2023年夏の新ドラマは、堺雅人主演の『VIVANT』を筆頭に、中村倫也主演の『ハヤブサ消防団』、目黒蓮主演の『トリリオンゲーム』、森七菜主演の『真夏のシンデレラ』など、ジャンルも出演者も個性豊かな作品がそろったシーズンだった。放送期間は主に2023年7月から9月。TBS、フジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日を中心に、恋愛、ミステリー、学園、仕事、サスペンスと幅広い作品が放送された。
2026年10月現在、当時の人気を振り返るうえで見逃せないのが、ビデオリサーチによる総合視聴率の集計だ。2023年夏の総合視聴率ランキングでは『VIVANT』が首位、『ハヤブサ消防団』が2位を獲得。リアルタイム視聴だけでは見えない録画視聴の動向からも、両作品の強さがうかがえる。本記事では、2023年7月期ドラマを曜日別に整理し、初回放送日、放送局、主演キャスト、あらすじ、視聴率データを照らし合わせながら、当時のドラマシーンを振り返る。
【2023年夏ドラマとは】7月期の放送時期と注目作品を総整理

2023年夏ドラマとは、一般的に2023年7月から9月にかけて放送されたテレビドラマを指す。テレビ局によって初回放送日や最終回の日程は異なり、7月上旬から始まる作品もあれば、8月にスタートする作品もあった。
このシーズンを象徴するのは、ジャンルの多様性だ。TBSは大型オリジナル作品『VIVANT』や漫画原作の『トリリオンゲーム』を投入。テレビ朝日は池井戸潤原作の『ハヤブサ消防団』や、伊藤沙莉主演の『シッコウ!!~犬と私と執行官~』で存在感を示した。
フジテレビでは森七菜と間宮祥太朗の『真夏のシンデレラ』、日本テレビでは松岡茉優主演の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』が話題を集めた。
なお、2023年夏ドラマの一覧には、7月に新しく始まった作品だけでなく、6月から放送が続いていた『刑事7人 season9』なども含まれる。以下では、地上波の主要な連続ドラマを中心に、放送開始日を基準として整理する。放送期間や曜日別の掲載情報はTVガイドWebの2023年夏ドラマガイドを参考にしている。
【曜日別一覧】2023年夏ドラマの放送局・初回放送日・主演キャスト
2023年7月期のドラマを曜日別に見ると、月曜日は恋愛と仕事、火曜日は法律や女性の生き方、水曜日は恋愛と人間ドラマ、木曜日はミステリーが目立つ構成だった。
特に注目したいのは、月曜日の『真夏のシンデレラ』、木曜日の『ハヤブサ消防団』、金曜日の『トリリオンゲーム』、日曜日の『VIVANT』。それぞれ異なる視聴者層を意識した作品で、2023年夏のドラマシーンを代表するタイトルとなった。
月曜日:恋愛ドラマと仕事ドラマが並ぶ| 作品名 | 放送局・時間 | 初回放送日 | 主演・主要キャスト | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| 真夏のシンデレラ | フジテレビ・21時 | 7月10日 | 森七菜、間宮祥太朗、神尾楓珠、吉川愛 | 海辺を舞台にした男女8人の恋愛模様 |
| 転職の魔王様 | フジテレビ系・22時 | 7月17日 | 成田凌、小芝風花、石田ゆり子 | 転職を通して仕事と人生を見つめ直す物語 |
| シッコウ!!~犬と私と執行官~ | テレビ朝日系・火曜21時 | 7月4日 | 伊藤沙莉、中島健人、織田裕二 | 執行官の仕事を描くお仕事コメディー |
| 18/40~ふたりなら夢も恋も~ | TBS系・火曜22時 | 7月11日 | 福原遥、深田恭子、鈴鹿央士 | 18歳と40歳の女性の絆を描く |
※表の曜日は各作品の実際の放送曜日を示している。火曜日の2作品も一覧に含めている。
火曜日:伊藤沙莉の新境地と年齢を超えた女性の絆火曜日21時の『シッコウ!!~犬と私と執行官~』は、伊藤沙莉がゴールデン帯の連続ドラマで主演を務めた作品。中島健人、織田裕二との共演も注目された。
22時の『18/40~ふたりなら夢も恋も~』は、福原遥と深田恭子のダブル主演。18歳の妊婦と、アートの仕事に携わる40歳目前の女性が出会い、世代を超えた関係を築いていくストーリーだった。
水曜日:恋愛、刑事、科学捜査の人気シリーズ| 作品名 | 放送局・時間 | 初回放送日 | 主演 | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| 刑事7人 season9 | テレビ朝日系・21時 | 6月7日 | 東山紀之 | 人気刑事シリーズの第9シーズン |
| 科捜研の女 season23 | テレビ朝日系・水曜21時枠 | 8月16日 | 沢口靖子 | 科学捜査を軸にした人気シリーズ |
| こっち向いてよ向井くん | 日本テレビ系・22時 | 7月12日 | 赤楚衛二 | 恋愛に不器用な男性の恋愛模様 |
| ばらかもん | フジテレビ系・22時 | 7月12日 | 杉野遥亮 | 五島列島を舞台にした人間ドラマ |
『刑事7人 season9』は6月7日開始で、7月期にまたがって放送された作品。『科捜研の女 season23』は8月16日に初回2時間スペシャルでスタートした。新作と長寿シリーズが共存していたのも、この時期の特徴だ。
木曜日:池井戸潤原作のミステリーに注目| 作品名 | 放送局・時間 | 初回放送日 | 主演・主要キャスト | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| ハヤブサ消防団 | テレビ朝日系・21時 | 7月13日 | 中村倫也、川口春奈 | 田舎町の連続放火と巨大な陰謀 |
| この素晴らしき世界 | フジテレビ系・22時 | 7月20日 | 若村麻由美 | 平凡な主婦が大女優の身代わりとなる物語 |
| 彼女たちの犯罪 | 日本テレビ系・23時59分 | 7月20日 | 深川麻衣、前田敦子、石井杏奈 | 女性たちの人生が交錯するサスペンス |
木曜日は、サスペンスやミステリーを楽しみたい視聴者に向いたラインアップだった。特に『ハヤブサ消防団』は、原作の知名度と中村倫也を中心とするキャストの組み合わせで注目を集めた。
金曜日:目黒蓮主演の『トリリオンゲーム』『トリリオンゲーム』は7月14日からTBS系金曜22時枠で放送。Snow Manの目黒蓮がハルを演じ、佐野勇斗がガク役を務めた。今田美桜、福本莉子、吉川晃司、國村隼らも出演した。
IT企業を舞台に、正反対の性格を持つ2人がゼロから会社を立ち上げ、1兆ドルを稼ぐという大胆な目標に挑戦する物語だ。漫画原作ならではのスピード感と、目黒蓮の新たな役柄が見どころとなった。
土曜日:松岡茉優主演の学園ドラマが登場| 作品名 | 放送局・時間 | 初回放送日 | 主演・主要キャスト | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| 最高の教師 1年後、私は生徒に■された | 日本テレビ系・22時 | 7月15日 | 松岡茉優、芦田愛菜、奥平大兼 | 卒業式の後に起きる事件と人生のやり直し |
| ノッキンオン・ロックドドア | テレビ朝日系・23時 | 7月29日 | 松村北斗、西畑大吾 | 正反対の探偵コンビによる謎解き |
『最高の教師』は、松岡茉優と芦田愛菜の共演が大きな見どころ。若手俳優が多数出演する学園ドラマとしても注目された。
日曜日:2023年夏を象徴する『VIVANT』| 作品名 | 放送局・時間 | 初回放送日 | 主演・主要キャスト | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| CODE-願いの代償- | 読売テレビ・日本テレビ系・22時30分 | 7月2日 | 坂口健太郎、染谷将太、松下奈緒 | 願いをかなえる謎のアプリをめぐる犯罪サスペンス |
| VIVANT | TBS系・21時 | 7月16日 | 堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司 | 国家規模の謎と巨大な陰謀を描く冒険ドラマ |
| 何曜日に生まれたの | テレビ朝日系・22時 | 8月6日 | 飯豊まりえ、溝端淳平 | 野島伸司脚本による人間ドラマ |
日曜日21時の『VIVANT』は、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司ら豪華キャストが集結した大型作品。放送開始前から出演者やストーリーの詳細を絞って発表する展開も特徴的だった。
以上が2023年夏の主要な地上波ドラマの曜日別一覧だ。初回放送日や放送時間は作品によって異なるため、再放送や配信で視聴する場合は各局の番組情報も確認したい。
【話題作を深掘り】2023年夏ドラマのあらすじ・キャストと人物関係
曜日別の一覧から、特に検索需要が高い7作品を詳しく見ていこう。単に主演俳優の知名度だけでなく、物語の設定や共演者との関係性にも、それぞれ異なる魅力があった。
1.VIVANT:堺雅人・阿部寛・二階堂ふみ・松坂桃李・役所広司『VIVANT』は2023年7月16日から9月17日までTBS系日曜劇場で放送された。主演は堺雅人。阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也など、実力派俳優が出演した。
主人公は丸菱商事に勤める乃木憂助。太陽エネルギー事業をめぐる送金トラブルをきっかけに、中央アジアの架空国家バルカへ向かうことになる。そこで爆発事件に巻き込まれ、テロリストの疑いをかけられた乃木は、公安の野崎守や医師の柚木薫と関わりながら、事件の裏側に迫っていく。
本作の特徴は、企業の送金問題から国家間の陰謀へと物語が広がる構成だ。単純な刑事ドラマや企業ドラマとは異なり、視聴者が登場人物の正体や立場を推理しながら楽しめる作品だった。
TBSの公式キャスト情報では、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司のほか、二宮和也らの出演も確認できる。特に複数の人物の関係が物語の進行とともに変化する点が大きな見どころだった。
2.ハヤブサ消防団:中村倫也・川口春奈『ハヤブサ消防団』は、池井戸潤の小説を原作とするテレビ朝日系木曜ドラマ。2023年7月13日にスタートし、9月14日に最終回を迎えた。
中村倫也が演じるのは、ミステリー作家の三馬太郎。父の故郷である山間の集落・ハヤブサ地区に移住し、地元の消防団に加入する。しかし、静かな田舎暮らしを期待していた太郎の周囲では、連続放火や住民の失踪など不穏な出来事が起き始める。
川口春奈が演じる立木彩は、東京から移住してきた映像ディレクター。満島真之介、古川雄大、山本耕史、生瀬勝久らが物語を支えた。
注目したいのは、消防団という地域に根差した組織を、ミステリーの中心に据えた点だ。都会から来た主人公が地域社会の人間関係に入り込むことで、閉鎖的な集落の秘密が少しずつ明らかになっていく。
池井戸作品らしい人間関係の緊張感に、連続放火事件をめぐる謎解きが加わったことで、幅広い層が楽しめる作品となった。
3.トリリオンゲーム:目黒蓮・佐野勇斗『トリリオンゲーム』は、2023年7月14日からTBS系金曜ドラマ枠で放送された。目黒蓮が天王寺陽(ハル)、佐野勇斗が平学(ガク)を演じた。
ハルはコミュニケーション能力と大胆な発想に優れた人物。一方、ガクは高いプログラミング能力を持つが、人付き合いが得意ではない。2人は大手IT企業の採用をめぐる出来事をきっかけに再び出会い、世界一の企業を目指して起業する。
今田美桜が演じる黒龍キリカ、福本莉子演じる高橋凜々、吉川晃司演じる祁答院一輝、國村隼演じる黒龍一真も物語の重要人物だ。
本作の面白さは、技術力だけでは成功できないビジネスの世界を、2人の異なる才能によって描いたところにある。目黒蓮の大胆なハルと、佐野勇斗の実直なガクという対照的な人物像も作品の魅力だった。
4.真夏のシンデレラ:森七菜・間宮祥太朗2023年7月10日スタートのフジテレビ系月9ドラマ。森七菜が蒼井夏海、間宮祥太朗が水島健人を演じた。
海辺の町で暮らす女性と、異なる環境で生きてきた男性たちの出会いを中心に、男女8人の恋愛模様を描いたオリジナル作品だ。
主要キャストには神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐、仁村紗和、水上恒司が名を連ねた。夏の海を背景に、恋愛や友情、将来への迷いなど、若い世代の感情を描いている。
森七菜と間宮祥太朗の初共演も話題となった。フジテレビの公式キャスト発表では、8人の主要キャストが作品の中心として紹介されている。
5.最高の教師 1年後、私は生徒に■された:松岡茉優・芦田愛菜日本テレビ系で2023年7月15日から放送された学園ドラマ。松岡茉優が教師の九条里奈を演じ、芦田愛菜をはじめとする若手俳優が生徒役で出演した。
卒業式の日、生徒たちを送り出した九条は、校舎から突き落とされる。最後に目にしたのは制服の袖。死を目前にした彼女が気づくと、1年前の始業式の日に戻っていた。
自分を殺すことになる生徒は誰なのか。九条は30人の生徒と本気で向き合い、未来を変えるために行動を始める。
出演者には奥平大兼、加藤清史郎、當真あみ、茅島みずき、山時聡真、本田仁美、窪塚愛流らが参加。松岡茉優の教師役と、芦田愛菜を含む生徒たちの演技が物語の軸となった。
単なる学園ミステリーにとどまらず、学校内の人間関係や大人と子どもの距離、教育のあり方を問いかける構成が特徴だった。
6.こっち向いてよ向井くん:赤楚衛二・生田絵梨花・波瑠『こっち向いてよ向井くん』は2023年7月12日から日本テレビ系水曜22時枠で放送された。主演は赤楚衛二。原作はねむようこの同名漫画だ。
主人公の向井悟は35歳の会社員。気づけば10年間恋人がおらず、恋愛の進め方を忘れかけている。過去の恋愛への未練を抱えながら、新しい出会いを通じて自分の恋愛観を見つめ直していく。
生田絵梨花、岡山天音、藤原さくら、財前直見、市原隼人、波瑠らが共演。恋愛に対する男女の考え方や、善意のつもりで発した言葉が相手にどう受け止められるのかを、ユーモアを交えて描いた。
大きな事件が起きるタイプの作品ではないが、日常の会話や価値観の違いに共感できる点が魅力だった。
7.シッコウ!!~犬と私と執行官~:伊藤沙莉・中島健人・織田裕二2023年7月4日スタートのテレビ朝日系火曜21時ドラマ。伊藤沙莉が吉野ひかりを演じ、中島健人、織田裕二らが共演した。
物語の中心となるのは、裁判所に所属し、裁判で決まった内容を実現する執行官という仕事。家の明け渡しや動産の差し押さえなど、一般の視聴者にはなじみの薄い業務が描かれる。
吉野ひかりは、ペット関連の仕事に就いたものの、勤務先が執行を受けて倒産。その出来事をきっかけに執行官の小原樹と出会い、犬に好かれる能力を見込まれて執行補助者として働き始める。
伊藤沙莉と織田裕二の凸凹バディに、中島健人が加わる構成が特徴。法律や裁判所の仕事をテーマにしながら、犬との交流や人間味のあるエピソードを盛り込んだ作品だった。
以上の7作品は、恋愛、学園、ビジネス、ミステリー、法律と、それぞれ異なるジャンルを代表している。2023年夏ドラマが多様な視聴者の関心を取り込んでいたことが分かる。
【視聴率ランキング】ビデオリサーチ調査で見るVIVANTとハヤブサ消防団の強さ
2023年夏ドラマを数字で振り返る際に参考になるのが、ビデオリサーチが2023年10月11日に公開した「2023年夏ドラマまとめ ~総合視聴率ランキング~」だ。
同社の集計対象は、2023年7月3日から10月1日までの19時台から24時台に放送された15分以上のレギュラードラマ。関東地区のデータをもとに、リアルタイム視聴率、タイムシフト視聴率、総合視聴率がまとめられている。
総合視聴率ランキング上位3番組ビデオリサーチの公表データによる総合視聴率ランキングは次の通りだ。数値は最終回など、ランキングに掲載された各番組の放送回に対するもの。
- 1位:VIVANT(2023年9月17日放送・個人20.0%・世帯29.8%)
- 2位:ハヤブサ消防団(2023年9月14日放送・個人12.1%・世帯20.2%)
- 3位:どうする家康(2023年7月23日放送・個人11.0%・世帯18.9%)
『VIVANT』は個人総合視聴率20.0%、世帯総合視聴率29.8%で1位。2位の『ハヤブサ消防団』も個人12.1%、世帯20.2%と高い数字を記録した。
注目すべきは、両作品ともリアルタイムだけでなく、タイムシフト視聴でも上位に入っていることだ。放送時間にテレビの前にいられなかった視聴者にも、作品が届いていたことを示している。
リアルタイム視聴率でもVIVANTが首位リアルタイム視聴率のランキングでも、『VIVANT』は最終回で個人12.9%、世帯19.6%を記録して首位となった。
同じランキングでは、『ハヤブサ消防団』最終回が個人6.2%・世帯10.6%。『シッコウ!!~犬と私と執行官~』は個人5.6%・世帯9.6%、『最高の教師』最終回は個人4.4%・世帯7.4%だった。
また、『トリリオンゲーム』は個人4.2%・世帯7.4%、『真夏のシンデレラ』は個人4.0%・世帯6.9%を記録している。
タイムシフト視聴率から見える作品の人気タイムシフト視聴率は、放送と同時ではなく、録画などで後から視聴した割合を示す。ビデオリサーチの定義では、放送日から7日以内、168時間以内の視聴が対象となる。
2023年夏ドラマのランキングでは、『VIVANT』が個人8.7%・世帯13.8%で1位。『ハヤブサ消防団』は個人6.2%・世帯10.7%で2位だった。
『トリリオンゲーム』は個人4.6%・世帯7.8%、『最高の教師』は個人4.6%・世帯7.7%。どちらもタイムシフト視聴の上位に入っている。
この結果からは、リアルタイムで見るだけでなく、後から視聴するスタイルも作品の人気を支えていたことが分かる。
総合視聴率とリアルタイム視聴率は何が違う?ここで重要なのが、3種類の数字を混同しないことだ。
- リアルタイム視聴率:番組の放送と同時に視聴した割合。
- タイムシフト視聴率:放送後7日以内に録画などで視聴した割合。
- 総合視聴率:リアルタイムまたはタイムシフトのどちらかで視聴した割合。両方で見た場合の重複は除外される。
つまり、総合視聴率はリアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率を単純に足した数字ではない。ビデオリサーチも、両方の視聴を重複なく集計する指標として説明している。
また、ランキングの3位に入った『どうする家康』は、2023年7月に始まった新ドラマではなく、同年1月から放送されていた大河ドラマだ。今回のランキングは7月期の集計期間内に放送された番組を対象としているため、7月スタートの新作だけを比較した順位とは異なる。
この違いを理解せずにランキングを紹介すると、作品の実際の人気や順位を誤解する可能性がある。2023年夏の新ドラマ同士を比較する場合は、対象作品と集計期間をそろえることが大切だ。
【プロの結論】2023年夏ドラマの人気を2026年から読み解く
2023年夏ドラマの視聴率データと作品内容を照らし合わせると、当時の人気を支えた要素は大きく3つに分けられる。
1.大規模な謎解きと豪華キャストが視聴者を引きつけた『VIVANT』の強さは、単に出演者が豪華だったことだけではない。企業の送金トラブルから海外での事件、国家規模の秘密へと展開するストーリーが、毎週の放送を追いかけたくなる構造を作っていた。
堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司という主要キャストの共演に加え、二宮和也らの登場も作品への関心を高めた。2026年から振り返っても、2023年夏のドラマを代表する作品として位置づけられる。
2.ミステリーと日常を融合させたハヤブサ消防団『ハヤブサ消防団』が総合視聴率2位となった背景には、田舎町という身近な舞台と、連続放火事件という非日常的な謎の組み合わせがある。
主人公が地域社会に入り込み、住民との交流を通じて真相に迫るという構成は、人物関係を楽しみたい視聴者にも、謎解きを楽しみたい視聴者にも訴求するものだった。
『VIVANT』とはスケールも物語の舞台も違うが、先の展開が気になるサスペンスという点で共通している。
3.俳優の新しい役柄と共感型のストーリー『トリリオンゲーム』の目黒蓮、『真夏のシンデレラ』の森七菜、『最高の教師』の松岡茉優、『こっち向いてよ向井くん』の赤楚衛二、『シッコウ!!』の伊藤沙莉など、2023年夏は俳優の個性を生かした作品も多かった。
それぞれの作品は、必ずしも同じ視聴率の基準で評価できるものではない。大規模なサスペンスと、日常的な恋愛ドラマでは、視聴者が作品に求める楽しみ方が違うからだ。
特にタイムシフト視聴率は、放送時間に縛られず作品を楽しむ視聴者の存在を捉えるうえで参考になる。リアルタイム視聴率だけでは、作品の視聴実態を十分に説明できない時代になっていたことが分かる。
2026年に見返すなら、どの作品がおすすめ?- 壮大なサスペンスが好き:『VIVANT』。複数の人物の正体や組織の秘密を考察しながら楽しみたい人向け。
- 地方を舞台にしたミステリーが好き:『ハヤブサ消防団』。人間関係と事件の謎を両方楽しみたい人向け。
- ビジネスや起業の物語が好き:『トリリオンゲーム』。型破りな主人公と相棒の活躍を楽しみたい人向け。
- 夏らしい恋愛ドラマが好き:『真夏のシンデレラ』。海辺の風景や男女の恋愛模様を楽しみたい人向け。
- 社会派の学園ドラマが好き:『最高の教師』。教育や人間関係について考えたい人向け。
- 恋愛の価値観を考えたい:『こっち向いてよ向井くん』。不器用な恋愛や日常の会話に共感したい人向け。
- 仕事ドラマを気軽に楽しみたい:『シッコウ!!』。法律や執行官の仕事、動物との交流に興味がある人向け。
反対に、恋愛ドラマに興味がない人には『真夏のシンデレラ』や『こっち向いてよ向井くん』は優先順位が下がるかもしれない。複雑な伏線を追うことが苦手なら、『VIVANT』よりも日常を描く作品から視聴するほうが楽しみやすい。
作品を選ぶ際には、視聴率の高さだけではなく、ジャンル、物語のテンポ、出演者、1話あたりの長さなどを基準にすると、自分に合った作品を見つけやすい。
【新ドラマ2023年夏】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年夏ドラマで最も視聴率が高かった作品は何ですか?
A1:ビデオリサーチの2023年夏ドラマ総合視聴率ランキングでは『VIVANT』が1位です。2023年9月17日の最終回は個人総合視聴率20.0%、世帯総合視聴率29.8%を記録しました。
Q2:2023年夏ドラマで視聴率2位だった作品は何ですか?
A2:『ハヤブサ消防団』です。2023年9月14日の最終回は個人総合視聴率12.1%、世帯総合視聴率20.2%でした。主演は中村倫也、共演は川口春奈らです。
Q3:目黒蓮が出演した2023年夏ドラマは何ですか?
A3:TBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』です。2023年7月14日に放送が始まり、目黒蓮がハル役、佐野勇斗がガク役を演じました。今田美桜、福本莉子、吉川晃司、國村隼らも出演しています。
Q4:森七菜主演の2023年夏ドラマは何ですか?
A4:フジテレビ系月9ドラマ『真夏のシンデレラ』です。2023年7月10日スタートで、間宮祥太朗、神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐らが出演しました。
Q5:2023年夏ドラマの視聴率ランキングは全話平均ですか?
A5:ビデオリサーチの公表する夏ドラマ総合視聴率ランキングは、各番組の放送回単位で集計されたものです。掲載された最終回などの数値を、そのまま全話平均視聴率として扱うことはできません。全話平均を比較する場合は、別途、各話のリアルタイム視聴率を集計したデータを確認する必要があります。
Q6:総合視聴率とタイムシフト視聴率の違いは何ですか?
A6:タイムシフト視聴率は放送後7日以内の録画などによる視聴を示します。総合視聴率はリアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかで視聴した割合で、両方で見た場合の重複を除外して集計します。
2023年夏の新ドラマは、月曜日の『真夏のシンデレラ』から日曜日の『VIVANT』まで、曜日ごとに異なるジャンルの作品が並んだ充実したシーズンだった。
ビデオリサーチの総合視聴率ランキングでは、『VIVANT』が1位、『ハヤブサ消防団』が2位を獲得。両作品ともリアルタイムとタイムシフトの両面で高い視聴率を記録しており、2023年夏を代表する作品として数字にも残っている。
一方、『トリリオンゲーム』『真夏のシンデレラ』『最高の教師』『こっち向いてよ向井くん』『シッコウ!!』も、それぞれ異なるテーマとキャストで視聴者を楽しませた。
2026年に改めて2023年夏ドラマを振り返るなら、単純な視聴率ランキングだけで作品を選ぶ必要はない。豪華キャストによる大作を楽しむのか、恋愛や仕事に共感するのか、ミステリーの謎解きを味わうのか。自分が求めるジャンルから選ぶことで、当時見逃した作品にも新しい魅力を発見できるはずだ。