最初に、映画『キングダム』シリーズ5作品の興行収入を整理する。
第1作から第4作までの興行収入と観客動員数は、スターダストプロモーションが公開したシリーズ成績一覧に掲載されている。第5作については、東宝の公式発表と、その後の興行成績集計を区別して確認する必要がある。
歴代5作品の興行収入一覧| 公開年・作品 | 興行収入 | 観客動員数・記録 |
|---|---|---|
| 2019年『キングダム』 | 57.3億円 | 430万人 |
| 2022年『キングダム2 遥かなる大地へ』 | 51.6億円 | 366万人 |
| 2023年『キングダム 運命の炎』 | 56.0億円 | 392万人 |
| 2024年『キングダム 大将軍の帰還』 | 80.3億円 | 546万人 |
| 2026年『キングダム 魂の決戦』 | 約69.0億円 | 26日間で335万4231人、61日間で438万人 |
第1~4作は公表されたシリーズ成績。第5作の約69.0億円は2026年10月21日時点の興行成績集計値であり、最終確定興収ではない。
興行収入の歴代ランキング2026年10月21日時点の第5作の集計値を反映すると、ランキングは次のようになる。
1. 第4作『キングダム 大将軍の帰還』:80.3億円
2. 第5作『キングダム 魂の決戦』:約69.0億円
3. 第1作『キングダム』:57.3億円
4. 第3作『キングダム 運命の炎』:56.0億円
5. 第2作『キングダム2 遥かなる大地へ』:51.6億円
ここで注目したいのは、第5作がすでにシリーズ歴代2位の水準に達していることだ。
第4作の80.3億円には及ばないものの、第1作の57.3億円を約11.7億円上回る。シリーズ初期のヒット規模を超える成績を記録している。
ただし、第5作はまだ最終興収が確定した数字ではないため、今後の集計によって順位や金額が変わる可能性がある。
第4作『大将軍の帰還』が80.3億円を記録した理由シリーズ最高記録を生み出したのが、2024年公開の『キングダム 大将軍の帰還』だ。
第3作『運命の炎』の56.0億円から、24.3億円も増加した。
この大幅な上昇を考えるうえで重要なのが、物語の連続性である。
『運命の炎』では、馬陽の戦いを中心に信や王騎将軍を取り巻く物語が描かれた。その展開を受け継ぐ『大将軍の帰還』は、シリーズを追いかけてきた観客にとって、物語上の大きな到達点となった。
単独作品としての迫力だけでなく、前作から積み重ねてきた登場人物の関係性や感情が、鑑賞体験を強めたと考えられる。
また、シリーズを通して主人公・信を演じる山﨑賢人と、王騎将軍役の大沢たかおら主要キャストの存在も、作品の継続的な訴求力を支える要素だ。
【最新作の興行収入】『魂の決戦』51.6億円は通過点だった?2026年最新成績

2026年7月17日に公開された第5作『キングダム 魂の決戦』は、公開直後から大きな興行成績を記録した。
原作は原泰久の漫画『キングダム』。監督は佐藤信介、脚本は黒岩勉と原泰久が担当している。
物語の中心となるのは、秦国と六国による国家存亡を懸けた攻防戦だ。原作でも人気の高い合従軍編を映像化し、シリーズ最大規模の戦いを描く。
公開26日間で51億6475万円を突破2026年8月12日、配給会社の東宝が発表した成績は次のとおり。
『キングダム 魂の決戦』公開26日間の成績51.6億円
興行収入335.4万人
観客動員数
2026年8月11日までの実績
興収51億6475万5800円
動員335万4231人
東宝発表・2026年8月12日
この数字によって、映画『キングダム』シリーズは邦画実写映画史上初となる5作品連続興行収入50億円超えを達成した。
加えて、当時の2026年公開邦画実写映画の興行収入ランキングでも1位を記録した。これは興行通信社の調べに基づく発表だった。
10月現在は約69億円まで上昇51.6億円という数字だけを見ると、第5作の最終興収と誤解する可能性がある。
実際には、その後も成績は伸びている。
東宝が2026年9月16日に掲載したヒット御礼舞台挨拶の報告では、9月15日までの公開61日間で観客動員438万人、興行収入66.8億円超えを記録した。
加えて、2026年10月21日時点の興行成績集計では、累計興行収入は約69.0億円となっている。
つまり、公開26日間の51.6億円はあくまで途中経過であり、その後も約17.4億円を積み上げたことになる。
なお、9月15日の東宝発表値66.8億円と、外部集計の66.7億円には丸め方や集計時点による差がある。最新の約69.0億円も、配給会社による最終確定発表とは区別して扱いたい。
【シリーズ累計興行収入】5作品で約314億円規模に到達
映画『キングダム』シリーズの強さを示すもう一つの指標が、累計興行収入だ。
2026年6月2日に東宝が公開した第5作のワールドプレミア関連情報では、第4作までの4作品について、シリーズ累計動員1734万人、興行収入245億円超えと紹介されている。
スターダストプロモーションが公表した成績一覧では、累計興行収入は245.2億円となっている。
第5作を加えた累計金額計算すると、以下のようになる。
| 対象 | 興行収入 |
|---|---|
| 第1作~第4作 | 245.2億円 |
| 第5作『魂の決戦』 | 約69.0億円 |
| 5作品合計 | 約314.2億円 |
この314.2億円は、第4作までの公表値と、第5作の2026年10月21日時点の集計値を合算した参考値である。
現時点でのシリーズ累計を把握するには、非常に有効な目安となる。
なぜ5作品連続で50億円を超えられるのかシリーズの成功には、複数の要因が重なっている。
1.原作漫画の知名度と物語の蓄積
原泰久による原作漫画は2006年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されている。2026年3月時点では単行本79巻、累計発行部数1億2000万部を突破した。
映画を観る前からキャラクターや物語を知っている読者が存在することは、実写映画にとって大きな強みだ。
2.シリーズを通したキャストの継続
山﨑賢人が信を演じ続け、吉沢亮が嬴政を演じるなど、主要キャストが作品間の連続性を担っている。
一作ごとに出演者や世界観が大きく変わる作品とは異なり、観客が登場人物の成長を追い続けられる。
3.原作者が映画制作に参加している
原泰久は原作を提供するだけでなく、映画の脚本にも参加している。
第1作、第2作、第3作の公式スタッフ情報でも、原作者本人が脚本に関わっていることが確認できる。原作の世界観を映画の尺に合わせて再構成する際、こうした関与は重要な意味を持つ。
4.大規模な劇場展開
第5作は公開時に全国521館で上映され、IMAX、MX4D、4DXなどの上映形式にも対応した。公開翌週には上映館が全国554館に拡大された。
大画面や体感型上映との相性がよいアクション映画であることも、劇場で観る動機につながる。
【作品と関係者の相関】原泰久・山﨑賢人・東宝が支えるキングダム映画
興行成績を理解するには、作品だけでなく、原作者、主演俳優、監督、配給会社の関係も押さえておきたい。
映画『キングダム』は、原作漫画を中心に、映画制作と劇場公開を担う複数の関係者によって展開されている。
| エンティティ | 主な役割・関係 | シリーズとの関係 |
|---|---|---|
| 原泰久 | 原作者・脚本 | 漫画の世界観を実写映画に反映 |
| 山﨑賢人 | 主演・信役 | 5作品を通して主人公を演じる |
| 吉沢亮 | 嬴政役 | 秦国の若き王を演じる |
| 佐藤信介 | 映画監督 | シリーズの映像表現を担う |
| 黒岩勉 | 脚本 | 原作を映画用の物語に構成 |
| 東宝 | 配給会社の一つ | 公開・興行展開に関与 |
| ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント | 配給会社の一つ | 東宝とともに配給を担当 |
| 集英社 | 原作出版社・製作幹事 | 原作と映画プロジェクトをつなぐ |
山﨑賢人にとって、『キングダム』は代表的な主演シリーズの一つだ。
2019年の第1作から2026年の第5作まで、同じ主人公・信を演じ続けている。
単発の主演映画で大きな興行収入を記録することと、複数作品にわたって観客を劇場に呼び込むことは、俳優のキャリアという観点でも異なる意味を持つ。
『キングダム』の場合、作品の成長とともに信という人物の成長を表現し続けている点が特徴だ。
佐藤信介監督が目指す映像表現第5作でも監督を務めた佐藤信介は、2026年6月のワールドプレミアで、シリーズ制作への思いを語っている。
「エンターテインメントど真ん中の、生粋の作品を届けるんだ」
これは、東宝が掲載したワールドプレミアイベントの監督コメントの一部だ。
シリーズが5作品まで継続している背景には、毎回前作を超える映像体験を目指す制作側の姿勢もある。
東宝の発表と興行通信社のランキングはどう違う?興行成績を調べる際には、情報の出所にも注意したい。
- 東宝の公式発表: 配給側から発表される特定期間の興行収入・動員数。
- 興行通信社: 映画の週末ランキングや興行成績の調査・集計を行う情報源。
- 日本映画製作者連盟: 年間の映画興行統計や10億円以上の作品別成績を公表する業界団体。
- 映画情報サイト: 公式発表や週次の集計情報などを整理して掲載する。
日本映画製作者連盟の年間統計は、年間の映画市場を比較するうえで有用だが、公開中の作品のリアルタイムな興行成績を確認する用途とは異なる。
【プロの結論】キングダムの興行収入は「50億円」だけで評価しない
映画の興行成績を比較するとき、最も注意したいのは、数字の意味を混同しないことだ。
興行収入とは、映画館での有料入場料金の総額を指す。制作会社の利益や配給会社の取り分そのものではない。
ITmediaビジネスオンラインの映画ビジネス解説でも、興行収入と配給収入は区別して説明されている。劇場側と配給側で収益が分配され、さらに製作費や宣伝費なども関係するため、興行収入だけで作品の利益を判断することはできない。
興行収入を比較するときの3つの判断基準① 最終興収と途中経過を区別する
第5作の51.6億円は公開26日間の成績であり、最終興収ではない。
2026年10月21日時点では約69.0億円まで伸びている。検索結果や記事で51.6億円と69.0億円が併記されていても、必ずしも数字の矛盾ではない。
② 興収だけでなく観客動員数も確認する
興行収入が同じ作品でも、平均鑑賞料金や上映形式によって動員数は変わる。
例えば、第4作は80.3億円、546万人を記録している。金額と人数の両方を見ることで、ヒットの規模をより正確に把握できる。
③ 作品単体とシリーズ累計を分ける
『大将軍の帰還』の80.3億円は単独作品の成績だ。
一方、シリーズ累計245.2億円は第4作までの合計である。第5作を加える場合は、対象作品と集計時点を明示する必要がある。
キングダム映画はどんな人におすすめ?興行成績からシリーズの魅力を読み取るなら、次のような観点が参考になる。
- 原作ファン:漫画の名場面が実写でどう表現されているかを楽しめる。
- アクション映画ファン:大規模な戦闘や集団戦、映像演出を重視する人に向いている。
- シリーズ作品が好きな人:信や嬴政などの人物の成長を作品ごとに追える。
- 興行成績を研究する人:同じ原作・監督・主演俳優による複数作品の成績推移を比較できる。
反対に、史実を忠実に再現した歴史映画や、原作をそのまま映像化した作品を求める人は、映画独自の再構成や演出を理解したうえで鑑賞するとよい。
【キングダム映画興行収入】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キングダム映画で興行収入が最も高い作品は?
『キングダム 大将軍の帰還』で、興行収入80.3億円を記録している。2024年公開のシリーズ第4作であり、歴代最高記録だ。
Q2:『キングダム 魂の決戦』の興行収入は51.6億円で確定?
確定した最終興収ではない。51.6億円は2026年8月11日までの公開26日間の数字。9月15日までに66.8億円超え、10月21日時点の集計では約69.0億円に達している。
Q3:キングダム映画シリーズの累計興行収入はいくら?
第4作までの公式公表値は245.2億円。第5作の約69.0億円を加えると、2026年10月21日時点で約314.2億円となる。
Q4:キングダム映画は5作品連続で50億円を突破した?
そのとおり。2019年の第1作から2026年の第5作まで、全作品が50億円を超えた。邦画実写シリーズ史上初の記録として2026年8月12日に発表された。
Q5:キングダム映画の主演は誰?
5作品すべてで山﨑賢人が主人公・信を演じている。吉沢亮、橋本環奈などのキャストもシリーズを支えている。
Q6:第5作『魂の決戦』の興行収入は第4作を超えた?
2026年10月21日時点では約69.0億円であり、第4作の80.3億円には届いていない。ただし、歴代シリーズでは第2位の成績となっている。
2026年10月現在、映画『キングダム』シリーズは、日本の実写映画シリーズでも際立った興行実績を残している。
第1作57.3億円、第2作51.6億円、第3作56.0億円、第4作80.3億円と続き、第5作『魂の決戦』も公開26日間で51.6億円を突破。その後も約69.0億円まで成績を伸ばした。
シリーズ全体では、第4作までの公式累計245.2億円に第5作の集計値を加え、約314.2億円規模に到達している。
特に評価したいのは、単独作品の最高記録だけではなく、5作品すべてが50億円を超えている点だ。原泰久の原作、山﨑賢人を中心としたキャスト、佐藤信介監督の映像演出、東宝などによる劇場展開が長期的なヒットを支えてきた。
今後の注目点は、第5作がどこまで80.3億円に迫るか、そしてシリーズ累計が最終的にどこまで伸びるかだ。
キングダム映画の興行収入を正しく比較するなら、公開途中の数字と最終成績、単独作品の記録とシリーズ累計を分けて見ることが大切だ。 その視点で振り返ると、2026年の『魂の決戦』は、シリーズの人気が一過性ではなく、長期にわたって維持されていることを示す重要な作品となっている。