久保建英の現在の役割を一言で表すなら、前線と中盤をつなぎ、攻撃のテンポと方向を変えるクリエイティブな攻撃的MFだ。
単純に右サイドからドリブルで仕掛ける選手ではない。中央でボールを受けて相手の守備を動かし、味方の飛び出しを生かすこともできる。
2026年9月・10月の4連戦では、その特徴がはっきり表れた。
- ウルグアイ戦:途中出場で右シャドー
- ベネズエラ戦:後半開始からシャドー
- エクアドル戦:先発でシャドー
- ニュージーランド戦:先発でトップ下
つまり、森保一監督は久保を特定のサイドに固定せず、フォーメーションに応じて中央でもサイド寄りでもプレーできる選手として起用している。
特にニュージーランド戦でのトップ下起用は注目に値する。久保自身も中央でボールを受けることへの手応えを語っており、今後の日本代表の攻撃を考えるうえで重要な材料になった。
一方、4試合でゴールとアシストはいずれも記録していない。数字だけでは見えにくいチャンスメークや、PK獲得につながる仕掛けも含めて評価する必要がある。
【2026年W杯】久保建英の出場記録は1試合・1アシスト

2026年の北中米ワールドカップは、久保にとって悔しさの残る大会となった。
大会初戦のオランダ戦では先発出場し、攻撃面で結果を残したものの、試合中に左膝を負傷。以降のグループステージ2試合を欠場し、決勝トーナメントでも出場機会を得られなかった。
W杯での具体的な成績| 項目 | 記録 |
|---|---|
| 出場試合 | 1試合 |
| 出場時間 | 75分 |
| 先発 | 1試合 |
| ゴール | 0 |
| アシスト | 1 |
| 主な記録 | オランダ戦で中村敬斗の得点をアシスト |
2026年6月14日のオランダ戦では、日本が2-2で引き分けた試合で久保が存在感を発揮した。
後半12分、久保のパスを受けた中村敬斗が同点ゴールを決めた。この得点が久保の大会唯一のアシストとなった。
しかし、後半26分ごろに相手DFデンゼル・ダンフリースとの接触で左膝を痛め、後半30分に交代した。
その後、MRI検査で左膝の負傷が確認され、6月21日のチュニジア戦、6月26日のスウェーデン戦を欠場。決勝トーナメント1回戦にあたる6月29日のブラジル戦も出場しなかった。
日本はオランダ戦を2-2で終え、チュニジアに4-0で勝利。スウェーデンとは1-1で引き分けた後、ラウンド32でブラジルに1-2で敗れた。
久保がプレーできたのは、わずか1試合だった。
W杯の数字だけでは評価できない理由久保のW杯成績を0得点1アシストとだけ見ると、期待されたほど活躍できなかったという印象を持つかもしれない。
しかし、重要なのは負傷によって大会途中からプレーできなくなった点だ。
本来、久保は相手の守備ブロックを崩すための選択肢として期待されていた。特に、中央と右サイドを行き来しながら相手のマークをずらす能力は、強豪国との対戦で価値を発揮する。
オランダ戦でのアシストは、その役割を象徴するプレーだった。
W杯での出場記録が少ないことと、代表での実力や評価が低いことは同じではない。
2026年大会は、久保にとって本来の力を十分に発揮する前に終わってしまった大会という側面が強い。
【9〜10月の4連戦】久保建英の出場時間・ポジション・成績を比較
北中米W杯後、日本代表は2026年9月17日に新たな活動に向けた31人の招集メンバーを発表した。
久保もその一人として選出され、森保監督のもとで9月24日から10月5日までの4試合に参加した。
この4試合は、単なる親善試合の連続ではない。W杯後のチーム再編と、翌年のアジアカップを見据えた新戦力のテストという意味を持っていた。
久保建英の4試合出場記録出典:JFA公式試合記録、スポーツナビ、各試合の報道。出場時間は交代記録に基づく。
ウルグアイ戦:途中出場から攻撃の流れを変える9月24日のウルグアイ戦は、日本が3-1で勝利した。
久保は63分に堂安律との交代で投入され、右シャドーの位置に入った。
JFAの試合レポートによると、久保は上田とのパス交換からペナルティーエリア右へ進入してクロスを供給。さらに86分には上田へのスルーパスを通し、決定機を演出した。
この場面は、久保が単にボールを保持するだけでなく、味方の動きを先読みして相手守備の背後を狙えることを示していた。
得点やアシストこそなかったが、途中出場から攻撃の質を高めた試合だった。
ベネズエラ戦:後半から投入され、PK獲得に貢献9月28日のベネズエラ戦では、久保は後半開始から出場した。
試合は後半開始直後にベネズエラが先制。その後、日本は上田綺世の得点で同点に追いつき、最後は2-1で逆転勝利した。
特に注目したいのは、試合終盤の久保の仕掛けだ。
久保はボールを持って前進し、得点を狙う過程で相手選手に足を踏まれ、PKを獲得するきっかけを作った。
試合後、JFAの公式レポートに掲載された久保のコメントにも、この場面についての説明がある。
自分が足を踏まれてということになりました。あそこで狙いにいくのは大事だと思います。
このプレーは、久保の評価を考えるうえで見逃せない。
ゴールやアシストという記録には残らなくても、自らボールを運び、相手の守備を崩して得点につながる状況を作ることができるからだ。
エクアドル戦:シャドーとして先発10月1日のエクアドル戦では、久保は先発出場した。
森保監督は3バックを採用し、久保と鈴木唯人を前線のシャドーに配置。久保は中央寄りの位置でボールを受け、周囲との連係を図った。
試合は90分間で0-0。PK戦を日本が制し、決勝進出を決めた。
久保は68分に交代。個人としてゴールやアシストはなかったものの、W杯後の代表でシャドーのポジションを任されたことは、指揮官からの信頼を示す材料になる。
ニュージーランド戦:トップ下で新たな可能性を示す4試合の中で、戦術面でもっとも注目されたのが10月5日のニュージーランド戦だ。
日本はそれまでの3バックから4バックに変更し、4-2-3-1でスタートした。
久保は1トップの上田綺世の後方、トップ下に配置された。
日本は上田と堂安のゴールで2-1の勝利を収め、キリンカップサッカー2026で優勝。久保は64分までプレーした。
この試合では、久保が中央でボールを受け、堂安や佐野海舟、中野就斗と連係する形が見られた。
特に、中央にとどまるだけではなく、右サイドや左サイドに移動しながら周囲との関係を作る動きが印象的だった。
【シャドーとトップ下】森保一監督が久保建英に求める戦術的役割
久保の代表でのポジションを理解するには、シャドーとトップ下の違いを押さえておく必要がある。
どちらも攻撃的なポジションだが、システムによって動き方や求められる仕事が変わる。
3-4-2-1のシャドーとは?3-4-2-1は、3人のセンターバック、2人のウイングバック、2人のボランチ、2人のシャドー、1人のセンターフォワードで構成される。
シャドーは1トップの後ろに位置し、左右のハーフスペースを使って攻撃する。
久保に求められる主な仕事は次のとおりだ。
- 中盤と前線の間でボールを受ける
- 相手の守備ライン間で前を向く
- 1トップとのワンツーや連係でゴール前に進入する
- サイドに流れて相手の守備を広げる
- ボールを奪われた際には前線から守備を開始する
久保の強みである細かいタッチ、狭いスペースでの判断、左足のパスは、このポジションと相性がいい。
2026年9月・10月シリーズでは、ウルグアイ、ベネズエラ、エクアドルの3試合でこのシャドーとして起用された。
4-2-3-1のトップ下とは?一方、4-2-3-1では、トップ下が1トップのすぐ後ろに配置される。
シャドーと似た位置だが、中央で攻撃の起点になる役割がより明確になる。
久保はニュージーランド戦でこの位置を担当した。
特に重要なのは、中央でボールを受けられることだ。
久保は右サイドから仕掛けるプレーにも優れているが、中央では左右両方の選択肢を持つことができる。相手DFが右を警戒すれば左へ展開し、中央にスペースが生まれれば自ら前進できる。
また、上田との距離が近くなることで、パス交換や裏への抜け出しを組み合わせやすい。
久保自身もトップ下への適性を語っている10月5日の試合後、久保はトップ下について次のように話している。
僕はトップ下が好きなので、うまくやれればなと思います。
加えて、中央でボールを受けることについても、固定的に動くのではなく、周囲とのローテーションを調整したいという考えを示した。
これは重要な発言だ。
久保は単に中央でプレーしたいというだけではなく、中央で受けることで味方との連係を作り、攻撃の選択肢を増やしたいと考えている。
サッカーマガジンの試合後レポートでも、ニュージーランド戦では堂安、佐野、中野との連係や、上田へのサポートが取り上げられた。
森保監督の戦術と久保の立ち位置森保監督はW杯まで3バックを基本にしつつ、状況によって4バックも使用する方針を示していた。
2026年9月の代表活動でも、選手の特徴や相手のシステムに応じて可変する考え方が示されていた。
実際、10月5日のニュージーランド戦では4-2-3-1を採用した。
この変化は久保にとって大きな意味を持つ。
3-4-2-1ではシャドーとしてプレーし、4-2-3-1ではトップ下として中央に位置する。つまり、久保を生かすための選択肢が一つに限定されなくなっている。
ただし、トップ下が今後の固定ポジションになると決まったわけではない。相手の守備や出場選手によって、シャドーに戻る可能性も十分にある。
久保の価値は、ポジションを固定することではなく、複数の攻撃システムで高い質を発揮できることにある。
【レアル・ソシエダ2026-27】久保建英のクラブでの状況は?
日本代表で4試合すべてに出場した久保だが、クラブでの立場は必ずしも同じではない。
2026-27シーズンのレアル・ソシエダでは、シーズン序盤から先発出場を続けられず、途中出場やベンチで過ごす試合もあった。
2026-27シーズンのリーグ成績ラ・リーガ公式の選手データによると、2026年10月時点の久保のリーグ成績は次のとおり。
久保建英|レアル・ソシエダ6
リーグ出場試合294
出場時間(分)1
ゴール1
アシスト
先発出場:4試合。ラ・リーガ公式選手データの2026-27シーズン集計。
2026年9月の代表招集前、久保はクラブで出場機会を減らしていた。
スポルティーバは10月10日の分析記事で、開幕後のパフォーマンスや出場時間の減少を取り上げ、レギュラーの座を失う危険性を指摘していた。
しかし、その後は変化も見られた。
10月15日のヨーロッパリーグでは途中出場し、10月18日のマラガ戦ではゴールを記録。リーグ戦で結果を残し、復調の兆しを見せた。
つまり、代表では4試合連続出場を果たした一方、クラブではポジション争いの中でコンディションとプレー時間を取り戻す段階にあった。
代表とクラブで評価が分かれる理由両チームでの状況が違う背景には、戦術的な役割と選手間の連係がある。
日本代表では、久保の周囲に堂安律、鎌田大地、上田綺世、中村敬斗など、特徴の異なる攻撃的な選手がいる。
久保が中央でボールを受けた際、味方が裏へ走る、サイドに開く、近くでパスを受けるといった複数の選択肢が存在する。
一方、クラブでは監督の戦術、チーム内の競争、試合ごとの相手への対応が異なる。
代表で好調だからといって、クラブでも必ず先発できるわけではない。
逆に、クラブで出場時間が減ったからといって、代表での評価まで下がるわけでもない。
この2つの環境を分けて考えることが、2026年の久保を正しく理解するポイントだ。
【代表での評価と今後】久保建英の序列はどうなる?
2026年10月末時点の久保は、日本代表の攻撃陣で重要な選択肢となっている。
ただし、無条件に先発が保証される選手というより、戦術に応じて複数の役割を担う選手として評価するのが適切だ。
代表での強みはゴール以外にもある2023年3月以降の代表活動を集計したBLUE LISTのデータでは、久保は32試合に出場し、6得点17アシストを記録している。
この集計期間におけるポジション別の出場回数を見ると、右シャドーでの出場が最も多く、トップ下が続く。
| ポジション | 先発 | 途中出場 |
|---|---|---|
| 右シャドー | 14 | 5 |
| トップ下 | 7 | 2 |
| 右サイドハーフ | 1 | 2 |
| インサイドハーフ | 1 | 1 |
| 左シャドー | 0 | 1 |
2023年3月以降の代表活動に関する集計。全代表キャリアの通算値ではない。
この数字からも、久保は右シャドーを中心にしながら、トップ下でも多く起用されてきたことが分かる。
競争相手は誰なのか久保が起用されるシャドーやトップ下には、複数の有力選手がいる。
- 堂安律:右サイドや前線での得点力と連係力が強み。
- 鈴木唯人:中央での推進力と得点に直結するプレーが持ち味。
- 鎌田大地:パスの判断やポジショニングに優れ、中央で攻撃を整理できる。
- 中村敬斗:左サイドからの突破とシュートが武器。
- 伊東純也:スピードを生かした縦への突破で攻撃に変化をつける。
特に鈴木唯人は、2026年9月の代表招集前からクラブで好調を維持しており、シャドーの競争相手として注目された。
森保監督が選手の組み合わせを重視する以上、久保の序列は単純な個人能力の比較だけでは決まらない。
堂安との連係を重視する試合、鎌田との中央でのパス交換を重視する試合、前線の選手を生かす試合では、それぞれ異なる配置が考えられる。
今後の評価を判断する3つのポイント久保の今後を追うなら、次の3点に注目したい。
1. レアル・ソシエダで先発出場を増やせるか
代表で高いパフォーマンスを発揮しても、クラブで試合勘やコンディションを維持できなければ、長期的な代表活動にも影響する。
10月18日のゴールをきっかけに、リーグ戦やヨーロッパリーグで出場時間を伸ばせるかが重要だ。
2. トップ下で継続的に起用されるか
ニュージーランド戦でのトップ下起用は、久保の適性を改めて示した。
今後、4バックを採用する試合が増えれば、中央でプレーする機会も増える可能性がある。
ただし、3バックが基本となる試合では、シャドーとしての能力も引き続き求められる。
3. アジアカップで結果を残せるか
森保監督は2027年1〜2月のアジアカップを見据えて代表を編成している。
W杯後の新体制では、既存の主力と新戦力を融合させることが重要になる。
久保が攻撃の中心として得点やアシストを増やせるかどうかは、日本代表の競争力にも関わる問題だ。
【久保建英の日本代表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:久保建英の2026年W杯出場記録は?
2026年北中米W杯ではオランダ戦に1試合出場し、75分間プレーした。ゴールは0、アシストは1。左膝の負傷によってチュニジア戦とスウェーデン戦を欠場し、ブラジル戦にも出場しなかった。
Q2:久保建英は2026年9月・10月の日本代表4試合すべてに出場した?
出場した。ウルグアイ、ベネズエラ、エクアドル、ニュージーランドの4試合すべてに出場。途中出場が2試合、先発出場が2試合だった。
Q3:久保建英の日本代表でのポジションは?
右シャドーが代表での主なポジション。トップ下でも起用される。2026年10月5日のニュージーランド戦では4-2-3-1のトップ下を担当した。
Q4:2026年秋の代表4連戦でゴールやアシストは記録した?
4試合ともゴールとアシストは0だった。ただし、ベネズエラ戦ではPK獲得につながる仕掛けを見せ、ウルグアイ戦でも上田へのスルーパスで決定機を演出している。
Q5:久保建英はレアル・ソシエダでレギュラーなの?
2026-27シーズン序盤は先発から外れる試合もあり、出場機会が安定していなかった。10月18日にはリーグ戦で得点を記録しており、ラ・リーガ公式データでは6試合1得点1アシストとなっている。
2026年10月末の久保建英は、シャドーとトップ下の両方をこなせる攻撃的MFとして、日本代表に欠かせない選択肢となっている。
北中米W杯では左膝の負傷によって1試合の出場にとどまったものの、オランダ戦で1アシストを記録した。
その後の9月・10月の4連戦では全試合に出場。3試合でシャドー、ニュージーランド戦ではトップ下を担当し、日本の4連勝とキリンカップ優勝に貢献した。
一方、レアル・ソシエダではシーズン序盤に出場機会が減少しており、クラブでの継続的な活躍が今後の課題になる。
【プロの結論】
久保建英を評価する際に、ゴール数やアシスト数だけを見るのは十分ではない。
重要なのは、次の3つだ。
1. 相手の守備を動かす力:狭いスペースで前を向き、攻撃の方向を変えられるか。
2. 味方を生かす力:堂安、上田、鎌田らとの連係でチャンスを作れるか。
3. 異なるシステムへの適応力:シャドーとトップ下の両方で攻撃の質を保てるか。
久保の最大の武器は、個人で局面を打開する技術と、周囲の選手を生かす判断力を併せ持つことだ。
2027年のアジアカップに向けて、クラブでの出場時間を確保しながら代表での存在感をさらに高められるか。日本代表の次の攻撃構想を考えるうえで、久保建英の動向は引き続き重要なテーマになる。