2026年の中央大学は、三大駅伝で安定して上位に食い込んだ一方、優勝争いを最後まで続けるには課題も残した。
大会ごとの成績を時系列で確認すると、次のようになる。
| 大会 | 開催日 | 総合順位 | 総合タイム |
|---|---|---|---|
| 第102回箱根駅伝 | 2026年1月2・3日 | 5位 | 10時間44分31秒 |
| 第38回出雲駅伝 | 2026年10月12日 | 5位 | 2時間7分36秒 |
| 第58回全日本大学駅伝 | 2026年11月1日 | 5位 | 5時間11分29秒 |
出典は中央大学の大会結果発表と箱根駅伝公式記録。出雲駅伝では大会新記録をマークし、全日本大学駅伝では6大会連続33回目の出場を果たした。
第102回箱根駅伝:往路3位から総合5位2026年1月2日・3日に開催された第102回箱根駅伝で、中央大学は総合5位に入った。
特に往路の戦いは見応えがあった。
1区の藤田大智が区間2位、3区の本間颯が区間賞、4区の岡田開成が区間2位と好走。往路を5時間19分44秒の3位で終えた。
しかし、復路では5時間24分47秒の6位となり、総合順位は5位に後退した。
注目したいのは10区だ。9区終了時点まで3位を維持していたものの、アンカーの吉中祐太が区間15位となり、最終的に2つ順位を落とした。
また、エースの吉居駿恭は大会直前にふくらはぎなどを痛め、当初想定していた配置から変更を余儀なくされた。
藤原監督はレース後、采配を「50点」と評価し、選手の能力を十分に引き出せなかったことを悔やんだと日刊スポーツが報じている。
第38回出雲駅伝:大会新記録で5位10月12日の第38回出雲駅伝では、中央大学は2時間7分36秒で総合5位となった。
前回大会の10位から5つ順位を上げたことは、チームの成長を示す材料だ。
区間ごとの結果も充実していた。
- 1区・藤田大智:22分51秒、区間3位
- 2区・岡田開成:15分51秒、区間4位
- 3区・三宅悠斗:23分36秒、区間4位(区間タイ)
- 4区・濵口大和:17分29秒、区間6位
- 5区・柴田大地:17分41秒、区間4位(区間新)
- 6区・栗村凌:30分08秒、区間7位
前半から主力を配置し、優勝を意識したオーダーを組んだことが特徴だった。
特に柴田の区間新記録は明るい材料だったが、最終6区では栗村が区間7位となり、チームは5位でフィニッシュした。
中央大学の公式発表でも、2時間7分36秒は大会新記録として記録されている。
第58回全日本大学駅伝:11月1日に5位が確定2026年11月1日に行われた第58回全日本大学駅伝でも、中央大学は5時間11分29秒で総合5位となった。
名古屋の熱田神宮から三重県の伊勢神宮まで、全8区間106.8kmを走る大会だ。
前回大会で2位だった中央大学は、悲願の初優勝を目指していた。しかし、序盤で大きく順位を落とす展開となった。
1区の簡子傑が区間4位と好スタートを切ったものの、2区の栗村凌が区間13位。総合順位は4位から12位まで下がった。
その後、3区の佐藤大介が区間3位、6区の並川颯太が区間2位と巻き返し、アンカーの藤田大智が5位まで順位を押し上げた。
優勝した早稲田大学との差は7分58秒だった。
【歴代成績】中央大学駅伝の優勝回数と名門復活の歩み

中央大学の駅伝を語るうえで欠かせないのが、箱根駅伝で築いてきた伝統だ。
中央大学陸上競技部は1920年に創部され、1921年の第2回箱根駅伝から出場している。
初優勝は1926年の第7回大会。その後、1950年代から1960年代にかけて大学駅伝界を代表する強豪として君臨した。
箱根駅伝の総合優勝は14回中央大学の箱根駅伝における歴代記録は次のとおり。
- 総合優勝:14回
- 連続優勝:6回
- 完全優勝:9回
- 最後の総合優勝:1996年(第72回大会)
特に1959年から1964年までの6連覇は、中央大学の歴史を象徴する記録である。
1996年には32年ぶりの総合優勝を達成。その後も2001年の往路優勝など、節目となる結果を残してきた。
中央大学は公式の箱根駅伝紹介ページで、15回目の総合優勝を目標に掲げている。
近年の箱根駅伝成績近年は順位の浮き沈みを経験しながら、再び優勝争いに近づいている。
| 大会 | 総合順位 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 第99回・2023年 | 2位 | 10時間48分53秒 |
| 第100回・2024年 | 13位 | 11時間1分58秒 |
| 第101回・2025年 | 5位 | 10時間52分49秒 |
| 第102回・2026年 | 5位 | 10時間44分31秒 |
2023年には22年ぶりの箱根駅伝表彰台となる総合2位を獲得した。
2024年には13位まで順位を落としたが、2025年と2026年は2年連続の総合5位。タイムも2026年は前年から8分18秒短縮している。
単純な順位だけでは見えにくいが、2026年は前年より走力を高めていることが数字から読み取れる。
一方、出雲駅伝と全日本大学駅伝では、箱根駅伝ほどの優勝実績を積み重ねられていない。
2025年までの主要大会名鑑では、出雲・全日本とも総合優勝0回、最高順位はいずれも2位と整理されている。2026年も両大会は5位だった。
つまり、中央大学にとっての歴史的な目標は、箱根で15回目の優勝を実現するだけでなく、三大駅伝すべてで優勝を狙えるチームになることだ。
【注目選手】藤田大智・岡田開成・並川颯太と2026年新入生
2026年の中央大学駅伝を支えているのは、複数の学年に分散した主力選手だ。
特定のエースだけに頼るのではなく、各区間に実力者を配置できることがチームの強みになっている。
藤田大智:チームを引っ張る主将2026年度・4年生/主将
は、2026年度の駅伝主将を務める中心選手だ。
西脇工業高校出身で、5000mの自己ベストは13分28秒68、10000mは27分40秒50。
2026年の主な成績は以下のとおり。
- 箱根駅伝:1区・区間2位
- 出雲駅伝:1区・区間3位
- 全日本大学駅伝:8区・区間9位
出雲では1区を任され、チームの先頭争いを担った。全日本では最長の8区を担当し、アンカーとして5位でゴールまで運んだ。
2027年の箱根駅伝でも、経験豊富な最上級生としてチームを支える存在になる。
岡田開成:箱根・出雲・全日本で活躍する次世代エース2026年度・3年生
は、洛南高校出身の実力者だ。
5000mの自己ベストは13分19秒44、10000mは27分37秒06。スピードと長距離への対応力を兼ね備える。
2026年の三大駅伝では、次の成績を残した。
- 箱根駅伝:4区・区間2位
- 出雲駅伝:2区・区間4位
- 全日本大学駅伝:7区・区間5位
特に箱根の4区で区間2位を記録した走りは評価できる。
藤原監督も2026年10月のインタビューで、藤田と岡田をエースとして挙げている。今後のチームを担う重要な選手だ。
並川颯太:復路と長距離区間で存在感2026年度・3年生
は、駅伝の中盤から後半にかけて存在感を発揮する選手だ。
2026年の箱根駅伝では6区を担当し、57分36秒で区間4位。
さらに全日本大学駅伝では6区を走り、36分54秒の区間2位を記録した。
全日本では序盤の順位低下を取り戻す重要な役割を果たしており、チームの立て直しを象徴する走りだった。
2027年の箱根駅伝でも、復路の重要区間を担える選手として注目したい。
2026年度の新入生と次世代戦力中央大学の長距離ブロックには、2026年度に複数の有望な新入生が加わった。
特に注目したいのが、栗村凌と簡子傑だ。
- 栗村凌:学法石川高校出身。5000mの高校ベスト13分34秒38。
- 簡子傑:仙台育英高校出身。5000mの高校ベスト13分48秒99。
この2人は、2026年の全日本大学駅伝でも1区・2区に起用された。
簡は区間4位と好走した一方、栗村は区間13位。大学駅伝の難しさを経験する結果となった。
そのほか、2026年度の1年生には次の選手がいる。
- 家光応輔
- 貝原悠里
- 蒲生悠
- 酒井崇史
- 末田唯久海
- 德山博貴
- 松尾翼
- 門間蒼大
中央大学陸上競技部の公式選手紹介には、各選手の出身校や自己ベストも掲載されている。新入生の成長は、今後の選手層を左右する要点だ。
中央大学駅伝の人物・役割相関表主要選手と指導者の関係を、2026年の実績とともに整理した。
| 人物 | 2026年度の立場 | 主な実績・役割 |
|---|---|---|
| 藤原正和 | 駅伝監督 | チーム全体の育成・戦略を担当 |
| 藤田大智 | 4年・主将 | 箱根1区2位、出雲1区3位 |
| 岡田開成 | 3年 | 箱根4区2位、出雲2区4位 |
| 並川颯太 | 3年 | 箱根6区4位、全日本6区2位 |
| 三宅悠斗 | 2年 | 出雲3区4位、全日本5区5位 |
| 栗村凌 | 1年 | 出雲6区、全日本2区に出走 |
この表から分かるのは、中央大学には各学年に駅伝を経験した選手がいるということだ。
一方、上級生の経験を下級生に引き継ぎ、複数区間で安定して上位を狙えるようにすることが、次の成長につながる。
【徹底分析】中央大学駅伝が3大会連続5位となった理由
箱根・出雲・全日本の3大会で総合5位。
この結果を単なる偶然として片付けることはできない。各大会の区間成績を比較すると、中央大学が抱えている共通の課題が見えてくる。
理由1:区間上位の選手がいても、全区間で安定しきれない2026年の中央大学には、区間賞や区間2位を獲得する選手がいた。
箱根では本間颯が3区で区間賞を獲得。出雲では柴田大地が5区で区間新記録をマーク。全日本では並川颯太が6区で区間2位となった。
個人の能力という点では、全国の強豪と十分に競える力を示している。
しかし、駅伝は1人の好走だけで勝てる競技ではない。
例えば箱根では、5区の柴田が区間11位、10区の吉中が区間15位。出雲では6区の栗村が区間7位だった。
全日本では2区の栗村が区間13位となり、チームの順位が一気に下がった。
区間上位の走りを複数区間で積み重ねられるか。
これが、5位から表彰台へ上がるための大きな条件となる。
理由2:長い区間や単独走への対応力藤原監督は、2026年10月の中大スポーツのインタビューで、箱根駅伝の課題として復路の8区・9区・10区を挙げていた。
特に、単独走で積極的に攻められる選手が不足しているとの認識を示していた。
また、5区の山上りについても年間を通じて対策してきたと説明している。
これは要点だ。
箱根駅伝では、前半で順位を上げるだけでなく、復路で他大学との競り合いに勝ち続ける必要がある。
2026年の結果でも、往路3位から復路6位へ順位を落としている。
したがって、2027年に向けては5区の適性を持つ選手の育成に加え、復路の長い距離で単独でも攻められる選手を育てることが求められる。
理由3:全日本大学駅伝前の調整に課題が残った2026年11月1日の全日本大学駅伝後、藤原監督は厳しい評価を下した。
スポニチアネックスの報道によると、出雲駅伝後に選手の疲労を考慮して練習量を落としたことについて、監督は次のように振り返った。
「もっと練習すべきだった」
加えて、選手の声を聞きすぎたことを反省点として挙げ、「大惨敗です」と総合5位の結果を厳しく受け止めた。
この発言から読み取れるのは、選手の疲労管理と大会に向けたコンディショニングの難しさだ。
疲労を抜くこと自体は必要だが、練習強度を落としすぎればレースで必要な持久力やスピードを維持できない可能性がある。
特に全日本大学駅伝は106.8kmの長距離レースだ。
短い出雲駅伝から長い全日本大学駅伝へ移行する際、どのような負荷で調整するかはチームの総合力に直結する。
5位から表彰台へ上がるための3つの改善点ここまでの結果を踏まえると、中央大学が改善すべき要点は次の3つに整理できる。
1. 区間ごとの安定感を高めること:一部の選手に負担が集中せず、全区間で大きな順位変動を防ぐ。
2. 復路の選手層を厚くすること:8~10区で単独走に対応できる選手を育てる。
3. 大会間の調整を最適化すること:疲労回復と練習強度のバランスを取り、レース当日に最大限の力を出す。
特に3つ目は、2026年の全日本大学駅伝後に監督自身が反省点として挙げた部分であり、箱根駅伝に向けた改善の優先順位は高い。
【2027年箱根駅伝】中央大学のシード権と次回出場・注目ポイント
2027年1月2日・3日に開催される第103回箱根駅伝。
中央大学は第102回大会で総合5位に入ったため、次回大会のシード権を獲得している。
箱根駅伝では前回大会の総合10位以内に入った大学が翌年のシード校となる。したがって、中央大学は予選会を経ずに本大会へ進める。
2026年10月17日に行われた第103回予選会の結果とは関係なく、中央大学の出場権はすでに確保されている。
2027年に注目したい選手の配置2027年の箱根駅伝で重要になるのは、藤田大智や岡田開成らの経験を生かした区間配置だ。
特に注目したいのは次のポイント。
- 藤田大智:主将としての経験を生かしたチームの牽引。
- 岡田開成:主要区間で安定した上位成績を残せるか。
- 並川颯太:復路の重要区間で再び上位を狙えるか。
- 三宅悠斗:下級生から成長した主力として、長距離区間を担えるか。
- 栗村凌・簡子傑:1年目の経験を次のシーズンに生かせるか。
藤田や岡田ら現在の上級生は、第103回大会の時点ではまだ大学に在籍している。したがって、2027年の箱根駅伝は経験豊富な上級生と成長途上の下級生が共存する大会になる。
一方、その後の卒業による戦力変化を考えると、下級生の台頭も欠かせない。
区間エントリーはいつ分かる?2026年11月2日時点では、第103回箱根駅伝の中央大学の正式な区間エントリーは発表されていない。
今後、チームエントリーや区間エントリーが公表されれば、誰が1区・2区などの主要区間を担当するかが明らかになる。
現段階で特定の選手を特定区間の確定メンバーとして扱うことはできない。
正式な情報は箱根駅伝公式サイトの第103回大会エントリー情報で確認する必要がある。
藤原正和監督が目指すチームの立て直し監督は、現役時代に世界陸上日本代表を3度経験し、2010年の東京マラソンでも優勝した実績を持つ。
駅伝監督としても長くチームを指導し、2023年の第99回箱根駅伝では総合2位へ導いた。
監督の指導方針には、選手が自ら考えて成長するチームづくりという特徴がある。
中央大学の公式インタビューでも、チームが自走できる状態を目指す指導について語っている。
ただし、2026年11月1日の全日本大学駅伝後には、目標設定についても現実的な見直しを示唆した。
藤原監督は箱根駅伝に向けて、まずは表彰台を現実的な目標として捉える考えを示したと報じられている。
この発言は、優勝という大きな目標を捨てたというよりも、直近の結果を踏まえて目の前の課題を明確にしたものと受け止められる。
2027年の中央大学に必要なのは、選手個人の能力をさらに高めるだけではない。駅伝というチーム競技で、全員が同じ方向を向き、最後まで流れを崩さない戦い方を身につけることだ。
【よくある質問】中央大学駅伝に関するFAQ
Q1:中央大学の2026年三大駅伝の結果は何位ですか?
A1:第102回箱根駅伝、第38回出雲駅伝、第58回全日本大学駅伝のすべてで総合5位です。箱根は10時間44分31秒、出雲は2時間7分36秒、全日本は5時間11分29秒でした。
Q2:中央大学は2027年の箱根駅伝に出場できますか?
A2:出場できます。2026年1月の第102回大会で総合5位となり、シード権を獲得しています。第103回大会は2027年1月2日・3日に開催予定です。
Q3:中央大学の箱根駅伝の優勝回数は何回ですか?
A3:総合優勝は14回です。1959年から1964年まで6連覇を達成し、最後の総合優勝は1996年の第72回大会です。大学は15回目の優勝を目標に掲げています。
2026年の中央大学駅伝は、三大駅伝すべてで総合5位という結果に終わった。
しかし、個々の区間成績を見ると、本間颯の箱根3区区間賞、柴田大地の出雲5区区間新記録、並川颯太の全日本6区区間2位など、明確な成長の証も残している。
藤田大智、岡田開成、並川颯太を中心とした戦力に加え、三宅悠斗や栗村凌ら若い選手の成長も期待できる。
一方で、全区間の安定感、復路の単独走、レース間の調整という課題は残されたままだ。
【プロの結論】中央大学の2027年箱根駅伝を評価するうえで、注目すべきなのは単純な総合順位だけではない。
見るべき要点は次の3つだ。
- 区間配置の精度:主力選手をどの区間に配置し、チーム全体の力を最大化するか。
- 選手層の厚さ:上級生だけでなく、下級生がどこまで主要区間を担えるか。
- 復路の勝負強さ:往路で作った流れを復路で維持し、最後まで順位を上げられるか。
箱根駅伝14回の総合優勝を誇る中央大学にとって、15回目の優勝は長年の目標だ。
2026年の三大会連続5位は、優勝に向けた道のりの厳しさを示すと同時に、チームの強みと弱点を明らかにしたシーズンでもあった。
2027年1月、第103回箱根駅伝で中央大学が再び表彰台に立てるか。
藤原正和監督の立て直しと、藤田・岡田ら主力選手の走り、そして新世代の台頭が、その答えを左右することになる。