映画『青夏 きみに恋した30日』は、都会育ちの女子高生と田舎で暮らす男子高校生が、夏休みという限られた時間のなかで育む恋を描いた青春ラブストーリーです。2018年8月1日に公開され、葵わかなと佐野勇斗がダブル主演を務めました。原作は南波あつこの人気少女漫画『青夏 Ao-Natsu』。夏の終わりが近づくほど強くなる恋心と、離ればなれになることへの切なさが物語の軸になっています。
2026年現在も、Mrs. GREEN APPLEの「青と夏」「点描の唄」とともに作品を思い出す映画ファンは少なくありません。この記事では、映画のあらすじ、葵わかなと佐野勇斗の役どころ、キャスト一覧、原作漫画との違い、恋の結末、三重県のロケ地、作品の評判まで、公式作品情報や出版社の資料をもとに整理します。
【あらすじを解説】青夏 きみに恋した30日はどんな映画?

『青夏 きみに恋した30日』の主人公は、運命の恋に憧れる都会育ちの高校1年生・船見理緒です。夏休みの間、祖母が暮らす自然豊かな田舎で過ごすことになった理緒は、そこで地元の高校生・泉吟蔵と出会います。
理緒を待っていたのは、東京では経験できないような夏の日々でした。川遊び、花火、夏祭り、ひまわり畑。自然に囲まれた環境で、理緒は吟蔵と少しずつ距離を縮めていきます。
都会育ちの理緒と田舎育ちの吟蔵の出会い理緒は、セミを素手で捕まえるような無邪気さを持った女の子です。一方の吟蔵は、少しぶっきらぼうながら、根は優しい地元の高校生。理緒は吟蔵から魚のいる場所を教えてもらうなど、何気ない交流を通じて彼に惹かれていきます。
ところが、2人の関係は最初から順調だったわけではありません。
吟蔵は、理緒の祖母が営むそば屋を手伝うなど、以前から祖母のことを気にかけていました。理緒が祖母の孫だと知った際には、家族に祖母を任せきりにしていると思い込み、態度を変えてしまいます。
誤解から衝突する2人ですが、事情を理解した吟蔵が謝罪し、やがて仲直り。ここから一緒に過ごす時間が増え、理緒の恋心はさらに大きくなっていきます。
婚約者の万里香と理緒に思いを寄せる祐真2人の恋を複雑にするのが、吟蔵の幼なじみで婚約者でもある万里香の存在です。理緒は吟蔵に婚約者がいると知りながらも、気持ちを簡単には諦められません。
加えて、東京で知り合った菅野祐真も理緒に好意を抱いています。祐真は理緒に対して、夏休みが終わったら付き合ってほしいと告白します。
この出来事を目撃した吟蔵は、自分でも抑えられなくなっていた理緒への気持ちを口にします。
しかし、2人には大きな問題がありました。それは夏休みが終われば、理緒は東京へ帰らなければならないという現実です。吟蔵も、自分は村から離れられないと思い込んでいました。
【ネタバレ】理緒と吟蔵の恋の結末は?物語の後半では、2人は互いの気持ちを確かめ合い、夏休みの間だけでも一緒にいたいと願うようになります。
しかし、別れが近づくにつれて理緒は寂しさを抱え、夏休みの最終日を待たずに東京へ戻ってしまいます。吟蔵は理緒を追いかけ、近鉄加茂駅へ向かう場面が描かれます。
映画の物語は、単に夏休み限定の恋人になって終わるわけではありません。吟蔵は自分の将来について考え直し、以前から抱いていたデザインの夢を追うため、東京へ出る決断をします。
そして、離れていた2人は東京で再会します。
2人の恋は、夏休みの終わりによって終わるのではなく、それぞれが自分の未来を選ぶことで新しい一歩を踏み出す結末です。期間限定だった恋が、未来につながる関係へと変わっていく点が、この作品の大切なメッセージになっています。
【キャスト一覧】葵わかな・佐野勇斗を中心とした出演者と役どころ
本作の魅力のひとつは、若手俳優を中心としたキャスト陣です。主演の葵わかなと佐野勇斗をはじめ、モデルや俳優として活躍する出演者が集まり、それぞれの恋愛模様を演じています。
以下は、映画の主要キャラクターと出演者の一覧です。
| キャラクター | 出演者 | 役どころ・人物関係 |
|---|---|---|
| 船見理緒 | 葵わかな | 運命の恋に憧れる都会育ちの高校1年生。物語の主人公。 |
| 泉吟蔵 | 佐野勇斗 | 理緒が恋に落ちる地元の高校3年生。将来の夢を抱えている。 |
| 大鳥万里香 | 古畑星夏 | 吟蔵の幼なじみで婚約者。 |
| 菅野祐真 | 岐洲匠 | 理緒に好意を寄せる男子高校生。 |
| 桜田あや | 久間田琳加 | 理緒の東京の友人。 |
| 皆見ナミオ | 水石亜飛夢 | 吟蔵の友人。 |
| 永村さつき | 秋田汐梨 | 上湖の高校生仲間。 |
| 浅島タカヤ | 志村玲於 | 地元の高校生仲間。 |
| 船見奈緒 | 霧島れいか | 理緒の母親。 |
| 船見颯太 | 南出凌嘉 | 理緒の弟。 |
| 成瀬美緒 | 白川和子 | 理緒の祖母。 |
| 泉醸二 | 橋本じゅん | 吟蔵の父親。 |
理緒は、運命の出会いを信じるまっすぐな性格の女子高校生です。都会での生活に慣れている一方、田舎での夏休みを通して、これまで知らなかった人間関係や自然の魅力に触れていきます。
葵わかなの演技で注目したいのは、恋をしたときの素直な表情と、好きな人との別れを意識したときの揺れる気持ちです。
理緒は、吟蔵に婚約者がいると知っても、自分の感情から逃げません。相手の気持ちを尊重しながらも、自分の好きという思いを伝えようとする姿が、物語を前に進めます。
葵わかなはNHK連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインを務めたことでも知られ、本作では等身大の高校生を演じています。
佐野勇斗が演じる泉吟蔵の役どころ泉吟蔵は、地元で暮らす高校3年生です。ぶっきらぼうな態度を見せることもありますが、祖母を気遣う優しさを持っています。
理緒と出会うことで、吟蔵は自分の将来についても向き合うようになります。村から離れられないという思いと、デザインの仕事に挑戦したいという夢の間で揺れる姿が、恋愛以外の見どころです。
佐野勇斗にとって、本作は映画初主演作としても知られています。ボーカルダンスユニットM!LKのメンバーとしての活動と並行して俳優としても活躍しており、理緒に対する不器用な優しさを自然に表現しています。
古畑星夏・岐洲匠が演じる恋のライバル古畑星夏が演じる万里香は、吟蔵の幼なじみで婚約者という立場にあります。理緒にとっては恋の障壁となる存在ですが、単純な悪役として描かれているわけではありません。
一方、岐洲匠が演じる祐真は、理緒に対して一途な気持ちを持つ人物です。吟蔵とは異なる形で理緒を思いやり、彼女に自分の気持ちを伝えます。
この2人が加わることで、物語には三角関係だけでは説明できない複雑な感情が生まれます。
【原作漫画との違い】南波あつこの『青夏 Ao-Natsu』と映画版を比較
映画『青夏 きみに恋した30日』の原作は、南波あつこによる少女漫画『青夏 Ao-Natsu』です。講談社の少女漫画誌「別冊フレンド」で2013年から2017年にかけて連載され、全8巻で完結しました。
原作者の南波あつこは、『先輩と彼女』『スプラウト』『隣のあたし』などの作品でも知られています。恋愛に揺れる若者の心理や、好きな人との距離感を丁寧に描く作風が特徴です。
漫画版と映画版の基本的な違い原作漫画は複数巻にわたって理緒と吟蔵の関係を描くのに対し、映画版は113分の作品として物語を再構成しています。
そのため、映画では主要な恋愛関係と夏休みの出来事が中心となり、漫画では巻を追って描かれる登場人物の心情や周囲の人間関係を、映像作品に適したテンポで見せています。
特に漫画の最終巻では、理緒が東京へ戻った後の心情や、ナミオとさつきの関係も物語の重要な要素になります。講談社の「別冊フレンド」が公開した最終回の紹介でも、理緒が吟蔵と別れた後の出来事や、意外な人物からの電話が物語の転機として紹介されています。
映画では、吟蔵が理緒をバイクで追いかける場面や、東京で再会するまでの流れが視覚的な見せ場になっています。
原作漫画を読んでから映画を見るべき?おすすめは、どちらか一方に限定せず、両方を楽しむ方法です。
映画から入ると、理緒と吟蔵の恋愛を短時間で追いやすく、伊勢志摩の風景や音楽を含めて物語を体験できます。
一方、原作漫画では、映画の限られた時間では描ききれない登場人物の心の動きや、恋愛を取り巻く人間関係をより詳しく楽しめます。
映画を見てナミオやさつきなどの人物が気になった人、理緒と吟蔵の関係をもっと深く知りたい人には、全8巻の漫画版がおすすめです。
【公開日・上映時間・主題歌】映画『青夏』の作品情報
映画の基本情報を整理します。公開日や上映時間は、配給元である松竹の公式作品データベースに掲載されている情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 青夏 きみに恋した30日 |
| 公開日 | 2018年8月1日 |
| 上映時間 | 113分 |
| ジャンル | 青春・恋愛 |
| 主演 | 葵わかな、佐野勇斗 |
| 原作 | 南波あつこ『青夏 Ao-Natsu』 |
| 監督 | 古澤健 |
| 脚本 | 持地佑季子 |
| 音楽 | 得田真裕 |
| 配給 | 松竹 |
| 制作年 | 2018年 |
映画の主題歌を担当したのは、Mrs. GREEN APPLEです。楽曲は「青と夏」。作品の爽やかな青春イメージと重なる楽曲として、映画を象徴する存在になっています。
2018年8月1日に公開された映画と同じ日に楽曲もリリースされました。夏の空気や恋の高揚感を感じさせるサウンドは、映画の映像と相性のよい組み合わせです。
タイトルに「夏」を含むこともあり、作品を知らない人にとっても、夏の青春映画を思い浮かべるきっかけになる楽曲です。
挿入歌は「点描の唄(feat.井上苑子)」もうひとつの注目曲が、Mrs. GREEN APPLEの「点描の唄(feat.井上苑子)」です。
主題歌の「青と夏」が夏の始まりや青春の勢いを感じさせる楽曲だとすれば、「点描の唄」は恋愛に伴う繊細な感情や、相手を思う気持ちを印象づける楽曲です。
映画の恋愛描写と結びついているため、作品を見た後に改めて聴くと、理緒と吟蔵の関係を思い出す人もいるでしょう。
なお、主題歌と挿入歌の情報はTBSの番組作品情報や伊勢志摩フィルムコミッションのロケ地マップにも掲載されています。
【ロケ地・撮影場所】三重県の伊勢志摩が映画の舞台に
『青夏 きみに恋した30日』の大きな魅力は、自然豊かな風景です。作中に登場する上湖村は架空の場所ですが、撮影は三重県の伊勢志摩地域を中心に行われました。
伊勢志摩フィルムコミッションが公開した公式ロケ地マップには、映画に登場する場所と実際の撮影地の対応が掲載されています。
映画に登場する主な撮影スポット- 梅谷百貨店(大紀町):作中の大鳥百貨店として登場する場所。
- 小萩川:吟蔵が理緒に上湖の魅力を教える小川の撮影地。
- 一之瀬神社・旧一之瀬小学校:上湖祭や公民館に関係する場面の撮影地。
- 東宮不動の滝:理緒と吟蔵が願い事をする滝。
- たちばな展望台(鵜倉園地):2人で湖を眺める場面の撮影地。
- 船越海岸:夕暮れのデートシーンに登場する海岸。
- 県立南伊勢高等学校南勢校舎:吟蔵が通う上湖高校の撮影地。
- 切原バス回転場:理緒と吟蔵が初めて出会う場所。
- 大王崎:浴衣姿で訪れる隣町の祭りの撮影地。
- 大王崎見晴台:2人が花火を見る場所。
- 近鉄加茂駅:吟蔵がバイクで理緒を追いかける場面の撮影地。
特に注目したいのは、たちばな展望台と大王崎見晴台です。どちらも映画の印象的な場面に関係しており、自然の広がりを感じられる場所として紹介されています。
また、近鉄加茂駅は物語終盤の重要な場面に関係する撮影地です。映画を見てから訪れると、理緒と吟蔵の気持ちを思い出しながら風景を楽しめます。
ロケ地は三重県内の複数の市町に点在しています。公共交通機関だけでは訪問しにくい場所もあるため、実際に巡る場合は交通手段や施設の見学条件を事前に確認することが大切です。
【評判・感想】青夏 きみに恋した30日の見どころと評価
映画の評価を考える際には、ストーリーだけでなく、映像、音楽、出演者の演技を分けて見ると作品の特徴がわかりやすくなります。
映画レビューサイトFilmarksでは、2026年の確認時点で評価は3.2前後となっており、レビューも5,000件を超えています。これは公式の映画賞や批評家による評価ではなく、鑑賞者による投稿評価です。
評判が集まりやすい3つのポイント1. 田舎の夏を感じられる映像表現
ひまわり畑、川、海、花火、夏祭りなど、夏休みを象徴する風景が数多く登場します。映画の舞台となる上湖村の自然は、恋愛ストーリーを支える重要な要素です。
都会で暮らす理緒が田舎の環境に触れ、吟蔵と過ごす時間を通じて変化していく様子も、風景と一緒に描かれています。
2. 葵わかなと佐野勇斗の初々しい恋愛演技
理緒の積極的な性格と、吟蔵の不器用な優しさ。正反対に見える2人の距離が徐々に縮まる過程が、本作の中心です。
大きな事件よりも、何気ない会話や一緒に過ごす時間に重点が置かれているため、青春恋愛映画らしい雰囲気を楽しめます。
3. Mrs. GREEN APPLEの楽曲と映像の相性
「青と夏」「点描の唄」という2曲は、映画の印象を強める要素です。Filmarksの感想でも、楽曲や自然豊かな風景、夏らしい雰囲気を評価する投稿が見られます。
一方で好みが分かれるポイントもある本作は、複雑な社会問題や重厚な心理サスペンスを描く作品ではありません。物語の中心は、期間限定の恋と将来への選択です。
そのため、ストーリーの意外性や現実的で複雑な人間関係を重視する人には、展開が比較的王道に感じられる可能性があります。
反対に、わかりやすい恋愛模様、爽やかな映像、音楽とともに楽しめる青春映画を探している人には、魅力を感じやすい作品です。
【プロの結論】この映画が描く本当のテーマ『青夏 きみに恋した30日』を単なる夏休みの恋愛映画として見ると、作品の魅力を十分に捉えきれません。
注目したいのは、理緒と吟蔵が恋愛を通して、それぞれの未来を考えるようになる点です。
理緒は好きな人と一緒にいたいという気持ちを持ち、吟蔵は自分の夢と地元での生活の間で悩みます。恋愛だけを優先すれば解決するわけではない問題に直面するからこそ、2人の選択には意味があります。
特に吟蔵がデザインの夢を追うために東京へ向かう展開は、恋愛と自己実現を結びつける要点です。
本作の核心は、好きな人と一緒にいるために自分の未来を諦めるのではなく、自分の夢を選んだ先でも相手と向き合おうとすること。夏休みという限られた時間を描きながら、その先の人生にも目を向けているところが、作品の魅力です。
夏の風景や音楽を楽しみたい人、まっすぐな恋愛を描いた映画が好きな人にはおすすめできます。一方、複雑な恋愛劇やリアリティを重視する人は、王道の青春映画として鑑賞すると満足しやすいでしょう。
【青夏きみに恋した30日の映画情報】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:映画『青夏 きみに恋した30日』の公開日はいつですか?
A1:2018年8月1日です。配給は松竹で、上映時間は113分です。
Q2:映画『青夏』の原作漫画は何巻までありますか?
A2:南波あつこによる漫画『青夏 Ao-Natsu』は全8巻で完結しています。講談社の「別冊フレンド」で2013年から2017年にかけて連載されました。
Q3:理緒と吟蔵は最後に結ばれますか?
A3:はい。映画では夏休みの別れを経て、吟蔵が自分の夢を追うため東京へ向かい、2人が再会する展開が描かれます。
Q4:映画の主題歌と挿入歌は何ですか?
A4:主題歌はMrs. GREEN APPLEの「青と夏」、挿入歌は「点描の唄(feat.井上苑子)」です。
Q5:映画のロケ地はどこですか?
A5:三重県の伊勢志摩地域を中心に撮影されました。小萩川、東宮不動の滝、たちばな展望台、大王崎、近鉄加茂駅などが主な撮影地です。
Q6:映画と原作漫画は結末が違いますか?
A6:どちらも理緒と吟蔵の恋を中心に描いています。ただし、漫画は全8巻の長編として周囲の人物や帰京後の出来事も描く一方、映画は113分に物語をまとめています。細かな描写や展開の違いを楽しみたい人には、両方の鑑賞がおすすめです。
映画『青夏 きみに恋した30日』は、葵わかなと佐野勇斗が演じる理緒と吟蔵の恋を通して、夏休みという限られた時間の尊さを描いた作品です。
2018年8月1日公開、上映時間113分。南波あつこの漫画『青夏 Ao-Natsu』を原作とし、古畑星夏、岐洲匠、久間田琳加、水石亜飛夢らが共演しています。
主題歌「青と夏」と挿入歌「点描の唄」は作品の青春らしさを引き立て、三重県の伊勢志摩地域で撮影された自然豊かな風景も大きな見どころです。
そして、物語の結末で重要なのは、理緒と吟蔵が夏の終わりを乗り越え、それぞれの未来に向かって歩き出すことです。
夏休みの恋という一時的な出来事を描きながら、夢を追うことや大切な人との関係を続けることの意味まで伝えてくれる『青夏 きみに恋した30日』。爽やかな青春映画を見たいときや、夏の終わりに少し切ない恋愛作品を楽しみたいときに、改めて鑑賞したい一本です。