「パパ活は違法なのか」「食事をしてお手当を受け取るだけでも犯罪になるのか」「性的行為があった場合、男性と女性のどちらが逮捕されるのか」。パパ活をめぐっては、金銭の授受と男女の関係性が複雑に絡み合い、法律上の境界線が分かりにくいという問題があります。
2026年11月現在、パパ活そのものを一律に犯罪として処罰する法律はありません。成人同士が食事や買い物、デートを楽しみ、その対価や贈与として金銭を受け取るだけなら、原則として犯罪にはなりません。一方、18歳未満との性的行為、対価を伴う性交、不同意の性的行為、詐欺や恐喝などが絡むと、刑事責任が生じる可能性があります。売春防止法、児童買春・児童ポルノ禁止法、刑法、各都道府県の青少年保護育成条例など、関係する法律も複数にわたります。
【結論】パパ活そのものは違法ではない?犯罪になる境界線を解説

まず押さえておきたいのは、パパ活という言葉自体は法律上の犯罪類型ではないという点です。
パパ活とは、一般的に年上の男性と女性が食事やデートなどを通じて交流し、男性から女性へ金銭やプレゼントなどが渡される関係を指します。男女の立場が逆の場合には「ママ活」と呼ばれることもあります。
東京都が運営する青少年のSNS性被害防止特設サイトでも、パパ活を年上の男性とのデートなどを条件に金銭等を得る行為として説明しています。ただし、法律はパパ活という名称ではなく、実際に何をしたのか、相手の年齢はいくつなのか、金銭が何の対価だったのかを基準に判断します。
成人同士の食事・デートなら原則として犯罪にならない例えば、次のような関係であれば、通常はそれだけで刑事事件にはなりません。
- 20歳の女性が40歳の男性と食事をする。
- 男性が女性に食事代や交通費を支払う。
- デートの謝礼として女性が現金を受け取る。
- 男性が女性に洋服やバッグなどをプレゼントする。
- 性的な行為を条件とせず、双方の合意で交流を続ける。
成人同士の自由な交流であり、詐欺や脅迫、強制などの事情がなければ、金銭の授受だけを理由に犯罪が成立するわけではありません。
ここで重要なのは、お金を渡した事実と、性的行為の対価としてお金を渡した事実は法律上同じではないということです。
パパ活で犯罪が成立する主なケース一方、次のような状況では刑事責任が問題になります。
- 18歳未満の相手に金銭を渡して性交や性交類似行為をする。
- 相手の同意を得ずに性的行為をする。
- 暴力や脅迫によって性的行為を強要する。
- 相手の恋愛感情や信用を利用して虚偽の理由で金銭をだまし取る。
- 示談金などの名目で相手を脅して現金を要求する。
- 売春の周旋や勧誘、売春をさせる契約などに関与する。
つまり、パパ活をしているというだけで逮捕されるのではなく、その過程で別の犯罪に該当する行為があったかどうかが問題になります。
弁護士ドットコムの法律相談記事でも、パパ活をめぐるトラブルとして返金要求、既婚者の配偶者からの慰謝料請求、妊娠問題などが紹介されています。刑事事件だけでなく、民事上の責任や家庭生活への影響も無視できません。
【違法性の境界線】食事だけ・お手当・性的行為で何が変わる?
パパ活の違法性を考える際、特に重要なのが性的行為の有無と金銭の関係です。
食事だけのパパ活は違法なのか18歳以上の成人同士で、食事や買い物、映画鑑賞などを楽しむだけなら、原則として違法ではありません。
男性が食事代を負担したり、女性にお手当を渡したりすることも、それだけで犯罪にはなりません。プレゼントや生活費の援助も、通常の贈与として行われているのであれば、直ちに違法とはいえません。
ただし、食事だけという名目でも、実際には詐欺や恐喝、脅迫、未成年者への不適切な働きかけなどがあれば別問題です。また、未成年者との関係では、性的行為がなくても地域の条例や児童福祉法などとの関係が問題になる場合があります。
お手当を渡すだけで売春になるのか売春防止法第2条では、売春を「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義しています。
したがって、食事やデートの謝礼として金銭を受け取るだけでは、この法律が定義する売春には該当しません。
一方、性交をすることを条件として金銭を渡す関係であれば、売春防止法上の売春に該当する可能性があります。重要なのは、お金の名目が「お手当」「交通費」「プレゼント」などになっているかではなく、実質的に何の対価として渡されたのかという点です。
成人同士の性的行為はすべて犯罪なのかここには誤解が多くあります。
売春防止法第3条は売春をすることと、その相手方になることを禁止しています。しかし、同条違反だけを理由に売春をした本人や相手方を直接処罰する刑罰規定は設けられていません。
そのため、成人同士の合意による性交に金銭が伴ったからといって、直ちに双方が逮捕・処罰されるわけではありません。
ただし、売春を目的とした公然の勧誘や客待ち、周旋、強制、売春をさせる契約などには別の処罰規定があります。また、性的行為に同意がなければ、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪などが成立する可能性があります。
なお、売春防止法第2条の定義は「性交」を対象としており、児童買春・児童ポルノ禁止法の「性交等」とは範囲が異なります。成人同士の性交以外の性的接触についても、状況によって別の法律が適用されることがあります。
パパ活と売春の違いを整理両者は日常会話では混同されがちですが、法律上は区別する必要があります。
- パパ活:食事、デート、買い物、金銭援助などを含む広い関係性を表す俗称。
- 売春:対償を受け、または受ける約束で、不特定の相手方と性交する行為。
- 児童買春:18歳未満の児童に対価を渡す、または渡す約束をして性交等をする行為。
パパ活という言葉で説明されていても、実態が児童買春や詐欺などに該当するのであれば、法律上の責任を免れることはできません。
【18歳未満・未成年】パパ活で最も重い法的リスクが生じるケース
パパ活において、特に注意しなければならないのが18歳未満との関係です。
成人同士のパパ活と異なり、18歳未満の相手に金銭などの対価を渡して性的行為をすると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反に該当する可能性があります。
児童買春の対象は18歳未満児童買春・児童ポルノ禁止法第2条では、18歳に満たない者を「児童」と定めています。
同法における児童買春は、児童に対価を供与するか、供与する約束をして性交等をする行為です。
ここでいう性交等には、性交や性交類似行為だけでなく、性的好奇心を満たす目的で児童の性器、肛門、乳首に触れたり、児童に自分の性器などを触らせたりする行為も含まれます。
そのため、実際に性交をしていないから安全という認識は誤りです。
16歳ならパパ活で性的行為をしても問題ない?これも非常に多い誤解です。
2023年7月13日に施行された性犯罪関係の刑法改正では、いわゆる性交同意年齢が13歳未満から16歳未満に引き上げられました。
13歳以上16歳未満の相手については、原則として相手より5歳以上年長の者による性的行為が、年齢要件による不同意性交等罪・不同意わいせつ罪の対象になります。13歳未満については年齢による特別な保護が設けられています。
しかし、ここで見落としてはいけないのが児童買春の年齢基準です。
性交同意年齢が16歳未満になったからといって、16歳や17歳の相手との有償の性的行為が自由になったわけではありません。
児童買春・児童ポルノ禁止法では18歳未満が児童に該当するため、16歳や17歳の相手に対価を渡して性交等をした場合も、児童買春罪が成立する可能性があります。
金銭を渡さなければ18歳未満との性的行為は合法?必ずしもそうではありません。
金銭の授受がなくても、18歳未満との性的行為については、各都道府県の青少年健全育成条例や児童福祉法、刑法などが適用される可能性があります。
例えば東京都青少年の健全な育成に関する条例第18条の6は、青少年とのみだらな性交または性交類似行為を禁止しています。東京都では違反した場合、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています。
条例の具体的な要件や罰則は都道府県によって異なります。単に年齢だけで判断できる問題ではなく、関係性や行為の内容も重要です。
児童買春罪の刑罰はどれくらい重い?児童買春・児童ポルノ禁止法第4条では、児童買春をした者について、5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を定めています。
加えて、児童買春の周旋や勧誘をした場合にも、別途重い刑罰が設けられています。
2025年6月1日から刑法等の改正に伴い、従来の懲役・禁錮は拘禁刑に一本化されています。2026年現在の刑罰を確認するときは、旧法の「懲役」という表記と現行法の「拘禁刑」を混同しないことも大切です。
これらの法令は、相手が同意していたという説明だけでは免責されない仕組みになっています。東京都の青少年SNS性被害防止特設サイトでも、金銭などを対価に未成年者と性的行為を行った場合、合意の有無にかかわらず児童買春として処罰される可能性があると説明しています。
【罪状・刑罰一覧】パパ活で成立する可能性がある犯罪と逮捕リスク
パパ活に関連して問題になる法律は、売春防止法だけではありません。児童買春・児童ポルノ禁止法、刑法、都道府県の青少年健全育成条例など、行為の内容によって適用される法令が異なります。
パパ活で問題になる主な犯罪と法的責任| 状況・行為 | 関係する法律・罪名 | 主な刑罰・法的効果 |
|---|---|---|
| 18歳未満への対価を伴う性交等 | 児童買春罪 | 5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 |
| 児童買春の周旋 | 児童買春周旋罪 | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、または併科 |
| 児童買春の周旋を業として行う | 児童買春周旋業 | 7年以下の拘禁刑および1,000万円以下の罰金 |
| 売春目的の公然の勧誘や客待ち | 売春防止法第5条 | 6か月以下の拘禁刑または2万円以下の罰金 |
| 売春の周旋 | 売春防止法第6条 | 2年以下の拘禁刑または5万円以下の罰金 |
| 欺罔・脅迫・暴行などによる売春の強要 | 売春防止法第7条 | 3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金など |
| 相手の同意を得ない性的行為 | 不同意性交等罪・不同意わいせつ罪など | 行為の内容や成立要件に応じて処罰 |
| 虚偽の説明で金銭を受け取る | 詐欺罪 | 10年以下の拘禁刑 |
| 脅迫して金銭を要求する | 恐喝罪 | 10年以下の拘禁刑 |
上記は代表的な犯罪類型です。実際の事件では複数の犯罪が成立することもあり、個別の行為、故意、証拠関係などによって判断されます。
売春防止法は誰を処罰する法律なのか売春防止法は、売春そのものを禁止する一方、刑罰については勧誘、周旋、強制、売春をさせる契約などを中心に規定しています。
例えば、売春防止法第5条は公衆の目に触れる方法での勧誘や客待ちなどを処罰対象とし、第6条は周旋行為を処罰対象としています。
第7条では欺く、困惑させる、脅迫する、暴行を加えるなどの方法で売春をさせる行為を規制しています。
したがって、成人同士で性的行為があったという事実だけで、売春防止法のすべての犯罪が成立するわけではありません。どの条文の構成要件に該当するのかを分けて考える必要があります。
警察に逮捕される条件とはパパ活をしている人が警察から連絡を受けたとしても、その時点で逮捕が決まるわけではありません。
刑事訴訟法第199条では、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合、裁判官の発する逮捕状によって逮捕できると定めています。明らかに逮捕の必要がない場合には、逮捕状は発付されません。
現行犯逮捕などの例外もありますが、通常は具体的な犯罪の嫌疑と逮捕の必要性が問題になります。
パパ活関連事件では、次のような資料が捜査の対象になり得ます。
- マッチングアプリやSNSでのメッセージ履歴
- 金銭の振込履歴や電子マネーの送金記録
- 性的行為や金銭授受に関する約束の内容
- ホテルや飲食店などの利用記録
- 関係者や被害者の供述
- 防犯カメラなどの客観的資料
逮捕は有罪判決と同じではありません。逮捕された人はあくまで被疑者であり、最終的な刑事責任は捜査や裁判を通じて判断されます。
【2026年の逮捕事例】パパ活をめぐる詐欺・恐喝事件で何が起きた?
パパ活関連の逮捕報道を見ると、児童買春だけでなく、詐欺や恐喝など、金銭の授受を利用した別の犯罪も問題になっていることが分かります。
ここでは2026年に報じられた具体的な事件を取り上げます。いずれも逮捕時点の容疑に関する報道であり、逮捕されたことだけで有罪が確定するわけではありません。
2026年6月:17歳の少女を利用した美人局事件2026年6月25日、産経新聞の報道を掲載したITmedia NEWSなどは、パパ活を利用した美人局事件について報じました。
報道によると、17歳の少女がSNSでパパ活相手を募集し、応じた男性とホテルに入った後、共犯者とされる男性らが示談金名目で金銭を要求したとされています。
警視庁は恐喝の疑いで男性3人を逮捕し、男女2人を書類送検しました。報道された逮捕・送検容疑は、2025年7~8月に相模原市と東京都内で、男性2人から現金合計122万円を脅し取ったというものです。
また、少女は男性とのやり取りで自身が未成年であることを明かしていたと報じられています。容疑者らは、不同意性交の示談金相場を示す生成AIの回答画面を利用して金銭を要求していたとも伝えられました。
この事件で注目すべきなのは、パパ活という出会いの形が、恐喝の手段として利用された点です。男性側が未成年者との関係をめぐって不安を抱いた状況につけ込み、示談金を要求する構図が報道されています。
なお、この報道で逮捕された男性らの容疑は恐喝です。ホテルに入った男性側についても、別の犯罪が成立したと確定したわけではありません。
2026年10月:パパ活を持ちかけた45歳男性の詐欺事件2026年10月2日には、パパ活を持ちかけた45歳の男性が、20歳の女性から現金などをだまし取った疑いで逮捕された事件が報じられました。
テレビ朝日系や東海テレビの報道によると、男性はマッチングアプリで知り合った女性に対し、広告会社の社長などを装い、会社の経費や税金対策に利用すると説明して現金や電子マネーなど約36万円分を受け取った疑いが持たれています。
男性は女性に対し、月6回会う条件で毎月70万円を支払うというパパ活を持ちかけていたとされています。
この事件は、パパ活そのものが詐欺罪に該当したという話ではありません。パパ活をきっかけに相手の信用を得て、虚偽の説明で金銭を受け取った疑いが問題になっています。
東京都の啓発サイトが紹介する未成年者とのパパ活事例東京都の「STOP!青少年のSNS性被害」特設サイトには、実際の事件をもとに内容を一部変更したパパ活の事例が掲載されています。
紹介されているのは、40代の男性がSNSで中高生に接触し、食事やデートのために小遣いを渡した後、より多くの見返りを求めていったというケースです。
男性は合意の上だと思っていたものの、逮捕され、有罪判決を受けたという設定で説明されています。サイトでは、未成年者に対する有償の性的行為は児童買春に該当する可能性があり、金銭の授受がなくても児童福祉法や青少年健全育成条例に違反する場合があると警告しています。
これらの事例から分かるのは、パパ活における法的リスクが男性だけ、あるいは女性だけに限られないことです。相手の年齢、金銭の目的、実際の行為によって、双方が異なる立場で刑事責任や民事責任を問われる可能性があります。
【返金義務】パパ活でもらったお手当やプレゼントは返す必要がある?
パパ活のトラブルで特に多いのが、関係を解消した後に男性から返金を要求されるケースです。
「会わなくなったから返せ」「性的関係を拒否したのだから今までのお金を返せ」「妻に知られたから援助金を返してほしい」といった要求が問題になることがあります。
しかし、受け取った金銭を必ず返さなければならないわけではありません。
お手当やプレゼントは原則として返金義務がない男性が女性に対して、返済を求めない意思でお金を渡した場合、民法上の贈与に該当する可能性があります。
民法第549条では、贈与は財産を無償で与える意思表示と、相手方の受諾によって成立すると定めています。
また、第550条では書面によらない贈与について、既に履行が終わった部分は解除できないとしています。
そのため、食事やデートの謝礼として渡されたお金や、返済不要のプレゼント、生活費の援助などについては、原則として後から一方的に返金を求めることはできません。
借金として渡されたお金は返済義務が生じる一方、男性が女性に対してお金を貸した場合は話が異なります。
例えば、女性が「生活費が足りないので10万円貸してほしい。来月返す」と伝え、男性が貸すことに同意して実際にお金を渡した場合には、金銭消費貸借契約が成立する可能性があります。
借用書がなくても契約が成立することはありますが、後から返済義務を争う場合には、貸し借りの合意を証明できるかが重要です。
LINEやメールのやり取り、銀行振込の記録、返済期限についての約束などが証拠になる可能性があります。
性的行為の対価として受け取ったお金はどうなる?性的行為の対価として金銭を渡す契約については、民法第90条の公序良俗違反によって無効となる可能性があります。
加えて、民法第708条には不法原因給付の規定があり、不法な原因のために給付した者は、原則としてその返還を請求できないとされています。
そのため、成人同士の有償の性的行為に関する契約では、金銭を渡した側が後から返還を求めても、請求が認められない場合があります。
ただし、民法708条には、不法な原因が受益者についてのみ存在する場合の例外もあります。児童買春や詐欺、脅迫などが絡む場合も含め、返還の可否を単純に判断することはできません。
返金義務の判断で確認すべき3つのポイント- 贈与だったのか:プレゼントや返済不要のお手当として渡されたのか。
- 貸付だったのか:返済期限や返済方法について合意があったのか。
- 何の対価だったのか:食事やデートなのか、性的行為なのか、それ以外の目的なのか。
弁護士法人永岡法律事務所が2026年9月に更新した解説でも、パパ活で渡した金銭について、客観的な証拠によって返済の約束を立証できるかが重要だと説明されています。
また、男性側が返金を要求する際に、相手の勤務先や家族へ連絡すると脅したり、無理やり金銭を回収したりすれば、別の法的問題が発生する可能性があります。
【男性・女性別の法的リスク】パパ活トラブルに巻き込まれた場合の対処法
パパ活の法的リスクは、男性と女性で同じではありません。しかし、どちらか一方だけが常に加害者になるわけでもありません。
相手をだましたり、脅したり、同意のない性的行為をしたりすれば、性別に関係なく法的責任が問われます。
男性側に生じる主な法的リスク- 児童買春:18歳未満の相手に対価を渡して性交等をした場合、児童買春罪に問われる可能性がある。
- 青少年健全育成条例違反:各都道府県の条例に違反する性的行為があれば処罰対象になり得る。
- 不同意性交等罪:相手の同意がない性的行為をした場合、刑事責任が生じる可能性がある。
- 詐欺被害:偽の投資話や生活苦などを理由に、金銭をだまし取られる可能性がある。
- 恐喝被害:未成年者との関係や性的トラブルを利用して示談金を脅し取られる可能性がある。
- 民事上の問題:既婚者の場合、実際の関係性や婚姻関係への影響によって配偶者との紛争が生じる可能性がある。
特に既婚男性の場合、パパ活で食事をしただけなら必ず不貞行為になるというわけではありませんが、性的関係があれば不貞慰謝料や離婚問題に発展する可能性があります。
相手が既婚者だと知らずに食事やデートをしていた女性についても、具体的な事情によって法的評価は異なります。
女性側に生じる主な法的リスク- 詐欺罪:架空の借金や病気、事業計画などを利用して相手から金銭をだまし取った場合。
- 恐喝罪:警察への通報や秘密の暴露を材料に、相手を脅して金銭を要求した場合。
- 脅迫罪:相手やその家族に危害を加えるなどと告げて恐怖を与えた場合。
- 売春防止法違反:売春目的の公然の勧誘や周旋など、処罰対象となる行為に関与した場合。
- 民事上の返金問題:貸付金や返還義務のある前払い金などを受け取っていた場合。
ただし、女性が成人同士のパパ活でお手当を受け取っただけで、直ちに詐欺罪や売春防止法違反になるわけではありません。
相手から性的関係を求められて拒否した場合も、それだけで既に受け取った贈与を返さなければならないわけではありません。
パパ活でトラブルが発生した場合の対処法金銭トラブルや脅迫、性的被害が発生した場合は、感情的な対応を避け、証拠を保全が必要です。
1. メッセージや送金記録を保存する
LINEやSNSのメッセージ、振込明細、電子マネーの履歴、相手のアカウント情報などを保存します。金銭の目的や返済の約束が分かる資料は、民事・刑事の双方で重要になる可能性があります。
2. 脅迫や恐喝には安易に応じない
「警察に通報する」「家族や会社にばらす」などと脅されても、その場で金銭を支払ったり、相手の要求をすべて受け入れたりする必要はありません。危険が迫っている場合は警察に相談してください。
3. 相手への報復や個人情報の公開をしない
相手の写真や住所、勤務先などをSNSに公開すると、名誉毀損やプライバシー侵害などの問題に発展する可能性があります。自分で解決しようとして相手を脅すことも避けるべきです。
4. 性的被害や妊娠が関係する場合は専門機関に相談する
不同意の性的行為や盗撮、画像の拡散、妊娠などが関係する場合は、早期に警察や医療機関、性犯罪・性暴力被害者のための支援窓口に相談してください。
5. 弁護士に相談して法的な立場を整理する
返金要求、慰謝料請求、恐喝、詐欺、児童買春などが疑われる場合は、男女問題や刑事事件を扱う弁護士への相談が有効です。警察から連絡を受けた場合も、事情を確認せずに示談や金銭の支払いを約束することは避けましょう。
【プロの結論】パパ活の違法性は「年齢・対価・行為・同意」で判断するパパ活の法的な境界線を判断するうえで、最も重要なのは、パパ活という呼び方ではなく、実際の関係の中身です。
特に次の4点を確認する必要があります。
- 年齢:相手が18歳未満か、成人か。
- 対価:金銭やプレゼントが何のために渡されたのか。
- 行為:食事やデートだけなのか、性交や性交類似行為があったのか。
- 同意:双方が自由な意思で行為に同意していたのか。
この4つを分けて考えると、食事だけの成人同士の交流と、未成年者への有償の性的行為を同じ「パパ活」として扱うことの危険性が理解できます。
また、成人同士であっても、詐欺や恐喝、不同意の性的行為などがあれば、パパ活という名目に関係なく犯罪として扱われます。
法律上の問題が起きた場合、男性も女性も、自分の立場だけでなく、相手の権利や被害の内容を含めて判断する必要があります。
【パパ活の違法性】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パパ活で食事をするだけなら違法ではありませんか?
A1:18歳以上の成人同士が、双方の合意で食事やデートをし、食事代や謝礼を受け取るだけなら、原則として犯罪にはなりません。ただし、詐欺や脅迫など別の犯罪があれば話は異なります。
Q2:パパ活でお手当を受け取った女性は逮捕されますか?
A2:成人女性が食事やデートの謝礼としてお手当を受け取っただけで、通常は逮捕されません。ただし、詐欺や恐喝、売春の勧誘・周旋などの犯罪に該当する行為があれば別です。
Q3:18歳未満の高校生と食事をしてお小遣いを渡すのは違法ですか?
A3:食事や金銭の授受だけで直ちに児童買春罪が成立するわけではありません。しかし、性的行為を求めたり、対価を伴う性交等をしたりすれば、児童買春や青少年健全育成条例違反などの問題が生じます。
Q4:相手が16歳や17歳なら、本人の同意があれば性的行為をしても問題ありませんか?
A4:問題があります。16歳や17歳は児童買春・児童ポルノ禁止法上の児童に該当します。対価を渡して性交等をすれば、児童買春罪が成立する可能性があります。
Q5:パパ活で性行為をした男性は必ず逮捕されますか?
A5:必ず逮捕されるわけではありません。成人同士の合意による性的行為だけで直ちに逮捕・処罰されるわけではありませんが、児童買春、不同意性交等、売春防止法上の別の犯罪などが成立すれば刑事責任が問われる可能性があります。
Q6:パパ活でもらったお金を別れた後に返す義務はありますか?
A6:贈与やプレゼントとして受け取ったお金なら、原則として返還義務はありません。一方、貸付金や返還を約束した前払い金などは返済・返還義務が生じる場合があります。
Q7:パパ活相手から返金を要求されたら警察に相談できますか?
A7:脅迫や恐喝、ストーカー行為などがあれば警察への相談が可能です。単なる民事上の返金請求であれば、弁護士に契約内容や証拠を確認してもらうことが適切です。
Q8:パパ活相手が既婚者だった場合、慰謝料を請求されますか?
A8:食事だけの関係であれば、通常はそれだけで不貞行為とは認められません。ただし、性的関係があった場合には、既婚者であることを知っていたか、注意すれば知ることができたかなどの事情によって慰謝料請求が認められる可能性があります。
Q9:パパ活で相手をだましてお金を受け取った場合、どんな罪になりますか?
A9:相手を欺いて財産を交付させた場合、詐欺罪が成立する可能性があります。脅して金銭を要求した場合には恐喝罪などが問題になります。
2026年現在、パパ活そのものを一律に禁止・処罰する法律はありません。18歳以上の成人同士が食事やデートを楽しみ、合意の上でお手当を受け渡すだけなら、原則として犯罪にはなりません。
しかし、性的行為を伴う場合は売春防止法との関係が生じる可能性があり、18歳未満との有償の性的行為は児童買春・児童ポルノ禁止法によって厳しく処罰されます。加えて、不同意の性的行為や詐欺、恐喝などがあれば、パパ活という名称とは無関係に刑事責任が問われます。
返金問題についても、贈与なのか貸付なのか、性的行為の対価なのかによって結論は変わります。男性から返金を要求されたからといって、必ず応じなければならないわけではありません。
大切なのは、相手の年齢、金銭の目的、実際の行為、双方の同意を正確に把握することです。トラブルが起きた場合には、メッセージや送金記録などの証拠を保存し、安易な示談や報復を避け、弁護士や警察など適切な専門機関に相談してください。
パパ活の違法性は、単にお金を渡したかどうかだけでは決まりません。法律上の境界線を正しく理解することが、男性と女性の双方にとって、深刻なトラブルや刑事事件を防ぐ第一歩になります。
主要な法令・報道資料- 売春防止法(e-Gov法令検索):売春の定義、禁止、勧誘・周旋等の罰則。
- 児童買春・児童ポルノ禁止法(e-Gov法令検索):18歳未満の定義、児童買春の範囲と刑罰。
- 法務省・政府広報オンライン:性交同意年齢の16歳未満への引き上げと年齢差要件。
- 東京都「青少年のSNS性被害防止」:パパ活を通じた未成年者の性被害事例。
- ITmedia NEWS・産経新聞:2026年6月の美人局・恐喝事件。
- テレビ朝日系・東海テレビ:2026年10月のパパ活をめぐる詐欺事件。
- 弁護士ドットコム・弁護士法人永岡法律事務所:返金義務と民事上の問題。