「水10ドラマ」は、基本的に水曜日の22時台に放送される連続ドラマを指す通称だ。ただし、フジテレビと日本テレビでは枠の成り立ちも名称も異なる。
2026年10月期は、両局が同じ時間帯に新作を投入している。つまり、同じ「水10」という検索キーワードでも、視聴者が探している作品は2つの異なる放送局にまたがっている。
2026年10月期の水10ドラマ一覧
『ポリティカルパン』
- 主演:石原さとみ
- 放送開始:2026年10月7日
- 放送時間:毎週水曜22:00~22:54
- 脚本:野木亜紀子
政治資金を狙う女怪盗を描いた社会風刺型エンターテインメント。
『メリーベリーラブ』
- W主演:今田美桜、チ・チャンウク
- 放送開始:2026年10月7日
- 放送時間:毎週水曜22:00~22:54
- 脚本:イ・ジェユン
日本の島を舞台にした日韓共同制作のロマンティック・ラブコメディ。
フジテレビの公式発表では『ポリティカルパン』を10月7日から放送すると告知。日本テレビも同日に『メリーベリーラブ』をスタートさせている。
【徹底比較】ポリティカルパンとメリーベリーラブのキャスト・あらすじ・見どころ

2026年秋の2作品は、放送時間こそ同じだが、物語の方向性は大きく異なる。
① フジテレビ『ポリティカルパン』『ポリティカルパン』は、石原さとみが主演を務めるオリジナルドラマ。脚本は『アンナチュラル』『MIU404』『逃げるは恥だが役に立つ』などを手掛けた野木亜紀子だ。
主人公は、如月弥生。政治資金の不透明な使われ方に目をつけ、政界に潜入する女性の怪盗である。
舞台となるのは架空の国・ニッポニア。与党の金庫番を務めるエリート議員らとの駆け引きを通じて、政治と金、人間の欲望、正義の境界線を描いていく。
主な出演者
- 石原さとみ
- 高橋一生
- 河合優実
- 寛一郎
- 川西拓実(JO1)
- 渡部篤郎
- 草刈正雄
- 余貴美子
- 古舘寛治
- 岩松了
- 酒向芳
脚本家・野木亜紀子と石原さとみの再タッグは、2018年の『アンナチュラル』以来、約8年ぶり。加えて、音楽を岩崎太整、主題歌をRADWIMPSが担当する。
単なる政治ドラマではなく、怪盗という娯楽性の高い設定を通じて、政治資金の問題を視聴者に身近に感じさせる構成が特徴だ。
② 日本テレビ『メリーベリーラブ』『メリーベリーラブ』は、日本テレビと韓国の制作会社CJ ENMによる共同プロジェクト。
主演は今田美桜とチ・チャンウク。韓国の人気俳優と日本の俳優がダブル主演を務める国際共同制作作品だ。
物語の中心となるのは、韓国で成功を収めながら、ある事件によって地位と財産を失った空間プランナーのイ・ユビンと、祖父の遺志を受け継いでイチゴを育てる農業女子・白浜夏凛。
ユビンは日本の島・茶呂島へ向かい、そこで夏凛と出会う。最悪の出会いから始まる2人の関係が、島の人々との交流を通じて変化していく。
主な出演者
| 俳優 | 役名 |
|---|---|
| チ・チャンウク | イ・ユビン |
| 今田美桜 | 白浜夏凛 |
| ナム・ユンス | パク・クナム |
| 久間田琳加 | 水野麻理 |
| チョン・スンウォン | キム・ボンス |
| イ・ヒョイン | ハン・シア |
| 佐戸井けん太 | 白浜謙市 |
| 段田安則 | 黒川正人 |
監督はキム・スジョン、ノ・ヨンソプ、脚本はイ・ジェユン。メインテーマにはSEKAI NO OWARIの「Supermarket」が採用されている。
③ 2作品の違いを一覧で比較両作品の基本情報と放送初週の視聴データを
視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区、2026年10月5日~11日のデータ。個人総合視聴率はリアルタイム視聴と録画視聴を重複除外して集計した数値。
【放送局比較】フジテレビの水10と日本テレビの水曜ドラマは何が違う?
「フジテレビ水10ドラマ」と「日本テレビ水曜ドラマ」は、同じ水曜22時台に放送されているものの、歴史的には別々のドラマ枠である。
フジテレビは新しいヒーロー像と配信展開を重視フジテレビの水10ドラマは、2022年4月に新設された枠として再スタートした。
第1作は間宮祥太朗主演の『ナンバMG5』。フジテレビは新しいヒーロー像を描く作品を送り出すことを当初のコンセプトとして掲げ、若年視聴者層や動画配信との相性も意識していた。
その後は『テッパチ!』『親愛なる僕へ殺意をこめて』『わたしのお嫁くん』『ばらかもん』『パリピ孔明』『婚活1000本ノック』『ブルーモーメント』『新宿野戦病院』など、ジャンルの異なる作品を投入してきた。
特定のジャンルに固定せず、原作ものからオリジナル作品まで幅広く扱う点が特徴だ。
日本テレビは長年続く看板ドラマ枠日本テレビの水曜ドラマは、長年にわたって視聴者に親しまれてきた看板枠である。
特に女性主人公の仕事、恋愛、人間関係、生き方を描いた作品が数多く生まれてきた。
代表例は次の通り。
- 『ごくせん』
- 『ハケンの品格』
- 『ホタルノヒカリ』
- 『家政婦のミタ』
- 『花咲舞が黙ってない』
- 『奥様は、取り扱い注意』
- 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』
- 『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』
一方、2026年の『メリーベリーラブ』では、韓国の制作会社と組んだ国際共同制作という新しい方向性が打ち出された。
従来の国内向けドラマ制作だけでなく、海外配信まで視野に入れた作品づくりに踏み込んでいる。
【歴代一覧】水10ドラマの歴史と変遷を年代別に解説
水10ドラマの歴史を理解するうえで押さえておきたいのは、フジテレビと日本テレビでは、放送枠の変遷がまったく異なることだ。
日本テレビの水曜ドラマの歩み日本テレビの水曜22時枠は、長期間にわたって続いてきた伝統的なドラマ枠だ。
1990年代から2000年代にかけては、強烈な主人公や社会性のあるテーマを扱った作品が人気を獲得した。
2010年代には『家政婦のミタ』『花咲舞が黙ってない』『家売るオンナ』など、キャラクターの個性と分かりやすい物語展開を両立した作品が目立つようになった。
2020年代には『ハコヅメ』『恋です!』『悪女(わる)』など、多様な女性主人公を中心にした作品が登場している。
特に注目したいのが、2024年の枠移動だ。
2024年春、日本テレビは水曜22時のドラマ枠を終了し、土曜21時に「土ドラ9」を設置した。フジテレビと同時間帯で競合する状況を避け、土曜21時と22時にドラマを連続編成する戦略だった。
しかし、2025年春には水曜22時のドラマ枠が復活。復活第1作は志尊淳と岸井ゆきのがダブル主演を務める『恋は闇』だった。
フジテレビの水10ドラマの歩みフジテレビの水曜22時ドラマ枠は、実は2022年が初めてではない。
過去にも複数回、設置と終了を繰り返してきた。
1991年10月~1992年9月
フジテレビの水曜22時ドラマ枠が始まる。約1年でいったん終了。
1998年4月~1999年9月
2度目の復活。日本テレビの水曜ドラマと再び競合する。
2013年4月~2016年3月
3度目の設置。『家族ゲーム』『リーガルハイ』第2期などが放送された。
2022年4月~
4度目の再スタート。『ナンバMG5』を第1作として、現在の水10ドラマ枠が展開されている。
この変遷は、テレビ解説者・木村隆志氏がマイナビニュースで分析した水曜22時台の編成史でも取り上げられている。
フジテレビにとって水曜22時は、何度も挑戦してきた一方で、競争の厳しさから撤退を経験した時間帯でもある。
【人気ランキング】歴代水10ドラマで特に支持された作品は?
水10ドラマの人気を考える際には、視聴率ランキングと視聴者アンケートによる人気ランキングを分ける必要がある。
視聴率は放送当時の視聴状況を示す指標であり、アンケートは作品への好意や記憶に残る度合いを示すものだからだ。
日本テレビの水10ドラマ人気ランキングランキングー!が2022年3月に実施した調査では、10~50代の女性3,167人が回答した。
2010年以降の日本テレビ水10ドラマを対象にしたランキングの上位は次の通り。
| 順位 | 作品名 | 放送年 | 主演 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 家政婦のミタ | 2011年 | 松嶋菜々子 |
| 2位 | ハコヅメ~たたかう!交番女子~ | 2021年 | 戸田恵梨香・永野芽郁 |
| 3位 | ホタルノヒカリ2 | 2010年 | 綾瀬はるか |
| 4位 | 恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~ | 2021年 | 杉咲花 |
| 5位 | 奥様は、取り扱い注意 | 2017年 | 綾瀬はるか |
1位の『家政婦のミタ』は、松嶋菜々子演じる無表情で謎めいた家政婦が、家庭内の問題に向き合う物語だった。
作品を象徴する「承知しました」という言葉も大きな話題になり、最終回の視聴率は40%を超えた。
人気の背景には、主人公の強烈なキャラクターだけでなく、家族という身近なテーマを通して、視聴者が物語に感情移入できる構成があった。
一方、『ハコヅメ』は警察という職業を舞台に、先輩と後輩の関係や日常の仕事をユーモラスに描いた作品。『ホタルノヒカリ2』は恋愛と日常生活の両方を楽しめる作品として支持された。
この3作品を比較すると、日本テレビの水10ドラマが、社会性、職業ドラマ、恋愛という複数の方向から人気を獲得してきたことが分かる。
2026年秋の視聴率はどうなっている?2026年秋の2作品については、ビデオリサーチが公表した関東地区の初回放送データが参考になる。
| 指標 | ポリティカルパン | メリーベリーラブ |
|---|---|---|
| 初回放送日 | 10月7日 | 10月7日 |
| 個人リアルタイム | 3.2% | 2.1% |
| 個人タイムシフト | 3.6% | 1.9% |
| 個人総合 | 6.7% | 4.0% |
| 世帯リアルタイム | 5.6% | 3.9% |
| 世帯総合 | 12.0% | 7.5% |
初回の数字では『ポリティカルパン』が上回った。
ただし、ここで注意したいのは、テレビ視聴率だけで作品の人気を判断できないという点だ。
録画視聴、TVerなどの見逃し配信、NetflixやDisney+での視聴は、それぞれ異なる指標で評価される。特に2026年は、放送終了後の配信実績も作品の評価を左右する要素になっている。
【見逃し配信】水10ドラマを無料・有料で視聴する方法
水10ドラマを見逃した場合、放送局によって利用できる配信サービスが異なる。
『ポリティカルパン』の配信無料の見逃し配信サービス。放送後の視聴に対応。
フジテレビの公式動画配信サービス。TVerとともに初回見逃し配信の再生数集計対象となった。
2026年10月7日の放送終了後から国内および世界向けの配信が決定。
フジテレビの発表によると、『ポリティカルパン』の初回見逃し配信は、放送後1週間で326万再生を突破した。
この数字はTVerとFODの合計で、水10ドラマの初回見逃し配信として歴代2位の記録。さらにNetflixの日本週間TOP10でも、シリーズ部門3位を獲得した。
地上波のリアルタイム視聴率だけでは捉えきれない反響が生まれている。
『メリーベリーラブ』の配信第1話からの見放題独占配信。毎週水曜日23時に新エピソードを配信する予定。
TVer
リアルタイム配信と最新話の見逃し配信に対応。
『メリーベリーラブ』は、日本テレビとCJ ENMの共同制作作品であり、Disney+での世界配信も大きな特徴だ。
第1話からまとめて視聴したい場合はDisney+、最新話を無料で確認したい場合はTVerという使い分けができる。
【放送終了の理由】水10ドラマはなぜ休止と復活を繰り返すのか?
「水10ドラマは終了したの?」「フジテレビの水10はなくなるの?」という疑問が検索される背景には、過去の編成変更がある。
しかし、ここで区別したいのが、個別の連続ドラマの最終回と、放送枠そのものの終了だ。
日本テレビが2024年に水曜ドラマを終了した理由2024年3月、日本テレビは33年続いた水曜22時のドラマ枠を終了し、土曜21時にドラマ枠を移動した。
背景として指摘されたのが、フジテレビとの同時間帯の競合だ。
2022年春にフジテレビが水曜22時のドラマ枠を復活させたことで、両局のドラマが完全に重なる状況になった。
テレビ解説者・木村隆志氏は、マイナビニュースの記事で、この競合がリアルタイム視聴者を奪い合う状況を生み出していたと分析している。
日本テレビが選んだのは、ドラマ枠を単純に増やすことではなく、土曜21時と22時に連続してドラマを放送する編成だった。
しかし、土曜へ移動した後の水曜22時に放送されたバラエティ番組『世界頂グルメ』は、2025年3月にレギュラー放送を終了。
その結果、2025年4月に水曜ドラマが再び復活した。
フジテレビが何度も水10ドラマを終了した理由フジテレビも過去に複数回、同時間帯のドラマ枠を終了している。
その背景には、同時間帯に他局のドラマが存在することによる視聴率競争や、番組編成上の判断がある。
1991年、1998年、2013年、2022年という4度の設置・再開の歴史は、ドラマ枠が必ずしも固定されたものではないことを示している。
特に2022年の再スタートは、動画配信の重要性が高まる中で、地上波の放送枠を新たなコンテンツ発信の場として活用する動きでもあった。
【プロの結論】水10ドラマの終了は作品と放送枠を分けて考える水10ドラマの放送終了について、最も大切なのは次の3点だ。
1. 作品の終了と枠の終了は別物。 3か月前後で連続ドラマが最終回を迎えても、放送枠自体がなくなるとは限らない。
2. 視聴率だけで編成は決まらない。 配信再生数、広告収益、視聴者層、他局との競合など複数の要素が関係する。
3. 過去の休止は将来の終了を意味しない。 日本テレビは実際に2025年春に水曜ドラマを復活させている。
2026年11月2日時点では、フジテレビと日本テレビの両方で水曜22時のドラマが放送されている。両枠について、放送終了が決定したという公式発表は確認できない。
今後の動向を見る際には、番組改編の発表と、個別作品の最終回情報を分けて確認することが重要だ。
【水10ドラマに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:水10ドラマは何時から放送されていますか?
A1:2026年秋のフジテレビ『ポリティカルパン』と日本テレビ『メリーベリーラブ』は、どちらも毎週水曜日22時から22時54分まで放送されている。
Q2:フジテレビと日本テレビの水10ドラマは同じ番組ですか?
A2:別々のドラマ枠である。フジテレビは「水10ドラマ」、日本テレビは「水曜ドラマ」として編成している。2026年秋は両局が同時刻に異なる作品を放送している。
Q3:水10ドラマは放送終了したのですか?
A3:日本テレビは2024年春に水曜ドラマ枠を終了したが、2025年春に復活した。フジテレビも過去に休止と再開を繰り返している。2026年11月2日現在、両局の水曜22時ドラマ枠は放送中だ。
2026年秋の水10ドラマは、フジテレビの『ポリティカルパン』と日本テレビの『メリーベリーラブ』という、対照的な2作品が同じ時間帯に並ぶシーズンとなった。
石原さとみと野木亜紀子による社会風刺型の怪盗ドラマ、今田美桜とチ・チャンウクによる日韓共同制作の恋愛ドラマ。それぞれ異なる魅力があり、作品の選び方も視聴者の好みによって変わってくる。
歴代作品を振り返ると、日本テレビは『家政婦のミタ』『ハコヅメ』などの人気作を生み出し、フジテレビは複数回の枠再編を経て現在の水10ドラマを展開してきた。
今後の評価では、地上波の視聴率に加え、TVerの見逃し再生数やNetflix・Disney+などの配信実績も見逃せない。
水10ドラマを選ぶなら、放送局の名前だけでなく、作品のジャンル、制作体制、配信先、視聴者からの反響まで比較することがポイントだ。
2026年秋の2作品は、テレビドラマが地上波と世界配信の両方でどのように視聴者を獲得していくのかを考えるうえでも、興味深い存在となっている。
主な参考資料:フジテレビ公式番組発表・作品公式サイト、日本テレビ公式番組発表・作品公式サイト、ビデオリサーチ視聴率資料、マイナビニュースのテレビ編成分析、ランキングー!の視聴者アンケート。