではありません。
高市首相は、秘書に確認したものの、報道にあるようなやり取りは確認できず、記録もないとの説明を受けたと答えています。
2.高市首相の答弁訂正を厳しく追及6月22日の質疑で特に注目されたのが、6月5日と6月10日の答弁の違いです。
高市首相は6月5日の参議院予算委員会で、週刊誌が取り上げた4月3日付の高市事務所の回答について、秘書に確認したところ、事実と違うとの説明だったと答えていました。
ところが、6月10日の衆議院法務委員会では、改めて秘書に確認した結果、その回答は高市事務所から出されたものだったとして、説明を訂正しました。
この変化を問題視した杉尾氏は、6月22日の予算委員会で次のように問いかけました。
「答弁の訂正で済む問題とお考えか」
加えて、杉尾氏は次のように追及しました。
「国会の答弁はそんなに軽いものなのか。自分の責任ではなく全部秘書の責任なんですか」
杉尾氏が問題視したのは、単純な言い間違いではなく、事務所が回答した文書の存在そのものについて、当初の説明と後日の説明が異なっていたことです。
高市首相は、秘書に責任を押し付けているわけではないと反論。週刊誌の記事をもとに質問されるたびに、深夜から早朝にかけて秘書に確認してきたと説明しました。
また、秘書の陳述書や関係企業からの提案書を予算委員会の理事会に提出する意向も示しました。
3.「サナエトークン」への関与も質問もう一つのテーマが、暗号資産「SANAE TOKEN」、通称サナエトークンです。
この暗号資産は、高市早苗首相の名前を冠したプロジェクトとして2026年2月ごろに注目を集めました。
発行プロジェクトには、実業家の溝口勇児氏が運営するYouTubeチャンネル「NoBorder」が関係しています。
高市首相の名前やイラストが使用されたことで、本人や事務所が承認しているのではないかという誤解も広がりました。
杉尾氏は、この暗号資産の発行主体と高市首相の地元事務所の秘書との接点について質問し、関与の有無や法的な問題を取り上げました。
高市首相は、暗号資産の発行や取引について説明を受けておらず、承認もしていないと説明しています。
【中傷動画問題の経緯】高市早苗の答弁訂正はなぜ問題になったのか

この問題を理解するには、2026年4月から6月までの流れを整理する必要があります。
特に重要なのは、週刊誌の報道、首相の国会答弁、秘書への再確認、報道内容の修正という4つの出来事です。
2026年の主な出来事を時系列で整理この問題の中心にあるのは、4月3日付の回答文です。
週刊誌に掲載された内容には、動画作成者とされる男性とのオンライン会議について、高市事務所側が回答したとする記述がありました。
6月5日、高市首相は秘書に確認した結果、その回答内容は事実と違うとの説明だったと述べます。
しかし、6月10日には、改めて秘書に確認したところ、4月3日付の回答は高市事務所から出されたものだったと説明を変更しました。
高市首相は6月19日の参議院本会議でも、この経緯を説明しています。
説明によると、6月5日の答弁前、首相は深夜から早朝にかけて秘書に電話で確認しました。当時、秘書は自宅で就寝中で、手元に回答文を持っていませんでした。
そのため、首相が週刊誌の記事に引用された一部分を読み上げて確認したところ、秘書は全体の回答趣旨と異なると受け止めたということです。その後、改めて確認した結果、事務所からの回答だったことが判明したと説明しました。
ここで重要なのは、訂正された内容の範囲です。
訂正されたのは、4月3日付の回答が高市事務所から出されたものだったという点です。
それだけで、中傷動画の作成を高市首相本人が指示したことや、陣営が組織的に動画を拡散したことまで証明されたわけではありません。
週刊文春の一部修正も見逃せない加えて、この問題を複雑にしたのが、2026年6月16日の週刊文春による発表です。
週刊文春は、高市首相に関する一連の記事について、一部動画に時系列上の問題点が確認されたため、関連動画の公開を一時停止し、記事本文も修正したと発表しました。
一方、同誌は修正について、一部動画の時系列に関するものにとどまり、疑惑の根幹を揺るがすものではないとの認識を示しました。
この発表は、報道の証拠を検討するうえで重要です。
- 報道内容の一部に時系列上の問題があったことは、媒体自身が認めた。
- 週刊文春は、その他のメッセージなどによって疑惑の根幹は裏付けられると説明した。
- 高市首相側は、動画の作成や依頼への関与を否定していた。
したがって、報道された動画をすべて同じ証拠価値で扱うことはできません。個々の動画、メッセージ、オンライン会議の記録を分けて検討する必要があります。
【サナエトークン問題の真相】杉尾秀哉が追及した暗号資産の問題点
サナエトークンは、中傷動画問題とは別の問題でありながら、関係者の接点が報じられたことで国会審議でも取り上げられました。
サナエトークンとは何だったのかサナエトークンは、NoBorderが関係する「Japan is Back」プロジェクトから発行された暗号資産です。
高市首相の名前やイラストが使用されたことから、政治的な支持や本人の承認と結び付けて受け取る人もいました。
しかし、高市首相は2026年3月2日、自身の公式発信で関与を否定しました。
金融庁についても、3月3日の発表・報道では、発行に必要な登録の有無などを含めて事実関係を確認する動きが伝えられています。
プロジェクトはその後どうなった?2026年3月5日、NoBorder側は「Japan is Back」プロジェクトの中止を発表しました。
発行元は関係者への影響などを考慮したと説明し、トークン保有者への補償を進める方針を示しました。
また、8月27日付のNADA NEWSは、オンチェーンの取引記録を確認した結果、補償原資の約9割が送金済みになっていたと報じています。
ただし、これは同日時点の送金状況に関する報道であり、すべての保有者への補償完了を意味するものではありません。
高市首相とサナエトークンの関係は?この点については、次のように整理できます。
| 論点 | 確認できる事実 |
|---|---|
| 高市首相の承認 | 本人・事務所とも承認を否定 |
| 発行プロジェクト | NoBorder関係のJapan is Back |
| 金融庁 | 発行に必要な登録などの事実関係を確認する動きが報じられた |
| プロジェクトの継続 | 2026年3月5日に中止を発表 |
| 保有者への対応 | 発行側が補償を表明 |
サナエトークンが発行されたことと、高市首相が発行を承認したことは別の問題です。
また、暗号資産をめぐる疑問があるからといって、直ちに首相本人の違法行為が証明されたことにはなりません。
杉尾氏が国会で取り上げたのは、政治家の名前を冠した金融商品と政治事務所の関係について、説明を求めるという問題でした。
【経歴と現在の役職】杉尾秀哉はTBS時代に何をしていた?
1957年9月30日生まれ
出身:福岡県北九州市
選挙区:長野県
所属会派:立憲民主・無所属
当選:2016年・2022年の2回
杉尾氏は、政治家になる前から報道の現場で長く活動してきた人物です。
参議院公式プロフィールによると、東京大学文学部社会学科を卒業後、1981年に東京放送(TBS)へ入社しています。
TBS時代の主な経歴杉尾氏のTBS時代を整理すると、次のようになります。
- 1981年:東京放送に入社。社会部や政治部などで報道取材に従事。
- 1993年:「ニュースの森」のキャスターに就任。
- 1998年:JNNワシントン支局長を務める。
- その後:報道局社会部長などを歴任。
- TBS在職後半:「朝ズバッ」「ひるおび」「Nスタ」などに出演。
- 2015年12月31日:TBSテレビを退社。
- 2016年:参議院議員選挙の長野県選挙区で初当選。
- 2022年:参議院議員に再選。
これらの経歴は参議院公式プロフィールやラジオNIKKEIの人物紹介にも記載されています。
なぜ長野県から出馬したのか杉尾氏は福岡県北九州市生まれで、兵庫県立加古川東高校を卒業しています。
長野県出身ではありませんが、2016年の出馬に際しては、長野県での講演活動やテレビ出演などを通じて地域との関係があったことを説明しています。
選挙区は長野県で、2016年と2022年の参議院選挙で当選しています。
2026年10月現在の役職現在の杉尾氏は、参議院の総務委員会委員長です。
参議院公式プロフィールでは、以下の役職が確認できます。
- 総務委員会:委員長
- こども・子育て・若者活躍に関する特別委員会:所属
- 憲法審査会:所属
また、立憲民主党の議員紹介では、熊本地震対策本部の事務局次長、広報委員会参与、沖縄協議会幹事などの党内役職も掲載されています。
ここで注意したいのは、6月22日の予算委員会で質問していた当時と、10月30日現在の役職は異なるという点です。
過去の委員会名簿やニュース記事だけを参照すると、現在も予算委員会の委員だと誤解する可能性があります。最新の役職は、参議院の現行プロフィールで確認するのが適切です。
【杉尾秀哉の評判と評価】国会質問のスタイルはどう見られている?
杉尾氏の国会での質問は、報道記者としての経験を背景に、発言の整合性や説明責任を繰り返し問いただすスタイルが特徴として表れています。
特に2026年の高市首相への追及では、次の3つの特徴が見られました。
1.過去の発言と現在の説明を比較する杉尾氏は、6月5日と6月10日の高市首相の答弁を比較しました。
単に首相の説明を聞くだけでなく、以前の発言と現在の説明が一致しているのかを確認する質問です。
これは、報道記者が取材で行う事実関係の照合にも通じる手法です。
2.関係者の説明を具体的に確認する5月26日の内閣委員会では、秘書と男性とのオンライン会議やメッセージのやり取りについて質問しました。
質問の焦点は、単なる面識の有無ではなく、具体的に連絡を取ったことがあるのかという点でした。
実際、杉尾氏は「オンライン会議したことは否定しないんですね」と問いかけています。
3.答弁の仕方そのものも追及する6月22日の予算委員会では、高市首相が約4分間にわたって説明したことに対し、杉尾氏が反発する場面もありました。
高市首相は、週刊誌の記事をもとに質問されることへの不満や、秘書への確認作業について説明しました。
一方、杉尾氏は、質問に直接答えることや、訂正の理由を明確にすることを求めました。
評価するときに区別したいこと杉尾氏の評判を一つの言葉で決めるには、客観的な世論調査などの裏付けが必要です。
国会での激しい応酬だけから、国民全体の評価を推定することはできません。
評価を考える際には、次の観点を分ける必要があります。
- 質問によって新しい事実関係が明らかになったか。
- 質問に対して政府側が具体的な説明をしたか。
- 質問の根拠となった報道や資料に訂正・問題点がなかったか。
- 追及の内容と、質問中の表現や態度を別々に評価できているか。
この区別をしないと、政治家への好き嫌いが、事実関係の判断に入り込んでしまいます。
【プロの結論】杉尾秀哉の国会追及で本当に注目すべき3つのポイント
今回の一連の問題から読み取れるのは、政治家の説明責任と報道の検証責任が同時に問われているということです。
特に重要なのは、次の3点です。
ポイント1:答弁訂正と中傷動画への関与は別問題高市首相が4月3日付の事務所回答について説明を訂正したことは、国会で確認できる事実です。
しかし、その訂正だけで中傷動画の作成を首相本人が指示したことまで証明されるわけではありません。
一つの事実から、別の疑惑まで一気に結論づけないことが重要です。
ポイント2:報道された証拠にも検証が必要週刊文春が一部動画の時系列上の問題を認め、修正したことは重要な情報です。
一方で、同誌は疑惑の根幹については別のメッセージなどによって裏付けられるとの立場を示しています。
そのため、動画、音声、メッセージ、事務所の回答文を個別に検討する必要があります。
ポイント3:杉尾氏自身の活動も継続している杉尾氏は2026年6月の追及だけでなく、10月現在も参議院議員として活動しています。
現在は総務委員会委員長という立場にあり、国会での役割も変化しています。
TBS時代の報道経験を持つ政治家として、今後どのような議会運営や政策審議に携わるのかも注目点です。
【杉尾秀哉は何をした?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:杉尾秀哉は2026年に高市早苗首相に何を質問した?
杉尾氏は2026年6月22日の参議院予算委員会で、中傷動画疑惑、6月5日と6月10日の答弁訂正の経緯、サナエトークンの法的問題などを質問しました。
Q2:杉尾秀哉が追及した中傷動画問題は事実だった?
高市陣営の関与をめぐる報道と疑惑が存在し、首相側は動画の作成や依頼を否定しています。週刊文春は一部動画の時系列を修正しました。個別の報道内容と首相側の説明を分けて確認する必要があります。
Q3:杉尾秀哉はTBSで何をしていた?
1981年に東京放送へ入社し、社会部・政治部記者、「ニュースの森」キャスター、JNNワシントン支局長などを歴任しました。2015年に退社しています。
Q4:杉尾秀哉の現在の役職は?
2026年10月30日現在、参議院の総務委員会委員長です。長野県選出の参議院議員で、当選2回です。
Q5:杉尾秀哉とサナエトークンはどのような関係?
杉尾氏は国会でサナエトークンの発行主体と高市首相の事務所との関係について質問した立場です。トークンの発行者ではなく、国会で問題を取り上げた議員です。
杉尾秀哉氏が2026年に注目された最大の理由は、参議院予算委員会で高市早苗首相に対し、中傷動画疑惑や答弁訂正、サナエトークンの問題を追及したことです。
特に6月22日の質疑では、4月3日付の高市事務所の回答をめぐる首相の説明変更について、国会答弁の責任を問いました。
一方、首相側は中傷動画の作成・依頼や暗号資産の承認を否定しており、週刊文春も一部報道を修正しています。疑惑の報道、国会で確認された事実、当事者の主張を混同しないことが大切です。
杉尾氏自身はTBSの報道記者・キャスターから政治家へ転身し、2026年10月現在は参議院総務委員会委員長を務めています。
「杉尾秀哉は何をしたのか」という疑問への答えは、単なる首相批判ではありません。報道された疑惑について国会で事実関係を問い、政府側の説明責任を追及したということです。その質問の妥当性や、疑惑の最終的な評価については、今後も公的記録と具体的な証拠に基づいて判断する必要があります。