2026年8月時点の世界遺産数ランキングでは、1位がイタリアの62件、2位が中国の61件となっています。日本は27件で、アメリカと並ぶ世界11位タイです。世界全体の登録数は1,273件に達し、文化遺産・自然遺産・複合遺産の構成にも国ごとの特色が表れています。
今回のランキングは、2026年7月19日から29日に韓国・釜山で開催された第48回世界遺産委員会の登録決定を反映したものです。新たに25件が登録され、イタリア、中国、日本などの登録数にも変化がありました。8月10日付で同委員会の決定文書が公開されています。
【2026年8月最新】世界遺産数ランキング国別トップ10を発表!

世界遺産数は、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産センターが公開する公式登録情報を基準に比較できます。
2026年8月時点の国別ランキングは次のとおりです。
| 順位 | 国名 | 世界遺産登録数 |
|---|---|---|
| 1位 | イタリア | 62件 |
| 2位 | 中国 | 61件 |
| 3位 | フランス | 56件 |
| 4位 | ドイツ | 55件 |
| 5位 | スペイン | 50件 |
| 6位 | インド | 45件 |
| 7位 | メキシコ | 36件 |
| 8位 | イギリス | 35件 |
| 9位 | ロシア | 33件 |
| 10位 | イラン | 30件 |
| 11位タイ | 日本・アメリカ | 27件 |
出典:UNESCO世界遺産センター各国別登録ページ。イタリア、中国、フランス、ドイツ、スペイン、インド、メキシコ、イギリス、ロシア、イランの公式登録数を照合。
このランキングで目を引くのは、上位5か国のうち4か国をヨーロッパの国が占めている点です。
イタリア、フランス、ドイツ、スペインはいずれも歴史的な都市、建築物、宗教施設、考古学的遺跡などを数多く抱えています。
一方、中国は文化遺産だけでなく、広大な国土に広がる自然景観や生態系も登録対象となっています。
6位のインドも45件と存在感が大きく、メキシコやイランなど、アジア・中南米の国々も上位に入っています。
日本はトップ10入りを逃している?日本の登録数は27件です。
10位のイランは30件なので、日本との差は3件。さらにアメリカも27件で、日本と同数となっています。
したがって、日本の順位は単独11位ではなく、アメリカと並ぶ11位タイです。
なお、順位は登録数による単純比較であり、世界遺産としての価値や保存状態を評価したランキングではありません。
【日本の世界遺産は27件】2026年の登録と文化・自然の内訳
日本の世界遺産数は、2026年の新規登録を反映して27件となりました。
UNESCO世界遺産センターの日本の国別ページでは、文化遺産22件、自然遺産5件と掲載されています。
特に注目されるのが、2026年に新たに登録された「飛鳥・藤原の宮都」です。
2026年に「飛鳥・藤原の宮都」が新規登録「飛鳥・藤原の宮都」は奈良盆地南部に位置する古代の宮都に関する遺産です。
飛鳥時代から藤原京の時代にかけて、日本列島における中央集権的な国家制度が形成されていった過程を示す考古学的な価値が評価されました。
宮殿や官衙、仏教寺院、古墳など、19の構成資産から成る点も特徴です。
この登録によって、日本の文化遺産は22件となりました。構成資産が19か所あっても、世界遺産としての登録件数は1件です。
日本の世界遺産の内訳| 分類 | 登録数 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 文化遺産 | 22件 | 歴史的建造物、古代遺跡、産業遺産など |
| 自然遺産 | 5件 | 森林、島しょ、生態系など |
| 複合遺産 | 0件 | 文化・自然の両方の価値を認められた登録はなし |
| 合計 | 27件 | 2026年8月時点 |
日本の文化遺産には、姫路城、古都京都の文化財、古都奈良の文化財、厳島神社、原爆ドーム、佐渡島の金山などがあります。
自然遺産には、屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島、奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島が含まれます。
この構成からも、日本は歴史的な建築・文化財と、独自の自然環境の双方を世界的な価値として評価されていることがわかります。
出典:UNESCO世界遺産センター「Japan」国別登録ページおよび2026年新規登録一覧。
【イタリア1位・中国2位】世界遺産数の差はわずか1件!
世界遺産数ランキングの最大の注目点は、イタリアと中国の接戦です。
イタリアは62件、中国は61件。両国の差はわずか1件です。
1位イタリアは文化遺産が圧倒的イタリアの登録数は62件で、内訳は文化遺産56件、自然遺産6件です。
登録資産には、古代ローマの遺跡、ルネサンス期の都市景観、歴史的な教会、宮殿、産業遺産などがあります。
代表例としては、次のような世界遺産が挙げられます。
- ローマ歴史地区
- フィレンツェ歴史地区
- ヴェネツィアとその潟
- ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡
- ドロミーティ
- アマルフィ海岸
2026年には「イタリア中部における18~19世紀のイタリア式コンドミニオ劇場群」も登録されました。
この遺産は、イタリア中部のエミリア=ロマーニャ州、マルケ州、ウンブリア州に点在する10の劇場から構成されています。
興味深いのは、地域社会と個人による共同所有・資金調達の仕組みが、劇場文化の発展に貢献した点です。
10の劇場を含みますが、登録数としては1件です。
イタリアの62件という数字には、建造物の数だけでなく、都市の歴史や社会の仕組みまで評価された遺産が含まれています。
2位中国は自然遺産・複合遺産も豊富中国の登録数は61件です。
内訳は文化遺産42件、自然遺産15件、複合遺産4件となっています。
イタリアと比較すると、自然遺産と複合遺産の割合が大きいことが特徴です。
代表的な登録資産には、次のものがあります。
- 万里の長城
- 故宮
- 秦始皇帝陵及び兵馬俑坑
- 莫高窟
- 九寨溝の渓谷の景観と歴史地域
- 黄山
- 泰山
- 武夷山
2026年には「景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群」も新たに登録されました。
10世紀から19世紀にかけて発展した磁器生産の歴史を伝える遺産で、原材料の採取、窯の技術、製造工程、商業活動などが評価されています。
中国の61件には、歴史的な建築物だけでなく、自然環境や人間と自然の長期的な関わりを示す資産も含まれています。
イタリアと中国の比較| 比較項目 | イタリア | 中国 |
|---|---|---|
| 世界遺産総数 | 62件 | 61件 |
| 文化遺産 | 56件 | 42件 |
| 自然遺産 | 6件 | 15件 |
| 複合遺産 | 0件 | 4件 |
| 世界順位 | 1位 | 2位 |
出典:UNESCO世界遺産センター各国別登録ページおよび2026年登録情報。
両国の違いは、文化遺産と自然遺産の構成を見ると明確になります。
イタリアは文化遺産が登録数の大部分を占める一方、中国は自然遺産15件、複合遺産4件を持っています。
つまり、単純な登録件数だけでは、それぞれの国がどのような価値を世界に認められているのかまでは読み取れません。
【文化遺産・自然遺産・複合遺産】3つの違いをわかりやすく解説
世界遺産は、登録された資産の価値や性質によって3種類に分類されます。
2026年8月時点の世界全体の内訳は次のとおりです。
| 分類 | 登録数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 文化遺産 | 991件 | 約77.8% |
| 自然遺産 | 240件 | 約18.9% |
| 複合遺産 | 42件 | 約3.3% |
| 合計 | 1,273件 | 100% |
出典:UNESCO世界遺産センター「World Heritage List」。
文化遺産とは?文化遺産は、人類の歴史や文化、芸術、建築などに関する価値が認められた資産です。
代表的な対象は以下のとおりです。
- 歴史的建造物
- 古代都市や遺跡
- 宗教施設
- 考古学的遺跡
- 文化的景観
例えば、イタリアのコロッセオを含むローマ歴史地区や、日本の姫路城などが該当します。
文化遺産の登録基準は、主に10項目のうち(i)から(vi)までの6項目です。
自然遺産とは?自然遺産は、自然景観や地質、生態系、生物多様性などにおいて、世界的に重要な価値を持つ資産です。
代表例には次のものがあります。
- 国立公園
- 原生林
- 島しょや海洋地域
- 特異な地形や地質
- 絶滅危惧種の生息地
日本の屋久島や知床、中国の九寨溝、アメリカのグランドキャニオンなどが代表的です。
自然遺産は、登録基準(vii)から(x)までの4項目を対象としています。
複合遺産とは?複合遺産は、文化遺産としての価値と自然遺産としての価値の両方を認められた資産です。
単に歴史的な建造物と自然が同じ場所に存在するだけでは、複合遺産にはなりません。
文化・自然の双方について、それぞれの定義に該当する価値が認められる必要があります。
中国の泰山、黄山、武夷山などが代表例です。
世界全体で42件しかなく、3種類の中では最も少ない分類となっています。
UNESCOは、登録に際して顕著な普遍的価値だけでなく、真正性や完全性、適切な保護・管理体制も評価しています。
【越境遺産の数え方】世界遺産総数と国別ランキングが一致しない理由
世界遺産数ランキングを見る際に、見落とされやすいのが国境を越える世界遺産の存在です。
UNESCOの公式一覧には、2026年時点で51件の越境・複数国にまたがる世界遺産が掲載されています。
越境遺産は複数の国に登録される越境遺産とは、複数の国にまたがる一つの連続した陸地や海域などを対象とする世界遺産です。
例えば、国境を越えて広がる自然環境や、複数国が共同で保護する歴史的資産などが該当します。
このような資産は、世界全体の登録数では1件として扱われます。
しかし、国別ランキングでは、その遺産に関係する各国の登録数にも反映されます。
つまり、同じ遺産が複数の国の登録数に含まれる場合があるのです。
世界総数と国別件数の違い| 集計対象 | 数え方 |
|---|---|
| 世界全体の登録数 | 一つの世界遺産を1件として数える |
| 国別の登録数 | その国に所在する登録資産を数える |
| 越境遺産 | 関係する複数国それぞれの国別件数に含まれる |
| 複数構成資産を持つ遺産 | 構成資産が複数でも一つの登録資産なら1件 |
例えば、2026年に日本で登録された「飛鳥・藤原の宮都」は19の構成資産から成りますが、登録件数は1件です。
イタリアの2026年新規登録の劇場群も、10の劇場を含みながら1件として数えられます。
この違いを理解していないと、世界遺産の所在地数と登録数を混同してしまいます。
世界総数1,273件と国別件数の合計は、同じ数字になるとは限りません。
国別ランキングを見る際には、越境遺産の重複計上を考慮する必要があります。
出典:UNESCO世界遺産センター「World Heritage List」「Transboundary property」関連資料。
【世界遺産登録基準と仕組み】登録までにはどんな審査がある?
世界遺産は、各国が申請すれば自動的に登録される制度ではありません。
1972年に採択された世界遺産条約に基づき、国際的な専門機関による評価と、世界遺産委員会による審議を経て登録が決定されます。
登録に必要な10の基準世界遺産への登録には、10項目の登録基準のうち少なくとも1項目を満たす必要があります。
主な内容は次のとおりです。
| 基準 | 評価される価値 |
|---|---|
| (i) | 人類の創造的才能を示す傑作 |
| (ii) | 建築・技術・芸術などにおける重要な価値の交流 |
| (iii) | 現存または消滅した文明や文化的伝統の証拠 |
| (iv) | 人類史の重要な段階を示す建築・景観 |
| (v) | 伝統的な集落や土地利用などの優れた例 |
| (vi) | 歴史的事件、思想、信仰、芸術作品との直接的な関連 |
| (vii) | 卓越した自然現象や自然美 |
| (viii) | 地球の歴史や地質学的過程を示す価値 |
| (ix) | 生態系や生物群集の進化・発展を示す価値 |
| (x) | 生物多様性の保全に重要な自然生息地 |
文化遺産は主に(i)~(vi)、自然遺産は(vii)~(x)を用いて評価されます。
複合遺産は、文化と自然の両方の価値が認められる必要があります。
世界遺産登録までの流れ登録までの基本的な流れは以下のとおりです。
1. 暫定一覧表への掲載: 各国が将来的に推薦したい候補資産を整理する。
2. 予備評価: 専門機関の助言を受け、世界的価値を証明できる可能性を検討する。
3. 推薦書の作成: 歴史的背景、保護計画、地理的範囲などをまとめた資料を提出する。
4. 専門機関による審査: 文化遺産はICOMOS、自然遺産はIUCNなどが専門的に評価する。
5. 世界遺産委員会の決定: 審査結果を踏まえ、登録・情報照会・登録延期・不登録などを決定する。
専門機関による評価には約14か月が設けられており、最終的な判断は政府間機関である世界遺産委員会が行います。
重要なのは、暫定一覧表に掲載されているだけでは世界遺産ではないという点です。
正式な登録決定を受けて初めて、世界遺産数ランキングの件数に加算されます。
第48回世界遺産委員会で何が変わった?2026年7月19日から29日に韓国・釜山で開催された第48回世界遺産委員会では、25件の新規登録が決定しました。
内訳は次のとおりです。
- 文化遺産:19件
- 自然遺産:5件
- 複合遺産:1件
日本の「飛鳥・藤原の宮都」、中国の「景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群」、イタリアの劇場群などが新規登録されています。
これらの決定が反映されたことで、世界全体の登録数は1,273件となりました。
2026年のランキングを確認するうえでは、この第48回委員会の決定が大きな節目となっています。
出典:UNESCO世界遺産センター「48th session of the World Heritage Committee」「Criteria for Selection」「World Heritage List Nominations」。
【世界遺産数ランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:世界遺産が最も多い国はどこですか?
A1:2026年8月時点ではイタリアです。登録数は62件で、中国の61件を1件上回っています。イタリアは文化遺産が56件を占めています。
Q2:日本の世界遺産は何件で世界何位ですか?
A2:日本は27件で、世界11位タイです。アメリカも27件で同順位となっています。内訳は文化遺産22件、自然遺産5件です。2026年には「飛鳥・藤原の宮都」が新たに登録されました。
Q3:世界遺産の暫定一覧表に載っている場所も登録数に含まれますか?
A3:含まれません。暫定一覧表は各国が将来の推薦候補として整理した資産の一覧です。世界遺産委員会による正式な登録決定を受けて初めて、国別ランキングや世界総数に加算されます。
2026年8月時点の世界遺産数ランキングでは、イタリアが62件で1位、中国が61件で2位となっています。
日本は27件でアメリカと並ぶ11位タイです。2026年の「飛鳥・藤原の宮都」の登録によって、文化遺産22件、自然遺産5件という構成になりました。
世界全体では1,273件に達し、文化遺産991件、自然遺産240件、複合遺産42件となっています。
今回のランキングから押さえておきたい要点は3つです。
- 登録数で比較するなら、イタリアが世界首位。
- 日本は11位タイだが、文化遺産と自然遺産の両方を持つ。
- 越境遺産や複数の構成資産を持つ登録があるため、単純な所在地数との混同に注意する。
また、世界遺産数は毎年の委員会で更新される数字です。新規登録だけでなく、既存資産の境界変更や保全状況も確認することで、より正確に世界遺産の動向を把握できます。
ランキングの数字だけで国の文化的・自然的価値を判断するのではなく、どのような遺産が、どのような理由で世界的に評価されたのか。その背景まで知ることが、世界遺産を理解するうえで大切です。