2026年、岡山大学のハラスメント問題をめぐり、2つの異なる事案が公表された。最初は2月4日、同僚の非常勤講師に深夜の長時間電話や大量のLINEメッセージを送り、契約外の大学院業務も担当させた60代女性教員に対する停職2カ月の懲戒処分である。
続いて10月5日には、元非常勤職員による女性職員へのハラスメントが認定され、停職14日相当と判断された。こちらは2月のアカデミック・ハラスメントとは別の事案で、報道ではセクシュアル・ハラスメントと伝えられている。
両事案に共通するのは、大学という教育・研究機関の内部で、職務上の関係や組織内の立場が問題に関係している点だ。岡山大学の公式規程やハラスメント根絶宣言、相談制度を確認すると、処分の内容だけでなく、非常勤職員を含む構成員の権利保護や相談体制の実効性も問われている。
【2月4日公表】岡山大学アカハラ処分で認定された行為とは?

2026年2月4日、岡山大学は、同僚の非常勤講師に対するアカデミック・ハラスメントを理由に、60代の女性教員を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。
共同通信の報道によると、処分日は2025年12月25日付。大学はプライバシーへの配慮から、女性教員の氏名、役職、所属学部を公表していない。
問題となった行為は、2024年4月から11月ごろにかけて発生した。相手は同僚の非常勤講師で、業務上の連絡を目的とした電話やLINEが繰り返されたという。
深夜の電話は最長約6時間、LINEも大量送信報道で明らかになった主な行為は次のとおりだ。
- 夜間に2〜6時間にわたって業務上の電話をかけた。
- 深夜から日付をまたぐ電話もあった。
- LINEで大量のメッセージを繰り返し送信した。
- 2024年6月ごろと10月ごろ、非常勤講師の契約範囲外に当たる大学院業務も担当させた。
テレビ朝日の報道では、電話は少なくとも6回に及び、最長約6時間だったとされる。単に連絡が多かったという話ではなく、時間帯、拘束時間、連絡の頻度が問題となった。
特に注目したいのが、契約外の大学院業務である。非常勤講師として雇用されている人に対し、契約上の担当範囲を超える業務を割り当てることは、職務上の権限や立場との関係で慎重に扱わなければならない。
今回の事案では、電話やメッセージだけでなく、業務の割り振りも含めて大学がアカハラと認定した。
大声で叱責していなくてもアカハラは成立するこの事案でもう一つ注目すべきなのは、大学側の説明によると、大声での叱責などはなかったという点だ。
一般にアカハラという言葉からは、教授が学生を怒鳴る、人格を否定する、研究成果を不当に取り上げるといった場面が想像されやすい。しかし、岡山大学の規程が定めるアカデミック・ハラスメントは、それだけに限定されない。
教育・研究・職務上の優位性を背景に、適切な範囲を超えた言動によって相手に精神的・身体的苦痛を与えたり、就業・修学・研究環境を悪化させたりすることも対象になる。
したがって、怒鳴る、脅すといった明白な言動がなくても、過度な連絡や不適切な業務指示が継続すれば、アカハラとして認定される可能性がある。
【時系列で整理】岡山大学アカハラの発生から2026年の公表まで
2月の事案は、行為が行われた時期と懲戒処分の決定日、一般に公表された日が異なる。時系列を整理すると、問題の発生から公表までの流れが分かりやすい。
| 時期・日付 | 出来事 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2024年4〜11月ごろ | アカハラに該当する行為 | 深夜の長時間電話、LINE大量送信、契約外の大学院業務 |
| 2024年6月ごろ | 契約外業務 | 非常勤講師に大学院関係の業務を担当させた |
| 2024年10月ごろ | 契約外業務 | 大学院関係の業務を再び担当させた |
| 2025年12月10日 | ハラスメント根絶宣言 | 那須保友学長が根絶に取り組む方針を表明 |
| 2025年12月25日 | 懲戒処分日 | 女性教員に停職2カ月 |
| 2026年2月4日 | 処分公表 | 岡山大学がアカハラ処分を発表 |
| 2026年10月1日 | 別件の処分決定 | 元非常勤職員に停職14日相当 |
| 2026年10月5日 | 別件の公表 | 元非常勤職員によるハラスメント認定を公表 |
ここで押さえておきたいのは、2025年12月10日のハラスメント根絶宣言と、12月25日の懲戒処分が、どちらも2026年2月の公表より前に行われていることだ。
大学は根絶宣言を発出した後、翌年2月に過去の行為に対する処分を公表した。宣言そのものが今回の処分を直接引き起こしたと断定することはできないが、大学がハラスメント対策を強化する方針を示していた時期と重なる。
また、2026年10月5日の公表は、2月のアカハラ事案の続報ではない。発生時期も当事者も異なる独立した案件である。
【10月5日の別件】元非常勤職員のセクハラ認定と停職14日相当
2023年5月ごろの行為が2026年に公表された2026年10月5日、岡山大学は、元非常勤職員による大学構成員へのハラスメントを認定し、停職14日相当の懲戒処分を決定したと発表した。
大学の公式発表によると、対象者は30歳代の男性元非常勤職員。処分相当の決定日は2026年10月1日で、本人はすでに大学を退職していた。
KSB瀬戸内海放送の報道では、行為は在籍中の2023年5月ごろに発生し、女性職員の同意がない身体接触など、複数回のセクシュアル・ハラスメントがあったとされる。
女性職員が大学のハラスメント相談窓口に相談したことで問題が発覚したという。
大学の聞き取りとハラスメント認定報道によると、元職員は大学の聞き取りに対して行為を否定した。しかし、大学は被害を受けた女性職員や関係者らへの聞き取りを行い、ハラスメントに該当すると判断した。
大学の公式発表では、当該行為がハラスメント等の防止及び対応に関する規程第3条に違反し、職員就業規則上の懲戒処分に該当する非違行為であると認定したとしている。
ただし、大学の公式発表は行為の具体的な内容や元職員の詳細を公表していない。KSBが伝えた内容と、大学が正式に公表した範囲は区別して理解する必要がある。
停職14日相当は通常の停職処分と同じではない今回の処分について注意したいのが「停職14日相当」という表現だ。
公式発表では、対象者はすでに岡山大学を退職している。そのため、現職者に対する通常の停職処分とは異なり、停職処分に相当する判断を行い、本人に通知したという内容になっている。
つまり、現在も大学に在籍する職員が14日間の勤務停止になったという意味ではない。
なお、10月5日の大学発表には、別件として教員による公的研究費の不正支出に対する停職3カ月の処分も掲載されている。これは研究費に関する不正行為であり、元非常勤職員のハラスメント事案とは別問題である。両者を同一の事件として扱わないことが重要だ。
2つの事案を混同しないための比較| 比較項目 | 2月公表のアカハラ | 10月公表のハラスメント |
|---|---|---|
| 対象者 | 60代女性教員 | 30代男性元非常勤職員 |
| 被害を受けた側 | 同僚の非常勤講師 | 大学の女性職員 |
| 行為の時期 | 2024年4〜11月ごろ | 2023年5月ごろ |
| 主な行為 | 深夜の長時間電話、LINE大量送信、契約外業務 | 報道では同意のない身体接触など |
| 大学の判断 | アカデミック・ハラスメント | ハラスメント認定。報道ではセクハラ |
| 処分 | 停職2カ月 | 停職14日相当 |
| 公表日 | 2026年2月4日 | 2026年10月5日 |
この比較から分かるのは、岡山大学で2026年に公表された2件は、同じハラスメント問題でも性質が異なるということだ。
2月の事案は、教育・研究・職務上の優位性を背景とした業務上の行為が問題になった。一方、10月の事案は、報道によれば性的な身体接触をめぐる問題だった。
【アカハラの定義と認定基準】厳しい指導とハラスメントの境界線
岡山大学の規程が定めるアカデミック・ハラスメント岡山大学の「国立大学法人岡山大学におけるハラスメント等の防止及び対応に関する規程」第2条では、アカデミック・ハラスメントを次のように定義している。
職務上、教育上、研究上の地位や人間関係などの優位性を背景に、職務・教育・研究の適切な範囲を超える言動を行い、他人に精神的・身体的苦痛を与える、または就業・修学・研究環境を悪化させる行為である。
この定義を理解するうえで重要なのは、次の3つの観点だ。
- 優位性:教授と学生、上司と部下、常勤教員と非常勤講師など、立場や人間関係に差があるか。
- 適切な範囲:教育・研究・業務上の必要性を超えた要求や指示になっていないか。
- 影響:相手の精神的・身体的な負担や、仕事・研究・学習環境への悪影響が生じていないか。
この3つは、アカハラを考える際の重要な判断材料になる。
指導のつもりでも問題になるケース大学では、研究の進捗管理、論文指導、授業準備、学生対応など、一定の厳しさが必要な場面がある。指導する側が改善を求めたり、業務上の指示を出したりすること自体がハラスメントになるわけではない。
一方で、業務上の必要性が乏しい長時間の拘束、過度な連絡、契約範囲を超えた仕事の押し付けなどは、適切な指導の範囲を逸脱する可能性がある。
今回の2月事案は、電話の長さだけでなく、LINEによる大量の連絡や契約外の大学院業務が組み合わさっていた点に特徴がある。
また、指導する側が善意や熱意を主張したとしても、それだけでハラスメントに該当しないことにはならない。行為の内容や必要性、頻度、相手との関係、実際に生じた影響を総合的に見る必要がある。
アカハラと認定されるかを見極める判断材料岡山大学の規程とガイドラインを踏まえると、問題となった行為を整理する際には、以下のような資料や状況が重要になる。
- 電話やメール、LINEの送受信日時と頻度
- 業務指示の内容と、その業務が契約や担当範囲に含まれているか
- 指導する側と受ける側の職務上の関係
- 業務上の必要性と連絡時間の合理性
- 相談や拒否の意思表示をした後の対応
- 仕事や研究、健康面への具体的な影響
- 第三者による目撃や業務記録の有無
特に非常勤講師や若手研究者は、契約更新、研究機会、担当授業などをめぐって、上位者との関係に不安を抱えることがある。こうした立場の差を踏まえずに、表面的なやり取りだけで判断することは適切ではない。
【岡山大学ハラスメント等防止規程】防止委員会と根絶宣言の役割
2017年制定の防止規程が大学の基本ルール岡山大学には、2017年6月30日制定の「国立大学法人岡山大学におけるハラスメント等の防止及び対応に関する規程」がある。
この規程は、教職員の職務環境や学生の修学環境を守り、人権を尊重することを目的としている。
対象となるハラスメントはアカデミック・ハラスメントだけではない。セクシュアル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、育児休業等に関するハラスメント、その他のハラスメントも含まれる。
また、規程上、大学の職員等には常勤・非常勤の区別がなく、学生等には学部生や大学院生だけでなく、研究生、聴講生、科目等履修生、研究員なども含まれる。
この点は、2月の事案で非常勤講師が被害を受けたことを考えるうえでも重要だ。雇用形態が非常勤だからといって、ハラスメント防止の対象から外れるわけではない。
ハラスメント防止委員会は何をする組織なのか岡山大学には、規程第7条に基づいてハラスメント防止委員会が設置されている。組織や運営については、2023年3月29日制定の「国立大学法人岡山大学ハラスメント防止委員会規程」に定められている。
委員会の主な役割は、単に相談を受け付けることではない。
- ハラスメント防止に関する啓発活動の企画・実施
- 学内の各部局間の連絡調整
- 相談室から報告された事案への対応協議
- 必要に応じた調査委員会の設置
- 被害救済や再発防止措置の検討
- 学長への必要な措置の勧告・要請
調査委員会が設置される場合には、事実関係を調べ、その結果を防止委員会に報告する仕組みとなっている。
つまり、相談室が相談の入口となり、防止委員会が組織的な対応を協議し、必要に応じて調査や改善措置につなげる役割分担だ。
2025年12月10日のハラスメント根絶宣言岡山大学は2025年12月10日付で、那須保友学長名義の「ハラスメント根絶宣言」を発出した。大学は同月18日に宣言の公表を知らせている。
宣言では、ハラスメントが被害者の心身だけでなく、大学の信頼性や機能にも深刻な影響を与えると説明。全学的な研修や相談体制の強化を掲げている。
那須学長は宣言の中で、次のように強い姿勢を示した。
「ハラスメントは絶対に許しません! 放置しません! 徹底的に膿を出します! 皆さんを守ります!」
特に、部局長や指導的立場にある教職員が率先して適切な態度を示し、大学全体の環境を改善する役割を担うよう求めている。
宣言が示すのは、個人の問題として処理するだけではなく、組織として予防し、問題が起きた場合には対応するという方針だ。
2026年2月と10月に異なるハラスメント事案が公表されたことを踏まえると、今後は宣言の実効性、相談後の対応速度、再発防止策の検証が重要な評価ポイントになる。
【岡山大学ハラスメント相談の流れ】相談室の連絡先と利用方法
最初はプレ相談から始められる岡山大学のハラスメント相談は、最初から正式な調査や処分を求めなければならない仕組みではない。
公式サイトでは、まず相談員と面談する「プレ相談」が案内されている。
プレ相談では、相談者と相手方の関係、問題となった言動の日時や場所、どのような行為があったのか、相談者がどのように対応したのかなどを確認する。
相談者が何を希望しているのかを把握し、必要な対応を検討する段階であり、大学側に問題解決を求めるかどうかは、その後に判断できる。
正式相談から調査・認定までの流れ大学の公式案内によると、相談から問題解決までの基本的な流れは次のとおりだ。
- プレ相談:ハラスメント相談員と面談し、状況や希望を伝える。
- 正式相談:大学による問題解決を希望する場合、正式な相談手続きに進む。
- 相談受付報告書:相談内容を整理し、ハラスメント防止委員会委員長に提出する。
- 対応方法の検討:相談実施通知、調整、調停、ハラスメント認定などを検討する。
- 必要に応じた調査:事実関係の確認が必要な場合、調査委員会を設置する。
- 改善措置・再発防止:認定結果を踏まえ、学長への報告や必要な措置につなげる。
正式相談は原則として2名で対応し、そのうち1名はハラスメント等相談室の専任相談員が担当する。
また、調停やハラスメント認定の手続きでは、相談者が相手方と直接接触することはない。深刻な事態では、接触禁止などの緊急措置も検討される。
相談しただけで直ちに相手の懲戒処分が決まるわけではない。相談内容や希望、事実関係を踏まえて、適切な解決方法が検討される。
ハラスメント等相談室の連絡先・受付時間岡山大学には、専門相談員が対応するハラスメント等相談室が設置されている。2026年の大学公式案内で確認できる主な情報は以下のとおりだ。
- メール:harass1@adm.okayama-u.ac.jp
- 電話:086-251-8511
- 津島地区:附属図書館西館4階
- 鹿田地区:医学部記念会館3階
受付時間は次のように案内されている。
- 津島地区:月曜日から金曜日の10時〜12時、13時〜16時。祝日・図書館休館日を除く。
- 鹿田地区:月曜日・水曜日・金曜日の13時〜16時。祝日を除き、予約時のみ在室。
相談は原則として面談で行われるため、メールで事前予約する方法が案内されている。受付時間や連絡方法は変更される場合があるため、利用前に大学の最新案内を確認したい。
所属学部以外の相談員にも相談できる相談窓口を利用する際に知っておきたいのが、相談員を所属学部だけに限定する必要はないということだ。
岡山大学には、各学部・研究科などにハラスメント全学相談員が配置されており、所属部局以外の相談員にも相談できる。
例えば、指導教員や所属部局の上司が問題に関係している場合、同じ組織内の相談員に話すことに抵抗を感じる人もいる。その場合は、別の学部の相談員や専任相談員を選ぶ方法がある。
相談前に残しておきたい記録と証拠岡山大学の公式案内では、ハラスメントを受けた日時、場所、内容、目撃者などを記録し、証拠となるメールや手紙などを保存するよう呼びかけている。
実際に相談する際には、次のような情報を整理しておくと、出来事を説明しやすくなる。
- 電話やLINE、メールの日時と内容
- 業務指示を受けた日付と具体的な内容
- 雇用契約書や職務分担表など、担当範囲が分かる資料
- 相談した相手や、その際の大学側の対応
- 勤務や研究への影響、心身の負担
- 問題を目撃した人や、事情を知る関係者
証拠を残すことは、相談者が自分の受けた行為を整理するためにも役立つ。
なお、岡山大学の防止規程第10条は、相談員や対応に関わる者に対して、正当な理由なく知り得た秘密を漏らさないよう定めている。また、第11条では、ハラスメント対応に協力したことを理由とする不利益な取り扱いを禁止している。
【岡山大学アカハラ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:岡山大学の2026年2月のアカハラ処分で、教員の名前は公表されていますか?
A1:公表されていない。岡山大学はプライバシーへの配慮から、60代女性教員の氏名、役職、所属学部を明らかにしていない。公表されているのは、停職2カ月という処分内容と、電話・LINE・契約外業務に関する事案の概要である。
Q2:2026年10月5日のハラスメント認定もアカハラですか?
A2:2月のアカハラとは別件である。岡山大学の公式発表はハラスメントと認定した行為として公表しており、KSB瀬戸内海放送はセクシュアル・ハラスメントとして報じている。対象者は30歳代の男性元非常勤職員で、停職14日相当と判断された。
Q3:非常勤講師や大学院生も岡山大学のハラスメント相談窓口を利用できますか?
A3:岡山大学の防止規程やガイドラインは、非常勤を含む職員等と、学部生・大学院生などの学生等を対象としている。ハラスメント相談室や各部局の相談員が相談に対応しており、所属部局以外の相談員を選ぶこともできる。
2026年の岡山大学では、2月に非常勤講師へのアカデミック・ハラスメントによる停職2カ月の処分が公表され、10月には元非常勤職員による別のハラスメント認定が発表された。
2月の事案では、深夜の長時間電話、LINEの大量送信、契約外の大学院業務という複数の行為が問題となった。大声での叱責がなかったとしても、業務上の優位性を背景に相手の就業環境を悪化させる行為は、アカハラとして認定され得ることを示している。
10月の事案では、大学の相談窓口への相談が発覚のきっかけとなった。元職員が行為を否定した一方で、大学は被害者や関係者への聞き取りを通じてハラスメントを認定したと報道されている。
岡山大学には、ハラスメント等防止規程、防止委員会、専門相談員による相談室、段階的な相談・調査手続きがある。2025年12月には那須保友学長が根絶宣言を発出し、全学的な研修と相談体制の強化も掲げた。
【プロの結論】
大学のハラスメント対策を評価する際に見るべきなのは、懲戒処分の重さだけではない。被害を受けた人が安心して相談できるか、相談内容が適切に調査されるか、指導する側の権限が適正に管理されているか、そして同じ問題を繰り返さない仕組みが機能しているかが重要だ。
特に非常勤講師や若手研究者は、雇用契約や研究上の立場によって、問題を指摘しにくい場合がある。大学には、常勤・非常勤を問わず、誰もが不当な業務指示や過度な連絡に苦しまずに働ける環境を整える責任がある。
今後の焦点は、岡山大学が掲げたハラスメント根絶宣言を実際の職場・研究環境の改善につなげられるかどうかだ。相談窓口の周知、独立性のある調査、被害者の保護、再発防止策の検証を継続できるかが、大学への信頼を取り戻す鍵になる。
主な参照資料: 岡山大学公式の懲戒処分発表、ハラスメント等防止規程、ハラスメント防止委員会規程、相談手続き案内、ハラスメント根絶宣言、および共同通信・テレビ朝日・KSB瀬戸内海放送の報道。