「ポケモン総選挙」は、シリーズに登場するポケモンの中からファン投票で人気の高いポケモンを決める企画だ。なかでも大きな話題を呼んだのが、2016年に開催された「ポケモン総選挙720」である。全国図鑑番号001~720のポケモンを対象に実施され、総投票数は56万票を超えた。
最終結果では、主人公サトシとともにアニメで活躍したゲッコウガが1位を獲得。2位アルセウス、3位ミュウ、4位ピカチュウ、5位ニンフィアという顔ぶれも注目を集めた。加えて、2016年6月23日にはファンの要望を受けて720匹すべての順位が公開されている。
2026年はポケモン誕生30周年にあたる。過去の総選挙と現在の周年企画は何が違うのか。2016年の開催経緯、投票方法、最終結果、ゲッコウガが1位になった背景、2020年の世界規模の人気投票との比較まで整理する。
【企画の実態】ポケモン総選挙720とは?2016年に開催された理由

ポケモン総選挙720は、2016年に実施されたポケットモンスターシリーズの大規模な人気投票企画だ。
単純に好きなポケモンの人気順位を決めるだけではなく、映画公開と連動したプレゼント企画という明確な目的があった。投票で1位になったポケモンは、同年夏に公開される劇場版作品の上映館で、ゲームソフト向けに配布されることになっていた。
対象は全国図鑑番号001~720のポケモン投票対象は、当時までに登場していた全国図鑑番号001~720のポケモン720匹。初代『ポケットモンスター 赤・緑』から第6世代の『ポケットモンスター X・Y』まで、幅広い世代のポケモンが候補に並んだ。
対象には、ピカチュウやリザードンのような知名度の高いポケモンだけでなく、幻のポケモンや伝説のポケモン、ゲーム内で出会う機会が限られるポケモンも含まれていた。
ただし、映画の特別前売券で配布される予定だったボルケニオンは投票対象外。映画に登場するマギアナも全国図鑑番号001~720の対象範囲には含まれていない。
映画『ボルケニオンと機巧のマギアナ』との連動企画企画の背景にあったのは、2016年7月16日公開の映画『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ』だ。
当時はポケモンシリーズ20周年という節目でもあり、映画とゲーム、アニメ、店舗を横断したキャンペーンが展開された。
1位のポケモンを映画館で配布する仕組みによって、映画を楽しみにしているファンだけでなく、ゲームを中心に遊んでいるファンも投票に参加する理由が生まれた。作品の宣伝とファン参加型イベントを結び付けた点が、この企画の特徴だった。
【開催経緯と投票方法】2016年はどのように720匹へ投票した?
投票受付が始まったのは2016年4月16日。締め切りは5月8日で、約3週間にわたって参加を受け付けた。
特徴的だったのは、投票手段が一つではなかったことだ。インターネットだけでなく、実店舗やテレビのデータ放送、雑誌のはがきなど、当時のファンが利用しやすい複数の参加経路が設けられていた。
当時用意されていた5種類の投票方法- 店舗での投票:ポケモンセンター、ポケモンストア、トイザらスなどに設置された投票箱を利用。
- インターネット投票:映画上映館や対象店舗などで入手した投票コードを使用し、映画公式サイトから投票。
- セブン-イレブンでの投票:セブンスポットとニンテンドー3DSを利用した参加方法。
- テレビのデータ放送:テレビ東京系列で放送されたアニメ『ポケットモンスター XY&Z』のデータ放送から投票。
- はがきでの投票:月刊コロコロコミック2016年5月号に付属した専用はがきを利用。
テレビのデータ放送では、2016年4月21日、4月28日、5月5日などに投票機会が設けられた。テレビ東京の発表によれば、720匹から1匹を選ぶ形式で、テレビをインターネットに接続することでポケモンの画像を見ながら参加できる仕組みも用意されていた。
中間発表でもゲッコウガが首位だった2016年4月28日に公表された中間結果では、すでにゲッコウガが1位だった。
上位10匹は、ゲッコウガ、アルセウス、ミュウ、ピカチュウ、ニンフィア、リザードン、ゲノセクト、レックウザ、メロエッタ、ジガルデという順番だった。
この段階からゲッコウガが首位を維持していたことは、最終結果を読み解くうえでも興味深い。単なる結果発表直前の逆転ではなく、投票期間の途中から支持を集めていたことが分かる。
最終結果は6月7日に東京都内で開催された発表セレモニーで公開された。
【最終結果一覧】ポケモン総選挙720の上位ランキングと全順位
2016年6月7日に発表された最終結果で、720匹の頂点に立ったのはゲッコウガだった。
ファミ通などのゲームメディアが報じた結果によると、総投票数は562,386票。ゲッコウガは36,235票を獲得し、2位以下を抑えて1位に輝いた。
ポケモン総選挙720のトップ10| 順位 | ポケモン名 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | ゲッコウガ | 『X・Y』の御三家ケロマツの最終進化形。アニメでも活躍。 |
| 2位 | アルセウス | 「そうぞうポケモン」。神話的な存在感が特徴。 |
| 3位 | ミュウ | 初代から登場する幻のポケモン。 |
| 4位 | ピカチュウ | シリーズを代表する看板ポケモン。 |
| 5位 | ニンフィア | イーブイの進化形。フェアリータイプのポケモン。 |
| 6位 | ゲノセクト | 幻のポケモン。映画との関連性も高い存在。 |
| 7位 | レックウザ | ホウエン地方を代表する伝説のポケモン。 |
| 8位 | ジガルデ | 『X・Y』世代を象徴する伝説のポケモン。 |
| 9位 | リザードン | 初代から根強い人気を持つポケモン。 |
| 10位 | メロエッタ | 幻のポケモン。音楽をモチーフにした特徴を持つ。 |
注目したいのは、上位5匹の顔ぶれだ。シリーズの顔であるピカチュウが4位に入り、幻のポケモンであるアルセウスとミュウが2位、3位に並んだ。
また、ゲノセクトやメロエッタなど、映画や特別な作品で印象的な活躍を見せるポケモンもトップ10に入っている。
6位以下だけでなく、11位から20位にも人気ポケモンが並ぶトップ10以外にも、見逃せない順位がある。
- 11位:ミュウツー
- 12位:イーブイ
- 13位:ジラーチ
- 14位:ダークライ
- 15位:ルカリオ
- 16位:ディアンシー
- 17位:フーパ
- 18位:ケルディオ
- 19位:ビクティニ
- 20位:マナフィ
この順位を見ると、初代から親しまれてきたポケモンだけでなく、各世代の伝説・幻のポケモンが幅広く支持されていたことが分かる。
コイルは24位、最下位720位はバオッキー上位ランキング以外で話題になったのが、24位に入ったコイルだ。シリーズの看板ポケモンではないものの、数多くの候補の中でトップ30に入る結果を残した。
一方、最下位の720位はバオッキーだった。2016年6月7日の結果発表セレモニーで公表され、その後もネット上で話題となった。
当初は上位100匹の発表が中心だったが、ファンから全順位を知りたいという要望が寄せられ、6月23日には101位以下も含めた720匹すべての結果が公開された。
なお、全順位の表記には同率順位がある。例えば62位にはサンダーとリーフィアが並び、下位にも複数の同率順位が存在する。そのため、719位という順位は設けられていない。720匹すべてが順位表に掲載されていることと、順位番号が1から720まで連続していることは別の話だ。
【順位を徹底分析】ゲッコウガが1位になった理由と上位5匹の魅力
ポケモン総選挙720の最大の注目点は、世界的な知名度を持つピカチュウや、神話的な存在であるアルセウスを抑えてゲッコウガが1位になったことだ。
その背景には、ゲームとアニメの両方でゲッコウガが存在感を高めていたタイミングがある。
1位ゲッコウガ:ゲームとアニメの両面で存在感を発揮ゲッコウガは『ポケットモンスター X・Y』で最初のパートナー候補として選べるケロマツの最終進化形だ。みず・あくタイプで、忍者を思わせるデザインと素早い動きが特徴となっている。
特に注目されたのが、テレビアニメ『ポケットモンスター XY&Z』での活躍だ。主人公サトシのポケモンとして物語の中心的な役割を担い、サトシゲッコウガという特別な姿も登場した。
ポケモンだいすきクラブの結果発表記事でも、アニメでサトシのポケモンとして活躍したことや、劇中での格好よさがファンの支持につながったと紹介されている。
加えて、ゲームでは対戦面でも高い存在感を持ち、デザインの格好よさと実戦での強さを兼ね備えていた。こうした複数の接点が、幅広いファン層からの支持を集めた要因と考えられる。
実際、36,235票という得票数は、総投票数562,386票の約6.4%にあたる。720匹という候補数を考えると、特定のポケモンに支持が集中した結果だった。
2位アルセウス:シリーズの神話を象徴する存在2位のアルセウスは、ポケモンの世界において創造神に近い存在として描かれる幻のポケモンだ。
圧倒的な設定上の存在感に加え、複数のタイプに対応できる能力など、ゲーム上の特別感も支持につながる要素となっている。
2016年はポケモン20周年という節目でもあり、シリーズの歴史や世界観を象徴するアルセウスが上位に入ったことには、長年のファンの思いも表れている。
3位ミュウ:初代から続く特別な人気ミュウは初代『ポケットモンスター 赤・緑』の時代から知られる幻のポケモンだ。
ゲーム内での希少性や、シリーズ初期から続く謎めいた存在感が大きな魅力となっている。20周年の投票企画で3位に入ったことは、初代からのファンにとっても印象的な結果だった。
4位ピカチュウ:看板ポケモンでも首位とは限らないピカチュウはテレビアニメの主人公サトシの相棒であり、ポケモンを代表するキャラクターだ。
しかし、今回の結果では4位にとどまった。
これはピカチュウの人気が低かったという意味ではない。人気投票では、知名度や露出の多さだけでなく、特定のゲーム作品やアニメシリーズでの思い入れ、デザインへの好みなどが順位を左右する。
ピカチュウが4位という結果は、720匹という幅広い候補の中で、ファンの支持が分散したことを示す一例でもある。
5位ニンフィア:新しい世代のポケモンも上位へニンフィアは、イーブイの進化形として『ポケットモンスター X・Y』で登場したフェアリータイプのポケモンだ。
かわいらしいデザインと、イーブイの進化形という親しみやすさが特徴で、幅広いファンから支持を得ていた。
当時の結果発表記事では、中川翔子がニンフィアをお気に入りとして挙げていたことも紹介されている。作品の新しい世代から登場したポケモンがトップ5に入ったことは、シリーズの人気が初代だけに偏っていないことを示している。
【歴代ランキング比較】2020年のポケモン・オブ・ザ・イヤーでは何が変わった?
2016年のポケモン総選挙720を振り返るうえで、比較対象として重要なのが2020年に開催された「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」だ。
これは2016年の企画をそのまま再開催したものではない。2020年2月27日のPokémon Dayを記念して、世界規模で実施された別の人気投票である。
2020年は全890種類が対象、総投票数は約660万票2020年の投票では、『ポケットモンスター ソード・シールド』までに登場した全890種類が対象となった。投票はGoogle検索の投票機能を利用して、2020年2月5日から2月14日まで受け付けられた。
総投票数は6,608,215票。2016年の約56万票と比較すると、規模が大幅に拡大している。
2020年の総合ランキング上位10匹- 1位:ゲッコウガ(140,559票)
- 2位:ルカリオ(102,259票)
- 3位:ミミッキュ(99,077票)
- 4位:リザードン(93,968票)
- 5位:ブラッキー(67,062票)
- 6位:ニンフィア(66,029票)
- 7位:ガブリアス(61,877票)
- 8位:レックウザ(60,939票)
- 9位:サーナイト(60,596票)
- 10位:ゲンガー(60,214票)
2016年と2020年の両方で総合1位になったのはゲッコウガだった。異なる投票企画で再び首位を獲得したことは、同ポケモンの人気が一時的なアニメ露出だけに依存していなかったことを考える材料になる。
一方、ピカチュウは2020年の総合ランキングでは19位。2016年の4位から順位を下げたものの、投票対象や投票方式が変わっているため、単純に人気が低下したと判断することはできない。
また、2020年は世界8言語で参加できる国際的な企画だった。2016年の映画連動型の国内企画とは、参加者の地域や投票環境、対象ポケモンの数が異なる。
したがって、2016年と2020年の順位は、それぞれの時代の人気を示す記録として見るのが適切だ。
【2026年最新情報】ポケモン総選挙は再開催される?30周年企画との違い
2026年2月27日、ポケモンシリーズは誕生30周年を迎えた。1996年2月27日にゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されてから、ちょうど30年という節目である。
当然、ファンの間では新しい人気投票や総選挙の開催にも関心が集まる。しかし、2026年の公式周年企画と2016年のポケモン総選挙720は、内容を区別して理解する必要がある。
2026年は30周年を記念した年間キャンペーンを展開ポケットモンスター公式サイトでは、30周年を記念した特設企画が展開されている。毎月テーマが設けられ、2026年10月30日時点では「ポケモンえらぶ!」がピックアップテーマとして掲載されている。
また、株式会社ポケモンの海外事業を担うThe Pokémon Company Internationalは、2026年2月に「What's Your Favorite?」という年間キャンペーンを発表した。
この企画では、スマートフォン向けゲーム『Pokémon GO』のカメラ機能を使い、自分のお気に入りのポケモンを写真に登場させて共有できる。世界中のファンがそれぞれの好きなポケモンを紹介する参加型の周年施策だ。
ただし、これは720匹を対象に票数を集計して1位から720位までを決定する総選挙ではない。写真を通じて好きなポケモンを共有する企画であり、2016年のランキングとは目的も集計方法も異なる。
2026年時点で確認しておきたい3つのポイント- 2016年:ポケモン総選挙720を開催。映画館で配布するポケモンを決める国内向け投票企画。
- 2020年:ポケモン・オブ・ザ・イヤーを開催。全890種類を対象にした世界規模の投票企画。
- 2026年:ポケモン30周年の年間記念施策を展開。好きなポケモンを写真で共有する企画などが実施されている。
2026年10月30日時点で、2016年と同じ形式の「ポケモン総選挙720」が再開催され、720匹の新しい順位が発表されたという公式情報は確認できない。
そのため、現在の人気を知りたい場合には、2016年の結果だけを最新ランキングとして扱うのではなく、2020年の公式投票結果や、2026年の30周年企画の内容を分けて見る必要がある。
【ポケモン総選挙のよくある質問(FAQ)】
Q1:ポケモン総選挙720で1位になったポケモンは?
A1:2016年のポケモン総選挙720で1位になったのはゲッコウガだ。36,235票を獲得し、2位のアルセウス、3位のミュウを上回った。
Q2:ポケモン総選挙720の投票期間はいつだった?
A2:2016年4月16日から5月8日まで。店舗、インターネット、テレビのデータ放送、セブン-イレブン、雑誌のはがきという5種類の方法が用意されていた。
Q3:ポケモン総選挙720の720位は誰?
A3:最下位はバオッキーだった。なお、2016年6月23日にファミ通などで1位から720位までの全順位が公開されている。同率順位があるため、719位という順位番号は存在しない。
Q4:2026年に新しいポケモン総選挙は開催されている?
A4:2026年はポケモン30周年の記念企画が展開されているが、2016年のポケモン総選挙720と同形式の新しい順位決定企画とは異なる。公式の周年施策には、好きなポケモンを写真で共有するキャンペーンなどがある。
Q5:2020年のポケモン人気投票でもゲッコウガが1位だった?
A5:その通り。2020年のポケモン・オブ・ザ・イヤーでもゲッコウガが総合1位を獲得した。2位はルカリオ、3位はミミッキュだった。2016年とは投票対象や参加規模が異なる別企画だ。
ポケモン総選挙720は、2016年4月16日から5月8日まで開催された、ポケモンシリーズの大規模なファン投票企画だった。
全国図鑑番号001~720の720匹を対象に、総投票数562,386票を集めた。最終的にゲッコウガが1位となり、アルセウス、ミュウ、ピカチュウ、ニンフィアが続いた。
ゲッコウガの首位には、『ポケットモンスター X・Y』でのゲーム上の存在感に加え、アニメ『XY&Z』でサトシとともに活躍したことも影響したと考えられる。2020年のポケモン・オブ・ザ・イヤーでも1位を獲得しており、長期的な人気を示す結果となった。
2026年はポケモン誕生30周年という新たな節目を迎えている。ただし、周年キャンペーンやファンによる写真共有企画と、正式な順位を決める総選挙は同じものではない。
ポケモンの人気ランキングを調べる際に大切なのは、開催年、投票対象、参加地域、投票方法を確認することだ。同じポケモンでも、ゲームの世代やアニメでの活躍、企画の目的によって順位は変わる。2016年の720匹の記録は、ポケモンというシリーズが世代を超えて愛されてきた歴史を振り返るうえで、今も価値のある資料となっている。
主な参照資料: ポケモンだいすきクラブの2016年結果発表、ファミ通の全720匹ランキング、テレビ東京の投票企画発表、2020年の公式投票結果報道、ポケットモンスター公式30周年特設サイト、The Pokémon Company Internationalの周年キャンペーン発表。