「+86」は、中国大陸に割り当てられている国番号です。日本の国番号が「+81」であるのと同じように、国際電話を識別するために使用されます。
スマートフォンの着信履歴に「+86」から始まる番号が表示された場合、中国の電話番号を使った発信である可能性があります。
ただし、ここで注意したいのは、+86と表示されたからといって、電話をかけてきた人物が中国国内にいると断定できるわけではないという点です。海外の通信回線を経由した発信や、発信者番号を偽装した電話も存在します。
+86からの着信は誰?考えられる発信元心当たりのない中国の国番号から電話が来た場合、考えられる発信元は一つではありません。
- 中国に住む家族、友人、知人
- 中国企業や海外取引先の担当者
- 中国の携帯電話会社やサービス事業者
- 海外サービスに登録した電話番号を通じた連絡
- 自動音声を利用した迷惑電話や特殊詐欺グループ
- 発信者番号を偽装した不審な電話
特に、海外との取引や中国に住む知人との交流がない人にとって、突然の+86着信は警戒すべきサインです。
一度だけ鳴って切れる、何度も繰り返しかかってくる、留守番電話に不自然な自動音声が残されているといった場合は、安易に応答しないようにしましょう。
+86は中国でも、香港・台湾とは異なる国番号を調べる際に間違えやすいのが、中国大陸と香港、マカオ、台湾の違いです。それぞれ別の国番号が割り当てられています。
NTTドコモの国際電話案内でも、中国は86、香港は852、マカオは853、台湾は886と区別されています。
【番号の読み方】+86から始まる電話番号と国際電話の国番号一覧

国際電話の番号は、基本的に「+」の後ろに国番号が続き、その後に相手の電話番号が表示される仕組みです。
例えば、着信履歴が「+86 10 XXXX XXXX」という形式なら、最初の86が中国の国番号、その後の数字が中国国内の電話番号に関係する部分です。
中国の電話番号はどう表示される?中国の固定電話では、国内通話で使用する市外局番の先頭の0を、海外から発信する際に省略するのが基本です。
例えば北京の固定電話の市外局番は010です。日本から国際電話でかける場合は、先頭の0を除いて86の後ろに10を付けます。
つまり、国内表記が「010-XXXX-XXXX」の場合、国際電話では「+86-10-XXXX-XXXX」という形式になります。
携帯電話の場合も、+86の後ろに中国国内の携帯電話番号を続けます。
覚えておきたい国際電話の国番号一覧中国以外の番号も知っておくと、知らない海外番号から着信したときの判断に役立ちます。
これらは代表的な国番号です。なお、国番号は発信に使用された番号の所属先を示す情報であり、発信者の氏名や所在地を証明するものではありません。
【中国への国際電話】日本から+86にかける方法と料金
中国に家族や取引先がいる場合、日本から国際電話をかける方法も確認しておきましょう。
基本的な発信形式は、次のとおりです。
固定電話にかける場合010 + 86 + 中国国内の電話番号
または
+86 + 中国国内の電話番号
北京の固定電話を例にすると、国内番号の先頭にある市外局番010の最初の0を省略します。
国内表記が「010-1234-5678」という仮の番号なら、日本からは「010-86-10-1234-5678」という形式で発信します。
携帯電話にかける場合携帯電話の場合は、国際電話識別番号の後ろに中国の国番号86を付け、相手の携帯電話番号を続けます。
スマートフォンでは「+86」から入力する方法も利用できます。「+」は機種によって異なりますが、電話番号入力画面で数字の0を長押しすると表示できる場合があります。
NTTドコモの案内でも、「+」または「010」に国番号と相手先電話番号を続ける方法が紹介されています。固定電話や携帯電話など、契約サービスによって発信条件が異なるため、事前に確認してください。
中国への国際電話の料金はいくら?中国への通話料金は、利用する携帯電話会社や固定電話会社、契約プラン、通話時間によって変わります。
例えば、NTTドコモのWORLD CALLの料金案内では、中国への通話は次のように掲載されています。
- 平日8時~19時:30秒あたり57円
- 平日19時~翌8時:30秒あたり49円
- 土日祝日:30秒あたり49円
これはドコモの料金例であり、他社や別の契約プランにそのまま適用される金額ではありません。また、国際電話の料金は国内通話の無料通話や割引サービスの対象外となる場合があります。
実際に発信する前には、契約している通信会社の最新の国際電話料金表を確認することが大切です。
【詐欺電話の見分け方】+86着信で警戒すべき手口と番号偽装
知らない国際電話への警戒が必要な理由は、特殊詐欺に海外の電話番号が利用されているためです。
警察庁は、国際電話番号を利用した特殊詐欺への対策として「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」、通称「#みんとめ」を推進しています。
警察庁が公表した特殊詐欺のデータ警察庁の令和7年の確定資料によると、特殊詐欺に犯行利用された電話番号のうち、国際電話番号は92,996件でした。前年と比較して45,400件、95.4%増加しています。
加えて、犯行利用された電話番号全体に占める国際電話番号の割合は75.5%に達しました。
この数字は、未遂や相談事案を含めて都道府県警察から報告された電話番号を集計したものです。実際の被害件数や、+86だけの利用件数を示すものではありません。
また、警察庁が2026年7月31日に公表した上半期の資料では、特殊詐欺の認知件数は22,031件、被害額は1,816.2億円に上っています。前年同期比でそれぞれ18.3%、51.7%増加しており、警戒を緩められない状況です。
+86着信で注意したい詐欺の特徴不審な国際電話では、電話に出た人を不安にさせ、冷静な判断をできなくするような話し方が使われることがあります。
具体的には、次のような内容に注意してください。
- 「あなたの電話番号が犯罪に利用されています」と告げる。
- 「数時間後に電話回線が停止します」と自動音声で伝える。
- 「未納料金があるので、今すぐ支払ってください」と要求する。
- 警察官や行政機関の職員を名乗り、捜査対象になっていると説明する。
- 本人確認を理由に氏名、生年月日、住所、銀行口座情報を尋ねる。
- 電話中に特定の番号を押すよう指示する。
- 金銭の振り込みや電子マネーの購入を要求する。
国民生活センターが2026年3月19日に公表した「見守り新鮮情報 第537号」でも、自動音声で電話の利用停止を告げ、番号を押させた後に氏名や生年月日を聞き出す不審電話の事例が紹介されています。
同センターは、知らない国際電話には出ない、折り返さない、出てしまった場合は個人情報を伝えずに電話を切るよう呼びかけています。
発信者番号偽装にも注意もう一つ知っておきたいのが、発信者番号偽装です。
これは、実際の発信元とは異なる電話番号を、着信画面に表示させる手口です。警察や自宅、実在する企業の電話番号が表示されても、その相手が本当に表示された組織の関係者とは限りません。
一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)は、自宅や警察の番号が偽装表示される事例を紹介しています。表示された電話番号を信用してしまい、詐欺被害につながったケースもあります。
警察庁も2025年3月25日、実在する警察署の電話番号を偽装表示する特殊詐欺について注意喚起しました。
警察官を名乗る人物から捜査対象になっていると告げられたり、金銭を振り込むよう求められたりした場合は、電話を切って警察相談専用電話「#9110」に相談してください。相手が指定した電話番号への折り返しは避けましょう。
【着信拒否の方法】iPhone・Android・固定電話で+86をブロック
何度も+86から電話がかかってくる場合は、着信拒否や迷惑電話対策を設定しましょう。
ただし、特定の電話番号をブロックする方法と、海外からの国際電話全体を制限する方法は異なります。
iPhoneで+86の番号を着信拒否するiPhoneでは、電話アプリから着信履歴を開き、対象の番号を個別にブロックできます。
- 電話アプリを開く。
- 「履歴」から+86の着信番号を探す。
- 対象番号の情報ボタンをタップする。
- 画面下部まで移動する。
- 「発信者を着信拒否」を選択する。
Appleの公式サポートでも、この方法が案内されています。
また、iOS 26では、不明な発信者のスクリーニングや消音、迷惑電話のフィルタリングといった機能も利用できます。知らない番号からの電話をすぐに鳴らしたくない人は、設定を確認してみましょう。
Androidで+86の番号を着信拒否するAndroidでは、Googleの電話アプリを利用している場合、次の手順で番号をブロックできます。
- 電話アプリを開く。
- 「通話履歴」または「最近」を選択する。
- ブロックしたい+86の電話番号をタップする。
- 「ブロック/迷惑電話を報告」を選択する。
Androidは端末メーカーやOSのバージョンによって表示が異なります。Google以外の電話アプリを使用している場合は、端末メーカーの案内も確認してください。
携帯電話会社の迷惑電話対策を利用する個別の番号を拒否しても、別の電話番号から着信する場合があります。そのため、通信会社の迷惑電話対策サービスを組み合わせる方法もあります。
国民生活センターが紹介している主なサービスは次のとおりです。
- NTTドコモ:あんしんセキュリティ
- KDDI・au:迷惑電話撃退サービス
- ソフトバンク:ナンバーブロック、セキュリティOne
- 楽天モバイル:迷惑電話・SMS対策 by Whoscall
ただし、すべてのサービスが国際電話の着信拒否に対応しているわけではありません。端末やOS、契約プランによって利用できる機能も違います。
固定電話なら国際電話不取扱受付センターが利用できる自宅の固定電話に海外からの不審な電話が多い場合は、国際電話不取扱受付センターへの申し込みが有効です。
国際電話不取扱受付センター0120-210-364
電話受付の案内時間
- オペレーター対応:平日9時~17時
- 自動音声案内:平日・土日祝日24時間
対象となる電話
- 03や06などから始まる固定電話
- 自宅、店舗、事業所などの固定電話
070・080・090の携帯電話や050のIP電話は対象外です。
この制度は、国際電話の着信を休止するためのものです。KDDIやソフトバンクの対象サービスでは、国際電話の発信休止も申し込めます。
重要なのは、国際電話の利用休止を申し込むと、海外に住む家族や仕事相手などからの正規の国際電話も受けられなくなることです。海外との通話が必要な人は、利用への影響を確認してから手続きしてください。
申し込みは電話のほか、ウェブや郵送でも可能です。ウェブ・電話での手続きは、通常1週間程度で利用休止になると受付センターが案内しています。
なお、この制度は固定電話向けであり、携帯電話の+86着信を一括して止めるものではありません。
【電話に出てしまった場合】+86の着信料金と正しい対処法
知らない+86番号にうっかり出てしまった場合、最初に確認したいのは通話料金と個人情報の安全です。
+86の電話に出ただけで料金は発生する?日本国内で日本の携帯電話を利用している場合、海外からの電話を受けただけで、通常は着信側に国際通話料金はかかりません。
ソフトバンクの公式FAQでも、日本国内で海外からの電話を受けた場合、着信側に通話料はかからないと案内されています。
ただし、海外旅行中に国際ローミングで着信を受ける場合は事情が異なります。滞在国や通信会社によって着信料金が発生することがあるため、区別が必要です。
+86に折り返し電話をすると料金はどうなる?注意が必要なのは、着信に出ることよりも、自分から海外へ電話をかけ直すことです。
日本から+86の番号に発信すると、中国への国際電話として通話料金が発生する可能性があります。料金は利用している通信会社の国際電話料金表に基づいて計算されます。
例えば、ドコモの料金例では中国への通話は30秒ごとに49円または57円です。通話が長くなるほど料金も増えるため、相手が分からない場合は折り返さないことが基本です。
また、+86だからといって必ず高額な特殊料金が発生するわけではありません。実際の料金は発信先の番号や通信会社の料金体系によって異なります。
すでに電話に出てしまった場合の対応電話に出ただけであれば、過度に慌てる必要はありません。次の対応を取ってください。
- 不審な会話はすぐに終了する。相手の説明を最後まで聞く必要はありません。
- 個人情報を伝えない。氏名、生年月日、住所、銀行口座、暗証番号などは答えないでください。
- 電話番号をブロックする。着信履歴から対象番号を拒否します。
- 不審な指示には従わない。番号入力、アプリのインストール、URLへのアクセス、送金などは行わないでください。
- 必要に応じて相談する。個人情報を伝えた場合や金銭被害がある場合は、関係する金融機関や警察に速やかに連絡します。
特に注意したいのが、電話口で「1番を押してください」「担当者につなぎます」と指示されるケースです。番号を押した後に人間の担当者を名乗る人物につながり、個人情報を聞き出される可能性があります。
国民生活センターも、こうした自動音声による不審電話への注意を呼びかけています。
困ったときに相談できる公的窓口金銭的な被害がなくても、不審な電話への対応に迷った場合は、公的な相談窓口を利用できます。
警察相談専用電話#9110
詐欺の疑いや、警察を名乗る電話に関する相談。緊急の事件・事故は110番。
消費者ホットライン188
最寄りの消費生活センターなどを案内。電話や契約、金銭トラブルの相談に利用できます。
迷惑電話対策相談センター(でんわんセンター)03-6162-1111
平日10時~17時。電話番号や国際電話の利用停止など、電話に関する相談を受け付けています。
警察庁、国民生活センター、総務省が関係する相談窓口を状況に応じて使い分けると、被害の拡大を防ぎやすくなります。
【プロの結論】+86の着信は番号だけで判断せず、行動で被害を防ぐ
国際電話の「+86」は中国の国番号です。しかし、番号の表示だけで安全な電話か詐欺電話かを完全に判断することはできません。
特に重要なのは、国番号と発信者の実際の所在地、そして電話の内容を混同しないことです。中国に知人や取引先がいる場合でも、突然の着信が本人からの電話だとは限りません。
一方、中国との関係がない人が+86から着信したからといって、すべての電話を犯罪と決めつける必要もありません。大切なのは、心当たりの有無と相手が要求している行動を基準に判断することです。
安全な対応を選ぶための判断基準- 中国に知人や取引先がいる人:着信だけで判断せず、普段使っている連絡手段で相手に確認する。
- 海外との通話が不要な人:固定電話は国際電話の利用休止を検討し、携帯電話は迷惑電話対策を設定する。
- 何度も不審な電話が来る人:番号の個別ブロックに加え、通信会社の迷惑電話対策サービスを活用する。
- 個人情報を伝えてしまった人:金融機関や警察に相談し、必要なパスワード変更や口座の保護を行う。
国際電話詐欺は、海外の番号を使うことだけでなく、警察や通信会社などの信用を悪用する点にも特徴があります。着信画面の表示を信用しすぎず、相手が急がせたり、お金や個人情報を要求したりしたときは、一度電話を切ることが有効です。
【国際電話86】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:+86から始まる電話番号はどこの国ですか?
A1:中国大陸の国番号です。+86の後ろに中国国内の電話番号が続きます。ただし、発信者が実際に中国にいるとは限りません。
Q2:+86から電話がかかってきたら詐欺ですか?
A2:必ずしも詐欺とは限りません。ただし、心当たりのない電話や自動音声で金銭・個人情報を要求する電話には注意が必要です。
Q3:+86の電話に出てしまったら料金はかかりますか?
A3:日本国内で日本の携帯電話に着信を受けただけなら、通常、受信側に通話料はかかりません。海外ローミング中は別途着信料金が発生する場合があります。
Q4:+86に折り返し電話をすると料金は高いですか?
A4:中国への国際電話料金が発生します。通信会社や契約プランによって異なるため、料金表を確認してください。心当たりがなければ折り返さないのが安全です。
Q5:+86からの着信を完全に拒否できますか?
A5:スマートフォンでは個別番号の着信拒否や迷惑電話対策サービスを利用できます。固定電話は国際電話不取扱受付センターで国際電話の着信休止を申し込めます。
Q6:国際電話不取扱受付センターは携帯電話にも対応していますか?
A6:同センターの利用休止制度は固定電話向けです。070・080・090の携帯電話は対象外となるため、携帯電話会社や端末の設定を利用してください。
Q7:+86からの電話を無視しても問題ありませんか?
A7:心当たりがなく、相手が特定できない場合は無視して問題ありません。重要な連絡の可能性が気になる場合は、着信履歴の番号に直接折り返すのではなく、知人や企業の公式な連絡先から確認しましょう。
国際電話の「+86」は中国の国番号であり、中国大陸の電話番号を識別するために使われています。
日本から中国に電話をかける場合は「010+86+相手の電話番号」、スマートフォンでは「+86+相手の電話番号」という形式が基本です。通話料金は通信会社や契約によって異なります。
一方、知らない+86番号から着信した場合は、安易に電話に出たり折り返したりしないことが大切です。電話に出てしまっても、日本国内で受けた着信であれば通常は受信側の通話料はかかりません。落ち着いて通話を終了し、必要に応じて番号をブロックしてください。
固定電話なら国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)、携帯電話なら端末の着信拒否や通信会社の迷惑電話対策サービスが利用できます。
国番号を知ること、知らない電話に折り返さないこと、個人情報や金銭を要求されたら応じないこと。この3点を徹底することが、国際電話を利用した詐欺から自分や家族を守るための基本です。